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2017年09月23日 (土)

【ライヴレポート】Scarlet Valse単独公演<Remind of Secret Eden~新たなる大地~>◆9月22日(金)HOLIDAY SHINJUKU

REPORT - 18:47:36

 Scarlet Valseの誕生から数えて6年。でも今年の周年に関しては、生まれ変わったScarlet Valseがここから新たな進撃の狼煙を上げた始まりの日と捉えるべきだろう。

 

 今年1月にRaizo/Shian2人のメンバーを加え、Scarlet Valseは新たなスタートを切った。もちろん、過去を捨てたわけではない。むしろ現在の布陣ならより高みに行ければ、楽曲面でも大きな進化を遂げられる。そう確信を得たからこそ、彼らは今年からの活動に対して「新生Scarlet Valseとして」という言葉を用いだした。

 

  この間、Scarlet Valseはシングル『Lunatic Mind』を制作。そこで飛躍のための確かな手応えを得たからこそ、彼らは周年となる922日を改めて「旅立ちの日」と位置づけた。しかもこの日、新生Scarlet Valseとして作りあげたミニアルバム『Reincarnation』の先行発売も実施。すべては、彼らがどんな風に転生したのかを、まずはScarlet Valseを熱烈に支持するファンたちへ伝えようとしてのこと。

 

  そろそろ、922日にHOLIDAY SHINJUKUを舞台に行われた『Scarlet Valse単独公演「Remind of Secret Eden~新たなる大地~」』の模様を記そうか。

 

  麗しくも荘厳な音色響かせるSETransmigration』が流れると同時に、この空間は一気に時空を超えた魔境の世界へ様変わった。聳え立つ王宮の宴の間には、騎士たちを絶叫で迎える人たちが多く押し寄せていた。高まる熱、その熱の先に5人の騎士たちが示したのは

 

 みずからの転生を告げるよう場内に轟いた『Reincarnation』。なんて麗しく、凛々しく、気高く、何より感情をグッとわしづかみ揺さぶってゆく楽曲だ。激しさと美しさの交錯する音、我が身の転生を宣言するように雄々しく歌うKakeru。その歌声と演奏は広げた真白く大きな翼となり、触れた人たちを抱え込み熱狂の宴の中へ連れ出した。生まれ変わったその翼がはためくたび、そこへは新しい道が生まれてゆく。彼らは『Reincarnation』を通し、そう伝えてきた。

 

  剥きだした牙を突き刺すようScarlet Valseは『Nocturne』に乗せ、猛る演奏を突き付けた。狂と喜を抱いた音に触発され暴れる観客たち。今宵の宴は、まさしく戦いという様が似合いそうだ。

 

 激しく大きく揺れる頭・頭・頭。新生Scarlet Valseの始まりを告げた『Lunatic Mind』を合図に狂乱の様は、さらにヒートアップ。サビに描いた美しく耽美なメロディへ心は魅了されながらも、攻撃的な音の応酬に身体は理性を壊さずにいれなかった。

 

 荘厳華美な調べの幕開け、ヒステリックなリフが脳髄を掻き乱してゆく。刹那でメロウな表情を抱いた『Schwertsubliminal pain~』。その演奏には、逃れたくない心地好い痛みが充満していた。

 

  撮影OKナンバー『Misty Night』が始まったとたん、熱狂する観客たちと、その様をケータイで撮影する人たちとに場内の風景は二分された。その様子は、様々なSNS上に残っているだろうか、ぜひネットで検索を入れ、絶叫飛び交った熱狂の姿を確認していただきたい。

 

  重厚な音を背負い爆走するブラストビート。その演奏の上では、麗美な調べの数々が大きく羽根を広げ舞い踊っていた。美しさも忍ばせ、気高き想いを歌いあげるKakeru。激しい交響曲をバンドの姿を通し体感している感覚を与えた『Neo Sanctuary』。畳みかけるようにぶつけた『Voyage in Chronos』では、左右に跳ねる観客たちの作る振動で床が軋みを上げていた。熱狂は止まらない、むしろ火照る身体へ、彼らは覚めない刺激を次々と注入し続けてゆく。

 

 「我々の物語を一緒に始めようぜ」、Kakeruの声を合図に会場中を包んだ、熱狂と幻想の宴、凛々しき気高さと歓喜な演奏を胸に心泣き揺()らすドラマを告げた『Story』。

 

 「我々Scarlet Valseは不死鳥のようにどんなに汚れようと生まれ変わり続けてゆく」、最新ミニアルバムの中でもメンバー内でひと際支持の高い『Phoenix』こそ、Scarlet Valseが軸にしているシンフォニック/ラウド/刹那/メロウな魅力へ歓喜と興奮の刺激を塗して構築した楽曲。触れた人たちを恍惚へ導くその歌は、これからもScarlet Valseのライブに於いて人の心を魅了する楽曲として語り継がれるに違いない。

 

  ここまでは、最新ミニアルバム『Reincarnation』を中心に構成。新生Scarlet Valseの魅力を止むことなく叩きつけてきた。ここからは、これまでのScarlet Valseが持ち味にしていた曲たちを、新生Scarlet Valseがどう転生させたかを味わえるブロックへ。

 

 「親愛なる君たちへこの曲を贈ります」。汚れなき気高い旋律が場内へ広がり出した。メロウで耽美な、胸に閉まっていた愛しき想いを音に変え告白するよう心へ響かせたのが、壮麗なバラードの『Dear』。サビではKakeruに導かれ、舞台へ想いを届けるように歌う人の姿も。温かい気持ちのやり取りに強い絆を感じた人たちも多かったに違いない。

 

  荒ぶる雷神の如き重轟音なドラムプレイを通し、聴覚を一瞬奪うほど会場中の人たちの鼓膜を震えさせたYo-heyのドラムソロ。一転、心に滴を落とすピアノの旋律の上で、仲間たちと途切れない関係を約束するようにKakeruがソロで歌った『Promise』。

 

  宴は、ここから二つ目の熱狂の晩餐を並べ出した。SEDawn of the Circus』が荘厳に、勇壮に響き始めた。ふたたびメンバーたちが舞台上へ姿を現した。そして

 

  理性という箍を一気にぶち壊し、観客たちが激しく頭を揺さぶる。『The Name of Valse』が連れ出したのは、狂気と狂乱が彩る宴の場。Kakeruの煽りに刺激を受け、激しく身体を折り畳む観客たち。サビに描き出した高揚のメロディに心震えながらも、胸へ突き刺した衝撃に理性を壊さずにいれなかった。

 

  「揺らせ!!」「飛べ!!!」、感情を触発してゆくKakeruの煽り声。荘厳かつ重厚で猛々しい『娼年-Prostitution Actor-』が、もっともっと理性を失くしてしまえとけしかけてきた。狂ったように頭と拳を振り翳し野獣と化す観客たち。『揚羽蝶乃夢』が、会場にいる美しい蝶たちを本性を剥き出した蛾に変えてゆく。Scarlet Valseが舞台上から撒き散らす音の鱗粉に塗されたが最後、本性を晒し、その演奏へ立ち向かわずにいれなくなる。飾りを外し、心を裸に抱き合いたくなってゆく。

 

  ファンキーなブラスの音色が場内へ鳴り響く。Scarlet Valseが高らかに打ち鳴らしたファンファーレは『Shadow’s Game』に姿を変え、観客たちを熱狂のダンスパーティへ導いた。身体を横揺れさせながら、時にその身をくるくる回し、誰もが妖しい宴の中へ溺れていた。終盤には逆ダイ描く光景も登場。野生の心になった美しきモンスターたちがぶつかりあう光景は、なんて壮観だったことか。

 

  ゴシック/ダーク/刹那/美メロウな要素を激しく磨り潰した、黒い衝動抱いた歌系ナンバーの『MASK』。心に大きな翼を広げ、ふたたび輝く空(未来?)へ飛び立とうと呼びかけた『Everlasting Life』。感情の内側から沸き上がる高揚は、何時しか背中に二つの翼を授け、彼らと共に夢へ向かい羽ばたいていた。振り上げた二つの腕には、確かに風を感じる羽根が生えていた。

 

