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2017年01月17日 (火)

【ライヴレポート】★カメレオ★カメレオ5周年記念特番「めちゃ×5みなさんのおかげでした」1月14日(土)六本木ニコファーレ「みなさんのおかげでカメレオは5歳になりました!」

NEWS - 20:47:26

 

1月14日(土)、カメレオが六本木ニコファーレにて、
『カメレオ5周年記念特番「めちゃ×5みなさんのおかげでした」』を行なった。
 
2012年1月10日に初ライヴを行なったこともあり、毎年1月にはアニバーサリーイベントを行なっているカメレオ。
5周年というひとつの節目を迎えた今年は、昨年の企画が好評だったことを受け、
第一部はライヴ、第二部はトークライヴという2部構成のイベントを六本木ニコファーレで開催し、
ニコニコ生放送でその模様を配信した。当日会場で観覧できるリアルチケット、特典付きネットチケットは即完売し、
多くのカメコカメオ(カメコカメオはカメレオファンの愛称)が、それぞれの形でバンドの5周年を祝福した。
(尚、特典なしのネットチケットは1月21日23:59まで発売中。無料放送を行なった第二部共に、
1月28日までタイムシフト視聴可能となっているので、見逃してしまった方は是非そちらを!)。
 
15時30分、第一部がスタート。この日が2017年一発目のライヴということで、
「あけおめ! ことよろ!」と登場するなり絶叫するHIKARU.。
そして、「2017年、1曲目はしっとりとしたナンバーを……」と、いつもと違った穏やかな幕開けになるかと思いきや、
5人が繰り出したのは1stシングルの「捏造ピエロ」! ハードなサウンドで一気に会場のテンションを高め、
そこからも「デビルくん」「パリピポ」「サンドウィッチLOVE」と、ダンサブルに会場を揺らしていく。
また、カメコカメオが扇子を振り回す「運命開華ディスコ」では、「タオルを回すのは“@”、
拍手は“8”、扇子を振るマークは“∞”とします!」と呼びかけると、
会場を360度囲んだLEDビジョンには、視聴者がコメントした大量の“∞”マークが駆け巡っていた。
 
 そんなハイテンションなステージを繰り広げていく中、
「みなさんのおかげでカメレオは5歳になりました」と、HIKARU.がこれまでの感謝を伝える。
 
HIKARU.「1月10日になった瞬間に、すごくたくさんのお祝いコメントが来たんですよ。
なかには“カメレオと出会えて人生が明るくなった気がします”っていうものもあったりして。
言っても僕ら、5人集まっているからいろいろやれていますけど、
ひとりひとりは社会人にもなれなかった、しょうもないバンドマンなんです。
そんなダメダメな僕らだけど、カメレオは自分にとっての生きがいだな、誇りだなと改めて思いました。
本当にみなさんの支えがあっての僕らです。」
 
そして、「5/5」「俺は今日も」を続けて披露。過去に同じメンバーでバンドを結成し、
一度は夢を諦めかけたものの、カメレオとして再び道を歩き始めたこと(「5/5」)。
そして、何年続くかわからないけど、死ぬまで歌っていたい(「俺は今日も」)と、
彼らが歩んできた歴史や、バンドの意思が綴られた曲達を届け、
「これからも一緒にカメレオという夢を繋いで行ってください!」と、カメコカメオに思いを告げていた。
 
怒涛の後半戦では、カメレオの特徴でもあり武器でもある、メンバー全員が楽器を置いて歌って踊る“5人ボーカル曲”
をメドレー形式で披露。結成当時から今に至るまでの懐かしい映像がLEDビジョンに映し出される中、
「変幻×自在+連鎖反応=∞」「関係ナイ」「ごめんなさいっ!」「♂ or ♀」「カメクエ」「万歳\(・∀・)/Music!」と、
ノンストップで一気に駆け抜けていった。
 
続く「ダメ男」では、バブル時代を彷彿とさせるド派手なサウンドに、再び扇子と“∞”マークが乱れ舞うと、
そのまま「ニート姫」へ。客席にお菓子をばらまいたり、抽選会を行なったりと、毎回趣向を凝らした演出を行なっているこの曲だが、この日はなんと、3月22日にニューシングル「生きづLIFE!!」をリリースすることを発表! そこから続けて新曲を初披露し、最後は「見たこともないような景色を作り出して、全世界に届けてやろうぜ!」と、「始まりの歌」をエモーショナルに高鳴らして、第一部は終了となった。
 
第一部と第二部の合間には、昨年行われた4周年イベントの映像を配信するだけでなく、
当日の楽屋の様子も生中継された。「俺、YouTuberになる!」「とりあえずメントスコーラから始める!
と息巻くKouichiとTakashiに、「ここ、ニコニコの中枢だぞ?」と、
第二部の司会進行を務めた二ノ宮市丸氏が的確なツッコミを入れたり、人生相談コーナーを突如行なったり、
スタッフを交えたプチコントを繰り広げたりと、サービス精神旺盛な転換時間を経て、
19時30分から第二部のトークライヴがスタートした。
 
無料配信された第二部は、<5年間で一番印象的だったこと>というコーナーからスタート。
ドラムのTakeshiによる恒例のハナゲコールが生まれ、ギターのTakashiが絶対領域を露わにした衣装を着ていた
初年度の2012年や、シングル3枚、ミニアルバムとアルバムをそれぞれ1枚と、リリースラッシュだった2013年、
初のロングツアー「会いに行くバンドマン」を行なった2014年に、それを上回る47都道府県ツアーを行なった2015年、
そしてKouichiがライヴ中にまさかの骨折するという2016年の大阪NHKホール公演など、
袴姿に着替えたメンバー達が年表と未公開映像を観ながら振り返り、思い出話に花を咲かせていた。
 
続いて<「生きづLIFE!!」発売記念企画 コーラスをみんなで録ろう>のコーナーが行われた。
これは、会場にいるカメコカメオに「生きづLIFE!!」のコーラスを歌ってもらい、
レコーディングしたものを実際の音源で使用したいというHIKARU.の発言から生まれた企画。
第一部で初披露したばかりということもあり、最初は不安そうな空気があったものの、メンバーの指揮や、
ネット観覧組がコメントで打ち込んだ歌詞がLEDビジョンに映し出されていたことがサポートにもなり、
見事な美コーラスが収録された。「生きづLIFE!!」を聴く際には、是非そちらにも耳を傾けていただきたい。
 
最後に行われたのは<カメレオダービー>。これは「〜トーク編〜」「〜運試し編〜」の2つに分かれていて、
誰が優勝するかを参加者が事前予想し、両コーナーの優勝者を的中させた人には、
豪華プレゼントが授与されるというもので、ニコ生視聴者もTwitterで参加可能ということもあり、
現場もネットも巻き込んで行われた。
 
「〜トーク編〜」は、新曲「生きづLIFE!!」にかけて、“これがなくなったら生きづらい”と思うものをメンバーが発表。
それに対して、共感できるか/できないかを、ニコ生視聴者にアンケートを取り、
共感できる=YESのボタンを押した人が55%に近いものを発表したメンバーが優勝というルールで行われた。
各メンバーが出した答えは、HIKARU.:ティッシュ(共感率86%)、Daisuke:夜行バス(43.5%)、
Takashi:つけまつげ(15.5%)、Takeshi:掛け時計(46.4%)と、
近いものから遠いものまでさまざまだったが、共感率52.6%の「テレビ」を発表したKouichiが見事優勝した。
 
続く「〜運試し編〜」では、今年誰が一番運を持っているかということで、5つの卵がステージに登場。
それらをひとつ選び、おでこにぶつけて割るのだが、ひとつだけ用意されたゆで卵を引き当てた人が優勝というもの。
カメコカメオ達が固唾を飲んで見守る中、見事ゆで卵を引き当てたのは、
こういう企画を行なうと大抵ハズレを引きがちで、かつ度重なる“奇跡的”な発言や行動で笑いを生み出すDaisuke! 
しかし、「5周年だし、結束力をもっと大事にしないといけないから」と、
Takeshiから顔面に生卵を塗りたくられたところで、全コーナーが終了。
最後にメンバー全員が支えてくれているカメコカメオ達に改めて感謝を伝え、
5時間半を超える記念イベントを締めくくった。
 
“5歳の誕生日”を大盛況で終えたカメレオだが、今後の予定として、
ワンマンツアー『カメレオ ワンマンツアー2017 LIFE LINE ~あなたの○○浄化します!!~』を行なうことを発表している。
4月5日(水)渋谷WWW公演を皮切りに全国9カ所を廻る今回のツアーは、
現在彼らのオフィシャルホームページにて、チケット抽選先行予約を受付中。
締切は1月19日(木)15:59までとなっているのでお早めに。
また、2月11日(土)には、duo MUSIC EXCHANGEにて
『HIKARU. BIRTHDAY EVENT <今年は誕生日当日(((o(*゜▽゜*)o))) >』を昼夜二部制で開催するなど
様々なライヴが発表されているが、まず気になるのは、
3月22日にリリースされるニューシングル「生きづLIFE!!」についてだ。
 
この日に聴いた印象として、「生きづLIFE!!」は、サウンド的にはポップさがありながらも、
重心低めなバンドサウンドが特徴的。この日収録したカメコカメオによるコーラスがフィーチャーされる
シンガロングパートもあり、ライヴでかなりの威力を発揮しそうだ。
また、現代社会で口に出しづらい“本音”を次から次へ畳み掛けていく歌詞は、
世相を風刺した楽曲を生み出すカメレオらしいもので、
彼らの新たな代表曲になりそうな雰囲気がビシビシ伝わってきた。
それだけでなく、この日は披露されなかったカップリングの「ついカッとなって殺った」も
タイトルからして気になるし、通常盤のみに収録される「生きづLIFE!!」を
5人ボーカルで替え歌した「やりづLIVE!!」も、彼らがどんな“本音”を歌っているのか妄想が膨らむところ。
大充実のシングルを掲げ、2017年、彼らはどんな活動をしていくのか。
まだまだカメレオから目が離せない。

 

文◎山口哲生

写真◎藤川正典
 
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カメレオ 5 周年記念特番「めちゃ×5 みなさんのおかげでした」
2017/1/14(土) 六本木ニコファーレ SETLIST
 
1. 捏造ピエロ
2. デビルくん
3. パリピポ
4. サンドウィッチ LOVE
5. 命開華ディスコ
6. 新人類
7. vs 劣等コンプレックス
8. 戦え、己と!
9. 5/5
10. 俺は今日も
11. 21 世紀マン
12. メドレー(変幻×自在+連鎖反応=∞ / 関係ナイ /ごめんなさいっ! /
   ♂ or ♀ / カメクエ /万歳\(・∀・)/Music!) 13         ダメ男
14. ニート姫
15. 生きづ LIFE!! (新曲)
16. 始まりの歌
 
EN. 幸あれ!
 
 

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【リリース情報】


2017.3.22 New Single 『生きづLIFE!!』』


【初回生産限定盤】CD+KMカード  DCCSG-11 ¥1,800+税
<CD> 1.生きづLIFE!! 2.ついカッとなって殺った 3.五線譜のなかで
<KMカード特典> 「生きづLIFE!!」MV&メイキング カメちゃんねる -生きづLIFE!! ver.-
 
【通常盤】CDのみ DCCSG-12 ¥1,400+税
1.生きづLIFE!! 2.ついカッとなって殺った 3.五線譜のなかで
4.やりづLIVE!!(「生きづLIFE!!」替え歌 5VOCAL ver.) 5.カメトーク

 

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【ライヴ情報】


「カメレオ ワンマンツアー2017 LIFE LINE  ~あなたの○○浄化します!!~」


04月05日(水)渋谷WWW OPEN 18:00 / START 18:30
04月08日(土)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 OPEN 17:00 / START 17:30
04月15日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!! OPEN 17:00 / START 17:30
05月04日(祝木)福岡DRUM Be-1 OPEN 17:30 / START 18:00
05月07日(日)高松DIME OPEN 17:30 / START 18:00
05月14日(日)名古屋ell fits ALL OPEN 17:30 / START 18:00
05月20日(土)札幌ペニーレーン24 OPEN 17:30 / START 18:00
06月03日(土)仙台MACANA OPEN 17:30 / START 18:00
06月11日(日)OSAKA MUSE OPEN 17:30 / START 18:00
<チケット>前売り ¥4,500 / 当日 5,000円(スタンディング・D代別)
一般発売:2月26日(日)
1/19(木)15:59まで2次オフィシャルHP抽選先行受付中!
お申し込みはコチラ http://ticket.deli-a.jp/ 
 
 
カメレオ オフィシャルHP http://www.kameleo.jp 
カメレオ オフィシャルTwitter @kameleojp https://twitter.com/kameleojp 
カメレオ オフィシャルブログ http://ameblo.jp/kameleojp/ 

 










2017年01月15日 (日)

【速報!】1月14日(土)クラブチッタ川崎<GENESIS>サプライズ演出は、「清春」!!四者四様の対バンイベント、熱狂のうちに終了!!

