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2016年04月11日 (月)

【ライブレポート】★Raphael:2016年4月7日(木)TSUTAYA O-EAST★蒼の邂逅〜伝説を伝説で終わらせない〜2016年を生きるRaphaelがついに降臨。多くのフォロワーに支えられ、再結成。

REPORT - 16:05:29

 10代で日本武道館での単独公演を成功させ、伝説を作ったバンド・Raphaelが3年半ぶりに再始動、TSUTAYA O-EASTのステージに立った。
Raphaelは、2000年にリーダーでギタリストの華月が逝去したことに伴い活動を休止していたが、華月の十三回忌を機に2012年10月31日・11月1日にZEPP TOKYOにて2日間限りの復活を果たした。あれから3年半──。華月の十七回忌を迎える今年、YUKI、YUKITO、HIROの3人は再びの再結成を決心、今日という日を迎えた。


 前回の再結成とは異なり、今年は、今日の“蒼の邂逅”にはじまり、夏のツアーやニューアルバム発売などと、長いスパンにわたって大きな展開を行っていく。その幕開けとなる今日のTSUTAYA O-EASTライブはチケットソールドアウト。会場がパンパンにふくれあがるほどに集まったファンたちは、開演前からステージに熱い視線を注ぎ、これから始まる再びの“Raphael伝説”を見届けようと幕開けを待った。


 開演時間ほぼオンタイム、ステージに姿を現したYUKI、YUKITO、HIRO、そしてサポートギターを務めるANCHANG(SEX MACHINEGUNS)、咲人(NIGHTMARE)はそれぞれのポジションにつき、1曲目の「「・・・」~或る季節の鎮魂歌」の演奏を始める。YUKIは華月のギターを持ち、ANCHANGや咲人の演奏に支えられながらギターを奏で、歌う。そのまま2曲目の「Sacrifice」に続き、その演奏が終わったところでギターを外したYUKIが超満員のファンに向かって口を開いた。


“ようこそ。みんなお元気だった? ギター歴5週間の”櫻井有紀”です。パンパンだね。想像してた倍以上のお客さんの顔の数!!”
 2曲を演奏している時のシリアスさと比べると、MCの時のYUKIはとても陽気で明るい。そんな彼の明るい問いかけに、会場の雰囲気はほっこりと和む。アットホームな雰囲気の中のメンバー紹介で、YUKIは華月の名を呼び、ステージに置かれている華月のギターも紹介。今日は、月姫1号機・青ジャクソン・ペガサスファンタジーの3本がYUKI・YUKITO・HIROのステージを見守っている。


 今日のステージはバックに黒布が落とされたとてもシンプルなセットだった。余計なものが目に入らないからこそ、歌と演奏、楽曲そのものに耳と身体を預けることができる。前半は、メンバー自身も黒の衣装に身を包み、Raphaelのレパートリーの中でも比較的ハードで激しい曲を連発。曲によって、ANCHANGと咲人が入れ替わりながらのフォーメーションで演奏をしていたが、11曲目の「エルフの憂鬱」にはサポートギターを入れず、華月のギター音源をギターアンプから流し、バックのスクリーンに在りし日の華月の映像を流しながらYUKI・YUKITO・HIROの3人で演奏。いや、華月を加えた4人でのRaphaelとしての演奏で魅せる。


 「エルフの憂鬱」のあと、セットリストは後半戦へ。白い衣装に衣替えし、明るく楽しいRaphaelナンバーが続くパートに入る前にYUKIからこんな言葉が伝えられた。
“3年半前の再演の時も(昔の)映像を探しまわったけど、今回もまたいろいろ探して。みんなに観てもらえる形にしました。今日はお祭りにしましょう。ありのままでいいよ。泣きたい時は泣けばいいし、笑いたい時には笑えばいいし。音楽をとことん楽しむっていうミッションのもと、集まってるわけだからね。ミッションコンプリートしよう”


 メンバーひとりを失った痛手はとても大きい。だからこそ、Raphaelは12年という長い間、活動を止めていた。言い方を変えるならば、メンバーもファンたちも、心の整理をつけるまでにそれだけの時間が必要だったのだと思う。けれど、音楽の力というのは誰もが思う以上にミラクルを引き起こすものだと、今日のステージを観ていて痛感する。楽曲は、奏でてこそ活きるもので、止まった時間の中に置いてしまったら、文字通りそのまま呼吸は止まってしまう。その証拠に、“再現性を重視した”という3年半前の再演に比べ、この度の再演はとても自由度が高い。YUKIもMCで言っていたが、“たくさんの可能性を秘めた作品たちの可能性をさらに広げる”、その挑戦に、15年以上前に作られた楽曲達はしっかりと応えてくれている。YUKI(櫻井有紀)とHIRO(村田一弘)はriceとして15年活動を続けてきて、10代の時に比べて段違いのスキルと経験を身につけているが、そんな彼らがアレンジを加えて演奏しても、Raphaelとしての輝きを失うことはない。


 それがとても素敵な形で実を結んだのが、アンコールで披露した、アコースティックスタイルの「秋風の狂詩曲(ラプソディー)」と「Evergreen」。YUKIがピアノを弾きながら歌い、YUKITOがアコースティックベースを弾き、HIROが小口径のドラムを叩くという編成。大きくアレンジを加え、今の3人だからこそ紡ぎ出せる楽曲として生まれ変わっていた。こういった形での演奏ができるからこそ、再々演の意味があるのだと思う。


 最後に再びANCHANGと咲人を迎え、「夢より素敵な」でセットリストのすべてを披露し終わったあと──
この再演を行うことのもうひとつの意味が語られた。語ったのは、音楽活動から身を引く決意をしたというYUKITO。彼は、華月と出会ってRaphaelに導かれた過去の話から今回の決意に至るまでの心境を赤裸々に話し──初めてはっきりとRaphaelの“解散”について言及した。2016年の活動がRaphaelとして最後の動きになることを。それを聞いた場内の観客からは悲鳴も聞こえたが、多くのファンは静かに彼らの決意を受け取っていたように思う。その証拠に、メンバーが去るステージには温かい拍手が送られていた。


 今後は、5月23日からツアー“癒し小屋”が始まり、ツアー前の5月18日に新録アルバム『NEVER』が発売される。終熄に向かう彼等の活動だからこそ、Raphaelとしての可能性がどこまで広がるか、それをしっかり見届けたいと思う。リアルタイムの活動当時、そして2012年の再演、それを受けての2016年。彼らはひたすら前を向いて進化し続けているから。受け手となる私たちも、しっかり前を向いて、音楽の素晴らしさ、楽しさ、奏でることの意味を感じられることを感じたい。

 

 

 


★Raphael★
http://raphael.jp/

 


