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2021年05月23日 (日)

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★ロングインタビュー★【Chanty】5月15日発売、New Single「春煩い」リリースインタビュー!◆「バンドをやっていることやChantyを続けていることって、ずっと春の桜の最中に居るような気持ちだなと感じた」──(Vo.芥)

NEWS - 13:47:13

新たな希望に満ち溢れたイメージを抱かれがちなは、舞い散る桜の花びらのような儚さや曖昧な憂鬱さと背中合わせの季節だと思う。

ChantyNew Single『春煩い』は、季節に取り残されて立ち止まっている人達の心に寄り添い、新たな環境で闘っている人達の心に大切な存在を思い起こさせる、そんな作品になった。

バンドにとってまたひとつの節目となるしゃらりらりららワンマンツアーのファイナルを目前にしたChantyの音楽と想いが、どうかまっすぐ届きますように。

 

 

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Chanty春にいろんなことがありがち説に終止符を打とうという想いが込められた歌詞になりました。

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――リード曲に『春煩い』が選ばれた経緯から伺えますか?

 

白:原曲は芥さんの作曲で、同時期にできた数曲の中から芥さんと僕とで今回のシングルの選曲をしていく中で『春煩い』が良いのではないかという話になって、メンバー全員で共有して決定しました。

 

 

――楽曲が選ばれた時点で、テーマはと決まっていたのでしょうか?

 

白:デモの段階で、既に『春煩い』という仮タイトルがついていたんですよ。芥さんが最初から本タイトルとして採用しようと考えていたかはわからないですけど、楽曲の雰囲気にも合っていたし、タイトルとしてとても気に入ってしまったので、そのままの形になりました。

 

芥:最初は、楽曲タイトルではなくてCDの作品タイトルにしようと思っていたんですよね。

どういう楽曲が上がってきたとしても、作品自体のタイトルは『春煩い』にしたいなと。

デモ段階では、それを適当に楽曲のファイル名にしていただけなので、この曲単体のタイトルを『春煩い』にしようと決めていたわけではなかったです。

でも、歌詞を書き進めるうちに楽曲のタイトルも『春煩い』にしよう。と。

 

 

――作品タイトルとリード曲のタイトルが同じというのは、Chantyでは珍しい気がします。

 

 

芥:そう、今まではわりと避けることが多かったんですけど。

ひとつの楽曲のタイトルでCD全体の印象が決まってしまうことがあまり好きではないから、作品タイトルは別に考えていたんです。

でも、今回はカップリングに収録されるのが『ダイアリー(acoustic ver.)』で、これは『春煩い』とはまた違うベクトルで制作された楽曲ですし、今作に関しては作品タイトルがCD自体の世界観を表すわけではないので、それならば『春煩い』はそのままでも良いかなと。

 

 

――綺麗なメロディーと、止まらずに変化していく季節に取り残されていくことへの焦り・苛立ち・切なさとの対比が胸に響きました。

 

 

芥:この歌詞は、自分の想い出から生まれたものなんです。高校2年生の時に3年生の先輩とバンド活動をしていて、将来も一緒にバンドをやろうと思っていて。

でも、先輩だから俺より1年先に卒業してしまって、彼は東京の音楽専門学校に進んだんですね。

1年後に、そっちに行くから。」と約束をしていたものの、段々と連絡の回数が減っていって・・・俺は東京に居るわけではないから、新しい環境での生活のことを話されてもわからないし、あまり興味も持てなくて、凄く取り残された気分になってしまったんですよね。

春は新しい季節とか始まりの季節とか言われているけれど、自分にとっては何も終わっても始まってもいない。

春が去って、みんなが歩み始めて。改めて考えたら、桜が散った後が一番嫌な季節だなと思ったんです。

満開の時は浮かれているけれど、気付いたら置いていかれている自分。

この曲によって、その時の経験や感情がフラッシュバックしてきたので、それをベースにして書いたのがひとつ。

あとは、私のいない未来ばっかりただ そうやって語られてもというフレーズがありますけど、ファンの人達の中にもそういう気持ちを抱く人が多いのではないかと思ったところがあって。

Chantyはこれまでに体制を2回変更していて、この後も成人くんが活動を一時休止するじゃないですか?