REPORT - 02:00:20

2017年1月14日(土)、クラブチッタ川崎にてイベント<GENESIS>が開催された。

出演者は、NOCTURNAL BLOODLUST(通称:ノクブラ)とSuG(サグ)、有村竜太朗(Plastic Tree)。

 

トップバッターの「ノクブラ」が迫り来る轟音でフロアを揺らし、二番手のSuGが独自のパフォーマンスで会場の熱を上げたところに──事前に「サプライズ演出有り」との発表がされていたが、そのサプライズシークレットゲストとして、なんと「清春」が登場!

あまりの突然の登場に会場が驚きと歓喜に包まれ、「竜ちゃん(有村竜太朗)と武瑠くん(SuG)に呼ばれて来ました」と3曲を熱唱。

ラストを大阪、名古屋と自身のツアーを周ってきた有村竜太朗が浮遊した空気感を作りあげ、イベントを終えた。

 

スペシャルゲストの清春を含め、各アーティストがお互いに繋がっているイベントは、終始それぞれの個性を表現した一日となった。

 

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NOCTURNAL BLOODLUST
http://www.nocturnalbloodlust.com

SuG
https://sug-web.jp

有村竜太朗
http://arimuraryutaro.com

清春
http://loyalcode.jp

 





2017年01月02日 (月)

【ライヴレポート】2016年12月31日〜2017年1月1日<Tokyo Chaos>休止前最後のイベント。当たり前にあった年越しライヴが大晦日の予定に無くなったときに、我々が何を感じるか──。

REPORT - 19:00:08

 2007年に渋谷公会堂にて“Over The Edge”としてスタートし、会場建て替えのため2015年からは場を国立代々木競技場 第二体育館に移して、新たに“Tokyo Chaos”の名で続けられてきたヴィジュアルシーン最大の年越しイベント。

今年は通算10回目という節目であると同時に、国立代々木競技場の改装工事に伴い来年からのイベント休止を告知しての開催ということで、一旦の有終の美を飾ろうとバンド15組&セッション3組が集結。

それぞれが特別な想いを込めたステージで、10年のシーンの集大成とも言える濃厚すぎる14時間を繰り広げてみせた。

 

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 記念すべき10thアニバーサリーのトップバッターはThe THIRTEEN

初回より毎回欠かさず出演しながら、20159月に活動休止したSadieの真緒(Vo)と美月(G)により2016年春に結成されたユニットで、ある意味このイベントにとっては帰ってきた感も強い。

それゆえ真緒の凄まじい咆哮で幕開けて、「Welcome to Tokyo Chaos! Welcome to The THIRTEEN!」と1stシングル「LIAR.LIAR,」を贈るなり、真昼の12時半からクラップと客席にヘッドバンギングと合唱の嵐を巻き起こす統率力はサスガ。

Sadieのラウドとヘヴィを引き継ぎ、メロディックな「KAMIKAZE」では「生きてるか東京!」と懐かしい煽りを聴かせながらも、「朝4時半に起きたんで声がカスカス!」と笑いを誘うMCや、シングルギターとして上手に立った美月の堂々たるプレイ。

何より晴れやかに突き抜けるサウンドと、「年末最後にバカになろうぜ!」と終始一貫して楽しむことに徹した体感型のライヴは、The THIRTEENだけの持ち味だ。

始動時からサポートを務めるkazuB)とRyoDs)も爆音を鳴らして、4人一丸となったバンドパワーに30分のステージもあっという間。

「今年は結成してたくさんのファンに助けられました。

来年もっともっとみんなを楽しませていくんで宜しくお願いします!」

という謙虚な挨拶に続くラストの「KILLER MAY」ではポジティヴなパワーを存分に振り撒き、320日に恵比寿リキッドルームで行われる1周年ワンマンへの期待を膨らませた。

 

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 続いて現れたのは2009年の“Over The Edge”以来、実に7年ぶりの参加となるダウト。

今春、長年所属していた事務所から独立を果たして、こちらも2016年に再スタートを切った5人組だ。

「ダウトが“Tokyo Chaos”に戻ってきました!」と幸樹(Vo)が喜びの声をあげると、ダンスビートに乗せてスタートした1曲目「感電18号」から、フロント陣はステージ上に華やかに展開して、ひヵる(G)は早くも花道へ。

2016年の締めくくりとして僕たちの全てをここにぶつけたいと思うんで、好きに暴れて好きに音楽を楽しんでくれたら嬉しいです」という幸樹の言葉通り、デスヴォイス満載の「53」に威吹(G)がアコギを爪弾くジャジーな「JUDAS」と、次々に彩り豊かなナンバーを投下してゆく。

そのいずれにも日本的情緒が滲むのがダウト流と言えるだろう。

「大晦日にライヴをやって、君たちも大晦日にライヴに来るような音楽バカだと思います。共にバカ騒ぎしませんか!?

と羽扇子を振る「卍」や手拍子が楽しい「MUSIC NIPPON」、加えてツーステップで一体感を生む「シャングリラ」と、後半戦は人気曲の乱れ打ち。

三三七拍子と「今日ここを選んだ君たち、心から愛してるぞ!」の叫びで締めくくった彼らは2017年に結成10周年を迎え、その記念日である34日に東京・上野恩賜公園野外ステージ(水上音楽堂)で野外フリーライヴを行うことも決定している。

 

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 3番手のheidi,“Over The Edge”“Tokyo Chaos”10年を通じて、なんとたった2組しかいない皆勤バンドのうちの一つ。

本イベントで何度も披露されてきた「レム」でライヴを幕開け、まずはド頭から義彦の伸びやかな歌声で圧倒し、ディープなheidi.ワールドで会場を呑み込んでゆく。

そこから一転、タイトル通りのお囃子のリズムが響く「幻想囃子」で客席中のタオルが振られると、「まだ2曲しかやってないんですけど、非常に楽しいんで……思いっきり楽しんで帰れよ!」と義彦も笑顔に。

そんな彼のシャウトで始まった「虹色レイン」に、最新シングル「サクラアンダーグラウンド」とアグレッシヴな楽曲が続くが、キャッチーなメロディに爽快なビート、加えてナオ(G)のギターソロには彼らならではの叙情豊かなセンスが光って、さすが10年選手と唸るばかりだ。

そしてラストに「思いっきり暴れて帰ってください」と贈られたのは、もちろん「おまえさん」。

本イベントで常にheidi.のライヴを締めくくってきたお馴染みの楽曲に、ナオとコースケ(B)もステージ両端の花道に飛び出して、桐(Ds)のドラムフィルも決まれば、オーディエンスも拳を振り上げて咲きまくり! 

その光景に「お前らの顔、全部見えるぞ!」とテンションブチ上がった義彦は、最後におまえさん5文字をエコー利かせまくりで、例年以上に絶唱してみせた。

新年は年明け早々18日からアルバムツアーがスタートと、2017年もheidi.に休む暇はない。

 

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 華やかなサーチライトと手拍子が湧く中に現れた4番手はカメレオ。

登場するなり客席へとフラッシュリングを投げ込み、自らも光るメガネを装着。

そしてSEがやむなり「聞いてよ、ステージ袖がメチャクチャ寒い! だからあっためてちょうだい!」とHIKARU.Vo)が叫ぶ破天荒なステージは、素晴らしく彼ららしいものだ。

一足早い正月気分を満喫する羽織袴スタイルで、ダンサブルな「運命開華ディスコ」にジャジーな「サンドウィッチLOVE」で揺らす客席も、LEDリングでキラキラと眩く光っている。

「全部出しきって新年迎えようぜ!」と楽器隊も含めた5人全員がマイクを取り、アイドルさながらのダンスで花道の端から端まで駆け回る「アゲていこう歌」では、「僕たちはバンドですけど、こうやってジニーズのパクりみたいなこともやっているので」と潔く宣言する場面まであった(笑)。

その曲中で「S●AP!」「最高!」とコール&レスポンスする奇天烈なステージは、さらにジュリ扇を振り、楽器隊に至っては銜えながら演奏する「ダメ男」へ。

さらにダメ押しとばかり、「全員で折り畳んで」の声にオーディエンスが歓喜するラストの「ニート姫」では、「みなさんにプレゼントを持ってきました!」と、なんとお年玉つき餅を客席に投げ込み!

2017年もガンガン行こうと思ってるんで」と気勢を上げた彼らの新年が、果たしてどんなものになるのか? 全く想像もつかない。

 

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2016年、最高の思い出で楽しもうぜ!」と白を基調にした衣装と同様に、音楽でも爽やかな風を吹かせたのはBlu-BiLLioN

打ち込みに振り切ったシングルで新境地を拓いた「S.O.S」でのスタートから「自己中心的ユートピア」でタオルを振らせると、「Miss Mermaid」ではteruKey)の華やかな鍵盤プレイとダンサブルなビートで、スタイリッシュに大人びた世界を生み出してゆく。

それはキーボディストを加えた6人編成であり、タブーを恐れない挑戦心と幅広い音楽スキルを持つ彼らだからこそ為せる業。

自らのスタイルを確立した2016年の経験は、そのパフォーマンスに明らかな自信を与え、結果「GARDEN」のように拳振り上げるシーンの王道曲も、突き抜けるような爆発力を備えることに。

サウンドの要として各曲でテクニカルなギターソロをブッ放す宗弥(G)、エモーション全開に花道に出て華あるオーラで魅了するmagG)に、青空まで高く突き抜ける歌声を聴かせるミケ。

そんな彼の「心の中で“Blu-BiLLioNちょっと楽しいって思ってる人いるでしょ? その気持ち今、ぶつけるとき!」という言葉で、どんどんテンポアップする「Ready?」では、SeikaDs)と珀(B)がガッチリとリズムをキープして、場内の合唱とモッシュを煽り立てていく。

そして「2017年も俺たちは夢を諦めることなく歌っていきます」とラストに演奏されたのは、最新シングルの「この手に在るもの」。

彼らのメンバーカラーである青のペンライトが大きく振られ、MC通りの熱い想いを謳ったリリックと溶け合う感動的な光景で、観る者の胸を幸福感で満たしてくれた。

 

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 いつものSEで始まったDaizyStripperのライヴは、冒頭に「今日はこのステージを2016年を振り返るライヴにしたいと思います」と夕霧(Vo)が宣言して、なんと春夏秋冬の四季を巡る構成に。

まずは、まゆ(G)がアコースティックギターを弾く「春めく僕ら」をしっとりと贈り、拍手を受けての「雨音のワルツ」では柔らかなメロディで清涼な夏の景色を鮮やかに描き出してゆく。

さらに押し隠せないあなたへの想いを、少しずつエモーショナルの度合いを増す演奏に沿って届けてゆく「茜色に咲く」で秋を。最後は風弥(Ds)が奏でる美しいピアノの音から、なお(G)の狂おしいギターソロへと感情が急カーブする「雪恋華」で冬を表すが、ここまで全曲スローなナンバーで構成するというのは前代未聞。

自分たち以外のファンも大勢詰めかける大型イベントで定番曲を排し、ひたする聴かせることに徹するのは危険な賭けだが、そこで逆に自らの豊かな喜怒哀楽に基づく歌心を見事に引き出してみせたのにはさすがと息を呑むほかない。

最後は5人で出す5年ぶりのフルアルバム『HOME』(111日リリース)から、表題曲の「HOME」をプレイ。

震災で実家を失った夕霧の体験を元に、みんなが帰れる場所を作りたいというメッセージが、オーディエンスの手拍子と足拍子と共に深く胸に刻み込まれて、思わず涙腺が緩むほど。

65日のTOKYO DOME CITY HALLで迎える10周年ワンマンを前に、本イベントにおける彼らの歴代ライヴの中で、紛れもないベストアクトを見せてくれた。

 

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 幕が開くと同時に楽器隊が「包丁の正しい使い方~終息編~」のフリーキーな音を鳴らして、ただならぬムードで開始したDEZERTのステージは、初っ端から驚きの連続だった。

千秋(Vo)は登場するなりステージから降りて、無心にヘッドバンギング&モッシュする客席や懸命に演奏する楽器隊を他人事のように見つめるだけ。

ようやくステージに上がったかと思えば、ギターを抱えて虚ろな表情で「異常な階段」を弾き語る。

その間、他のメンバーは音を出さずに立っているだけなのだから唖然とするほかない。

へヴィに炸裂する「宗教」で、ようやくノーマル(?)モードに移行したかと思いきや、オーディエンスが猛烈な勢いで身体を折り畳む「秘密」で「一言いい? あんま客入ってねーな」と場内を爆笑させる言動は、やはりノーマルからは程遠いもの。

さらに「殺意」でオーディエンスを左右両脇に詰めさせてアリーナの真ん中を開けると、「最初に戻りまーす」という千秋の一言で、SaZB)のゴリゴリの重低音から「包丁の正しい使い方~終息編~」が再スタート。

すると、またもやステージから降りてセンターの客席を踏み歩き、なんとスタンド席の階段を最後方まで駆け上がって「生きてる!?」とデスヴォイスで殴り込む。

そんなフロントマンを後目にMiyakoG)とSaZは花道へと進み、SORADs)と共に当たり前のように爆音を鳴らす姿のクールなことといったら! 