2016年04月08日 (金)

【ライブレポート】★UNiTE. 5th Anniversary oneman live -U&U’s in the FUTURE-★ 2016年03月26日(土)TOKYO DOME CITY HALL

REPORT - 22:30:50

 ユナイトの結成5周年を祝う場となったTOKYO DOME CITY HALL。
“Rt5A”と題して行ってきた5周年記念企画の集大成であると同時に、
メンバーはまた一つ、未開の地へと歩みを進める扉を開けることとなる。
それは、これまで歩んできた軌跡が紡いだものであり、志強く歩みを進めてきたからこそ、その切符を手にすることができたのだ。
ユナイトが掲げる“終わらないバンド”という目標を着実にクリアしていくため、
とても大切な意味を持ったこの日のことを書き残しておきたいと思う。

 記念日に相応しいエレガントな白い衣装に身を包んだメンバーを待ち受ける会場には、
ファンの手元を彩るグッズ“光るコイツ”(メンバーカラーに光るリング)の無数な輝きと巻き起こる歓声が広がった。
幕開けに選んだ最新シングル『ジュピタ』は、まさにこれまでの軌跡を辿りながら絆を確かめあう1曲。
ステージ上を客席に歩み寄るように歌う結の様子も相まって、
集まった皆をこれから始まるショーへと引き入れていくようなオープニングはとても微笑ましい。
「広いねぇ! そっちまで行っちゃおうかな!」というご機嫌な結の言葉にもあったように、
彼らにとって過去最大のキャパシティの会場で迎えられた5周年(※正式には3月29日が結成日)にメンバーも歓喜の様子。

そして、この日のライヴに花を添えるスペシャルな演出も続々と飛び出していく。
『スキ≒キライ』をはじめ、『星屑と形』『「ヨル」と「ヒカリ」』『アンハッピータイムリーパー』『高級娼婦とカミキリムシ』では、
ステージバックに据えた大きなスクリーンへそれぞれの歌詞を映し出した映像を用いて演奏。
これらは各メンバーが作詞・作曲を手掛けた楽曲というだけあって、
個性的な魅せ方・メッセージを楽しむことができた最高のギミックだった。
もちろん興味をひかれたのは演出だけでなく、メンバー同士が向かい合ってみたり、
その場その場の高揚感で演奏にアレンジを加えて弾いてみたりと、
なによりステージ上の楽しいといった感情溢れる高揚感がこちらにもビシビシと伝わってくる。

中盤は、ダンスユニット・SHARE LOCK HOMESを招いてより一層はじける場面も。
ポップナンバー『WONDER f∞l PEOPLE』のお祭り騒ぎを一層掻き立てたかと思えば、
『THEATER -LA-』のようにジャジーでシックな表情はグッと上品に。
さらに続いたハイスピードな『timeSICKness』では結とLiNの歌の掛け合いに加え、
SLHメンバーのソロダンスも交わりエンターテイメントなセクションに会場は一気に熱くなる。

かと思えば、『「ヨル」と「ヒカリ」』『造花と嘘』ではじっくりと繊細な思いを伝えていく一面を魅せてくれた。
これを経て「そろそろ体動かしたくない? めでたい日だからさ!」
という結の一言から突入したラストスパートは、言わずもがなエンジンフル稼働! 
中でもファニーな『Love_Duck_Core_Nothing』や、
タオルを使ってフロアが一体となる『Cocky-discuS』での爆発力といったらない。
まさに“百面相”、喜怒哀楽のフルコースを存分に味わわせてくれる。

そして終盤には、バンドの核へと迫るラインナップが用意されていた。
まずは『イオ』。この日の冒頭に披露された『ジュピタ』と対になる曲だ。
木星にオーロラをかけるイオに比喩して描かれた、ユナイトとファンとを結ぶ“距離”に基づいた楽曲で
その関係をしっかり確かめ合うと、究極の愛をスリリングに描いた『ice』、
軽快にジャンプで揺らした『small world order』へ。
続いて『レヴ』は、現メンバーで最初にリリースした楽曲。
グッと引き締めるような力強さを持ち合わせながら、挑戦し続けていく強い意志を改めて提示したのだった。

「気づいたら、ただ歌いたかっただけじゃなくて、もっと愛されたいと思いました。
――長い付き合いになると思うんだけど、これからもよろしくね。まだまだ終わらないよ」
ラスト2曲を残し、結がしっかり自身の思いの丈を告げて導いたのは、
“僕らにとって大切な曲”と紹介したユナイトの原点でもある『Eniver』。
順風満帆な道のりではないことを知りながら、“届けたい歌”“叶えたい未来”のために歩き出した初期衝動を詰め込んでいる。
そして、ユナイトを表す“終わらないバンド”という真意を提示した『starting over』。
手をつないで嬉々として飛び跳ねる客席の情景も相まって、嬉しい事や辛い事、無限に続くそれらを繰り返しながら、
メンバーと彼らを取り巻くすべての人を引き連れて歩みを止めることなく進んでいくアンセムとして響き渡った。

 5月からは、UNiTE. 2016 ONEMAN LIVE TOUR『天国に一番近い男達』と題して
全22カ所を廻るツアーを発表。これは、彼らにとって史上最大規模のツアーとなる。

最後は、ユナイトにとっては初めて試みることでもあったメンバーが手をつないでジャンプという笑顔にあふれるフィナーレとなった。
アンコールはなく、全24曲を通して思いの丈を伝えきった潔さ。
5周年を迎えたユナイトはどこかたくましい印象があった。
去り際「未来へ向かっていきたいと思います」と残した椎名未緒。
“-U&U’s in the FUTURE-”、タイトルのごとく5人の視線は鋭く進むべき道を見据えていた。

 

TEXT:平井綾子(Cure編集部)

PHOTO:西槇太一、 MASANORI FUJIKAWA

 

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UNiTE. 5th Anniversary oneman live
-U&U’s in the FUTURE-
2016.3.26(Sat.) TOKYO DOME CITY HALL

SETLIST
1.ジュピタ
2.universe
3.AIVIE
4.スキ≒キライ
5.BadRequest
6.HELIOS
7.星屑と形
8.マーブル
9.WONDER f∞l PEOPLE
10.THEATER –LA-
11.timeSICKness
12.「ヨル」と「ヒカリ」
13.造花と嘘
14.アンハッピータイムリーパー
15.高級娼婦とカミキリムシ
16.Love_Duck_Core_Nothing
17.FCW
18.Cocky-discuS
19.イオ
20.ice
21.small world order
22.レヴ
23.Eniver
24.starting over