  幻惑の宴へ導く重厚なマーチングの音。その演奏は、一気に畳みかける漆黒の轟音に塗り変わっていた。何も考える必要はない。舞台上からあふれ出る『Darkness Circus』を身体中に浴びながら、感じるままにはしゃげばいい。右へ左へ駆けながら、Scarlet Valseが魅せたスリリングな演目へ共に参加し、ヤバい刺激を思う存分味わい続ければいい。

 

  狂気に支配された儀式はクライマックスへ。本編最後を飾った『Virginal Blood』へ、全身全霊を傾け戦いを挑む観客たち。その気迫を喰らい、さらに大きな興奮の波動に変え客席へぶつけてゆくメンバーたち。延々と続く逆ダイの応酬。そこへは野生と野生が、獣と獣が、興奮と恍惚を極限まで高め混じり合う本性の結合が生まれていた。

 

  熱を求める人たちの気持ちを、あえて大きく包み込むように歌いかけた『GARDENClair de lune~』。アンコールの声を受けScarlet Valseは、新たな物語を、冷めぬ熱狂が沈殿したこの空間へ染み込ませだした。場内に無数に咲き誇った、大きな両手を広げた花たち。「これからまたさらに君たちと一緒に」。火照った感情を熱を持った両腕でギュッと抱きしめるように響いた、美しくメロウな『La neige』。フロアー中の人たちが両隣の人と手を繋ぎ、優しい子守歌のような『La neige』に優しく身を預けていた。

 

  突き上がる無数の拳。「その気持ちをぶつけなさい」、Kakeruの煽動とスリリングな演奏に、突き上げた拳も感情も誰も降ろしたくはなかった。いや、降ろせるわけがない。『Rose Cruel Scar』へ導かれるままに心ひれ伏したい。猛進する野獣となって逆ダイし続けたい。勇むこの感情、しっかり舞台上で受け止めてくれよな。

 

 「今日は、ここが世界の中心です」(You)。火のついた感情を、互いにとことんまで燃え尽くそうと、ふたたびメンバーは舞台へ姿を現した。二度目のアンコールは、眩い光を全身へ降り注ぐように『Angelic Sky』からスタート。心に輝きを与える歌と演奏に触発された揚羽蝶(ファン)たちは、その翼を羽ばたかせ、無邪気な笑顔で飛び跳ね続けていた。

 

  「限界を超えて、存在理由を証明しよう」、やはりScarlet Valseには黒い熱狂がお似合いだ。激しく轟く『Raison d’etre』へ嬉しく身を預け熱に溺れてゆく観客たち。騒ぐ人たちの興奮が生み出した軋む床の振動が、この日の熱狂の証拠だ。

 

 「すべてを置いて、一緒に観に行こう」、最後の最後にScarlet Valseが突き付けたのが『Secret Eden』。歓喜した高揚が身体中を突き上げてゆく。激しく唸るロックな交響曲と魂に歓喜を沸き上がらせる歌に、嬉しい震えが止まらない。今宵も彼らに音楽でイカ(生か)されてしまったようだ。

 

 「6年間Scarlet Valseをやってこれたのはみんなおかげです。いろんなことがあってね、去年はマジでScarlet Valseを終わらせようと思ったんだよね。だけどYo-heyが入って、RaizoShianが入ってすごく勢いをもらったんです。夢半ばにして解散や引退をしてゆく仲間たちの姿をいろいろ見てきた中、彼らの想いを受け止めるたびにやるしかないじゃんとなって、それで今があります。Scarlet Valseはみんなのものだと思っています。また一つずつ階段を登って、また素敵な景色を観たいなと思います。もっともっといい景色を観たいし、観せたいです」(Kakeru)

 

  この日、Kakeruが衣装へ身につけた黒い片翼。もう一つの黒い翼は、この日のライブを通し間違いなくKakeruの身に、Scarlet Valseの片翼として備わった。

 

  Scarlet Valseは、来年3月に東名阪を舞台にした次のワンマンツアーを発表した。何故、この時期に単独公演を行うのか、彼らは深い意味を持ってそれを決めた。その理由を、今度はあなた自身で想像を巡らせ探っていただきたい。

 

TEXT:長澤智典

 

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CD情報★

Scarlet Valse Mini AlbumReincarnation

2017927日発売

 

新体制Scarlet Valse第二弾作品発売決定!

「生」と「死」の狭間から生まれ変わり、新たなる翼を広げ羽ばたく!

 

型番:SWSV-007

発売元:Starwave Records

販売元:FWD Inc.

価格:2,700(税込)

仕様:CD

限定:完全限定500

CD 収録曲:

1. Transmigration

2. Reincarnation

3. SchwertSubliminal pain

4. Neo Sanctuary

5. Virginal Blood

6. Phoenix

7. Everlasting Life

 

ご購入方法:

オンラインショップでのご購入

http://dlonline.ocnk.net/

全国のCDショップでのお取り寄せ

CDショップでのお取り寄せ

全国のCDショップにて取り寄せが可能です。取り寄せをされる時にはお店のほうに「流通 FWD Inc.」「アーティスト名 Scarlet Valse」「タイトル名 Reincarnation」「型番 SWSV-007」をお伝え下さい。

INFORMATION

CDに関する問い合わせ先 E-MAIL: info@starwaverecords.jp

 

LIVE・インストア情報★

 

Scarlet Valse東名阪ワンマンツアー

Remind of Secret Eden ~美しき深紅の舞踏会~」

201835()心斎橋JUZA

201836()RAD

2018327()渋谷clubasia

詳細は後日発表

 

2017.09.24 (Sun) ブランドエックス

2017.09.24 (Sun) 池袋BlackHole

2017.09.29 (Fri) HOLIDAY SHINJUKU

2017.10.03 (Tue) 1300 SKULL ROSE福岡店

2017.10.03 (Tue) 福岡DRUM Be-1

2017.10.05 (Thu) 11:00 ライカエジソン大阪店

2017.10.05 (Thu) 心斎橋Bigtwin Diner SHOVEL

2017.10.06 (Fri) 12:00 ライカエジソン名古屋店

2017.10.06 (Fri) HOLIDAY NEXT NAGOYA

2017.10.11 (Wed) 13:00 新潟ロクスタ

2017.10.11 (Wed) 新潟CLUB RIVERST

2017.10.12 (Thu) 15:00 littleHEARTS.仙台店

2017.10.12 (Wed) 仙台Space Zero

2017.10.16 (Mon) 池袋RUIDO K3

2017.10.24 (Tue) HOLIDAY SHINJUKU

2017.11.17 (Fri) 目黒ライブステーション 

 

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-SET LIST-

SE(Transmigration)

Reincarnation

Nocturne

Lunatic Mind

Schwertsubliminal pain~』

Misty Night

Neo Sanctuary

Voyage in Chronos

Story

Phoenix

SMC

Dear

Drum Solo

Promise(Vocal Solo)

SE(『Dawn of the Circus』)

The Name of Valse

『娼年-Prostitution Actor-

『揚羽蝶乃夢』

Shadow’s Game

MASK

Everlasting Life

Darkness Circus

Virginal Blood

En1

GARDENClair de lune~』

La neige

Rose Cruel Scar

En2

Angelic Sky

Raison d’etre

Secret Eden




2017年09月23日 (土)

【ライヴレポート】Chanty 4th Anniversary oneman『Chantyの世界へようこそ』◆2017年9月16日(土)TSUTAYA O-WEST◆「もう一度、旅を始めましょう──。」

REPORT - 12:13:35

Chanty 4th Anniversary oneman

Chantyの世界へようこそ』

2017916日(土)TSUTAYA O-WEST              

 

 

衝撃のニュースとともに活動休止が発表されたのが今から5か月前。

たださえ不祥事や悲しいニュースの多かったこのシーンだが、まさかその中でChantyの名を見ることになるとは、思ってもみなかった。

 

1人でも欠けたらChantyを辞める」そんな思いで走ってきた彼らが、4人で活動していくという苦渋の決断を下し、これからもChantyとして歩んでいくことを決めた。