一方、席通路を一周した千秋は「すみません適当になっちゃって。絶望セッションはしっかりするんでよろしくお願いします」と、なんとそのまま退場して、今年も異端児ぶりを如何なく発揮してみせた。

 

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 暗転の瞬間「シーッ」と声がして、「8番手アルルカンです。よろしくお願いします」という丁寧な挨拶に拍手が湧く……が、彼らライヴはそんな行儀の良い振る舞いとは反比例するものだった。

攻撃的なサウンドで絶望を謡い上げる「境界線」から、「Tokyo Chaos、楽しもうか!」と煽る暁(Vo)に応えてオーディエンスが左右にモッシュする「人形」と、繰り広げられてゆくのは目くるめく自虐世界。

歌謡曲を思わせるウエットなメロディが、また暁特有のネガティヴな詞世界の深みを倍増させてゆく。

そんな闇度の強い世界観を支える楽器隊のパフォーマンスも、年を追うごとに進化があらわに。堕門(Ds)の高速ビートから叙情メロへと抜ける「墓穴」では、そのベタなメロディを奈緒(G)がギターソロで見事に弾きこなし、また、逆サイドの來堵(G)と共に頻繁に花道へと出て見応えのあるステージングを披露。

一方で祥平(B)は本舞台にドッシリと佇む、その姿が長身と相まって光る。

「このイベントも一旦お休みらしいので、次に会えるのがいつになるのかわかりません。それまでにもっと強くなっておこうと思います」との暁の言葉に続き、頭が吹っ飛びそうな勢いで満場の拳があがる「ダメ人間」は何度観ても圧巻。

しかしラストに演奏した最新シングル「カルマ」は、ここまでのアグレッシヴな流れとは少々趣が異なり、今後の新たな広がりを期待させた。

「⑧番手アルルカンでした。ありがとうございました」という締めくくりの言葉も実に好印象。

音、歌詞、パフォーマンスと、その全てに芯が通っている。

 

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 ここで開催直前に追加発表された、その名も絶望セッションが舞台へ。

ヴィヴァルディの「春」をバックに登場した面々は、DEZERTから千秋(Vo)とSaZB)、アルルカンから奈緒(G)と堕門(Ds)にMUCCのミヤ(G)という顔ぶれだ。

まずは蜉蝣の名曲「腐った海で溺れかけてくれた僕を救ってくれた君」を、先程の約束通り千秋がシリアスに届け、同じく蜉蝣の「アイドル狂いの心理学」へと続ける。

本家のヴォーカリスト・大佑の声音を真似てエキセントリックに迫り、客席からオナニーしましたの大合唱を浴びると、「一度やってみたかった!」と感激しきり。

果てはメンバーに「最近いつした?」と聞き回り、ミヤが「昨日」と答えたところで演奏再開する流れも振るっている(笑)。

さらに「絶望セッションって聞いて、MUCCの「絶望」やるって思ってるんでしょ? そんな予定調和、絶対しないです! でも大晦日だから予定調和もいいかも」と壮大なツンデレを発動させれば、場内は大興奮。

続いて奈緒が「すげー楽しいぞ!」と手拍子を煽ってからは、なんと「茫然自失」まで! 

MUCCの初期からの名曲2連発に驚喜して暴れ狂うオーディエンスに、千秋は「DEZERT終わったんで帰っていいですよ……ウソです!」と彼らしい言葉を残して、本日最初のセッションは幕を閉じた。

 

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絶望セッションに続いて、Mix Speaker’s,Inc.が贈る物語が絶望レストランというのは偶然か必然か。

NIKAVo)によってシェフにパティシェ、ソムリエにウェイトレスとメンバーが紹介されると、最新シングル「最後の晩餐」からシアトリカルな舞台の幕が開く。

タイトル通り物騒と狂乱を掛け合わせて眩い「Carni=balism」では、お立ち台に立ったAYAの先導により客席のカラフルなペンライトが大きく左右に振られて、早くも感動の波を呼ぶ……が、肉食ウェイトレスに扮した彼のミニスカートから覗く美脚に目は釘付けに(笑)。

続く「ドクロキッチン」ではseekB)もヘヴィな掛け声をかけて、オーディエンスを煽動。

そんな彼は本イベント始動時より中心的役割を果たしてきた人物でもあるということで、ここで少々真面目なMCが為される。

 

「この10年間で沢山のバンドさんが出演してきて、皆勤賞はheidi.Mix Speaker’s,Inc.だけ。

バンドとしては嬉しいことですが、一つのヴィジュアルシーンとしては多くのバンドが解散や活動休止を迎えたということで寂しい想いはあります。

オリンピックのアレやコレでしばしお別れすることになってしまいましたが、これからも若いバンドマンが出たいと思ってくれるようなイベントを目指したいですし、さらにカッコイイバンドになって帰ってきますから、それまでしっかりバンギャ活動を続けてください!」

 

 そんな愛に溢れた言葉に「YOU♪メッセージ」が続けば温かな一体感が生まれ、「Last hours」では大きな手拍子が。

ヴィジュアルシーンへの愛、バンドへの愛、それを支えるバンギャルへの愛がひしひしと伝わるステージに胸が熱くなる。

 

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 続き、2015年の解散までイベント常連だったMoranのヴォーカリスト・Hitomiを中心にしたセッションも、ある意味ヴィジュアル愛を示すものだったかもしれない。

ナイン・インチ・ネイルズをSEにして現れたのはギターに海(vistlip)と祐弥(ex.DuelJewel)、ベースに玲夏(ダウト)、ドラムにNaoA9)といった面々。

そして「さあ代々木……始めようか!」という彼お馴染みの合図で、HitomiL’Arc~enCielの「HONEY」を歌い出すと、大歓声が湧いて一斉にオーディエンスが同じフリを繰り出してゆく。

「一緒に踊りませんか? 代々木の皆さん」と、HitomiNaoと共に過去属していたFatimaの「Sticy flower」を披露してのMCでは、今回の衣装がジャージ縛りであるという情報が。

さらに、ジャージを持っておらず海に服を借りたHitomiが、「でもNaoのは裾が長くて、ジャージじゃなく『エヴァンゲリオン』みたい」と突っ込んで、「近未来ジャージなの!」と返される一幕も微笑ましい(笑)。

そこから「息を合わせて全員で叫んでください」と贈られた「誘惑」(GLAY)では会場中が“Because I love you”と大合唱したが、その一体感はラストの「READY STEADY GO」(L’Arc~enCiel)でも言わずもがな。

祐弥がギターソロをかき鳴らせば、サビのコーラスはもちろん玲夏が務めて、先人へのリスペクトをしっかりと形に現した。

 

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 ここで幻想的なSEにより、場内のムードをグッと変えたのがYUKIYA率いるKαinだ。

まずは「Cradle」で壊れそうな儚さと棘のように痛い感傷を醸し、kazuB)もThe THIRTEENとは打って変わって静かな佇まい。

しかし「俺たちのバンド、もう一人歌う人がいるんですよ」と「月の葬列」でSHIGEG)がヴォーカルを取るや、YUKIYAはギターを鳴らしながら花道を端から端まで駆け、戻るとSANAG)と背中合わせになってギタリストとしてのパフォーマンスで魅せる。

Latency Sorrow」でも同じ箇所をSHIGEと別々の節で歌う巧みなツインヴォーカルで斬新に魅せるが、彼曰く「去年のセッションにギターで出たのに花道があるのに後で気づいたから、今日はヴォーカルでは味わえないことを味わいに来た」とのこと。

その願いを叶えて「今の気持ち? すごい楽しい!」と破顔して、さらに「時間軸が違う世界に生きていて1年に1回大晦日にだけ交わる君たちに、今年もお年玉があります」とCDDVDを無料配布することを告げると、あまりの太っ腹ぶりに場内から歓声が湧く(ただし、その条件は本日配布しているチラシを物販席に持って行って「捨てません!」と宣言することだとか・笑)。

そんな彼の心意気を受け取ってか、切なさ滲む「Closer」では手拍子が場内を満たし、タイトルを繰り返すシンプルなリリックとギターネックをグッと握り込む姿に想いが滲んで、やはり最後は心揺さぶる幕切れに。笑いとジョークの裏に大きな愛を感じさせるステージには、今年も重鎮の貫禄十分であった。

 

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 大休憩後の一発目はvistlip。「代々木、楽しもうぜ!」と智(Vo)が気炎をあげ、まずは「SIREN」を颯爽かつアグッシヴに放てば、続く「Imitation Gold」ではYuhG)のフライングVからへヴィなギターリフ&ソロが轟く。

ただ、どんなに激しくともメロディはキャッチーで、どこまでも上向きの高揚感を備えているのが彼らの特徴。

さらに「来年は10周年を迎えるので盛り上げたい」という智のMCが物語るように、節目に向けての意気込みが例年に増してライヴを厚みあるものに。

「ミニヨンのパンツがチラチラ見えてると思うんですけど、そこは気にしないでください」と可愛い告白を智がして、「ここがドコよりも熱いイベントだったって証明できるように楽しんでいこうか!」と「HEART ch.」のギターリフが鳴れば客席は熱狂。

加えて開演から7時間超が経っているタイミングで「まだ始まったばっかだよな? 楽しもうぜ!」との煽りもドSに、これまた人気の定番曲「LION HEART」を繰り出してゆく。

マイクに掴みかかってラップを放つ海に、ステージギリギリまで前に出る瑠伊(B)と攻撃的なパフォーマンスは相変わらずながら、TohyaDs)のタイトなドラミングといい、昨年までよりもグッと締まった演奏は間違いなく彼らが積み重ねてきた年月の賜物。

ラストの「Idea」では座り込んでエモーショナルにギターをかき鳴らす海に、緻密な速弾きをサラリ弾きこなすYuhとギター隊の対比もいっそう鮮烈になり、10周年でのさらなる飛躍を予感させた。

 

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 2016年が終わりに近づいたところで、さすが常連の存在感を示したのがMERRY。大正期のバンカラ大学生を思わせる学帽に黒いマントを纏ったガラ(Vo)が、「聴こえるか、代々木、俺の声が!」と歌詞を巧みに煽りに変えて「ジャパニーズモダニスト」を放つと、場内は一瞬にしてMERRYワールド一色に。

中でも怪我で一時活動を休止していたため、本イベントには4年ぶりの出演となったテツ(B)がステージ前方でベースを鳴らして腕を振り上げると、場内からは大きな歓声が湧き上がる。

そんな事情もあってか、本日2つ目の「絶望」と名を持つ曲で暴れ狂ってからの「T.O.P」では、ガラの歌声から常にも増して強い決意と希望を感じられた。

事実、テツの完全復活を受けて活発なライヴ活動を繰り広げた2016年にMERRYが果たした進化は著しいもので、特にオーディエンスを巻き込む牽引力には一段と磨きが。

シニカル極まる「千代田線ブルース」からの「傘と雨」も、21日にリリースされる新曲にもかかわらず満場の手拍子を呼んで、MERRYらしいレトロな情緒を結生(G)のギターソロが醸してゆく。

2017年も何があるかわかりません。バンドも、君たちも。だけど11日が幸せでありますように、そんな想いを込めてこの曲を贈ります」と前置いて演奏されたのは「Happy life」。

風情あるアコースティックアレンジにより、悪い日もあれば良い日もあるだろうというリリックを抑揚豊かに刻み込まれ、この曲の真価を本当の意味で知ることができた気がした。

歌い終わると机の上に正座して一礼したガラに拍手が。

完全体を取り戻した5人に、2017年も幸多かれと願う。

 

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 時刻は2330分。2016年のラストアクトとして登場したのは、もちろんMUCCだ。

ステージ背面いっぱいに広がるバックドロップを背に「蘭鋳」のイントロが鳴れば、場内は一瞬にして沸騰。

「長丁場お疲れ様! 今年一年の暴れ納めの準備はできてんのか!?」と逹瑯(Vo)が全員座らせて4カウントでジャンプする、これが無くては年を越せない!と言い切れる本イベント最大のド定番曲で幕開けるという想定外の展開に、オーディエンスのテンションは早くも振り切れる。

「全部置いて行ってもらおうか、いいか!」と投下された「ENDER ENDER」では、身体を折り畳むヘヴィな爆音とダンサブルなビートの不思議な共存に胎内を揺さぶられ、楽器隊が渾身のコーラスを放つ「KILLEЯ」でもメタリックなプレイに狂乱。

 

「毎年こうやって大勢の仲間たちと、大勢の皆さんとワイワイ年を越せて嬉しいです。

でも、ずっと続けてきた年越しのイベントが、悲しいことに来年再来年どこも会場がない! 