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<ユナイト INFORMATION>

■UNiTE. 2016 ONEMAN LIVE TOUR 「天国に一番近い男達」

・5月29日(日) 新宿Zirco Tokyo
・5月30日(月) 新宿Zirco Tokyo
・5月31日(火) 新宿Zirco Tokyo
・6月03日(金) 名古屋Electric Lady Land
・6月10日(金) HEAVEN’S ROCK 宇都宮VJ-2
・6月17日(金) 長野CLUB JUNK BOX
・6月19日(日) 福井CHOP
・6月24日(金) 渋谷TSUTAYA 0-WEST 〈ハク フィーチャーイベント〉
・7月08日(金) 柏PALOOZA
・7月10日(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
・7月16日(土) 水戸ライトハウス
・7月17日(日) 郡山CLUB #9
・7月19日(火) 仙台MACANA
・7月22日(金) 札幌DUCE
・7月23日(土) 札幌DUCE
・7月28日(木) 高崎club FLEEZ
・7月29日(金) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
・8月03日(水) 福岡DRUM Be-1
・8月05日(金) 広島SECOND CRUTCH
・8月06日(土) 岡山IMAGE
・8月08日(月) 大阪 阿倍野ROCKTOWN
・8月16日(火) 新宿ReNY

 

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■ライヴ情報
mobile FC [elite U's] 発足3周年記念感謝祭 「ありがてぇ。2016」
・4月18日(月) 渋谷TSUTAYA O-WEST

 

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■リリース情報
8th Single 「ジュピタ」 発売中
【通常盤】(CD 3 Songs+DVD)/ ¥1,700(本体)+税 / DCCL-197〜198
【初回生産限定軽装盤】(CD 1 Song)/ ¥463(本体)+税 / DCCL-199
【初回生産限定盤タイプY】(CD 3 Songs)/ ¥1,200(本体)+税 / DCCL-192
【初回生産限定盤タイプM】(CD 3 Songs)/ ¥1,200(本体)+税 / DCCL-193
【初回生産限定盤タイプL】(CD 3 Songs)/ ¥1,200(本体)+税 / DCCL-194
【初回生産限定盤タイプH】(CD 3 Songs)/ ¥1,200(本体)+税 / DCCL-195
【初回生産限定盤タイプS】(CD 3 Songs)/ ¥1,200(本体)+税 / DCCL-196

 

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ユナイト オフィシャルサイト
http://www.unite-jp.com/

 

 











2016年04月02日 (土)

【ライヴレポート】MAVERICK DC presents DOUBLE HEADLINE TOUR 2016 MAD:恵比寿LIQUIDROOM

REPORT - 23:41:15

 1月23日の埼玉・三郷市文化会館を皮切りにスタートした、MUCCとシドのベーシスト・明希のソロプロジェクトAKiがダブルヘッドライナーをつとめる全国ツアー『MAVERICK DC presents DOUBLE HEADLINE TOUR 2016 M.A.D』のファイナル公演が、3月31日と4月1日に恵比寿LIQUIDROOMにて行なわれた。


 追加公演も合わせ、全国13箇所・18公演で行なわれた今ツアーには、ギルガメッシュ、ユナイト、DIV、カメレオ、CLØWD、という彼らの後輩バンドや、D’ERLANGER、ゲストパフォーマンスでcali≠gariの桜井青、ゲストヴォーカルとしてL’Arc〜en〜CielのHYDEとシドのマオ、そして、このツアーには欠かすことの出来ない存在となったL’Arc〜en〜CielのKenらを迎えて行なわれた。まさに、このツアーのタイトルどおりの、ロックシーンを牽引するMAVERICK DC GROUPあげての強力な布陣となった。


 両日ともに先陣を切ったのはAKi。
 来年には結成20周年を迎える、19年の歴史を築き上げてきたMUCCに対し、自身がベース&ヴォーカルをつとめ、ギターに佑聖(ex THE KIDDIE、GUTS AND DEATH)、加藤貴之(兎-usagi-)、ドラムに宮上元克(THE MAD CAPSULE MARKETS)を迎えたAKi名義のソロプロジェクトは、結成わずか1年とまだまだ始まったばかり。シドとしては13年の歴史を持つ明希だが、ベースに加え、ヴォーカルとしてセンターを担い、バンドを引っ張り、さらに、20年選手と並び、ヘッドライナーをつとめるという責任の重さは、想像以上のプレッシャーであったに違いない。


 正直な言葉で書くとするならば、ツアー序盤では、それぞれが秀でたスキルを持つ最強のプレイヤーを揃えながらも、バンドとしての経験とライヴ経験が少ないこともあり、楽曲そのものの魅力が充分に発揮されておらず、本来の魅力を持て余す様子も伺えたほど、“AKi”というプロジェクトが、発展途上であることを雄弁に物語っていた。しかし。ツアー中盤あたりからの成長には実に目を引くものがあった。いや、度肝を抜かれたという表現の方が適切かもしれない。それは、楽曲のアレンジ自体を大幅に変えたのか? と錯覚するほどに楽曲の印象が違って聴こえたことと、まったく異なるバンドかのようなバンド感を放っていたところにあった。そう。AKiというプロジェクトは、短期間に何年も歴史を積み重ねてきたバンドが宿す重みと深みを身に付けていたのだ。


 ファイナルとなった1日目は、壮大なSEから幕を開けながらも、その印象を一気に打ち砕く破壊力を持った「Fahrenheit」「Be Free」を畳み掛け、まったく飾りのない、丸腰のバンドサウンドでオーディエンスを煽っていった。まさしくそれは、AKiがこのプロジェクトで魅せたかった理想型だと感じた。最強のプレイヤーの個性が、1つのバンドとして集結することで生まれた音像である。また、バンドとしての遊びを感じさせる、タイトなノリの「FAIRY DUST」や、独特な毒を含んだ「FREAK SHOW」で、オーディエンスに純粋に音楽の楽しさを教え、「Day 1」「LOOP」などのメロウな楽曲は、音で景色を描く様を魅せると共に、AKiの根底と楽曲センスを見せつけるものであった。


 ここに上げた、“丸腰のバンドサウンド”と、“ギミックで魅せた音の楽しみ方”と、AKiのルーツが窺い知れる“メロウで幻想的な歌モノ”という大きな3つの枝は、この先もAKiのサウンドを支え、大きく葉を茂らせていくことになるであろう軸を思わせた。
 また、2日目の始まりには「Day 1」を置き、静かでありながら熱く厳かな空間からライヴをスタートさせ、大きく曲順をシャッフルさせていたが、楽曲それぞれの個性がしっかり確立されていたこともあり、曲順を変えただけで大きくライヴの景色を変えることとなったのである。


 後に続いたMUCCのライヴは、AKiが描き出した景色とは異なる世界観のモノであったが、集まったオーディエンスは、ノリを変え、MUCC、AKi、という両者から放たれる異なる音を楽しむスイッチを切り替え、“音楽そのもの”を楽しむ喜びを噛み締めていたように思った。