その時点で、気持ちの面で置いてけぼりにされた感覚になって、当事者ではなくなってしまうファンの人達も居ると思うんです。

コロナウイルスが世界に蔓延してからも、選べるはずだった選択が出来なくなって気持ちが冷めてしまったりってありますよね。

自分が一緒に歩んでいない未来を語られることって、結構辛い。

俺の高校の時の経験、これまでやこれからの体制変更でそう感じたファンの人達の想い、そういうものを何か形にしたかった。

 

 

――ファンの気持ちを置いてけぼりにしないというのは、大切であると同時にとても難しいことでもあると感じます。

バンドの運営に関する決定がファンから離れた場所で決まっていくのは、仕方がないことでもありますし。

 

 

芥:そうなんですよね。自分の望む形に進んでいってくれないことに疎外感を感じてしまう人も居るし、それは仕方がないことではあるんです。

ただ、この1年で凄く実感したんですけど、俺自身もTwitterなどで「どこに居ても一緒だ。」というような言葉を発信してしまったりもしたけれど、実際のところ一緒ではないんですよね。

会えなかったら一緒ではないと思う人も居るだろうし、自分が見たい場所や行きたい場所に居てくれるからこそ一緒に世界が作れるんだって思う人も居るわけです。

バンドと一緒に歩んでいる。と感じられるかどうかが重要なんだろうなと思います。

 

 

――確かに。

 

 

芥:あとはお別れじゃないって言ってんだろというフレーズだけを見ると成人くんに向けてのメッセージだと思われるかもしれませんが、実際そういう気持ちで書き始めたところはありました。

サビ頭の3つの言葉は自分の中で決まっていて、それを軸に歌詞を書こうかと一瞬思ったりもしたんですけど、やっぱりそれはちょっと違うなと。

結果的に、自分の経験やバンドが進むごとに何かしら置いてけぼりを感じてしまう人達の気持ちといったものを全て含めて、Chanty春にいろんなことがありがち説に終止符を打とうという想いが込められた歌詞になりました。

だから、ハッピーエンドでもバッドエンドでもないんですけど、曖昧なことに感じた憂鬱を形にできたのではないかと思います。

 

 

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バンドをやっていることやChantyを続けていることって、ずっと春の桜の最中に居るような気持ちだなと感じたんです。

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――この歌詞を読んだ楽器陣のご感想は?

 

 

野中:Chantyとしては春に色々なことが起こるけれど、そのことは一旦置いておいて。

僕個人の人生で春に何かがあったかというと、何も無いんですよ。

別れも無ければ出会いも無いし、環境が変わることはあったかもしれないけれど、自分の中で何かが変わったと印象に残るような出来事は何も無くて。

だから、春に対するイメージがフラットなんです。

以前リリースした『今年も春が希望という名の嘘をつく』にしても、今回の『春煩い』にしても、喩えるなら本を読んでいる感じというか、疑似体験をしているような気持ちになりましたね。

自分自身が経験してこなかったからこそ、結末がどうであれワクワクできるなと思いました。

 

白:オケを聴いていた時点でハッピーな雰囲気ではなかったので、想像していたイメージどおりの歌詞が上がってきたなと思いました。

ただネガティヴな感情を爆発させているだけの歌詞ではないし、言葉で表現するのが難しいですけど、凄く絶妙な感情・・・何とも言えないモヤモヤしている感じがあるので、そういう部分を演奏で助長できたらいいなと。

何かを劇的に変化させたというほどのことは無いですけど、歌詞とメロディーに似合うフレーズは意識しましたね。

 

 

――Chantyは歌の温度感に対する楽器の色付けが得意なバンドという印象がありますが、今回は特にそれが伝わりました。

 

 

野中:おそらく、たまたまです()

 

 

――たまたまの奇跡が起こりすぎに感じますが()

 

 

野中:そう、実際に奇跡が起きすぎなんですよ。あとは、レコーディングは楽器から先に録って、そのオケを聴きながら芥さんが歌を録るので、切ないフレーズのところは切なく歌ってくれたり、芥さんが合わせてくれているような気もするんですよ。

 

白:あ、そうかもしれない!

 

芥:いや、全員のたまたまが合致した結果です()

 

一同:()

 

 

――成人さんはいかがですか?

 

 

成人:拓ちゃんと同様にバンドで起こることは別として話すと、僕個人がイメージするChantyの春は『ひどいかお』や『ひどいかお2』の方向で花粉症なんですよ。

今までのChantyで考えると、ファンの人達も直結するイメージはそれじゃないかなと思う。

でも、今回の『春煩い』はChantyにはありそうでなかったタイプの、直球で春らしい曲だなと感じていて。

 

芥:あぁ、言われてみればそうかも。

 

成人:これまでのChantyで春の曲というと、もう少し陽気でコミカルな印象のものが多いと思いますけど、今回は直球のラブストーリーというか。

こういう立ち位置の楽曲は無かったですし、自分の中にも強く伝わってくるものがあって、演奏でも春のイメージを表現できたんじゃないかと思います。

 