このイベントも活動休止ということで、久々に皆さん年末年始をゆっくり過ごして、このイベントの良さを改めて確認する時期になるといいなぁって」

 

 そう逹瑯が告げると、年明け10分前ということで今日の出演者を次々に呼び込み、カウントダウンタイムへ。

毎年楽屋裏に設置されている飲み部屋が今年は初めてニコ生で中継されているため、Mix Speaker’s,Inc.seekB)いわく「多くのバンドマンが放送の抑制を受けて大人しい」ということだが、その中で頑張ってくれたと引っ張り出されたのはBlu-BiLLioNのミケ(Vo)とダウトの直人(Ds)。

ミケは自慢のハイトーンで「最高だな、おい!」と叫び、直人は淀んだ低音で「最後お見苦しい姿見せてしまって……」と対照的なテンションで感想を述べた。

今回なんと3ステージ出演となるkazuは「今までいます? 3ステージ!」と語気を荒げ、「逹瑯が始めたっていうからサバゲー始めようかと思って」というHitomiは、その逹瑯から「時間通りに来れます?」という痛いツッコミを。

「この後12時から僕、ツイッター始めることになりました!」とMix Speaker’s,Inc.AYAG)が宣言して、YUKIYAも「このイベントが復活するまでに結婚していたい!」と驚きの発言をするが、オーディエンスには「復活までに勝手に結婚したり子供作ったり、バンギャルあがることはやめてくださいね!」とseekが念押しする(笑)。

さらに「この世代に頑張って飲み散らかしてほしい」と若手のDEZERTとアルルカンのメンバーを前に押し出した逹瑯は、「こうしてseekさんの顔を見て年を越すのも今年で最後と思うと……」とシンミリして、何故か二人で手を繋ぐナゾの状態に(笑)。

「また帰ってこような!」と年明け10秒前からカウントダウンして、0時になった瞬間、銀テープと共に新年を祝う。

 

 そこからは「残り少ない時間ではありますが、もう少しMUCCブッ放したいと思います!」と再びMUCCのテリトリーに。

2017年、MUCC20周年になります。また騒がしたり、メンドくさいこといっぱいやると思いますが、ついて来れる人はガッチリついていてもらえたら。興味半分の人も大歓迎!」

と、2017年のファーストアクトをスタート。

客席で振り上げられる拳の先にキラキラと銀テープが光る「ニルヴァーナ」から、悲しみの中に在る人々へのありったけの優しさに満ちた「ハイデ」というニクい流れに、心中には熱いものが静かに湧き上がる。

「ありがとう。MUCCでした!」と演奏を終えると、“Over The Edge”から“Tokyo Chaos”10年かけてイベントを育ててきた最大の功労者に、惜しみない歓声と拍手が。20年もの間描き続けた軌跡の果てに開く花を、ぜひとも今年この目に焼きつけたい。

 

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 続くA9は、新年に相応しく全真っ白の衣装で登場。ヒロト(G)のアルペジオから「the beautiful name」が始まり、最後に白いマントをなびかせて将(Vo)が現れると、その少女マンガから抜け出てきたような出で立ちに、場内からは思わず溜め息が漏れる。

そんなドリーミングな世界観を、壮大かつロマンティックなサウンドが押し広げて、ヒロトと虎も堂々たる足取りで花道へ。

そこで彼らに向けられていたペンライトの光は、「飛ばしていこうぜ!」とアッパーに転換した「Heart of Gold」でリズミカルに上下に跳ね、センターに集ったフロント陣と重なって輝きを増していく。

「あけましておめでとう。2017年、最高の1年にできそうな実感はありますか?」と呼びかけた後は、なんとスペシャルゲストとしてBAROQUEの怜を招き、2016 年にA9の新たな境地を拓いた「PRISMATIC」を将とデュエット。

繊細なプレイによるスタイリッシュなナンバーは怜のイメージとも良く似合い、間奏では虎と顔を見合わせて笑い合う場面も。

「俺と虎はBAROQUEのローディーの子とバンドを組んでシーンに入ったんで、胸がいっぱい。このハッピーな想いをどんどん繋げていきたい」

と、続いて228日にリリースされるニューシングル「MEMENTO」を一足早く披露する。

NaoDs)の激烈なドラムフィルから始まるこちらも、サビでキャッチーに広がるA9らしいナンバーで、沙我(B)のベースソロからヒロトの速弾きへと抜ける間奏も聴き応え十分。

だがラストの「九龍」では、ここまで紳士だった将が「新年早々死んでこい!」とデスヴォイスで豹変して、客席をヘッドバンギングの嵐に! 

純白に、そして漆黒に、オーディエンスの望む様式美を隙なく魅せる彼らもまた、シーンにとっては重要な存在であるに違いない。

 

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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマで幕開けたBAROQUEも、壮大さでは負けていない。

「楽しもうね。よろしく!」と挨拶した怜(Vo)の伸びやかなヴォーカルにスケールの大きい音像が、まずは「DREAMSCAPE」というタイトル通りの夢の景色を描き出してゆく。

しかも、この日のリズムサポートはKENZODs)にシドの明希(B)と、同世代の気心知れた仲間たち。

さっそく圭(G)は明希へと寄り添い、共に弦楽器隊として左右に大きく展開する息の合った空気感も抜群だ。

「ガリロン」で十代の衝動そのままに躍動して、さらに「我伐道」から「独楽」と初期から人気のアッパーチューンを並べたメドレーでは、花道の先で狂おしくギターをかき鳴らす圭から明希のスラップという、実に贅沢なソロ繋ぎも目撃できた。

そこから現在のBAROQUEが誇るトキメキ溢れる世界観の種になったとも言えるナンバー「凛然アイデンティティ」へ。

「みんな2017年になった瞬間から運勢良さそうな顔してる」という圭のMCもあったが、自らの信じる音楽を貫くことで2016年、飛躍的に認知度を上げた彼らの運を切り拓いたものは、彼ら自身の努力に他ならない。そこで築き上げたBAROQUEワールドの代表曲とも言える「PLANETARY LIGHT」をクリーンな音色で届けられると自然に心がほどけ、眩い光を胸に灯されたところで贈られたラストソングは「GIRL」。

彼らの運命を変えたと言っても過言でない、この最新シングルでは怜がブーケを客席に投げるのが恒例だが、なんと今日は圭も花道の先から白い花をオーディエンスに! 

曲に込められたあまりにも尊いメッセージ、それを一言一言語りかける怜の包容力ある歌声、そして会場中で湧く手拍子に、またしても胸が熱く濡れる。

彼らの新年一発目は128日のEX THEATER ROPPONNGI公演。

「うちのワンマン面白いぞ!」との怜の言葉通り、そこではアナタの見たことのない世界、知らなかったチャネルが開かれてゆくだろう。

 

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 懐かしすぎる「十戒」のSEが鳴り、そして大トリを飾ったのはラストセッション・押しちゃんズ。

押ちゃんとはMUCCMERRYと共に御三家と並び称されながらも2007年に解散した蜉蝣のヴォーカリスト・大佑のことで、MUCCの逹瑯(Vo)やMERRYVo)のガラとはプライベートでも親交が深く、解散後にthe studsを結成してからは“Over The Edge”にも連続出演していた。

残念ながら2010年に急逝した彼をしのび、蜉蝣の楽曲をカバーすべく大佑と関わりの深い面々が集まったのが今回の押しちゃんズで、楽器隊は蜉蝣で一緒だったユアナ(G)にkazuB)、the studsaieG)にMUCCSATOち(Ds)、さらに本人曰く最後の舎弟というシドの明希(B)という恐ろしく豪華な布陣。

そして逹瑯とガラはもちろん、怜(BAROQUE)を加えたトリプルヴォーカルで、まずは「R指定」の多重ヴォーカルを全て生声で再現してゆく。

胸を張ってすり足し、マイクの周りをぐるぐる回るユアナのエキセントリックな動きも蜉蝣時代のままで、その後ろを逹瑯が追いかける場面も。

「代々木! 首から上、全部置いてってくれ!」と逹瑯が叫んでの「リストカッター」では「祈りましょう」「祈りなさい」の声を3人で重ねてゆくが、痛みに満ちた彼の詞世界に触れるたび、その真意を二度と問うことができないのだという事実が悔しい。

 

 MCでは大佑と一緒に飲むたび、夜中の2時を過ぎるとプロレス技をかけられたというエピソードを明希が告白。

「蜉蝣……いいですね」と思わず呟いた怜に、全員黒という衣装の縛りに則って上半身を黒塗りしたガラは「2017年、ちょっと光沢感出していこうかなって」と嘯くものの、素足を塗っていないことを指摘されて「ごめんなさい」と素直に謝る(笑)。

また、蜉蝣の曲は演奏が難しいということで、SATOちは「普通にやってほしい!」と困り顔。

そんな彼を「間違えても大丈夫」と安心させていたというkazuは、さすがに3ステージ目ということで「特に何もないです!」と躱したものの、前2ステージとは違って美しい長髪をスッキリとセットしていた。

喋らない設定のユアナはマイクを向けられると「うるさい、帰れ、バカ!」と相変わらずの対応をし、aieは「こんにちわーっす」と気の抜けるような返しを。

そんな普段通りに逆に大きな愛情を感じてしまうのは、深読みのしすぎだろうか。

「蜉蝣の解散ライヴがあってから今年で10年目。kazuさんとユアナさんに何かして欲しいところですね」とガラが告げれば拍手が湧いて、逹瑯からガラ、怜へと歌い繋ぐ「ゆびきり」では客席から手扇子も。

ラストは逹瑯が「では最後に……思いっきり……蜉蝣しなさい!」と叫んで「夕暮れの謝罪」へと雪崩れ込み、3ヴォーカルでサビを合唱。

人数以上に圧倒的な声の厚さは、きっと其処に集った人々の想いの厚さに他ならないだろう。

 

 

 記念すべき10回目にして、休止前最後のイベント。

そして大佑の七回忌を終えたばかりという、さまざまな意味での節目であった今年の“Tokyo Chaos”に込められていたメッセージ――それは11日を当たり前に過ごして、1年の終わりには良いお年をと。そして始まりには今年もよろしくと声を交わして、共に年月を重ねていけることの素晴らしさではなかっただろうか。

そんな当たり前がどれだけ貴重なものであるかを最も実感できるのは、皮肉にも当たり前が当たり前でなくなったとき。

来年からはその機会がやってくるわけで、当たり前にあった年越しライヴが大晦日の予定に無くなったときに我々が何を感じるものに、きっと重要なヒントが隠されているはずだ。

それを大切に携えて日々を過ごすことが各々の人生を、そして、いつの日か復活するであろう“Over The Edge”“Tokyo Chaos”を、ますます輝かせるに違いない。

 

 

文◎清水素子

写真◎木村泰之

 

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Tokyo Chaos 2016

2016.12.31(Sat) 国立代々木第二体育館

ALL SET LIST

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■1.The THIRTEEN

1.LIAR.LIAR.

2.CHAINSAW

3.13’Blood

4.KAMIKAZE

5.STUPID

6.KILLER MAY

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■2.ダウト

1.感電18

2.53

3.JUDAS

4.