 後攻のMUCCのライヴもツアー序盤とは印象を変えていた。確実にAKiとのライヴがMUCCのライヴを変えていたのだ。20年選手が、ここに来て、またこれほどまでに大きな成長を魅せてくれるとは。ある意味、AKiの成長の振り幅以上に驚かされたと言っても過言では無い。

 

 百戦錬磨のMUCCのライヴ戦力は半端ない。が、しかし、このM.A.Dというツアーは、彼らにとっても特別な刺激を与えた時間となったのだ。敢えてアウェイ戦に挑み、自ら率先して負荷を与えてきただけに、こういった“戦う相手”が同じ場所に存在するときに発揮するパワーは、彼らのライヴをひと回りもふた回りも大きく成長させるのである。この日のMUCCは、純粋にライヴを楽しんでいる様子であったことから、本人たちは“戦っている”という意識は無かったと思うが、やはり、本能的な部分で闘志が掻き立てられていたのだろう。さらに、その相手がAKiであったことも大きかったのだ。同士であり、仲間であり、友人でもあるAKiだが、MUCCはそこをサポートする気などさらさら無い。結成1年の対バン相手に負けるわけにはいかないという闘争本能が、この日のMUCCのライヴを最高で最強のモノに押し上げていたのだろう。実に人間的で、常に生身であるのがMUCC。あたたかく、そして優しく、とても空虚で刹那的である故に、そことは反対に位置する猛々しさと激しさと険しさは、より深い。人間の業を唄う彼ららしい在り方である。共にライヴを楽しみながらも、本気でぶつかり合う。その景色がとにかく素晴しかった。気持ち的には、とにかく楽しんでいる様子が手に取るように伝わってきたのだが、ただただ“楽しい”だけのツアーであったとしたならば、互いにここまでの成長は無かっただろう。共に、真剣勝負で殴り合ったからこそ、より深い友情と成長がそこにあったのだと思う。


 その証拠に、1日目のMUCCはAKiのライヴを受け、1曲目をライヴ直前に変更したのである。混沌とした世界を描きながらも、激しく、大きな4つ打ちで聴き手を揺らす、MUCCというバンドの歩みのすべてを凝縮した「睡蓮」から、ライヴ後半で投下されることが多い、トドメの煽り曲「蘭鋳」への曲変更は、AKiが作ったフロアの熱をそのまま引き継ごうと思ったのか、はたまたその熱以上の破壊力でその場をMUCC色に染め変えようと思ったのかは定かではないが、闘志を掻き立てられたことには違いない。新曲「JOKER」での逹瑯とミヤの妖艶な絡みも、いままでのMUCCには無かった色である。それは、純粋に、この曲の持つMUCCらしいレトロなメロが自然と呼び起こした絡みでもあるだろうが、AKiとのこのツアーで新たに呼び起こされた新たなMUCCらしさでもあったのではないだろうかと感じた。1日目には旧曲「試験管ベイビー」が届けられたのだが、昔とは違う激しさがそこに宿っていたのも、ミヤの導入の台詞の後に逹瑯が英語での煽りを差し込んだ「睡蓮」の魅せ方も、彼らが“当時のまま”そこに立ち止まっていたら、この成長も変化も無かっただろう。“将来英詞の曲とかやるようになっちゃうかもね!”と、冗談にしていた当時の彼らに、今のMUCCの姿を見せたとしたら、誰よりもその変化に驚くことだろう。そんな成長も愛おしく感じさせられた一夜となった。



 そして。冒頭にも書き記したが、特筆すべきは、このライヴツアーが、単なるダブルヘッドライナーで行なわれたモノで無かったことである。


 このツアーに、ゲストギタリストとして参戦し、裏で彼らを支えたL’Arc〜en〜CielのKenの存在は実に大きなモノであったと言える。


 1日目のアンコールでは、急遽出演が決まったというギルガメッシュ、ユナイト、DIV、カメレオ、CLØWDら後輩バンドが集結し、YUKKEはDIV、AKiはCLØWD、SATOちはユナイト、逹瑯はカメレオ、ミヤはギルガメッシュとのセッションで盛り上げた。ナントこのセッション、本番2日前に決めたことだったらしく、どのバンドもセッション曲を2日で覚えたというから驚きである。これも、体育界系のノリのMAVERICK DC GROUPらしいエピソードである。


 ここでは、KenもM.A.Dのメンバーとのセッションに参加し、ライヴを盛り上げた。本番中もKenは実に自然体で後輩たちと接し、とにかく第一にM.A.Dが創り出そうとしている景色を大きくバックアップしていたのである。そんなKenに絶大な信頼を寄せる後輩たち。Kenは、空き時間に後輩にギターを教えたり、各セッションのリハーサルのすべてに立ち合い、的確なアドバイスをしてくれたのだという。それは、決して上に目線を置いたモノではなく、あくまでも“音楽を創り出す同士”としての、まったく威圧感のない、Kenの人柄が溢れるあたたかなものであったと、後輩たちも声を揃えた。


 MUCCにとってもAKiにとっても、L’Arc〜en〜Cielは憧れのバンドであるのはもちろんのこと、後輩バンドにとっても、音楽を始めるきっかけをもらった憧れの存在である。しかし、Kenはまったく奢る事無く、彼らと純粋に音楽とこの空間を楽しんでくれたのである。


 ツアー中も、ライヴはもちろんのこと、とにかく楽屋が楽しかったというM.A.Dのメンバー。ツアーすべてに参加していたわけではないが、出演予定の無い場所にも顔を出してくれていたというKen。逹瑯いわく、このツアーには、Kenの存在が無くてはならないモノであったという。


 2日目のMUCCのラスト曲で、KenとAKiを呼び込み、「TONIGHT」が届けられたのだが、激しさと美しさが共存する曲の中に鳴り響いた透明なKenの個性は、素晴しくこの曲を輝かせたのだった。


 また、この日のアンコールは、M.A.Dのメンバーと、もはやM.A.Dのリーダーと言っても過言ではないKenのセッションで盛り上げられたのだが、その景色は、世代を越えて繋がっていく音楽の在り方そのものであると感じた。


 憧れが次の世代を生み、その音がさらに新たな憧れを生み、新たな音を生み出し引き継がれていく。そんな音楽の連鎖を感じたライヴだった。


 M.A.D———。
 この経験は、彼らの音楽人生の大きな糧となっていくに違いない。

 MUCCは6月25日の日比谷野外大音楽堂から、AKiは5月1日のThunder Snake ATSUGIから、共に全国ツアーが控えている。新たにツアーをスタートさせる両者にとって、このM.A.Dツアーは、さらに大きく高く羽ばたくための助走となったことだろう。
 またいつか、M.A.Dにツアーで逢えることを期待したい。