復活の舞台は毎年行っているTSUTAYA O-WESTでの周年ライヴだ。

会場は彼らの帰りを待つ大勢のファンで埋め尽くされ、異様な熱気が漂っていた。

 

幕開けと同時に始まったSEでは、メンバーそれぞれが力強く繊細にインストゥルメンタル曲を演奏し、そのまま1曲目「ソラヨミ」へ。

「無限ループ」、「やんなっちゃう」とライヴでの定番曲が続き、Chantyの世界が始まったことを感じさせてくれるセクションだ。

「やんなっちゃう」では、「オイ!オイ!」とVo.芥が煽らずとも会場には割れんばかりの声が沸き上がり、ファンがいかにこの日を待ちわびていたかを痛感させられた。

 

5か月間ご心配おかけしました。言いたいことはいっぱいあるんですが、僕たちはとりあえず曲をやりたいです皆さん。

どうでしょう?」と芥が一声かけ、ファンからの声援を受け取ると間髪入れずに「おとなりさん」へ。

キャッチ―な一面をのぞかせたかと思うと、鋭い激しさの光る「滅菌、消毒、絆創膏。」はGt.千歳の奏でる不安定なメロディが印象的な1曲。

そして不安定なまま続く「今夜未明」で訪れる静寂に、観客はもちろんのこと誰しもが息をのんだ。

 

その後、「ねたましい」では地の底まで落とされるような救われない感情が映し出され、続く「比較対象」はこの日会場限定シングルとしてリリースされた楽曲。

今までのChantyらしさは歌いながらも、がむしゃらにかき鳴らすようなロックサウンドで今までになく泥臭いアプローチをしていく。

 

「ひどいかお」「絶対存在証明証」とここまで言葉なくライヴが進んできたせいか、芥の歌う言葉の一つひとつがいつも以上にしっかりと胸に響いてくる。

 

そして「ミスアンバランス」でフロアと踊り狂えば、「かかってこいよ!!」と激しく煽られ始まった「衝動的少女」、芥はステージから身を乗り出しファンからの声援を全身で受け止めにいく。

 

続いて披露された「終わりの始まり」は、Chantyのすべてが始まった曲。先ほどのアグレッシブさとは打って変わり、しっかりと前を見据え力強く言葉を紡ぐ姿に胸が熱くなった。

そして狂気的で一途な愛を荒々しくも繊細に歌った「貴方だけを壊して飾ってみたい」を届けると、ぽつりと口を開いた芥。

 

「ただこの半年間見てきたものは夢でも希望でもなく現実でした。これで終わりにしましょう。」とつぶやき、始まった「不機嫌」。

リリース後すぐに活動休止となってしまったため、あまりライブでは披露できていなかった楽曲だ。

彼ららしく痛いところを突いて歌ったこの曲で、汚いものまですべて見せるように一音一音を叩き込む姿が印象的だった。

 

本編を一気に駆け抜け、ステージを後にしたメンバー。

すぐさま盛大なアンコールが響き渡る会場に現れたスクリーンに、「比較対象」のMVとともにChantyからの嬉しい3つのお知らせが流れた。

 

そして4周年の記念Tシャツに着替え再び現れたメンバー。

客席からの「おかえり!」の言葉に「ただいま。」と笑顔で返し、「もう一度、旅を始めましょう」と「奏色」を演奏。

張りつめた本編が終わり、少し緊張が解けたのかメンバーそれぞれ少しだけ柔らかな表情が見えた。

 

1番に口を開いたのは千歳。

「ただいまって言える場所があるって改めて嬉しいことだと思うし、本当に俺たちは幸せです。ありがとう!」と千歳らしく純粋な気持ちを述べたかと思えば、「久しぶりのライヴで拓ちゃんがめっちゃ緊張してる(笑)。」と暴露。

本編が終わりアンコールになった今でも「ずっと手が震えてる。」と言うほど緊張していた様子のBa.野中拓に、Dr.成人は、ファンからの声援に思わず涙ぐみながらも「ただいま!」と元気に答えた。

 

その後も、この日のお弁当は千歳が日ごろからお世話になっている先輩SoanTwitterでおねだりした叙々苑弁当であるとか、休止中にメンバーみんなでフェスに行った話、芥の新しく買ったギターがチーズケーキみたいでダサいだとか、いつもの彼らと変わらぬ終始和やかなトークで会場を湧かせた。

 

カメラが入ってるということは、そのうち映像が出ます!なのでお前らのもっとはしゃいでる姿を見せてください!と、「流星群」ではMCでの和気あいあいとしたトークのおかげか、おどけて見せるような余裕も見せたメンバーに、ファンもぴょんぴょん飛び跳ねる。

そして「冤罪!冤罪!」と繰り返し声を上げる「冤罪ブルース」ではフロアももみくちゃになりながらめいいっぱい楽しむ様子が見えた。

 

そして「今日1番のでかい声をここまでぶつけてください!と始まった「m.o.b.」、「フライト」と、続けざまに会場中から演奏にも一切負けない声が上がり、演奏の終わるころには、新たなスタートが切られた4人の清々しい表情も見ることができた。

 

ファンからの声援を浴びながら、芥がゆっくりと口を開いた。

 

「ワンマンツアーとフルアルバムのリリースも決まりました。今日は本当にありがとうございました。

もうやるしかないなと思って。今日たまたまここに集まれた人たちにありがとうを伝えて。

楽しいイベントツアーもありますけど、僕たちとしてはまた全国奏でに行きたいなという思いがあって。

本当におっかなびっくりですけど、行ってきますのでよろしくお願いします!」

 

「次が最後の曲になるんだけど、今思ってる気持ちは今書いたもので伝えたいと思って。

すごい恥ずかしいことばかり言ってるなとは思ったけど。

最後の曲を届けたいなと思います。

それでは聞いてください。」

 

そう芥の言葉で始まった「おまじない」は、Chantyには珍しく、シンプルな言葉と音で綴られた楽曲。

4人全員が前を向き、しっかりとこの場所へ戻ってきてくれたと思わせてくれるような最後だった。

 

曲が終わると同時に、芥がつぶやいた「Chantyの世界へようこそ」という言葉。

いつもはライヴの幕開けに叫ぶのだが、この日は公演の最後の最後、ちゃんと戻ってきたということを1番実感させてくれた一言だった。

 

「これから4人になってはしまいましたけど、全てをなかったことにはできないし、全てを背負っていきたいわがままな連中なんですよ、Chantyは。

楽しかったこと、つらかったこと。

なので、これからどんな未来になるか分かりませんが、幸せな時間を届けてたいと思います。

ありがとうございます。」

 

最後は5周年に向けて、の意味を込めてのお決まりのカーテンコールで幕を閉じた。

 

空白となった5か月間を埋めるように駆け抜けたこの日のライヴ。

正直、Chantyのワンマンライヴというと奇をてらったようなセットリストに、いい意味で綺麗に纏まった展開のようなイメージが強かったが、飲み込み切れない事態に直面し、切り抜けた彼らの泥臭さだとか、人間らしい一面が多く垣間見えた気がした。

 

4人となった彼らが、一回りも二回りも大きくなった姿を見せてくれたこの日。

 

2ndフルアルバムの発売、全国ワンマンツアーと、止まってしまった時間を取り戻すように、次々と新しい展開も発表された。

Chantyを見たことがある人には絶対に今の姿を見て欲しいし、見たこともなくなんとなく触れたことがなかった人には今こそ彼らの音楽を覗いていただきたい。

今のChantyはその両者とも裏切ってくれるはずだ。                       

 

文◎糸永緒菓子






2017年09月20日 (水)

【ライヴレポート】<CLØWD 全国ツアー「バタフライ・エフェクト-不死蝶-」>2017年9月17日(日)代官山UNIT◆初の全国ツアーファイナルで進化を証明

REPORT - 20:17:45

CLØWD初の全国ツアー「バタフライ・エフェクト-不死蝶-」のツアーファイナル公演が、9月17日、代官山UNITにて行われた。

今ツアーはバンドを“船”に例えるという発想から海賊をテーマにし、各日メンバーがキャプテンとなって各々の個性を活かした指示を出しながら廻ってきた。
そのため、エンターテイメント性を織りまぜながら臨んだ全11公演。
しかし実際はエンターテイメント性にプラスアルファの部分、ステージングはもちろんバンドに向き合う精神的な面も含めて、バンド力を強めてきたツアーとなったようだ。
そう感じさせるツアーファイナル公演のアクトは、間違いなくCLØWDが進化を遂げて帰ってきたことを証明するものだった。