5.MUSIC NIPPON

6.シャングリラ

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■3.heidi.

1.レム

2.幻想囃子

3.虹色レイン

4.サクラアンダーグラウンド

5.おまえさん

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■4.カメレオ

1.運命開華ディスコ

2.サンドウィッチLOVE

3.↑アゲていこう歌

4.ダメ男

5.ニート姫

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■5.Blu-BiLLioN

1.S.O.S

2.自己中心的ユートピア

3.Miss mermaid

4.GARDEN

5.Ready?

6.この手に在るもの

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■6.Daizy Stripper

1.春めく僕ら

2.雨音のワルツ

3.茜空に咲く

4.雪恋華

5.HOME

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■7.DEZERT

1.包丁の正しい使い方~終息編~

2.「異常な階段」

3.「宗教」

4.「秘密」

5.「殺意」

6.包丁の正しい使い方~終息編~

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■7.アルルカン

1.境界線

2.人形

3.omit

4.墓穴

5.ダメ人間

6.カルマ

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■8.絶望セッション

1.腐った海で溺れかけている僕を救ってくれた君

2.アイドル狂いの心裏学

3.絶望

4.茫然自失

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■9.Mix Speaker’s Inc.

1.最後の晩餐

2.Carni=balism

3.ドクロKITCHEN

4.YOU♪メッセージ

5.Last hours

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■10.Hitomiセッション

1.HONEY/L’ArcenCiel

2.Sticy flower/Fatima

3.誘惑/GLAY

4.REDY STEADY GO/L’ArcenCiel

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■11.Kαin

1.Cradle

2.月の葬列

3.Miles

4.Latency Sorrow

5.Closer

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■12.vistlip

1.SIREN

2.Imitation Gold

3.HEART ch.

4.LION HEART

5.Idea

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■13.MERRY

1.ジャパニーズモダニスト

2.絶望

3.千代田線デモクラシー

4.傘と雨

5.Happy life

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■14.MUCC

1.蘭鋳

2.EMDER ENDER

3.KILLEЯ

4.ニルヴァーナ

5.ハイデ

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■15.A9

1.the beautiful name

2.Heart of Gold

3.PRISMATIC

4.MEMENTO

5.九龍

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■16.BAROQUE

1.DREAMSCAPE

2.ガリロン

3.”メドレー

(我伐道独楽凛然アイデンティティ)”

4.PLANETARY LIGHT

5.GIRL

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■17.押しちゃんズ

1.R指定

2.リストカッター

3.ゆびきり

4.夕暮れの謝罪

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Tokyo Chaosオフィシャルサイト

http://www.tokyo-chaos.com/

 



2017年01月01日 (日)

【ライヴレポート】<JACK IN THE BOX 2016>12月27日 日本武道館!!アーティスト間の横の繋がりが連鎖して音楽の広がりを生む──そしてHYDEもヴォーカルを執った、セッションでの「HONEY」。

REPORT - 11:00:51

L’Arc~en~CielやMUCC、シドらが所属する音楽事務所主催イベント

『MAVERICK DC GROUP 35th Anniversary「JACK IN THE BOX 2016」』が、12月27日(火)日本武道館に

て開催された。

 

5年ぶりに“復活”した本イベント、7時間に及ぶ長丁場は見どころに満ち、満員の武道館の観客の熱気は終演後も冷める事はなかった。

トップバッターは、前日のタイムテーブルで発表された通り謎の新人バンド「ムド」と「シック」。

 

ステージに現れたのは逹瑯(Vo/MUCC)、Shinji(Gt/シド)、明希(Ba/シド)、SATOち(Dr/MUCC)の4名からなる「ムド」。

Shinjiのアコギ・リフで始まったのは「お別れの唄」。逹瑯が鮮やかなブルーの着物を羽織って登場し、

シドの楽曲に暗黒美を吹き込んでいく。続く「御手紙」(シド)は一音目で大歓声が発生。

SATOちと明希が生み出すグルーヴ感が心地よい。

「逹瑯じゃないわよ、“マオ瑯”です!」と挨拶し、ドラム・ゆうち、ギター・ミji、ベース・明っ希と全員を「混成名」で紹介して笑いを誘う逹瑯。

「明希さんが『この曲やりたい』って。彼が間奏のベースのチョッパーやれるのか? カメラさん抜いてください」(逹瑯)と

掛けられたプレッシャーをものともせず鳴らす太いベースリフで始まったのはMUCCの「大嫌い」。

怒涛のシャウトを繰り返すサビへと雪崩れ込み、逹瑯、明希、Shinjiは左右にせり出したランウェイへと歩み出て、

ダイナミックなパフォーマンスを披露した。

 

ゆうや(Dr/シド)、YUKKE(Ba/MUCC)、ミヤ(G/MUCC)、最後にマオ(Vo/シド)の4人からなる「シック」が登場。

MUCCの「最終列車」で沸かせた。センターに出てギターソロを奏でるミヤを後ろからマオが抱き、YUKKEが接近。

イベントならではの光景に歓声が湧く。「次はシドさんの曲をカバーします(笑)」とマオも逹瑯に負けじと遊び心のある挨拶をし、

「紫陽花」を披露。ファルセットにミヤのブルージーな枯れたギター、YUKKEの粒立ったベースの音色が合わさり、

センチメンタルな気配を醸し出す。「良かったね、逹瑯さんの『御手紙』と『お別れの唄』」とマオ。

「来年はこの4人で47都道府県ツアーやるんで(笑)」と笑わせつつ、ラストはMUCCの「アゲハ」を投下。

ゴリゴリとしたヘヴィーなリフに乗せ、マオが軽やかなシャウトを発すると曲に新鮮な響きが生まれる。観客は拳を突き上げ熱狂した。

謎の新人バンドは、MUCCとシドの混成バンド。アニバーサリーのトップを飾るにふさわしいメンツで幕を開けた。

 

転換中のスクリーンには歴代のイベント映像が映し出され、長い歴史に思いを馳せていると、

事務所の最若手・V系ダンスバンド・VALSが登場。のっけからKEIN(ダンス&Vo)、Nao10(ダンス)が

アクロバティックなブレイクダンスを盛り込んだパフォーマンスで目を奪う。

激しく叩きつけるような憲人のベース、Spicaの渾身のドラム、観るたびぐんぐんと声の強さを増しているRio。

「deuce」「シルエット」の2曲とあっという間の出番ではあったが、「声出して行こうぜ!」(Rio)と観客へのアピールも積極的で、

EDMとロックを融合させた音楽性を強みに、会場を躍らせようという前のめりな熱さが清々しい。

「本日は出演できてうれしいです!」(Rio)と初々しく挨拶、最若手らしいガッツのあるステージを見せた。

 

 揃いの制服を思わせる黒衣装で登場したCLØWDは、「行くぞ、武道館!」と

巨大フラッグを持ったKØU(Vo)のシャウトで会場の空気を塗り替えた。

1曲目は美麗なメロディーとラウドなサウンド、終盤のテンポアップが迫力満点の「狼煙」。観客をノセてうまく巻き込みつつ、

他の何も入り込めないような音の密度、緊迫感、圧力が痛快だ。

「RUDENESS RESORT」はハリのある迷いのないクリアな歌声とゴツゴツとした粗いリフが気持ちよく、

「飛べ! 飛べ!」(KØU)と観客を煽りながら自らもジャンプ。

フロントのメンバー4人が一列に並んだステージングが実に美しく、華のあるステージングで存在感を示した。

 

続くユナイトは、「自分なりの楽しみ方で楽しんでください!」(結/Vo)と呼び掛けた。

幕開けは、結成5周年の今年発売の記念シングル「ジュピタ」。激しくも眩く輝きながら突っ走っていくような、彼らの魅力を体現した曲だ。

「やりたいことがあるんですけど。ドラムの莎奈がカウントするので、その前に両手を合わせてお辞儀するだけです」(結)と呼び掛けると、

「イタダキマス」に始まり「ゴチソウサマデシタ」に終わる「ice」を怒涛の勢いで披露。

椎名未緒(G)はダイナミックなギター回しを盛り込みながらソロを奏でた。

最後は皆で楽しめる歌を、と裏打ちのリズムが弾む「small world order」を放った。

「来年の3月29日に6周年になります。ROPPONGI EX THEATERに是非遊びに来てください!」(結)と告知。

刹那に込める熱、キラキラとした光で会場を包み込んだ。

 

続くカメレオは「ぶち上って行こうぜ!」(HIKARU/Vo)との一声でスタート。

扇子を持ちお立ち台で振り歌い踊る「運命開華ディスコ」で盛り上げた。

「持っている人は扇子出してください! タオルでも上着でも、手の平でもいいので」(HIKARU)と観客に参加を呼び掛けると、

メンバーが色とりどりの扇子でX(バツ)印をつくる「ダメ男」を披露。狂騒的なデジロックで沸き立つ中、ユナイトが扇子を持って合流。

「せっかくだからVALSとCLØWDも呼んじゃおうよ」(HIKARU.)と「万歳\(・∀・)/Music!」は更に増員。

チアのポンポンを手に登場したVALSとCLØWDのメンバーも含め、所狭しと動き回り賑やかなステージング。

掛け声に合わせ会場全員で万歳をし、祝MDC35周年と書かれたフラッグも持ち込み。

どの瞬間を切り取っても賑やかでカラフルなステージを展開した。

 

ライオンの鳴き声が響き幕開けたのはPARTY ZOO。Kenが“園長”となり様々なバンドを呼び集め、

“移動動物園”としてサーカスのように賑やかなツアーを行ったイベントのメンバーが再結集した。

「なんだかね、20周年を迎えるバンドがいるらしいんだよね。あとはね、なんだか25周年を迎えるバンドもいるらしいんだけど」とKen。

MUCCとL’Arc~en~Cielのアニバーサリーを祝し、まずはMUCCの「スイミン」を披露。

ギターは虎(G/A9)、圭(BAROQUE)、ベースはAKi、YUKKE。kazuma(Vo/gibkiy gibkiy gibkiy)の咆哮、

KENZO(Dr)の強靭なドラムに圧倒されていると、逹瑯が合流。

祝われる側であるYUKKEが居ることに「なんでいるの?」(Ken)と問い笑いを誘いながら、

「祝われる側に回っちゃおうかな?」(Ken)と怜(Vo/BAROQUE)、将(Vo/A9)、ヒロト(G/A9)を呼び込み、

届けたのはL’Arc~en~Cielの「虹」。冒頭のアルペジオはヒロト、ソロもヒロトと圭が弾き繋ぐのに任せ、

Kenは柔らかい音色をそっと付け加えるように奏でていく。続く「fate」ではKenがイントロのギターフレーズを披露したが、

怜と将とで代わる代わる力強く歌い上げるヴォーカルはもちろんのこと、

際立っていたのはPARTY ZOOというイベントをつくり上げたメンバーのカラー。新鮮な響きを味わわせてくれた。

 

この転換以降、場内ビジョンにスタンバイルームからのインタビュー中継が流され、

MC・Kouichi(カメレオ)の進行により、終演後のメンバーの感想が生で届けられた。

 

次に出番を迎えたのはシド・明希のソロプロジェクトAKi。YOUSAY(G)が自ら手拍子をし始め観客をノセると、

AKiは「飛ばせ、武道館!」と勇ましく煽り、「FREEK SHOW」の骨太なベースリフを、大きく脚を開いた仁王立ちで繰り出した。

グラマラスなミディアムナンバー「FAIRY DUST」を弾き終えると、高くベースを持ち上げ“魅せる”ことも忘れないのがAKiらしい。

「お気付きだと思いますが、ちょっと(出番前のセッションに)出過ぎたと思ってます(笑)。皆の気持ちを俺に下さい!」と呼び掛けると、

ソロツアーを牽引した最新曲「STORY」を放った。加藤貴之とYOUSAYの美しいギターハーモニーを

宮上元克の緻密でパワフルなドラミングが下支え。大きな拍手が惜しみなく送られる熱いアクトだった。

 