 

TEXT:武市尚子

PHOTO:西槙太一、ひらりい

 

◎ライブ写真は下記フォトギャラリーへ

1日目:http://www.visunavi.com/news/169241/

2日目:http://www.visunavi.com/news/169255/

 

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<M.A.Dを終えて参加メンバーコメント>



●MUCC 逹瑯(Vo)
 ホントに楽しかった。戦った感じもなかったけど、お互いいいライヴが出来たんじゃないかな。ファイナル1日目と2日目は同じ空間でのライヴだったけど、まったく感じ方が違ったんだよね。1日目は後輩バンドもかけつけてくれたし、お祭りみたいなライヴになったし、2日目は、お客さん含めた打ち上げみたいなライヴだったね。本当に心から楽しいって思えたライヴだったよ。でも、ちゃんとビシッと締められたライヴでもあったと思うし。本当に熱かったし、暑かった(笑)。本当にお互いいい刺激になったツアーだったなって思います。


●MUCC ミヤ(G)
 もうね、とにかく楽しかった。M.A.D来なかった人たちはホント、人生損してると思う。それくらい言っても言い過ぎでは無いくらい楽しかったし、来てくれた人たちを楽しませることができた自信があるツアーだった。確実に、ワンマンとは違うライヴが出来てたと思うよ。この空気感を共有できた人は、メンバーもお客さんも含めて特別な存在だと思ってる。絶対に次も来たいって思えるライヴが出来たんじゃないかな。ワンマンがどうこうとか、対バンがどうこうとか、ジャンルがどうこうじゃなくて、“音楽が好きな奴らが来てる場所”であったと信じてる。本当に楽しかった。ありがとう!


●MUCC YUKKE(B)
 このM.A.Dの企画が持ち上がった頃は、こんなに楽しいツアーになると思ってなかったから、正直びっくりしてる。Kenさんがこんなにも歩み寄ってくれて、一緒に親身になって盛り上げてくれるなんて思ってもなかったから、すごく感謝してるし、本当に幸せだなって思ってます。Kenさんの存在は本当に大きかったです。毎回毎回ライヴするのが楽しかったし、楽屋もすっごく楽しくて、何日か空いてライヴが無いと“楽屋ロス”になったくらい毎回楽しかったからね。このメンツでまたいつかツアーしたいね。てか、絶対やる! 本当に、最初から最後の最後まで、進化と変化を止めなかったツアーだった。あとね、個人的なことで言うなら、ライヴ中に、AKiにキスされて、Kenさんにもキスされて、HYDEさんに体を弄られて、それぞれのファンの人たちから“YUKKE許さない!”って言われて、たくさん敵を作ったツアーでもありました(笑)。またみんなに会える日を楽しみにしています! 本当にいい事務所だなぁ〜って思いました!


●MUCC SATOち(Dr)
 全部勉強になった。本当に楽しかった。元克さんのドラムとか、袖でずっと見てたんだけど、ホントにすごい! 俺がドラマーだから、特にドラムばっかり見ちゃうんだけど、元克さんのドラムには譜面があるのね。俺は音符書けないし譜面は読めないから、それだけでも刺激的だったし、憧れた。リズムの刻み方も本当に素晴しくて、勉強にしかならなかったからね。ツアー中、ずっと勉強してた感じ。みんなはステージの上でプレイする元克さんを、正面からしか見れないと思うけど、俺はステージ袖から見れるからね。これはすごく贅沢な刺激だし、これ以上勉強になることはないから。Kenさんが、“いろんなバンドをただで見れちゃう贅沢さがたまらない!”って言ってたけど、俺も同じこと思ってました(笑)! こんなに楽しく勉強できるなら、ずっと勉強してたいなって思います! 


●AKi(Vo/B)
 20年近いバンドの歴史を持ってるMUCCと一緒に出来たから、思いっきり出来た気がする。本当に気負うことなく出来たのは、MUCCのおかげだと思う。毎回圧倒的なライヴをして、何度も何度も悔しい思いもさせられたし、それでいて大きく包み込んでくれたMUCCだったから、ここまで成長できたんだと思う。MUCCで良かった。すごく刺激になった。戦っても勝てない相手ではあったけど、戦わなくちゃいけない相手でもあったから。MUCCじゃなかったら、今のAKiの成長は無いと思うから。本当に楽しかった。来てくれた人も本当にありがとう!


●加藤貴之(G/兎-usagi-)
 純粋に楽しかったです。客観的に見れないんで、AKiの成長具合は正直解らないんですけど(笑)、AKiも楽しそうだったなって思いましたね。とにかく楽しかったです。でも、ツアーをまわって、やっぱり酒は必要ないって思いましたね。すごく個人的なことなんですけど、酒が飲めないので、ライヴが終ったらすぐに帰りたいんです。次があるとしたら絶対に一緒にまわりたいんですけど、酒だけは勘弁してほしいですね(笑)。その前に、次があったら、また呼んでもらえるように頑張ります!


●佑聖(G/ex THE KIDDIE、GUTS AND DEATH)
 本当にとにかく毎回勉強でした。勉強だったんですけど、こんなに楽しくていいのかな? って思うくらい楽しいツアーで、終っちゃうのが本当に寂しいです。MUCCのメンバー1人1人からも、AKiメンバーからも、毎回刺激を貰っていたんですけど、自分がギターを始めたきっかけのガチ原点がKenさんなので、そんなKenさんと同じステージに立てて、いろいろとギターのことを教えてもらえたのは、本当に幸せなことでした。それと、一緒に盛り上がってくれたお客さんにもすごく感謝しています。本当にありがとうございました。


●宮上元克(Dr/THE MAD CAPSULE MARKETS)
 メンバー同士ももちろんなんですけど、スタッフも含め、すべてにおいて雰囲気がすごく良くて。こんなツアーは、人生において、もう二度と無いんじゃないかなって思ってます。それくらい楽しいツアーでした。ライヴ本編はもちろん、アンコールとかでは、普段見れないようなメンバーの姿も見れたりしたと思うので、お客さんもすごく楽しかったんじゃないかなと思いますね。本当に素敵なツアーでしたね。基本、曲はAKiちゃんが作ってくるんですけど、最近リハーサルをやるようになってからは、すごくバンド感が増したというか。ツアー中にも自分の中でちょくちょく変えていったりもしてましたし、すごくいい状態で音と向き合えてる気がします。MAVERICK DC GROUPという超体育界系のノリがすごく気持ちいいなと思いました。本当に素晴しいなと。あんまり最近そういうのないですからね、是非、またやりたいですね。