ライヴは「Worry?」から冒頭8曲をノンストップで演奏。
勢いを増す中、KØUの歌声が突き抜けた「RUDENESS RESORT」をフックに置きつつ、観客のボルテージが音を通して容赦なく焚き付けられていく様子は、実に爽快。
そして、中盤のハイライトは間違いなく「紅い意図」であったと思う。
先週リリースされたばかりのニュー・シングルであるこの曲は、音楽的な面や詞の世界観においてもCLØWDの新境地を築いた1曲なだけに、歌モノながらも異彩を放つエモーショナルな表現力の高いプレイを魅せつけた。
続いた「One」では、KØUが綴ったファンに寄り添う素直な思いをじっくり届け、そのメッセージからはより強く備わった説得力が感じられる。

早くも「バタフライ・エフェクト」から後半戦に突入し、すっかりライヴのキラーチューンと化した高速のツーバスに加え、弦楽器隊の攻めたプレイが光る「我武者羅」でラストスパートをかけ、本編を締めくくった「キミトボクラ」。
「俺らについてこい。もう、頼りないなんて言わせねぇぞ!」
KØUが「キミトボクラ」の導入として叫びあげた言葉は、この日の5人の力強さと息の合った団結力を見るからに、本物であると実感させるものであった。

アンコールでは全4曲を披露。「Eeny, Meeny, Honey, More」の際には、本日のキャプテンである庵の誕生日を祝う場面も。本編とは一変アットホームな空気を帯びながら、ラストの「Child’s Dream」では、「僕たちの夢をこれからも見ていてください」と堂々とした面持ちで“未来”を見据えた意思を示していた。

なんと、メンバーがステージを去ってもなお鳴り止まないアンコールに応え、完全に予定になかったダブルアンコールが実現! 
こうした場面でも、観客とバンドとが互いにモチベーションを高めてきたことが伺える。
結果、「我武者羅」で白熱した一時で今ツアーを締めくくることとなった。

この勢いは、すでに発表されている3周年を祝う2018年1月8日 TSUTAYA O-WEST公演へと繋がっていく。
彼らを知っている方は今一度、知らない方は是非一度その目を向けていただきたい。
現在のCLØWDが自身の音楽にかける真剣な思いは、必ずやあなたの心を震わせるはずだ。

 

文◎平井綾子(Cure編集部)

写真◎Seka

 

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<CLØWD INFORMATION>

■CLØWD 3rd ANNIVERSARY LIVE「REVENGE」
2018/1/8(月・祝)TSUTAYA O-WEST
OPEN 17:00 / START 17:30
[チケット料金] 前売¥3,500 当日¥4,000(税込・オールスタンディング・ドリンク代別)

<チケット発売中!>

イープラス https://goo.gl/DVUTAy 

チケットぴあ https://goo.gl/vNXVbq   0570-02-9999P337-303

ローソンチケット https://goo.gl/Ns7W4R   0570-084-003L72770

 



■9/13(水)RELEASE 6th SINGLE「紅い意図」

「紅い意図」MV  https://goo.gl/LSvGji

2分半で分かる「紅い意図」https://goo.gl/UeHNjx


【初回生産限定盤A】CD+DVD DCCL-222~223 / 1,800円+税
[CD] 1. 紅い意図 / 2. One
[DVD] LIVE Shooting from「バタフライ・エフェクト-残響-」
1. ANTITHESE / 2. ケミカルZOO / 3. RUDENESS RESORT/4. Child’s Dream / 5. NEVER ENDING STORY / 6. #夏の微熱

【初回生産限定盤B】CD+DVD DCCL-224~225 / 1,800円+税
[CD] 1. 紅い意図 / 2. 我武者羅
[DVD] CLØWD Theater「僕らの夏休み~そうだ、キャンプに行こう~」


【通常盤】CDのみ DCCL-226 / 1,200円+税
[CD] 1. 紅い意図 / 2. Eeny, Meeny, Honey, More / 3. 紅い意図 (KØULess Ver.)

 

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■メンバーバースデーライヴ
CLØWD冬真生誕祭「溺れる微熱とRevolution」【ACT】CLØWD / DADAROMA / LEZARD
11/21(火)池袋EDGE [OPEN 18:00 / START 18:30]

CLØWD×ぞんび「千葉凱旋!~たっちゃんのお誕生日会~」【ACT】CLØWD / ぞんび
12/2(土)柏ThumbUp [OPEN 17:00 / START 17:30]

KØU Birthday LIVE「チキチキ大忘年会2」【ACT】CLØWD
12/30(土)池袋EDGE [OPEN 17:00 / START 17:30]

[チケット料金] 前売¥3,500 当日¥4,000(税込・ドリンク代別)
<9/30(土)10:00よりイープラス先着販売スタート!>

11/21(火)池袋EDGE購入ページ https://goo.gl/A65eTb  

12/2(土)柏ThumbUp購入ページ https://goo.gl/uuuFQD  

12/30(土)池袋EDGE購入ページ https://goo.gl/oPGgaZ  

 


■インストアイベント開催中!
9/23(土) タワーレコード渋谷店
9/30(土) 大阪ZEAL LINK
10/1(日) fiveStars
10/9(月・祝) 自主盤倶楽部
10/22(日) little HEARTS.新宿店
10/29(日) 渋谷ZEAL LINK
11/3(金・祝) BrandX

※インストアイベント詳細 http://clowd.tokyo/instore.php 

 

CLØWDオフィシャルサイト http://clowd.tokyo 









2017年09月17日 (日)

【ライヴレポート】MASK主催イベント<仮面舞踏会-2017->9月9日(土)TSUTAYA O-EAST◆終わることのない夢の一夜、そして新たな始まりの日。

REPORT - 14:41:50

 昨年5月1日、10年ぶりに一夜限りの復活をZEPP TOKYOにて果たした”MASK”。

夢の一夜は、あの日で終わることはなかった。

いや、そのゾロ目の日が”MASK”(第一期/第二期)にとって新たな始まりの日となった。

“MASK”の第一期で、かつて行っていた主催イベントタイトル「仮面舞踏会」を、9月9日(土)TSUTAYA O-EASTを舞台に開催!

改めて活動継続を告げた。

 

この日のイベントは、アンティック-珈琲店-/少女-ロリヰタ-23区/SANA/HERO/葵-168-がゲストで参加。

もちろん”MASK”も、第一期と第二期、二つの形で出演。

司会として、出演者全員と仲の良い星野卓也氏が登場。幕間でライブを終えたメンバーらと軽妙なトークを繰り広げていた。

今回のイベントの特徴は、SANA/HERO/葵-168-と”MASK”のメンバーらが現在活動しているバンドとしても出演していること。

「”MASK”のメンバー全員が現役で音楽活動を続けているからこそ実現できる。そこが何よりも大事なことなんですよ。」とMICHIRUは語る。

つまり、各メンバーが現役ミュージシャンとして活動を続ける限り、”MASK”もまた不定期ながら継続してゆく意志を、彼らは先の言葉として語ってくれた。

 

この日は2階席まで埋めつくした超満員の観客たちを前に、SANA/アンティック-珈琲店-と続いた後に”MASK”(第一期)が登場。

少女-ロリヰタ-23区/HERO/葵-168-と続き、”MASK”(第二期)が出演。

最期に”MASK”(第一期/第二期)の7名が揃ったライブを見せる形で進行。

 

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第一期”MASK”。

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時代をタイムスリップするように流れた『お通しパレード』のSEに乗せ幕が開くと、赤いお揃いの衣装を身にまとった5人が姿を現した。

AOIの「色鬼、始めましょう!」の声を合図に飛び出したのが、第一期”MASK”のライブへ熱狂を描き続けた『色鬼』。

NANA、KAZUTAKE、MICHIRU、SANAの攻撃的な演奏が、AOIの煽りに刺激を受け、場内は一瞬にして熱気へ包まれてゆく。

客席を激しく挑発する5人。殺るか殺られるか、この刺激がたまらなく胸を熱くさせる。

ザクザクとしたサウンドの上で5人は妖しく刺激的に『Gemini』を突き付け、観客たちを熱狂の中でとろけさせた。

艶やかなAOIの歌声とは裏腹に、楽器隊の演奏は鋭利な音の刃をチクチクと突き付けてゆく。痛心地好い刺激が、たまらない。

「踊ろうか?」

『東京トリックシアター』に乗せはしゃぎだす観客たち。このダンスは頭の螺子をイカれさせる。

SANAとMICHIRUのギターの旋律が、頭の神経をどんどん歪ませる。このヤバい陶酔感は、今の時代には感じれない刺激だ!