 青い照明の下、厳かな空気感の中MUCCがお出まし。

1曲目は新曲「脈拍」。ミヤがギターを爪弾き始めると鮮血を思わせる真っ赤なライトに切り替わり、

髪を逆立てた逹瑯が登場、ダーティーさと荘厳さが同居する世界に呆気に取られる。

息をつく間もない疾走感で空気を掻き混ぜるメタル調の「KILLEЯ」を放ち、続く「CLASSIC」では一転して軽妙に。

新曲「勿忘草」はミドルテンポのバラードで、深い余韻を残した。「(JACK IN THE BOX)の第一回目から出させてもらってます」

「ファミリー感が強まってきている」と逹瑯は振り返り、kyo先輩からの洗礼、シドが入って来た当初に感じた勢いなどを回顧。

「いるだけでハッとさせられる」とイベントの意義を述べ、「6月20日、21日とMUCC20周年ワンマンをここでやりますんで、

遊びに来てください」と締めくくった。明るくも切ない郷愁を呼び起こす「ハイデ」から、

地獄の業火に投げ込むような「蘭鋳」への振り幅でオーディエンスの心身を激しく揺り動かすと、ラストの「TONIGHT」には、

MUCCの近年のシングル及び最新アルバムのプロデュースを手掛けるKenがギターを抱えて飛び入りする場面も。濃密な7曲だった。

 

「行くぞ、武道館!」とマオが澄んだ声を響かせ、シドが登場。1曲目の「コナゴナ」からマオはランウェイへと移動、

Shinjiは軽やかにターンして、華やかなステージングで惹きつける。早くも一体感が生まれる中「Dear Tokyo」を畳み掛け、

勢いよい滑り出しを見せた。「ほんと、会いたかった」と観客に語り掛けた後、「俺たちも(事務所に)入って12年。

骨をうずめる覚悟」とマオ。劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』の主題歌「硝子の瞳」を初披露(2017年1月18日(水)に発売)。

そのキャッチーさとは裏腹に、「泣き出した女と虚無感」を艶やかに奏で、バンドの懐の深さを見せつけた。

「眩暈」「one way」とアッパー曲を連打し、最後は「MUCCの20周年、L’Arc〜en〜Cielの25周年、MDCの35周年を祝って」(マオ)と

「ANNIVERSARY」を贈った。「やっぱりバンドだからさ、来年ライヴやりたいな」(マオ)というMCに応える形で、

終演後には来る5月12日(金)・13(土)に日本武道館で1年7か月ぶりの単独公演開催を発表、ファンを喜ばせた。

 

イベントは終盤を迎え、ヴィジュアル・ロックの伝説的存在D’ERLANGERが登場。 

メンバー4人は、ステージに姿を現しただけで凄まじい威厳を放った。

1曲目は「NOIR‐D’amour」、吹き荒れる嵐のように激しくも音が粒立ったTetsuのドラムは圧倒的。

「Love me to DEATH」で妖しく身をくねらすkyo(Vo)は美しい大人の不良の権化である。

CIPHERが艶やかなリフを奏でて曲を牽引した「柘榴」、続く「LULLABY」ではシャウト交じりの“kyo節”歌唱法を炸裂させた。

高音域の美しさが際立った「Skelton Queen」を披露し終えるとkyoと交代にHYDEが登場。D’ERLANGER feat. HYDEとして、

バンドの代表曲にして無敵のロック・アンセム「LA VIE EN ROSE」をセッションした。

Tetsuが立ち上がってシンバルを鳴らした後、ジャンプダウンで音を止めるアクションを期待されていたHYDEだが、

何を思ったかダッシュしてステージ端に待避。CIPHERに連れ戻される形でドラム台に乗って照れ臭そうにジャンプし

「なかなかそんなHYDE見ないね(笑)」とkyo。

「CRAZY4YOU」はkyoとHYDEで交互に歌い、時には声を合わせ最後は美しいハーモニーを聴かせた。

ラストはkyoと向き合い2人でドラムセットからジャンプダウンし音を止め、豪華なコラボレーションステージは終幕。

圧倒的なカリスマの競演に先輩後輩の微笑ましいやり取りも垣間見られ、湧きに沸いたステージだった。

 

 続いても伝説のアーティストが集う“35th MAGNUM”セッション。

ヴィジュアル・ロックの礎を築いたバンド・44MAGNUMのPAUL(Vo)とJimmy(G)、D’ERLANGERとHYDEが揃い踏みし、

「STREET ROCK’N ROLLER」を共演した。PAUL、kyo、HYDEはそれぞれに強い個性を持ったハードなロック・ヴォーカルを轟かせる。

そこには、長い時を途絶えることなく受け継がれてきた日本のロック・シーンの血脈を目の当たりするような、言葉では言い尽くせない感動があった。

「皆、元気にしてましたか? ライヴハウス武道館に戻ってきました。また皆の顔を見られて本当にうれしいです。愛してます」とPAULは挨拶。

ステージ上では語られなかったが、今年6月に若年性パーキンソン病の手術を受け、無事に帰還した意義深い言葉だった。

「前にHYDEと一緒に歌った曲、やってもいいかな?」(PAUL)と問い掛けると、HYDEが手を挙げたのを合図に客電が点灯。

「I JUST CAN’T TAKE ANYMORE」をセッションし、HYDEはPAULを後ろから支えるようにしながら共に歌い、ハーモニーを響かせた。

反対側のステージで盛り上げていたkyoもやがてHYDEに歩み寄ると、HYDEは腹の底から絞り出すようにラスト・シャウト。

また一つ、歴史に刻まれる新たな場面が生まれたセッションだった。

 

開演から6時間半が経過して尚、大きな見せ場が残っていた。まず、今年1月から4月に掛けて開催されたMUCCとAKiの

DOUBLE HEAD LINEツアー“M.A.D”の参加アーティストが勢ぞろいしたM.A.D SUPER ALL STARSのセッションでは、

ツアーのテーマ曲「MARBLE」で声を揃えた。このツアーにKenがゲスト参加し、

「そこからPARTY ZOOに発展した」(逹瑯)という経緯も明かされ、

アーティスト間の横の繋がりが連鎖して音楽の広がりを生んでいることを実感する。

マオ、ゆうや、Shinji、A9、BAROQUE、kazuma、KENZOらも呼び込まれ、PAUL、JIMMY、kyoらも加わると、

ラストはL’Arc~en~Cielの「HONEY」をセッション。

マオが歌い、ミヤがギターを奏でてスタートしたが、♪かわいた~のサビからはHYDEが颯爽と現れてヴォーカルを執り、

ステージにはM.A.D&MDC ALL STARSの顔ぶれがコンプリート。

Kenはギターは弾かずともオリジナル通りコーラスを担い、沸かせた。

紙吹雪が舞い散る中、「Thank you so much! ありがとう!」とHYDE。

35年という歴史の重みと音楽の広がり・可能性を様々な形で示した7時間の一大イベントは、温かい空気に包まれて終幕した。

 

文◎大前多恵

写真◎今元秀明、西槇太一、緒車寿一

 

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JACK IN THE BOX 2016

2016年12月27日(火) 日本武道館


SET LIST

 

■ムド

Vocal:逹瑯(MUCC)、Guitar:Shinji(シド)、Bass:明希(シド)、Drum:SATOち(MUCC)

1 お別れの唄

2 御手紙

3 大嫌い

 

■シック

Vocal:マオ(シド)、Guitar:ミヤ(MUCC)、Bass:YUKKE(MUCC)、Drum:ゆうや(シド)
1 最終列車

2 紫陽花

3 アゲハ

 

■VALS

1 deuce

2 シルエット

 

■CLØWD

1 狼煙

2 RUDENESS RESORT

 

■ユナイト

1 ジュピタ

2 ice

3 small world order

 

■カメレオ

1 運命開華ディスコ

2 ダメ男

3 万歳\(・∀・)/Music!

 

■PARTY ZOO Ken with Naughty stars 20th&25th Celebration

Vocal:Ken、kazuma(gibkiy gibkiy gibkiy)、怜(BAROQUE)、将(A9)

Guitar:圭(BAROQUE)、ヒロト(A9)、虎(A9)、Bass:YUKKE(MUCC)、AKi、Drum:KENZO

1 スイミン (with.逹瑯)

2 虹

3 fate

 

■AKi

1 FREAK SHOW

2 FAIRY DUST

3 STORY

 

■MUCC

1 脈拍

2 KILLEЯ

3 CLASSIC

4 勿忘草

5 ハイデ

6 蘭鋳

7 TONIGHT (with.Ken)

 

■シド

1 コナゴナ

2 Dear Tokyo

3 硝子の瞳

4 泣き出した女と虚無感

5 眩暈

6 one way

7 ANNIVERSARY

 

■D’ERLANGER

1 NOIR-D’amour

2 Love me to DEATH

3 柘榴

4 LULLABY

5 Skelton Queen

 

■D’ERLANGER feat.HYDE

1 LA VIE EN ROSE

2 CRAZY4YOU

 

■35th MAGNUM

Vocal:PAUL(44MAGNUM)、kyo(D’ERLANGER)、HYDE、Guitar:JIMMY(44MAGNUM)、CIPHER(D’ER
LANGER)、

Bass:SEELA(D’ERLANGER)、Drum:Tetsu (D’ERLANGER)

1 STREET ROCK’N ROLLER

2 I JUST CAN’T TAKE ANYMORE

 

■M.A.D SUPER ALL STARS

1 MARBLE

 

■MDC SUPER ALL STARS

1 HONEY

 

 

JACK IN THE BOX 2016 オフィシャルサイト

http://www.jack-itb.com/ 

 











2016年12月29日 (木)

【ライヴレポート】<12月25日(日)池袋EDGE>聖なる日に、「Soanプロジェクト with 手鞠」が初ワンマンライブを満員のファンたちを前に二部構成で実施。その言葉と音色は、触れた人たちの心に幾つもの静謐かつ衝動与える物語を刻んでいた。

REPORT - 20:12:30

       

  61日、「Soanプロジェクト with 手鞠/Soanプロジェクト with 芥」二つのスタイルを同時に提示する形で活動を幕開けたSoanプロジェクト。

  あれからSoanプロジェクトは、静謐な調べに衝動を秘めたSoanプロジェクト with 手鞠、躍動する音を通し心の慟哭を描いたSoanプロジェクト with 芥、それぞれの形を持ってライブを行えば、同日に二つの姿をワンマン公演の中で見せてきた。

 

  来年には、それぞれの形を持って1stミニアルバムと東名阪を舞台にしたワンマンツアーも行う。その前にSoanプロジェクトは、クリスマスという聖なる夜に相応しい二つの物語を、アコースティックなスタイルを軸に据えた「Soanプロジェクト with 手鞠」としてプレゼントしてくれた。

 

 1225()、舞台は池袋EDGE。今宵が初ワンマン公演となるSoanプロジェクト with 手鞠は、「降雪と考察、曇る視界」「結露と結論、至る氷解」と題した二本のライブを二部構成で届けてくれた。

 

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<第一部「降雪と考察、曇る視界」>

 

 第一部は、Soanプロジェクト with 手鞠として生み出した楽曲や歌詞に綴った想いや世界観を、手鞠が一曲ごとに解説しながら演奏。それだけ歌詞に込めた気持ちを、Soanプロジェクトwith 手鞠は訪れた人たちの心へ直接届けたかった。

 

  「輪廻転生この命が終わっても魂を輪廻し、生まれ変わって次の人生を過ごす。人間はその輪から抜け出せないという心理を描いたのが、この歌」と語ったあとに演奏。『それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ』を通しSoanプロジェクト with 手鞠は、厳かに広がる調べの上で嘆くように言葉を放ちながら、感情のままに揺れ動く声を持って歌いかけてきた。

 

 「残された者の深い心の悲しみ。生きる意味そのものが何時しか忌む存在に変貌し、死さえも選択出来ない弱い心になってゆく」。Soanの爪弾くピアノの演奏から、楽曲は『投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊』へ。今にも壊れそうな歌声と演奏が、心を痛く縛りつけていく。でも、その悲痛な想いが、病み()を抱えた心にはとても愛おしい音色だった。

 

「慈愛と深い愛情を込めた楽曲です。願わくば大切な人の心に届けば嬉しい」。アコギと弦楽、ピアノの音色が悲しく絡み合う音を受け、大切な人への想いを馳せるように手鞠は歌を捧げていた。演奏が進むごと歌や演奏へ感情的な熱が膨らみ出していたのは、想いが熱く込み上げてきたせい…?