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■M.A.D LIQUIDROOM SET LIST

<2016.3.31 [thu]>

AKi
1.Fahrenheit
2.Be Free
3.FAIRY DUST
4.FREAK SHOW
5.Day 1
6.LOOP
7.Wait for You
8.In Vain
9.ジウ
10.BASS & DRUM SESSION
11.Sing It Loud
12.ミッドナイト/狂騒/DARLING:
13.Brave New World
14.The Inside War

MUCC
1.蘭鋳
2.睡蓮
3.ENDER ENDER
4.G.G.
5.JOKER (新曲)
6.D・f・D (Dreamer from Darkness)
7.試験管ベイビー
8.溺れる魚
9.ブリリアント ワールド
10.謡声(ウタゴエ)
11.Mr. Liar
12.MAD YACK
13.TONIGHT

[Encore Session]
1.YUKKE with DIV / FANTASTIC BABY
2.AKi with CLØWD / #夏の微熱
3.SATOち with ユナイト / 前へ
4.逹瑯 with カメレオ / デビルくん
5.ミヤ with ギルガメッシュ&KØU / 恋のメガラバ
6.Ken with M.A.D ALL STARS / Caress of Venus
7.Ken with M.A.D ALL STARS / Shout at the Devil
8.M.A.D SUPER ALL STARS / MARBLE


<2016.4.1 [fri] >

AKi
1.Day 1
2.Fahrenheit
3.FAIRY DUST
4.FREAK SHOW
5.Be Free
6.Wait for You
7.LOOP
8.In Vain
9.ジウ [Guest Guitar:ミヤ]
10.BASS & DRUM SESSION
11.Sing It Loud
12.ミッドナイト/狂騒/DARLING:
13.Brave New World
14.The Inside War [Guest Guitar:Ken]


MUCC
1.蘭鋳
2.睡蓮
3.ENDER ENDER
4.G.G.
5.JOKER (新曲)
6.アゲハ [Guest Guitar:Ken]
7.塗りつぶすなら臙脂
8.空と糸
9.ブリリアント ワールド
10.夕紅
11.謡声(ウタゴエ)
12.MAD YACK
13.TONIGHT [Guest Guitar:Ken / Guest Bass&Chorus:AKi]

[Encore Session]
1.逹瑯 with M.A.D ALL STARS / バラ色の日々
2.ミヤ with M.A.D ALL STARS / G.M.J.P
3.AKi with M.A.D ALL STARS / ROSIER
4.YUKKE with M.A.D ALL STARS / SHUTTER SPEEDSのテーマ
5.SATOち with M.A.D ALL STARS / リンダ・リンダ
6.Ken with M.A.D ALL STARS / ミッドナイト・シャッフル
7.Ken with M.A.D ALL STARS / HONEY
8.M.A.D SUPER ALL STARS / MARBLE


M.A.Dオフィシャルサイト http://mad-maverick.com/ 
MUCC オフィシャルサイト http://www.55-69.com/ 
AKiオフィシャルサイト http://www.dangercrue.com/AKi/index.php 

 

2016年04月02日 (土)

【フォトギャラリー】<1日目:2016年3月31日(木)>MAVERICK DC presents DOUBLE HEADLINE TOUR 2016 MAD:恵比寿LIQUIDROOM

REPORT - 23:31:49

PHOTO:西槙太一、ひらりい

 











2016年04月02日 (土)

【フォトギャラリー】<2日目:2016年4月1日(金)>MAVERICK DC presents DOUBLE HEADLINE TOUR 2016 MAD:恵比寿LIQUIDROOM

REPORT - 23:21:19

PHOTO:西槙太一、ひらりい

 










2016年04月01日 (金)

【ライブレポート】レーベルNO.1のイケ麺を決めろ!!熱狂にまみれたStarwave Records誕生6周年記念イベントを舞台に開催になった「レーベル内イケ麺総選挙」。1位を手にしたのは!?

REPORT - 14:15:40

 

 

今年でレーベル誕生から6年を経過したStarwave Records。同レーベルが、3月29日に新宿ReNYを舞台に「Starwave Fest Vol.13」を開催。この日は、Misaruka/Synk;yet/Tokami/THE SOUND BEE HD/Scarlet Valse/Calmando Qual/nüe/MAJOLICA/VAMPIRE ROSE(ゲスト)/アヴァンチック(ゲスト)が参加。転換の合間には、出演メンバーらによるトークコーナーも登場。この日のStarwave Records所属バンドたちのライブの模様を以下へお伝えしよう。

 

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                  MAJOLICA

 

 

イベントのトップを飾ったのが、MAJOLICA。ライブはヴォーカル京平の雄叫びからスタート。ド頭から拳突き上がる狂騒劇を描こうとMAJOLICAは『Masquerade』をぶつけてきた。攻めと昂揚二つの表情を巧みに使い分け、彼らは観客たちを煽ってゆく。舞台最前線では、激しく身体を折り畳んでゆく人たちも。

 

猛々しい音を舞台上からぶつけ出したメンバーたち。気が狂ったように叫ぶ京平、演奏陣は身体をつんざく激熱な音をぶつけてゆく。サビでは艶かしい表情も。暴れ奉るための狂奏曲、それが『魔女狩り』だ。

 

嘆きの表情を持った歌の幕開け。体感的というよりも歌で気持ちを沸き立ててゆく、『春時雨』に印象深く心惹かれたのも、楽曲の魅力はもちろん、 歌で心を酔わせる表現力を京平が持っているからこそ。場内には、数多くの手が咲き誇っていた。

 

「言葉とか要りません、叫んで!!」。最後は重量感満載な、でも華やかさも携えた『Silent Killer』をプレゼント。「オー!オー!オー!」の雄叫びも印象的。ふたたび場内に暴れの風景を描きながら、MAJOLICAは場内に熱い空気を作りあげていった。

 

 MAJOLICAにとってこの日が解散となったライブ。最後の最後まで全力のステージをぶつけ、彼らは華々しく召されて逝った。

 

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                 Calmando Qual

 

 

おどろおどろしい雰囲気からの幕開け。禍々しくも痛い空気に触れていると、怪しく身震い覚えてしまう。Calmando Qualが『抜け殻』を通して示したのは、そんな墨色な世界広がるドラマだ。

 

演奏は重く躍動し出した。『歪』が導いたのは歪んだ踊りの空間。リズム隊の跳ねた演奏、その上でヒリヒリとした旋律を這わせてゆくギター。Hibikiの絶叫と歌声が、狂うための手招きをしてゆく。シャッフル要素交えたインダストリアルゴスな香りが、たまんなく刺激的だ。

 