 

「SANA/KAZUKATE/NANA/MICHIRU/MINAMI/AOI、この6人が”MASK”です。天にいるJINくん聞こえてますか?」

遅刻してリハーサルを欠席したJINへ皮肉を込めたAOIのユーモアなMC。

「聞こえてますか、JINくん?俺たち”MASK”は格好いいよね!」

 

「けっして途切れるごとのない赤い絲、ここできつく結びましょう」。

『赫い盲目』でも第一期”MASK”は、妖艶/哀愁/スリリング/ダーク/興奮など感情を激しく乱す音のスパイスを掻き混ぜ、観客たちを刺激してゆく。

その妖しい高揚や心を潤す哀愁歌謡なAOIの歌声が、互いの心の絲(意図)をきつく結びつけていった。

猛り狂うSANAとMICHIRUのギター、そしてKAZUTAKE、NANAのボトム。

胸の内側へ黒い闇を忍ばせるよう影を抱いた痛い想いを、AOIが哀切な声色を持って注ぎ込む。

ヒステリック/メロウな演奏に乗せ響かせた『ためらい自殺信号』が、闇に浸る心地好さを教えてゆく。

「誰か生きる意味を教えてよ」

その言葉は人の心を救う呪文のようにも響いていた。

 

かかってこいとばかりに、ふたたび舞台上で暴れだしたメンバー。

AOIは『XxxXマスター』を挑発するように歌い、熱狂の中、狂ったように一つに溶け合おうと誘いをかけた。あの頃のようなヤバい空気が刺激的でたまらない。

最後に第一期”MASK”は、サイコヒステリカル/メロな『赤裸々ノイローゼ』を叩きつけ、観客たちの感情を野生に塗り替えていった。

AOIの振りを真似る仕種など、気持ちは十年以上前にタイムスリップ。

誰もがあの頃の少年少女に戻りながら、会場に生まれた熱狂を貪り喰っていた。

 

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第二期”MASK”。

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トリを飾った第二期”MASK”のステージは、テーマ曲『WE ARE MASKER』に乗せ、メンバーそれぞれがアピールする形で幕を開けた。

ライブは、温かな春の風を運ぶように『桜』からスタート。

雅な香り匂わせる歌へ、艶やかに酔いしれる心。会場中の人たちが手バンしながら想いの花を咲かせてゆく。

折り畳みする姿へ上品さが見えたのも、誰もが楽曲の世界へ浸っていたからか。

「声を出せー!」

ライブは一気に挑発モードへ。

『世の中の日常で頻繁に起こる今ではごく当たり前とされている出来事』を突き付け、”MASK”はフロアー中へ無数の廻る人の渦を作り出していった。さぁ、熱狂はこれからだ。

 

「俺たちが”MASK”だ!間違えた、俺たちも”MASK”だ!」

JINのコミカルなMC。

 

“MASK”で、JINのトークはHEROを越えているテンションだったのは、さすがだ。

身体にズシッと響く重厚な音を突き付け、第二期”MASK”は煽りモードへ突入。

挑発するJINに刺激を受け、観客たちもダークてアグレッシブな『求めた故に残ったもの』へ飛び乗り跳ねてゆく。

SANAのギターが、高揚した刹那の風を呼び込んだ。心へセンチメタンタルな影を映すように流れた『会いたくて』。

胸をグッと泣き濡らす、なんて美メロな歌だろう。哀愁の香りを運ぶ彼らの演奏とJINの歌声へ触れていたら、胸がキュッと高鳴った。

 

一気に熱を加えるよう第二期”MASK”は『Boys be ambitious』を突きつけた。

何時しか場内には、頭振り乱す光景が広がっていた。JINの動きに合わせ踊る観客たち。

身体は激しく乱れながらも、心は歌へ惹かれてゆく。これぞ、当時の熱狂ナンバースタイルだ。

 

「飛べ!」、MINAMI、KAZUTAKEの演奏が一気にブラストビートを刻むと、MICHIRU、SANAも加わり楽曲が激しく吠えだした。

『ローズ・マリー』が、満員の観客たちを次々と跳ねさせる。

サビで開放してゆくメロディアスな歌も第二期”MASK”にはお馴染みのスタイル。

激しくステージ上へ感情をぶつけていたはずなのに、何時しか笑顔で飛び跳ねていた。メンバーらへ向かって歌声をぶつけ、無邪気にはしゃいでいた。

最後は、やはりこの曲だ。

気持ちに大きな二つの翼を与え一緒に熱狂へ飛び立とうと、第二期”MASK”は『未来への翼』を届けてくれた。

観客たちが胸の前で揺らした両手は、まるで翼のよう。その歌は、身体中に光を注ぎ込む。

注がれた光を感じるたびに、心は空へ向かい解き放たれてゆく。歌が心に翼を与えてくれた。

それを感じれたことが何よりも嬉しかった。

 

アンコールは『優しい嘘』からスタート。

胸暖まる歌に包まれながらも、開放感を持って駆ける演奏が心地好く身体を揺らし出す。

ハートをギュッと捉えたSANAのギターソロ、相手を抱きしめるように歌うJINの歌声に気持ちがクラッと傾倒すれば、『空』に飛び乗り、会場中の人たちが一斉に横モッシュ。

『空』に触れている間、誰もがあの頃へ戻っていた。

眩しい青春時代に立ち返り、様々な憧れを胸の中へ映しながら、優しい歌に想いを重ね合わせていた。

 

ここで、AOIとNANAもステージへ。7人編成”MASK”の登場だ。

「色鬼、始めましょう!」

最後にぶつけたのが、”MASK”流激熱煽りナンバー『色鬼』。

デスボイスをぶつけるAOI。観客たちを煽るJIN。

「鬼さん」「こちら」「手のなる」

挑戦的な演奏に刺激された観客たちは、理性の鎖を引きちぎり、全力で滾る感情を舞台上へ叩きつけてゆく。

何度も何度も続く煽りのやり取り。ずっと狂ったように暴れ続けていたい。

そんな嬉しい余韻を残しながら、第一期/第二期”MASK”のライブは、ふたたび眠りのときを迎えていった。

 

 

次に”MASK”に会えるのは、果たして何時になるのか?

でも、彼らが現役で活動し続けている限り、また会えると彼らは約束してくれた。

今は、その言葉を信じて待とうじゃないか。

 

 

PHOTO:TAKUYA ORITA

TEXT:TOMONORI NAGASAWA

 

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<セットリスト>

 

MASK(第一期)

『お通しパレード』(SE)

『色鬼』

『Gemini』

『東京トリックシアター』

-MC-

『赫い盲目』

『ためらい自殺信号』

『XxxXマスター』

『赤裸々ノイローゼ』

 

 

MASK(第二期)

『WE ARE MASKER』(SE)

『桜』

『世の中の日常で頻繁に起こる今ではごく当たり前とされている出来事』

-MC-

『求めた故に残ったもの』

『会いたくて』

『Boys be ambitious』

-MC-

『ローズ・マリー』

『未来への翼』

 

-ENCORE-

『優しい嘘』

『空』

『色鬼』

 

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<関連リンク>

 

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2017年09月08日 (金)

【ライヴレポート】<治外法権>8月25日Zepp DiverCity★Resistar Records新春恒例イベント<治外法権-新春だょ全員集合!!2018->の開催を発表!