 

 「他人に対しての妬み、それは自分自身への憎しみだと気づいてゆく。その感情に気づいたときの落胆。でも、それを許せるのも自分自身」。タイゾの掻き鳴らす情熱的なスパニッシュギターの旋律を合図に『感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛』を披露。気持ちを掻きむしるように響き渡る情熱を持った演奏は、心に憎悪や後悔の想いを迸らせていた。

 

 「初恋に近い感情を楽曲へ投影。お互いの未来のために互いを励まし合ってゆく、そんな10代の頃の感情がここには綴られています」。『そして君は希望の光の中に消えた』は、甘酸っぱい浪漫と郷愁を抱かせるメロウな曲。この歌は、とても明日を向いている。何処か哀切さを感じるが、演奏と歌声には確かな力が満ちていた。

 

「初雪の儚さが曲のテーマ。歌詞に寒さを表現、それとは対照的に人の温もりを美しく描きました」。タイゾのギターとSoanの奏でるピアノの美しく舞い踊る旋律は、まるで空から降り注ぐ雪のよう。『焦燥の日々の帷、憔悴する白雪姫(スノーホワイト)』、なんてほっとする温もりを抱ける楽曲だろう。その歌声と演奏は、心を温かく包み込んでいた。

 

 「僕は、人見知りのように、心のどこかで他者の介在を恐れているんだと思います。知らない人の意見を拒んでいるのかも知れません」。タイゾがアコギを情熱的に掻き鳴らすと同時に、手鞠が躍動した歌声を解き放った。とても力強く、でも何処か哀切な旋律も絡み合う演奏だ。穏やかな表情が多いSoanプロジェクトwith 手鞠の中、『正否の相違、或いは利害の不一致』はとても躍動した熱と魂を感じさせる楽曲だ。そう、ここには情熱が漲っている。その熱が、たとえネガティブだろうと、そこには凛々しくも感情的な生きざまが描き出されていた。

 

 「今の我々とみなさんの姿。変わらずこの音楽がみなさんに寄り添って生きていけたらなと願いを込めています」。心地好く躍動するスパニッシュな音色に乗せ『それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ』が踊りだした。軽快な音色の上で、手鞠も想いの翼を羽ばたかせ軽やかに舞い上がっていた。触れた人の心を解き放つ歌は、自然と笑顔も導いていた。

 

 「自分の大好きなことへ取り組むうえで伴う、責任。待っててくれる人たちの想いは期待に対する原動力でありプレッシャーにもなってゆくこと。今日ここで音楽を交わしていけるのは奇跡のようであり、みんなが寄り添い集まった力の結晶だと思います」。今にも壊れそうな哀切なピアノや弦楽の音色が、まるで夕闇に包まれだした風景をそこ(会場)に映し出していた。『夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処』に手鞠やメンバーたちが見ていたのは、この瞬間に仲間たちと触れ合えることの喜びであり、この時間を永遠に刻みたい心模様?!だった。

 

「様々な困難や苦悩の先に気づいた感情の変化や対象への想いを描きました」。そう語り、最後にSoanプロジェクトwith 手鞠は『相対する質量の交錯する熱量』を届けてくれた。すべてを浄化するように響き渡る美しい音の合奏の上で、暖かな温もりを持った歌声を手鞠ははべらせていた。『相対する質量の交錯する熱量』、なんてロマンチックで幸せに満ちた楽曲だろう。その歌や演奏に触れながら、心がキュンと淡く浪漫な色に染まっていた。

 

 MCではコミカルな面も見せながらも、Soanプロジェクトwith 手鞠の本質を知ってもらおうと解説も交え、様々な心の扉を開いては物語を通して本質を垣間見せてゆく。まさに、静謐な情熱を持った第一部のライブだった。

 

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<第二部「結露と結論、至る氷解」>

 

  いつものように手鞠の語りから始まる形で幕を開けた。「さぁ確かめようその手で、その距離感を」。第二部は、一部の最後を飾った『相対する質量の交錯する熱量』から幕を開けた。静謐な調べを奏でるピアノやアコギの音色の上で、手鞠は触れた人たちの想いを包むように暖かく歌いかけてきた。とても胸を打つ浪漫を感じさせる歌だ。その演奏に触れている間中、ときめきにも似た胸の疼きを止められなかった。

 

「今きっと君たちは目に映るすべてが輝いて見えるんだろう。僕にもそんな日がくるのだろうか。願わくばその日の門出を君に祝福して欲しい。そして君は希望の光の中に消えた」。とても力強さを備えた演奏だ。でも、手鞠が歌詞に綴ったのは悲哀を抱えた心模様。その悲しみを嘆くように、力()を込めた演奏が生まれていたのだろうか?!。『そして君は希望の光の中に消えた』が、胸の奥から悲しみを沸き上がらせていた。

 

 「本質的に人は孤独なんだ。だからもう僕の中に入ってこないで。君の価値観の中ではこの僕は成立しないのだから」。タイゾの掻き鳴らす情熱的なアコギの演奏の上で、手鞠が『正否の相違、或いは利害の不一致』に乗せ心の叫びにも似た声を力強く放ちだした。沸き上がる悲しみを、今は吐き出していくしかない。そうしないと、嘆く心が収まらないように

 

  スパニッシュなギターの旋律が、胸を掻き毟るように熱を与えてゆく。「狂騒と情熱が織りなす音楽で、その凍てつく心を溶かしてやろう」。手鞠の言葉を合図に、『感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛』が触れた人たちの心に黒い情熱を次々と注ぎ込んでゆく。胸に燃えたぎる炎は、まるで終焉をわかって燃え盛り続けていく妬みや憎みを糧にした情念の火のようだ。

 

  「世界の何処かで誰かが叫んでいた。誰かに放たれた凶弾に倒れたとき、愛しい君が生まれたんだよ。それは神の意志か人の業か、あるいは」。輪廻する人の運命を嘆くように、語り部となった手鞠が『それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ』を慟哭にも似た悲愴な歌声を持って綴れ織っていた。なんて痛い悲しみを胸に沈めてゆく歌だろう──。

 

  物語は『投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊』へ。今にも壊れそうな歌声のもと、言葉のひと言ひと言を噛みしめるように手鞠は歌いかけてゆく。彼の声に重なる合唱。その演奏と歌声は、まるで鎮魂歌のようにも響いてきた。

 

「君にとって約束とは何だったんだろう。またこの場所で再会するはずがそれが果たされることはなかった。あの日、真っ赤な果実を残していなくなった君へ」。失くした存在を思い返すように、『林檎の花の匂いと記憶野に内在する存在。』が隠していた記憶を甦らせてゆく。今にも心が崩壊しそうな声を持って歌う手鞠、彼の想いへ寄り添うもの悲しさを湛えた演奏。触れながら、とても心が痛かった。でも、その痛みを手放したくはなかった。むしろ、泣きじゃくりながらでも抱きしめていたかった。

 

  「何時か迷うときもあるだろう。けれど思い出して欲しい、君にとっての帰る場所、魂の安息の地。そこできっと、誰かが笑顔で待っているはずだから」。『夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処』が、「ここにおいで」と手招いてゆく。誰もがみずからを守ってくれる愛しい存在を思い浮かべながら、夕闇暮れる演奏へ穏やかに心を寄り添わせていた。なんて胸をキュッと疼かせる哀切な憧憬を描き出す歌なんだ。茜色したその音色に、ずっとずっと抱かれていたかった。

 

  「この寒さが僕らを置き去りにする。吐く息の白さが春への距離を感じさせる。さぁ小さな温もりを分け合おう」。『焦燥の日々の帷、憔悴する白雪姫(スノーホワイト)』が見せたのは、雪降る景色の中、サクサクと雪を踏みしめ歩いてゆく風景。その足どりは、何処へ向いているのか。たとえ心が寒さに震えようと、降り注ぐこの歌にずっと手を伸ばし触れ続けていたかった。穏やかな音色に覆われていたかった。

 

  最後にSoanプロジェクトwith 手鞠が奏でたのが『それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ』。とても華やかで軽快な、クリスマスという今宵にピッタリな心弾む浪漫を運ぶ楽曲だ。メンバーと、Soanプロジェクトを応援してくれる人たちとの繋がりや絆を示すように。いや、Soanプロジェクトwith 手鞠を支持する人たちとメンバーらとの意志を描いた歌として、『それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ』が唇に優しく触れてきた。誰もが幸せを分かちながら、この日のライブを笑顔で抱きしめていた。

 

  一切MCを入れることなく、手鞠の語りと演奏のみで一つ一つの物語を綴っていった第二部。むしろ、Soanプロジェクトwith 手鞠の本質を彼らは第二部で示していた。

 

 Soanプロジェクトは来年118日に、Soanプロジェクトwith 芥として1stミニアルバム 慟哭を鼓動として道とする音』を。21日に、Soanプロジェクトwith 手鞠として1stミニアルバム『静謐を制し征する音』を、それぞれ発売する。2月にはSoanプロジェクトwith 芥が、3月にはSoanプロジェクトwith 手鞠が、それぞれ東名阪を舞台にしたワンマンツアー『静謐を制し征する音、慟哭を鼓動として道とする音』を行なう。これまで都内を軸にした活動だったが、来年よりSoanプロジェクトは徐々に地方にも足を伸ばし始めてゆく。来年からのSoanプロジェクトの動きに、ぜひ熱い視線を注いでいただきたい。

 

 

PHOTO:遠藤真樹

TEXT:長澤智典

 

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セットリスト―

第一部「降雪と考察、曇る視界」

 

1.『それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ』

2.『投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊』

3.『林檎の花の匂いと記憶野に内在する存在。』

4.『感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛』

5.『そして君は希望の光の中に消えた』

6.『焦燥の日々の帷、憔悴する白雪姫(スノーホワイト)

7.『正否の相違、或いは利害の不一致』

8.『それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ』

9.『夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処』

10.『相対する質量の交錯する熱量』

 

第二部「結露と結論、至る氷解」

1.『相対する質量の交錯する熱量 』

2.『そして君は希望の光の中に消えた』

3.『正否の相違、或いは利害の不一致』

4.『感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛』

5.『それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ』

6.『投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊』

7.『林檎の花の匂いと記憶野に内在する存在。』

8.『夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処』

9.『焦燥の日々の帷、憔悴する白雪姫(スノーホワイト)

10.『それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ』

 

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【メンバー】

Piano & DrumsSoan

Vocal:手鞠

Acoustic Guitar:タイゾ(from Kra)

Acoustic Guitar & Chorus:祐弥

ViolinSachi(from 黒色すみれ)

CelloAkiko Yamazaki

 

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Soan twitter https://twitter.com/soan_official

Soan Blog http://ameblo.jp/moran-soan

Soan_project https://soundcloud.com/soan_project

 

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CD情報★

 

【Soanプロジェクトwith芥】

1st Mini Album『慟哭を鼓動として道とする音』
2017.1.18(wed)Release 5曲入り ¥2,500(tax in¥2,700) 品番:S.D.R-306
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Recording Musician:
Drums・Music:Soan
Vocal・Lyric:芥(Chanty)
Guiter・Voice:Shun
Bass:Ivy(ラッコ)
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【収録曲】

1.『不確かな箱庭』(Music:Soan Lyric:)

2.『隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬』(Music:Soan Lyric:)

3.『透過幕』(Music:Soan Lyric:)

4.arrive(Music:Soan Lyric:)

5.hysteria show time(Music:Soan Lyric:)

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【Soanプロジェクトwith手鞠】

1st Mini Album『静謐を制し征する音』
2017.2.1(wed)Release 5曲入り ¥2,500(tax in¥2,700) 品番:S.D.R-307
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Recording Guest Musician:
Piano・Drums・Music:Soan
Vocal・Lyric:手鞠
Chorus:祐弥
Acoustic Guiter:タイゾ(Kra)
Violin:Sachi(黒色すみれ)
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【収録曲】

1.『夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処』(Music:Soan Lyric:手鞠)

2.『それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ』(Music:Soan Lyric:手鞠)

3.『投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊』(Music:Soan Lyric:手鞠)

4.『感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛』(Music:Soan Lyric:手鞠)

5.『そして君は希望の光の中に消えた』(Music:Soan Lyric:手鞠)

 

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LIVE情報★

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【Soanプロジェクトwith芥】
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2.3(fri)高田馬場AREA『慟哭を鼓動として道とする音~東京編~』
2.11(sat)名古屋SPADE BOX『慟哭を鼓動として道とする音~名古屋編~』
2.12(sun)OSAKA MUSE『慟哭を鼓動として道とする音~大阪編~』
全公演前売り¥4,000(tax in・D代別)
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●e+プレオーダー(先行発売)Aチケット- 受付期間終了