 

――個々の経験によって楽曲の捉え方も様々で面白いですね。

個人的に、曲頭のブレスから溜息のようにあぁやっぱ春は嫌いだと言葉が口をついてこぼれてきてしまうアレンジが、効果的に楽曲に引き込んでくれて好きでした。

 

 

芥:ありがとうございます。あれは、本当に溜息にしたかった。あ~あというどうしようもなくだるい感じをパッケージできて良かったです。

 

 

――あと、君と見惚れていたいよ見惚れてという言葉のチョイスが素敵だなぁと。

 

 

芥:高校の時の先輩と同じ景色を見続けていたかったという気持ちと、今のChantyの現状としてこのメンバーでしかできないものを、ずっと見続けていたいという気持ちと・・・過ぎ去っていくと曖昧になっていってしまうし、確かなものは無いんですけど。

この歌詞を書いている時、バンドをやっていることやChantyを続けていることって、ずっと春の桜の最中に居るような気持ちだなと感じたんですよね。

桜って、絶対に散ってしまうもので。でも、俺はそれをメンバーやファンの人達とずっと「わぁ~!」と言いながら見惚れていたい。・・・俺は、自分のやっていることも含めてどこか他人行儀なんですよね。バンドって、結局は個人の集団であって。

この曲のラストの部分、最初にベースが消えて、次にドラムが消えて、ギターも消えて、最後に俺の声だけになるアレンジじゃないですか?

別に俺が1人になりたいとか、お別れとかの意味ではないですけど、図らずしてそれぞれが先へと進んでいく中で、「俺も、そろそろ行かなきゃ。」というのを形にしたんです。

いつの日か桜は散るけれど、それでも俺は桜に見惚れて「わぁ~!」と言っていたい。そういう気持ちを表現したくて、最後のアレンジをつけました。

 

 

――それによって一層余韻が深まりましたし、全体を通して歌の感情の起伏に対する楽器陣の色付けが素敵でした。

 

 

白・野中・成人:ありがとうございます!たまたまです!()

 

 

――何故、Chantyは褒められると控えめなのでしょう・・・。

 

 

成人:本当に狙っていないからなんですよ()

 

野中:「僕のこのフレーズで、春っぽさが演出できました!」とか、コメントできたらカッコいいんでしょうけど()

 

芥:おそらく、何も言わなくてもメンバーが向いている方向が重なる瞬間があるんだろうなと思います。みんなで一緒に録っている時もあるし。

 

 

――今回もまた、楽器陣は一斉に録る形で?

 

 

野中:『春煩い』に関しては、いつもとは少しだけ違ったんです。

今までは、ドラム・ベース・バッキングギターを同じ空間で同時に録っていたんですね。

今回も同時ではあるんですけど、ドラムだけ演奏している空間が違って、モニター越しに見ながら合わせる形でした。

実際、ドラムが同じ空間に居ないということの影響はかなり大きくて。

 

 

――まず、アイコンタクトが取れないですよね。

 

 

野中:そういうことです。あと、空気感が感じられない。

 

白:普段、クリック(メトロノーム)を聞かないからね。

 

野中:そう!僕はレコーディングの時、クリックは全く聞かずにドラムを見ながら演奏するスタイルなんですけど、今回はドラムを間近で感じられなかったので、凄く遠くのほうでクリックを鳴らしてプレイしました。

結果的に、やっぱりドラムも一緒の空間のほうがいいなとは思いました。

 

白:要は、ドラムを叩いている生の音が直接聞こえないんですよ。

叩いた音が機械を通って、着けているヘッドフォンに優しく返ってくる状態。

 

野中:で、成人くんはひとりぼっちやもんね。

 

成人:そうですね。誰の視線も感じず、個室で淡々と演奏しました()

人間クリックも使えなかったし。

 

 

――そうですよね!