NEWS - 12:00:34

DOG inTheパラレルワールドオーケストラ、BugLug、Blu-BiLLioNと、Resistar Records所属の3バンドによるレーベルツアー“治外法権”が今年も開催。

7月より全国13都市を回り、8月25日のZepp DiverCityでファイナルを迎えた。

通算7度目のツアーでZepp DiverCityでのファイナルも4度目と、もはや夏の風物詩とも言える“治外法権”だが、夏ツアーは今年で一旦の終了となることが事前に発表。悔いを残さないようにと3バンドそれぞれが今ツアーで得た成長を全力で示した最後には、来年お正月にも“治外法権”を行うことを発表し、レーベルの絆とたゆまぬ進化を約束した。


「泣いても笑っても夏の“治外法権”は今日で終わりだ! 声出していけ!」と、初っ端からミケ(Vo)が煽ったトップバッター・Blu-BiLLioNは、現在“革命”の真っ只中。

“純粋に自分たちがやりたい音楽をやる”というモットーを掲げ、タオルを振ってモッシュする「Ready?」をいきなり序盤に持ってくる等、これまでのメロディ重視なイメージを大きく覆すアグレッシヴなステージで魅せる。

最新シングルにしてシリアスなロックチューン「The Awakening of Revolution」で己の革命宣言を叩きつけ、かと思いきやエレクトロなダンスチューン「S.O.S.」ではミケがマイクを置いて全身で踊る場面も。

これまで多彩なジャンルに挑戦してきたBlu-BiLLioNだからこそ、結果見出した“目指す未来”は明確で、ラストの「H&H」で歌い叫ばれた「主人公はココにいるお前らだ!」の言葉が、変わることにのないメッセージとして深く心に刺さった。

10月17日にはニューアルバム『EDEN』のリリースも決定している彼ら。

その後は“Blu-BiLLioN TOUR 17-18-19[Strive for EDEN]”と題して、ゴール知らずのツアーが控えている。

この日、解禁された青一色の新アーティスト写真からも、その覚悟の程がうかがえるだろう。



二番手のDOG inTheパラレルワールドオーケストラもまた、昨年から“project『Love』”なる一大プロジェクトを敢行中で、昨年末には“DOGは変わります”宣言をしたばかり。

その真意は“DOGとは何か?”を追求するために“挑戦”し続けることであり、この日もキュートな曲調に毒を滲ませる幕開けの「チューリップ中毒」以降、何かが吹っ切れたような荒ぶるパフォーマンスで、可愛いだけではない芯の強さを露わにしてゆく。

ハードにヘッドバンギングを繰り出しながらも、物騒な言葉を気の抜けたようなコーラスで繰り返す「調+教」に野球拳を盛り込んだ「遊郭ディスコ」等、どこかコミカルな要素も提示してくるのがDOGらしいところ。

だが、それらが単に奇をてらったものではなく確固たる意志に基づくものであることは、感情をリアルに落とし込むあまり時に“語る”かのような春(Vo)のヴォーカルからも明らかだ。

中でもラストの「JOY TO THE WORLD」で歌詞と現在の心境を完全にリンクさせた歌唱は素晴らしくソウルフルで、オーディエンスの大合唱と共にまるでワンマンのような感動が。

9月9日に同じくZepp DiverCityで迎える“project『Love』”のグランドフィナーレ公演に向け、このツアーで5人が得たものの大きさは計り知れない。


中東風のオリエンタルなメロディを盛り込んだ“らしい”新曲インストゥルメンタルで、いきなりヘドバンの海を作ったのはトリのBugLug。そのライヴは“抑圧からの解放”とも呼べるものだった。

豊富なキャリアに似合わぬ衝動的なステージングは実にスリリングだが、その根底にあるのは2年ぶりにこの場所に5人で帰ってくることができた喜び。

重量頭部外傷のため1年間の活動休止を余儀なくされた一聖(Vo)が復帰し、今年5月の日本武道館ワンマンで完全復活した彼らにとって、ステージに立っている一瞬一瞬が宝なのだ。

「このツアー自体が俺にとっては新人生なんだ!」と叫んだ8月9日発売の最新シングル「新人生」には死の淵から蘇った彼の想いがあふれ、4カウントでオーディエンスをジャンプさせる場面も。

単に上手い歌/演奏を超えた“表現者”としての自由なパフォーマンスが訴えるのは、バンドに関わる人全てを含めてBugLugであるということで、13本も回ることが最初は怖かったツアーもフタを開けたら楽しすぎたと語った一聖は「お前らといるからBugLugなんだよ!」と断言。

ラストの「HICCHAKA×MECCHAKA」でタオルを振るファンとの一体感も絶大で、9月3日に始まる47都道府県ツアーへの期待を否が応でも高めた。



最後は2016年1月の“治外法権”以来、実に1年7ヶ月ぶりに16人が揃っての大セッションも。

そこで春の口から、来年の1月8日に“治外法権-新春だょ全員集合!!2018-”が新木場STUDIO COASTで行われることも発表された。

夏はツアー、お正月に単発ライヴというのが“治外法権”の恒例スケジュールだったが、ひとまず新春ライヴのほうは継続されるとのこと。

3バンドそれぞれが研鑽を重ねた4ヶ月後、“治外法権”では初となる会場で新年のスタートダッシュをいかに切るか必見だ。

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【Resistar Records information】



Resistar Records PRESENTS「治外法権-新春だょ全員集合!!2018-」
2018年1月8日(月・祝)
新木場STUDIO COAST



【出演】
DOG inTheパラレルワールドオーケストラ / BugLug / Blu-BiLLioN
LEZARD / ジャックケイパー



開場 13:00 / 開演 14:00
チケット:全席指定 ¥5,800(D別)

 

★チケット:
【れじ☆モバ会員1次先行受付(Aチケット)】
受付期間:9/1(金)21:00~9/10(日)23:59
入金期間:9/15(金)~9/25(月)23:59


【れじ☆モバ会員2次先行受付(Aチケット)】
受付期間:9/29(金)21:00~10/9(月・祝)23:59
入金期間:10/14(土)~10/22(日)23:59
※こちらの整理番号はれじ☆モバ会員1次先行の受付の続きからになります。


【オフィシャル1次先行(Bチケット)】
受付期間:9/27(水)21:00~10/1(日)23:59
入金期間:10/2(月)~10/9(月・祝)23:59


【オフィシャル2次先行(Bチケット)】
受付期間:10/13(金)12:00~10/29(日)23:59
入金期間:11/3(金・祝)~11/12(日)23:59


【一般発売(Cチケット)】
11/25(土)



(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日14:00~18:00)


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◆DOG inTheパラレルワールドオーケストラ

http://www.inu-para.com/

◆BugLug

http://www.buglug.jp/

◆Blu-BiLLioN

http://blu-billion.jp/

 

 

Resistar Recordsオフィシャルモバイルサイト『れじ☆モバ』

『れじ☆モバ』総合トップ

【スマートフォン】http://www.sp-freewillonline.com/rr_moba/

【携帯】http://www.freewillonline.com/?art=rr_moba

 

◆Resistar Records 公式ニコニコ生放送

ニコれじチャンネル http://ch.nicovideo.jp/channel/nikoresi

 

◆Resistar Records オフィシャルYouTube◆

れじちゃん http://www.youtube.com/ResistarRecords

 






2017年09月05日 (火)

【ライヴレポート】ソロデビュー20周年を迎えたINORAN、そのキャリア集大成となる全国ツアーがスタート!