●2016.12.17(sat)10:00-一般チケット一斉発売
イープラス購入ページ

東京:http://bit.ly/2h7vBgK
名古屋:http://bit.ly/2hCcDjk
大阪:http://bit.ly/2gQZghZ

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【Soanプロジェクトwith手鞠】
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3.15(wed)名古屋ell.FITS ALL『静謐を制し征する音~名古屋編~』
3.16(thu)大阪RUIDO『静謐を制し征する音~大阪編~』
3.23(thu)Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE『静謐を制し征する音~東京編~』
名阪公演前売り¥4,000(tax in・D代別) 東京公演前売り¥5,000(tax in・D代別・全席指定)
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●e+プレオーダー(先行発売)Aチケット-
【受付期間】1.8(sun)12:00~1.15(sun)18:00
名古屋:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002206224P0030001
大阪:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002206107P0030001
東京:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002206143P0030001
●2.4(sat)10:00-一般チケット一斉発売
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2016年12月29日 (木)

【ライヴレポート】Sick²<女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。7>2016年12月27日 新宿BLAZE!2ndフルアルバム発売と全国ワンマンツアー開催も発表。

REPORT - 12:35:39


11月3日の新宿RUIDO K4よりスタートした「10都市11箇所ONEMAN TOUR『Trip or strip』」も、12月27日の新宿BLAZE公演でファイナルを迎えた。

この日は、東京でのワンマン恒例のタイトル「『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。7』」と題して開催。


この日のライブを通し新しいニュースが届けられた。

4月5日にSick²は、2ndフルアルバム『ENIACMANIAC』を2-TYPE発売する。

中には、『CLUBSICK』以降7枚のシングル曲を収録。

もちろん新曲も数曲詰め込むように、これまでの歩みと、これからの姿を提示した作品になりそうだ。

そのアルバムを手に、4月より全国ワンマンツアー「ENIACATOMIC」もスタート。

ファイナルは、「『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。8』「恵比寿、切断。」と題し、恵比寿LIQUIDROOMで行う。

今回もいろんな趣向を凝らしているようで、詳細が告知になるのを楽しみにしていて欲しい。

他にも、2月には4th Anniversaryを記念し「4×4切断」と題したウィークリーツーマンライブを渋谷REXにて開催。

3月15日には新宿RUIDO K4でジェネ★の、3月31日には大塚Deepaで祭-まつり-のバースデーワンマンも決定している。こちらも楽しみだ。

 

近況を記したところで、以下へ12月27日に新宿BLAZEで行われたツアーファイナル公演の模様をお伝えしよう。
「今夜は全員可愛いうさぎさんにしてしまおうかな」。

ジェネ★の言葉を受け、ライブは最新シングル『罪と罰とマゾヒスト』から幕を開けた。

荒れ狂う演奏が舞台上から一気に雪崩のように襲いかかり、観客たちを音の渦の中へと飲み込んでいった。

観客たちも、その熱に負けじと挑んでゆく。冒頭から場内には熱狂という戦いの空間が生まれていた。


意識をキリキリと突き刺す音が襲いかかってきた。

Sick²は『イケナイコドモ』を突き付け、観客たちの理性へ「壊れなさい」とばかりに次々と穴を開けてきた。

空いた穴からは、どんどん冷静な感情が抜け落ちてゆく。

「暴れ狂え!!」、何よりもそれがここでは正しい常識だ。


Sick²流雅な熱を抱いたダンスナンバー『CRAZY TOKYO』の登場だ。

大勢の人たちが扇子を振りながら、狂った花魁気分で妖しく熱狂へ溺れてゆく。

なんて派手派手しくも、感情を妖しく染め上げてゆく宴だ。

激しく走る演奏と身体揺さぶるダンスビートが絡み合い、意識をどんどんトリップさせていく。

その恍惚感がたまらない…。


8ビット要素をまぶした奇天烈な音楽が、頭の中を掻きまわしてゆく。

『(8-bit)ch』が連れ出した、熱狂に狂わされ螺子が次々と外れていく快楽。

意識のチューニングはどんどん狂ってゆく。
すべてを叩き壊すように、黒く荒れる演奏に乗せ飛び出した『鬼畜カレシ』。

興奮に溺れた観客たちは、ジェネ★の導きへ想いを捧げるよう暴れ続けていた。

重厚な音の唸りに合わせ、誰もが身体を大きく揺さぶりだした。

暴走した『VOID』に合わせ、右へ左へと狂ったゾンビのような様で観客たちが騒いでゆく。

感覚を無にしてゆくその破壊性こそ、今宵はとても心地好い快楽のドラッグになる。

 

「君は小悪魔、僕は悪魔」の声を合図に、キラキラと輝きを放つSick²流ロマンティックな高揚曲『絶対天使領域』が場内中に響き出した。

誰もが光を持って弾ける歌や演奏に身を預け、行進する気分のもと浮かれた熱に嬉しく溺れていた。

胸をギラつかせる演奏が、もっともっと狂えと気持ちのアクセルを踏み込んだ。

『ロデオドライヴ』が示したのは、絶望の闇の中を極彩色の熱を放ちながら爆走してゆく感覚。

ギラギラとした演奏が感覚を混濁させ、バネの壊れた人形のように身体の制御を奪いながら暴れ狂わせていった。

なんて華やかなダンスロックナンバーだ。

『Jungle×Jumble』が、頭を真っ白にイレースし、ただただ飛び跳ね続けることを快楽と教えていた。

誰もがジェネ★の動きに合わせ、一緒に踊り続けていた。これは祭だ、狂喜を与える宴なロックだ。


チクチクとした刺激を与えるように、カラフルさと激しさを持って『Fiv Five』がバースト。

キラキラとした音を放ちながらも、その中には重厚さを持った黒い音が渦巻いている。

場内の人たちも手の花を咲かせながら、華やかに爆発した音の欠片たちを全身で受け止めていた。
一転、狂気という言葉が相応しいダークでラウドな音の塊が一気に襲いかかってきた。

凄まじい熱を持った演奏を持って『M-control』が荒れ狂う嵐にも似た熱狂を場内に描きだした。

闇へ瞬時に堕ちてゆく感覚?!。

でも、それが暴れる意識や肌には心地好い刺激だ。

会場中を漆黒の狂気で塗り潰すように流れた『フレゴリの錯覚』。

意識が混濁してゆく。フリーキーな音の絵の具が、感情をどんどん闇色に、狂人めいた色に塗りたくっていく。

でも、それが今の僕らの歪んだ心のキャンバスには必要な色の絵の具なんだ。

 

ライブも後半へ。

「あなたの両目を僕にください」。

ミッド&ラウドな『眼球』は妖しくメロウな、ねっとりとした狂気を抱いた楽曲。なんて甘美な歌だ。

でも、その甘さはだいぶ捩じれていた。むしろ捩じれているからこそ、壊れた身体には心地好い味だった。
演奏は、狂気を携え一気に走り出した。叩きつける凄まじい演奏、「僕に服従してください」とジェネ★が告げたように、誰もが『deep:sleep』の作り上げた歪んだ黒い唸りに身を預け、壊れるがままに身体を揺らし続けていく。

華やかな狂気という言葉こそ、この曲に相応しい。

黒い熱狂の花を咲かせるように『妄想悪魔審判』が駆け出した。とても痛い歌だ。

でも、悪魔の囁きやきは「痛みに溺れろ」と熱狂を求めてゆく。気

持ちがどんどん上がっていく。

黒い闇の熱狂の宴は、なんて痛い陶酔を与えてくれるんだろう。

さらに『Dr.Earache』が次々と頭の螺子を外しだした。

ジェネ★の導きへ従うように、従順な僕(しもべ)と化した観客たちがフロアー中に大きな漆黒の花を咲かせていた。


狂った演奏はさらに熱を持って暴れ出した。

『isotope』が場内に作り上げた、轟音と華やかな歌にまみれ踊り狂う遊興の空間。

熱しきった狂喜を引き連れながら、Sick²は最後に煽りナンバー『ヴィデオドローム』を叩きつけ、会場中に咲き乱れるヘドバン空間を作り上げていった。

終わりを忘れた狂喜と狂気のバトルこそ、何よりも痛い恍惚与える刺激剤だ。

 

アンコールは、激烈なダンスビートナンバー『CLUBSICK』からスタート。

理性を一気に吹き飛ばす演奏に触発され、ふたたびフロアは狂った宴に興じる空間に塗り変わっていた。

熱狂を連れたまま演奏は、はちゃめちゃなパーティチューン『LIVEALIVE』へ。

触れた人たちの気持ちを無邪気な色に染め上げてゆく様もSick²の魅力の一つ。

ダークな黒いSick²も惹かれるが、キラキラとしたときめきを放つSick²も味わい続けたい大切な表情だ。

最後に届けた『Lavi!』でも、会場中を熱狂に溺れる快楽の宴の場に変えながら、Sick²は訪れた人たちの心を裸にしていった。

 

先にも記したように、今後のSick²は4月5日に2ndフルアルバム『ENIACATOMIC』を発売。

同時に、全国ワンマンツアーをスタートさせる。

ツアーのファイナル公演は、「恵比寿 切断」と題した5月5日の恵比寿LIQUIDROOM。さ

らに大きな動きを見せるSick²から目を離さずにいて欲しい。

 

 

TEXT:長澤智典

 

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―セッリトスト―
『罪と罰とマゾヒスト』
『イケナイコドモ』
『CRAZY TOKYO』
『(8-bit)ch』
『鬼畜カレシ』
『VOID』
『絶対天使領域』
『ロデオドライヴ』
『Jungle×Jumble』
『Fiv Five』
『M-control』
『フレゴリの錯覚』
『眼球』
『deep:sleep』
『妄想悪魔審判』
『Dr.Earache』
『isotope』
『ヴィデオドローム』
-ENCORE-
『CLUBSICK』
『LIVEALIVE』
『Lavi!』

 

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Sick² Web
https://planet-child.jp/sick2/

 

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★CD情報★


2017年4月5日(水)
2nd FULL ALBUM『ENIACMANIAC』RELEASE


TYPE-A 価格 3,500円(税別)
TYPE-B 価格 3,000円(税別)
収録内容後日発表!!

 

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★LIVE情報★

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Sick²ジェネ★バースデーワンマン
『ハッピーバースデージェネ★』
■2017年3月15日(水)新宿RUIDO K4


OPEN 18:00 / START 18:30
前売り¥3,500 / 当日¥4,000(ドリンク別)


[チケット]
A.e+プレオーダー 受付期間:1/7~1/15
B.e+一般発売 2/4~発売

[出演]
Sick²
ちゃんとSick²!? ※ジェネ★がマイクスタンドで真面目に歌います

[問]RUIDO K4 03-5292-5125


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Sick²祭-まつり-バースデーワンマン
『まつりさん、幸せですか?』
■2017年3月31日(金)大塚Deepa


OPEN 18:00 / START 18:30
前売り¥3,500 / 当日¥4,000(ドリンク別)
[チケット]
A.e+プレオーダー 受付期間:1/7~1/15
B.e+一般発売 2/4~発売

[出演]
Sick²
企画:祭が全パートにチャレンジ!

[問]Deepa 03-3984-6085

 

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2nd FULL ALBUM『ENIACMANIAC』発売記念ワンマンツアー
『ENIACATOMIC』
4月8日(土)HOLIDAY NEXT
4月9日(日)心斎橋soma
4月11日(火)福岡DRUM SON
4月23日(日)仙台space Zero
4月25日(火)札幌Crazy Monkey
4月26日(水)札幌Crazy Monkey
開場18:00 開演18:30
前売3,500円 当日4,000円

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TOUR FINAL『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。8』
「恵比寿、切断。」
5月5日(祝)恵比寿LIQUIDROOM
開場17:15 開演18:00
前売3,800円 当日4,300円
※各メンバー別チケット発売になります
入場特典あり!!
【チケット】
DISK GARAGE HP1次先行抽選受付 12/27 21:00~1/9 23:00 整理番号A1~ 特典付き
DISK GARAGE HP2次先行抽選受付 1/23 18:00~2/5 23:00 整理番号B1~ 特典付き
DISK GARAGE HP3次先行抽選受付 2/11 21:00~2/26 23:00 整理番号B続き 特典付き
3/5 10:00~ 各プレイガイド一般発売 整理番号C1~ 並列入場 特典付き

【特典内容】
Aチケット:メンバー別肉声CD(A type)&各メンバー別直筆サイン入りポストカード(未公開写真①)
Bチケット:メンバー別肉声CD(B type)&各メンバー別直筆サイン入りポスター(未公開写真②)
Cチケット:メンバー別肉声CD(C type)&直筆サイン入り集合ポスター(未公開写真)
※特典の引換は全て公演終了後におこないます。引換の際にはチケットの半券が必要となりますので
無くさずにお持ちください。

[問]DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00)