疾走し出した演奏。ヒリヒリとした、そしてキリキリと身体に突き刺さる歌声が、痛みを伴いながらも胸に気持ちいい。昂揚した感情のままに歌い演奏してゆくメンバーたち。『一雫の永遠』が、舞台上から与えてくれたのは高ぶる刺激だ。

 

最後は、奈落へ突き落とすように嘆くゴシック哀切歌『クライ』を披露。暗い闇の中で蠢く、その感覚へずっと浸って痛い(いたい)。和製ポジパンの流れを今に踏襲しながら、現代風に音の化粧を施してゆくCalmando Qual。彼らもまた間もなく(6月9日に)終焉の時を迎えようとしている。それが、とても勿体ない。

 

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                   Fixer

 

 

 今年、新たにレーベルの仲間入りを果たしたFixer。「拳を上げて汚ねぇ声聞かせろ!!」。演奏が始まると同時に、Fixerは観客たちを煽り出した。1曲目に提示した『孤慟 -into the vortex-』の時点から、客席前方には数多くのヘドバンの風景が広がっていた。凛々しく、激しく、華やかに煽ってゆくメンバーたち。サビでは、胸にグッと突き刺さる嘆きの歌を投影。破壊的な衝撃を通し、会場を暴れの風景にFixerは様変えてゆく。まさに、ライブこそが自分たちの生きる場と示すステージングだ。

 

身体をボコボコに殴るように痛い音の衝撃を、Fixerは『Ignited』を通して突き付けてきた。客席では、逆ダイしながら暴れ狂う観客たちの姿も。妥協を許すことなく、沸き上がる衝動へ突き動かされるように痛く重い旋律と雄叫びをぶつけてゆくメンバーたち。止むことなき、いや、病み続けるこの煽りの光景に浸ってこそFixerのライブの醍醐味だ。

 

ヴォーカルJeyのアカペラでの熱唱を挟み、演奏は『深淵』へ。猛り狂う演奏、デス声交え牙剥き出しで襲いかかるJey。緩急効かせた音の唸りに抱かれていると、頭を空にしながら大きく大きく身体を揺らし続けていたくなる。スケールあふれたハードエッジな楽曲を通し、改めてFixerは一筋縄ではいかないバンドであることを示してくれた。

 

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                 Scarlet Valse

 

 

ゴシックでシンフォニックな幕開け。だが、ひとたび演奏が唸り出すや、荒々しい轟音が身体を貫いてきた。『Viriginal Blood』を叩きつけ、Scarlet Valseは観客たちの血流へ熱い刺激を注入し始めた。感情を荒ぶらせる演奏。間奏では、場内へ逆ダイで騒がせてゆく風景も描き出していた。

 

続いてScarlet Valseが突き付けたのが、暴れるに相応しい曲たちを並べたメドレーコーナー。激烈歌物シンフォニックな『Voyage in Chronos』を奏でヘドバンやモッシュしてゆく様を描けば、『The Name of Valse』でも、勢いを持続させたまま観客たちを熱い唸りの中へと飲み込んでゆく。『揚羽蝶乃夢』で激しさはさらに増加。誰もが沸き立つ感情を抑えきれず、嬉しく暴れの渦の中へと溺れて逝った。

 

最後も、勇壮で壮大な激熱シンフォニックハードな『Secret Eden』を突き付け、場内に無数の揺れる頭と手の花を咲かせながら、熱狂のドラマをScarlet Valseは描きあげていた。

 

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                THE SOUND BEE HD

 

 

 さぁ、ゴシックでダークな世界へと導く宴の幕開けだ。THE SOUND BEE HDが『answer』を道案内に観客たちを連れ出したのは、怪しい闇の世界で踊り狂うことが恍惚とばかりに突き付けたゴシックロマンなダンスロックだ。とても攻撃的なのに、そこへ儀式めいた昂揚を覚えるのは、彼らが救世主となり、観客たちを痛い音と感情でギュッと抱きしめてくれたから?!

 

オリエンタルな風を肌に感じながら、高らかに歌いあげるDaISUKE DARK SIDEへ従うように、舞台上からあふれだす激烈な演奏へ誰もが心地好く身を預けていた。『ReBoRN』に触れてる間中、ずっと感情がフツフツと煮え立っていた。彼らの歌は祈りだ。闇の中へ溺れることへ恍惚な病みを覚えてゆく、激熱な祈りの歌だ。

 

なんて雄大な幕開けなんだ。救いを求めるように?!。スケールあふれた演奏へ抱かれながら、バラードナンバー『Darkness World』が波紋広がるように心を嬉しく侵食してゆく。その歌や演奏に包まれながら、闇へと誘う歌にも関わらず、そこに温かな愛を感じ続けていた。THE SOUND BEE HDの歌は、闇が持っている無限の包容力を用いて救いを与えてゆく希望の物語?!。最後の『live』でも、THE SOUND BEE HDは荒ぶるゴシックハードシンフォニックな音の爆弾を投下。この宴へ思いきり溺れたからこそ、胸に光射す感覚を抱けたのは間違いない。そう、闇とは救いを与えてくれる存在。それを、改めてTHE SOUND BEE HDに教えてもらった。

 

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                   nue

 

 

 いきなり高ぶった感情のままに歌を解き放ちながら、nueのステージは幕を開けた。空間を活かし、巧みに緩急のドラマを描きながらnueは『mother』を差し伸べてきた。振幅した感情のままに歌声が揺れ動くからこそ、彼らの歌と演奏が、生や愛の意味を、痛みと優しさを持って胸へと突き付けていた。

 

 一変、『甘い蜜』を通しnueは激しく煽る姿勢を提示。唸りを上げて走る演奏に身を任せ、大勢の人たちが拳振り上げ騒ぎ立てていた。キリキリと突き刺さる歌と演奏が、暴れてなんぼでしょとばかりに気持ちを高ぶらせてゆく。何時しか誰もが理性を捨て、場内へ熱を描くことに喜びを覚えていた。

 

会場内へ生まれた熱を抱く形のまま、クールにスリリングに攻めた演奏が炸裂。荒ぶる熱を持ったロックンロールナンバー『スーサイドハニー』が、触れた人の感情を嬉しく掻き立ててゆく。螺子の壊れたロックンロールパーティに飛び込まなきゃ勿体ない。それを味わなきゃ、nueのライブに触れている意味がない。

 

最後の『深海』では、深く暗く闇を抱いた音に溺れながら。でも、堕ちてゆくその感覚が心地好くて、どっぷりと心侵食してゆく楽曲に浸り続けていた。

 

   ゲストで出演したVAMPIRE ROSEのステージを挟み、イベントは後半戦へ。

 

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                   Tokami

 

 