REPORT - 18:15:32

 今年、ソロデビュー20周年という大きな節目を迎えたINORAN。

8月にリリースされた新作『INTENSE/MELLOW』は、これまでリリースされたフルアルバム11作、ミニアルバム1作から11曲をセレクトしリアレンジを施し、さらに新曲「Ride the Rhythm」と「Shine for me tonight」を加えた、渾身のセルフカバー・ベストアルバムである。

 

 現在、INORANは本作を従えて、全国ツアー『SOLO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2017 –INTENSE/MELLOW-』の真っ最中だ。
 今回は、20周年のアニバーサリー・ツアーということもあり、セットリストに“α(アルファ)”と“β(ベータ)”という、異なる2パターンが用意されている。
 今回のライブレポート執筆にあたり、αが披露されたツアー初日の長野CLUB JUNK BOX(9月1日)と、βが演奏された2日目の新潟GOLDEN PIGS RED STAGE(9月2日)のライブを観覧した。

 

 セットリストαとβがINTENSEとMELLOWという要素で分かれていないのなら、一体何が違い、彼はどんなメッセージを我々に伝えたいのだろう? 
 INORANは、今回『INTENSE/MELLOW』のMELLOW SIDEを制作する過程において、アコースティック・ギターと歌が持つ魅力を再認識したそうだ。
この要素をライブで表現するために、彼はセットリストαでアコースティックなバンド編成、βでアコースティック・ギターの弾き語りと、異なるアンサンブルをそれぞれに採用している。


 もうひとつ“キー”となるのが、10thアルバム『BEAUTIFUL NOW』「Beautiful Now」と、11thアルバム『Thank you』の「Thank you」のオリジナル・バージョンとリアレンジ・バージョンが、それぞれの形でαとβに組み込まれていること。

実際、両日に異なるバージョンで演奏されたこれら2曲は、セットリストαとβの展開をよりドラマティックなものに変える役割を果たしていた…
 これらを踏まえると、αとβという特別なセットリストに込められたINORANのメッセージが、より明確に見えてくる気がする。


 また、事前に筆者に届いた仮セットリストでは、αとβの重要な位置を占める曲にいくつかの候補が記載されていた。

そのことをINORANに尋ねると、「ツアーを経て、αとβでやる曲は変わっていくし、会場の雰囲気や自分達のフィーリングに応じてαとβという順番だけでなく、αをやった次の日に、さらにアップデートされたαをやる可能性も十分にある」という答えが返ってきた。
 ということは、今回のセットリストαとβで演奏される曲を完璧に把握して、そこにINORANが込めた想いを理解するには、もう全公演を観るしかないわけだ(笑)が、筆者は“このツアーは全公演を観る意味が絶対にある”と断言できる。

それ程までに、現在のINORANの音楽性は凄まじい進化と深化を遂げているし、彼と彼が絶大な信頼を寄せるYukio Murata(g)、u:zo(b)、Ryo Yamagata(ds)によって生み出される、グルーヴィでタイトなバンド・サウンドは何度観ても最高に心地良い。
 

 

そんなソロ・アーティストとしてのINORANの様々な拘りが随所に凝縮された今回のツアー、ここからは、ツアー初日の長野CLUB JUNK BOXと、2日目の新潟GOLDEN PIGS RED STAGEのライブレポートとお届けしよう!

 

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■9月1日(金) 長野 CLUB JUNK BOX


 この日の長野は最高気温26度、最低気温19度。

夕方に吹く、少し冷たい風は秋の気配を感じさせるが、会場のCLUB JUNK BOXは、大勢のファンの熱気で溢れ返っていた。


 ステージにINORAN、Yukio Murata、u:zo、Ryo Yamagataが登場すると、20周年ツアーの初日を祝うために駆けつけたオーディエンスから、割れんばかりの大歓声が起こる。

INORANはそんなファンの笑顔を嬉しそうに眺め、11thアルバム『Thank you』のインスト曲、「Come Away With Me」でライブはスタートした。


 昨年、INORANはインタビューで「ひとつひとつのライブを凄く楽しめているし、成長し続けるこのバンドの音を、もっと多くのファンに観てほしい」と語っていた。

その言葉通り、オープニング曲の「Come Away With Me」は、Ryoとu:zoにより躍動感溢れるパワフルなグルーヴ、INORANとMurataのツインギターによる鮮やかなアルペジオと激しいリフを内包し、このバンドならではのロックな魅力が存分に伝わる。

この曲で始まるセットリストαは、開始直後からケタ違いのエネルギーに溢れている。


 セットリストαは、「Awaking in myself」や「2Lime s」という、近年のライブで定番となっている曲の並びと勢いを崩さずに、そこに『INTENSE/MELLOW』の今のINORANらしい音楽性にリアレンジした人気曲が加わることで、より絶妙な緩急のコントラストが生まれ、そこに新たな試みとなるアコースティック・セットが加わることで、バンドの気持良いリズムとサウンドにさらなる幅が出ていた。
 その後、INTENSE SIDEバージョンの「Spirit」をプレイし、そこから続くパワフルなロックナンバーの連続に、会場のボルテージもさらにヒートアップしていく。


 MCでINORANが「ヘイ長野、アーユーレディ? 今夜は皆のエロいところをたっぷり見せてくれよ!」と語り掛け、クールな激しいギターリフが炸裂する「Awaking in myself」と「2Lime s」を連投。

この2曲が収録されている『BEAUTIFUL NOW』でも、「Awaking in myself」と「2 Limes」の曲順は続いており、近年のライブでも連続して演奏されることが多いが、この2曲によって起こる観客の盛り上がりは、いつも本当に凄い!


 前半戦ハイライトは、ロックなINTENSE SIDEバージョンで披露された「千年花」だ。

この曲は、以前リクエスト・ライブで1位を獲得した人気ナンバーだが、オリジナルのアコースティックで切ない雰囲気とは違う、今回のバージョンも実に刺激的である。

この曲のAメロをINORANが歌い始めた時に、後ろのファンから「あっ、これ『千年花』だ!」という、驚きの声が上がっていたが、それほどまでに『INTENSE/MELLOW』の曲は、どれもライブを意識して劇的な変化を遂げている。

その後の“千年も前の世代と同じ願いと歌うよ いつまでもこの景色が途切れることのないように”というサビ・パートでは、これまでのライブ同様に大きなシンガロングが起こった。


 中盤は“バー・メロウ”と銘打ち、アコースティック・ギターにカホンを交えたアコースティックな編成で「no options」をプレイ。オリジナル・バージョンはヘヴィなリフのロックナンバーであるが、今回演奏されたMELLOW SIDEバージョンでは、アコギのリズミカルなバッキングとINORANの味わい深いボーカルが印象的だ。その後に披露された「人魚」もそうだが、バー・メロウのセクションでは、INORANのボーカリストとしての味わい深い魅力が、最大限に発揮されていた。


 アルバム『Thank you』の完成時、INORANは

「これまで歌うことにトライしてきたけど、実は自分の声ってそんなに好きじゃないんです。

LUNA SEAというバンドでRYUICHIという凄いボーカリストが隣にいたのもあって、もうボーカルの理想が高過ぎるからね(笑)。

でも、それでも歌い続けていくうちに、やっと自分の声をちゃんと信じられるようになったよね」

と語っていたが、今のINORANは、ライブでどの曲もとても楽しそうに歌う。


 その後、INORANがMCで、Ryoのカホンを指差しながら「この楽器、なんていう名前か知ってる? うん、カホンだよね。じゃあコイツは? そうu:zo!」と、Ryoの隣で微笑むu:zoをイジりながら、「こういう編成って初めてだけど悪くないよね。でも、もうバー・メロウは閉店です」と、茶目っ気溢れるコメントをして会場を和ませた。


 アコースティック・セットで会場をムーディな雰囲気に染め上げた後、「ここから、さらにアゲるために新曲をやります。皆に“イエー!”ってコール・アンド・レスポンスしてほしいけど、できるよね? 今日は、ライブレポートのためにライターさんに観覧してもらっているから、“レスポンスが凄かった!”って書かれるくらい、皆で声出してくれよ!」と語り掛け、INTENSE SIDEの新曲「Ride the Rhythm」をプレイ。INORANの熱いリクエストを受けて、オーディエンスもブレイクで一丸となり、一際大きなコール・アンド・レスポンスを彼らに向かって返した。


 終盤のハイライトとなったのは、10thアルバム『BEAUTIFUL NOW』のタイトル曲「Beautiful Now」。本曲は、『INTENSE/MELLOW』にアコースティックなアレンジで収録されているが、この日はセットリストの流れを考慮して、ロックなオリジナルの躍動感を活かしたバージョンでプレイされた。
 筆者は、『BEAUTIFUL NOW』の完成がINORANのキャリアの中でも、大きな“ターニングポイント”になったと感じている。

その後の取材でも、彼から度々そういったコメントを聞くことがあったが、「Beautiful Now」には、新作『INTENSE/MELLOW』のテーマでもあるINTENSEさと、MELLOWのバランスが本当に絶妙で、彼の卓越したメロディセンスが遺憾無く発揮されている。


 そして、「Beautiful Now」は、ライブ会場の雰囲気をINORANが導きたいと思う方向へしっかりと導いてくれる曲でもある。

それは、今回の『SOLO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2017 –INTENSE/MELLOW-』も変わらずで、この日も、オーディエンス達から思い想いに気持ちがこもったシンガロングが巻き起こっていた。


 ラストのMCで、INORANが「ツアー初日から俺、結構飛ばし過ぎだよね(笑)。でもさ、今年の高校野球を観て思ったんだけど、皆必死になって優勝を目指すわけじゃん? やっぱり今日一日って、掛け替えのない美しいものだし、常に全力で勝負したいんだ。ってことで、最後はこの曲を皆で声出しして終わりましょう!」と語りかけ、最後のナンバー「All We Are」をプレイ。

そしてサビの大合唱の中、ツアー初日は終わりを迎える。終演後、INORANは「またこのメンバーで絶対に長野に来るからな。どうもありがとう!」と、笑顔でファンに自身の想いと感謝の気持ちを述べた。

 

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■9月2日(土) 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE


 2日、前日のエモーショナルだったライブの余韻に浸りながら、新幹線で次の会場がある新潟へと向かう。
 移動時間の中で、何年か前にINORANが「人それぞれにグルーヴがあるように、全国の街にも独自なグルーヴが存在している。だから、そこに住む人間って、絶対に街のリズムに影響を受けるんだよ。街によってライブ演奏の感じ方やレスポンスも違うけど、それがとてもおもしろいんだ!」と語っていたことを、ふと思い出した…。

長野の街は、ゆったりと落ち着いて繊細な心地良いビートを持っていた。新潟という街には、一体どんなグルーヴが流れているのだろう?


 この日の新潟の気温は28度。山に囲まれた盆地ということもあり、少しの蒸し暑さを感じる。新潟駅前でバスに乗って、会場のGOLDEN PIGS RED STAGEがある、中央区の東堀通6番町を目指す。


 会場に集まった新潟のファンは非常に情熱的で、彼らが大勢集まったこの日のライブはソールドアウト。今日の会場で演奏されるのはセットリストβだ。
 開演時間にドリーミーなSEが流れ、ステージにアコースティック・ギターを持ったINORANが登場する。

そう、このセットリストβは、彼一人による弾き語りによる「Come Closer」で、ライブがスタートするのだ。

 2ndアルバム『Fragment』収録の「Come Closer」は、今も根強い人気を誇っているが、近年ライブでは中々披露されなかった曲でもある。そんなファン待望のナンバーを、INORANはギターをかき鳴らしながら、力強く歌い上げる。


 ツアー前に受け取った仮のセットリストでは、この弾き語りセクションのために様々な候補曲がリストアップされていたが、そのどれもがINORANとファンを繋ぐ大切なナンバーばかり。

この日は、ソロの弾き語りのラストとして、アコースティック・バージョンにアレンジされた「Beautiful Now」が披露された。

今後、彼がどんな曲をこの弾き語りセクションでセレクトするか、興味は尽きない。


 弾き語り終了後、Ryo、Murata、u:zoらバンドメンバーがステージに登場し、INORANが「さぁ、いくぞ新潟。いいところ見せてくれよ!」とオーディエンスを煽り、バンド編成で「grace and glory」と「Sprit」という、超強力ナンバーで一気に畳み掛ける。
 この日のオーディエンスは本当に熱狂的で、まだライブの序盤なのにも関わらず、会場のボルテージは既にマックス間近。どの曲も大声でシンガロングし、ガンガン腕を振り上げて、バンドの演奏に応える。

 そんな観客のリアクションに呼応するかのように、演奏中にINORANとu:zoは手を上げてさらに観客を煽り、繰り返されるバンドとオーディエンスのコール・アンド・レスポンスによって、会場のボルテージはさらに上がっていった。


 その後、INORANは「新潟、お前ら本当に大好きだ。いきなり頭から最高じゃんか! 今日は、誰も想像しないところまでいこうぜ」とオーディエンスを讃え、セットリストの中でも特にロックで攻撃的なナンバーである、「Awaking in myself」と「2Lime s」を連投。
 今回、αとβというセットリストを実際にライブで体感し、その中で“これはもの凄い曲だ!”と、大きな感動を覚えた曲がある。それは、この後に披露された「Shine for me tonight」なのだが、この新曲はINORANらしいメロディセンスの魅力がフルに発揮されており、本当に素晴らしい。


 温かい音色のギター伴奏から始まる「Shine for me tonight」は、“Lately I’ve been thinking when you’re lying next me”というAメロから始まる…。
 人に対するピュアな感情をストレートに伝えた曲といえば、新作のMELLOW SIDE収録の「Sakura」もそうだが、この「Shine for me tonight」は、メロディの全てにキャッチーな“INORAN節”が全開で、何度聴いてもその独自な曲の情景とメロディに思わず唸らされた。
 ある人の存在によって、今の自分にとっての”大事なもの=Shine”に気付き、それに対して素直な感謝の気持ちを述べている歌詞も、実にポジティブでINORANらしい!


 ソロとしてINORANを取材する時に、彼はいつも曲作りやボーカルに対する拘りについて満ち足りた表情で語ってくれる。ソロ・アーティストとしてのINORANの20年は、曲を作って歌うシンガーソングライターとして表現の中で、より自分らしいメロディを求め、それに呼応する美しいギターの表現をストイックに探し続ける““終わりなき旅”だったと思う。その旅路の中で、彼はソロとして“完成した時に本当に満ち足りた気持ちになった”と語る、『BEAUTIFUL NOW』と『Thank you』という充実作を生み出し、そして、そこに落とし込まれた動と静の二面性にフォーカスして、新作『INTENSE/MELLOW』完成させた。
 この日のセットリストβには、今もさらなる高みを目指すINORANらしい、ソロとしての様々な表現とチャレンジが内包されていた。
 その後、Ryo、u:zo、Murataのパフォーマンスをフィーチャーしたインストを披露し、「Rightway」の掛け合いでバンドとオーディエンスはより強くその絆を深め、ライブはいよいよ終盤に向かう…。


 最後のMCで、INORANは「今日、20年間の“何か”が見えた気がしたよ。ありがとう。長い間生きていると、色々とめんどくさいこととか、諦めたいこととかあると思うんだ。でもさ、お前らがそういう時は俺が絶対に支えるよ。だから、もしも俺がそうなった時は、お前らが支えてくれよな!」と語り掛け、ラストの「All We Are」をプレイ。サビとブレイクの大合唱でバントとファン皆がひとつとになる中、2日目のライブは終了。演奏が終了しても鳴り止まないオーディエンスの拍手と歓声を聴き、INORANは「やっぱり、お前ら最高だよ。また必ず新潟に戻ってくるから、その時はよろしくな!」と熱いエールを送り、GOLDEN PIGS RED STAGEのステージを後にした。


 INORANは、これから本ツアーで9月7日(木)に広島、8日(金)に福岡、10日(日)に熊本、12日(火)に高松、14日(木)に京都、16日(土)に大阪、18日(月)に名古屋、21日(木)に札幌、23日(土)に盛岡、24日(日)に仙台を回り、自身の誕生日である29日(金)に、新木場STUDIO COASTで“B-DAY LIVE CORE929/2017”と銘打ったツアー・ファイナル公演を行う。


 ソロデビュー20周年に相応しい、INORANというアーティストの魅力がたっぷりと詰まった、αとβという異なる世界観のセットリストが、これからのツアーでどんな形になっていくのか?そして、29日のファイナル公演ではどんな曲達を演奏して、ファンと素晴らしい瞬間をシェアするのか?今からとても楽しみでならない!  


 そして、これからも10年、20年と孤高のミュージシャン、INORANの飽くなき“音の旅”は続いていく…。

 

文◎細江高広
写真◎RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)