「俺たちと気持ちいいことしようぜ!!」、Tokamiのライブは猛々しい音の唸りを上げながら、観客たちを攻めるようにスタート。『Dictator』に身を任せ、暴れ続けていく観客たち。熱狂の様を、煽りながらも余裕を持って懐へ受け止めてゆくTokamiの面々。その器の深さが、今の彼らを大きく見せている要因だ。

 

勢いを持続したまま、演奏は激烈かつダークサイドな表情を突き付けた『venom』へ。雄々しく歌い上げてゆくAgato、彼の存在を荒々しい音で際立たせてゆく演奏陣。暴れ奉る?!。それは、今のTokamiにとっては常識というべきライブでの光景だ。

 

荒れ狂う熱狂は、歌物な表情を携えた『Luminesence』でさえ衰えることはない。むしろ恍惚という熱に冒されながら、ただただ暴れゆく渦の中へクシャクシャな顔で浸り続けていた。それにしても、なんて艶かしいサビ歌なんだろう。激しく疾走してゆく音の中へ妖艶な様が見えるからこそ、余計に楽曲やステージングに惹かれて逝くのだろう。

 

最後は、激烈な音をドカンと投下。直下型な衝撃をTokamiは『vendetta』を通し落してきた。Agatoの煽りを受け、飛び跳ね、首振り、我武者羅に暴れ続けてゆく観客たち。「殺っちまえ!!」の言葉通り、何度も繰り返される煽りの応酬。互いに全力で感情をぶつけあったからこそ生まれる熱狂が、その場を確かに支配していた。

 

 

ゲストで参加したアヴァンチックが作りあげた熱狂を受け継ぐ形のもと、イベントも終盤戦へ。

 

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                  Synk;yet

 

 

「殺っちまおうか!!」、幕開けから高いテンションのもと、スリリングでハードシンフォニックな演奏を叩きつけ、場内へ熱狂の風景を作り出したのがSynk;yetだ。熱を持って疾走する『[Re]:birth』が、触れた人たちの感情を激しく掻き立ててゆく。荒ぶる演奏を背に朗々と歌いあげる莉希。感情の揺れが伝わる歌だからこそ、激しさに酔いながらも心は嘆いてゆく。

 

振幅付けながらも、図太いシンフォニックでハードなサウンドを突き付け、場内に暴れの風景をSynk;yetは描いてゆく。緩急のドラマ作り出す演奏とはいえ、大勢の人たちが『インナーチャイルド』の演奏へ無我夢中で飛び乗り、騒ぎ続けていた。

 

莉希の絶叫からスタート。激昂な音が荒れ狂う『タルペイアの崖』が凛々しく、妖しく襲いかかってきた。サビでは、気持ちを嬉しく武者震いさせる歌も登場。絶叫に、熱狂へ身を溺れてこそ。そんな気持ちを胸に、会場中の人たちが頭振り乱し暴れることへ快感と恍惚を覚えていた。そして…。

 

 会場にいた人たちすべてをメサイアに変えるように、感情を一気に開放するように『Messiah』が飛び出した。耳をくすぐる歌に酔いながらも、身体は騒がずにはいられない。「最後の一瞬まで楽しむことを忘れるな」。思いきり両手を咲かせ、モッシュしながら暴れ狂うことが正しい答えのように、誰もがSynk;yetの作り上げた熱狂へぐちゃぐちゃな表情のもとかしづいていた。

 

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                  Misaruka

 

 

「Starwave Fest」の最後を飾ったのが、今やレーベルの顔とも言えるMisarukaだ。冒頭を飾ったのが、躍動するシンフォニックハードロマンナンバー『-Unacceptable-』。麗しさと華激さを備えた楽曲を突き付け、場内に無数の花を咲かせてゆく。さすが、麗しき貴公子バンドのMisarukaらしい光景じゃないか。華麗に激しく狂わせていく、その手腕がまた罪深い嬉しさじゃないか。

 

「ここに集まった最愛のお前たちにこの歌を贈ります」。なんて胸をときめかせる歌なんだろう。疾走する演奏に身を預けながらも、美しくも麗しい衝動与える『-Juliet—』へずっとずっと溺れ続けていたい気分だ。美しさと浪漫な香りで心を射抜いてゆく。だからこそMisarukaの歌に触れ続けていたい。ひとときのジュリエットになり、歌に抱かれていたい。

 

「お前たちは何が欲しい?!」。そう叫んだあとに続いたのが、マジェスティックな交響浪漫ナンバー『-What do you want?-』だ。会場中の人たちがタオルを振り回し、華麗に躍動してゆく楽曲へ心地好く身を預ければ、逆ダイしてゆく景色まで作りあげていた。演奏が進むにつれ、どんどん熱を帯びてゆくMisarukaのライブ。激しさに身悶えてゆくのもたまんない興奮だ。

 

「この時間は一瞬で終わってしまうけど、お前らと作りあげたこの光景は永遠だよ」。Misarukaは、最後に『-Rogation-』を叩きつけ、場内に暴れ奉る光景を作り出していた。激しく嘆く歌と演奏に大勢の人たちが身を委ね、頭振り乱し騒ぎ続けていた。そう、この楽しさをずっとずっと身体と記憶へ刻み込むように。

 

最後に、ruiがこの日、同じく舞台を熱狂で彩り続けてくれた仲間たちをステージへと呼び入れた。何十人という仲間たちと一緒にセッションしたのが、シンフォニックハードナンバーの『My Dear Rose』だ。Misarukaの演奏を背景に、出演者たちが自由奔放に舞台上で騒ぎ続けてゆく。一緒に歌う仲間はもちろん、神輿や胴上げされる仲間もいれば、ファンたちと一緒に咲いてゆく仲間も、誰もが無邪気に仲間たちとじゃれあいながら、この瞬間を祭りとして楽しんでいた。ファンたちが逆ダイしてゆく姿を観て、次々と前へ引き寄せたり、舞台下へ飛び下りて一緒に騒いだりと、気心知れた仲間たちだからこその関係の中、誰もが笑顔浮かべ、このひとときを忘れたくない記憶として刻み込もうと楽しみ続けていた。

 

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           「総選挙」でNO.1の座に輝いたのが…。

 

 

 最後に、気になる投票結果だが、今回の総選挙で1位の栄誉を獲得したのが、Misarukaのrui。以前から「1位ありがとうございます」と確定を前提に語ってよう、有言実行した結果を示してくれた。2位は、THE SOUND BEE HDの裕が獲得。心も美貌もイケメン王子のように、これも納得の順位!?。そして3位がSynk;yetの栞。次に総選挙があったら、さらに浮上しそうな勢いを感じてしまう。この結果、みなさんはどう受け止めただろうか??

 

 

 

 

                  PHOTO: Orita Takuya

                  TEXT:長澤智典