 

 

芥:竿隊とドラム、どちらの部屋に行ったらいいかわからないですからね()

 

白:ドラムが地下2階、竿隊が1階で録っていたので、人間クリックをやるとしたら芥さんが階段で行き来するしかなかった()

 

成人:ドラム目線で言ったら、このテイクは気持ち強めで演奏してみよう。とか、1テイクだけ試したりするわけです。

いつもなら竿隊の2人にもその変化が伝わって感じ取れると思うんですけど、今回は耳から入ってくるただのドラム音しか聞こえていないので、「今のテイクは気持ち強めに叩いてみたけど、どうだった?」と訊いても「何も差がわからない・・・。」となってしまって(苦笑)

そういう部分は、普段のやり方のほうがわかりやすいし伝わりやすいんだろうなと感じましたね。

 

 

――ライヴ感的な面で、これまでとは全く違う感覚のレコーディングだったんですね。

 

 

白:そうですね。それが悪かったのかというと、そういうことではないんですけど。

 

一同:うん。

 

野中:良い経験になりましたね。

 

芥:バンド的に、音の出方なども含めて今までとは違う形で録ってみたかったので、あえていつもとは別の場所で録ったんですよね。

ちょっとチャレンジもしてみようかなと、試してみた感じです。

 

白:音の傾向的には、当初狙っていた方向にできたんじゃないかと思っています。

 

一同:確かに。

 

 

――エンジニアさんも、いつもとは違う方で?

 

 

野中:はい。なので、音のアプローチの仕方も今までとは違っていると思います。

でも、挑戦ではありつつも妙な安心感はありました。

 

白:そうだね。

 

野中:レコーディングもやりやすかったですし、芥さんの知り合いの方ということもあって人間的にも信頼していましたし、そういう部分でも安心感がありましたね。

 

 

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「これがChantyのアコースティックアレンジの代表曲です。」と言ってもいいくらいの仕上がりにできたと思います。

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――『ダイアリー』がアコースティックアレンジの楽曲に選ばれたのは?

 

 

芥:これは成人さんのお力が働きました!

 

成人:具体的なアレンジ案があったわけではないですが、「アコースティックアレンジをしよう。」という話が出た時、最初にこういう感じでやったら聴こえ方が変わるのではないかな。と浮かんだのがこの曲だったので、「『ダイアリー』でやってみませんか?」と提案したんです。

それが、楽器陣のアレンジ的にも芥さんの歌いまわし的にも上手くハマった感じですね。

 

 

――アレンジが本当にオシャレで、楽曲の新たな魅力を引き出されたなと感じました。

 

 

成人:ドラマーなので最初に浮かぶのは当然ドラムのアレンジからですが、それを少し伝えただけでみんなの中でイメージが一致したんですよね。

細かく「こうして欲しい。」と説明するまでもなく、自然と全員の中で共有できて、完成までもあっという間でした。

 

 

――アコースティックアレンジそのものが、わりとお得意なんですかね?

 

 

野中:うん、わりと速い気がします。

でも、アレンジをしようとしたもののやっぱりこれは違うかも・・・。と諦めた曲も結構あります()

 

白:ある!()

 

芥:アレンジを決めるジャッジも、諦めるジャッジも、どちらも速いですね()

 

一同:確かに()

 

野中:そう考えると、『ダイアリー(acoustic ver.)』のアレンジは非常に速かったです。

 

白:アレンジに関して、各楽器が決め打ちして話した記憶があまり無いですね。

ただ、思い出深かったのは・・・この曲はレコーディングスタジオではなく芥さんの家のブースでギター録りをして、僕はアコースティックギターでレコーディングをするのが初だったんです。

初めてなこともあって、物凄く集中して弾き続けてしまったから、段々とブースの中が自分の熱気で曇ってきて()

 

芥:ブースは約1畳でエアコンが無いので、ずっと籠っているのは辛い空間なんです。

 

白:芥さんは基本的に毎回そのブースでレコーディングをしているので、歌録りの辛さを知ることができました()

 

芥:でもね、俺は白くんとは違って、510分くらいごとに換気も兼ねてドアを開けて休むんです。

そんなに長く籠って歌っていられないんですよ。白くんは、放っておいたら1時間くらい出てこない。

 

 

――酸欠の危険性があるのでは・・・()

 

 

芥:そうなんですよ!ブース自体に換気機能はついているけれど、換気で熱は逃げない。

換気扇も、レコーディング中は雑音が入らないように止める。

ブースを販売してくれた店舗のスタッフさんには、「その状態で長時間過ごすと酸欠で命に関わるので、絶対にやめてください。数十分に一度はドアを開けて下さい。」と言われていて。だから、放っておいたら白くんはたぶん・・・。

 

白:命を落としていますよね・・・(苦笑)

 

芥:しかも、既にコロナ禍だったこともあって、ブース内には1人なのに白くんはマスクをしていて、更にセーターまで着ていて()

 

 

――体調を崩されなくて良かったですね。

 

 

白:危うい集中力でした()

 

 

――素敵なアレンジによって、こうしてまた新たな側面から楽曲の魅力を知ることができるのは嬉しいです。

 

 

芥:Chantyのアコースティックというと、これまでは『天翔る』が代表的という印象がファンの人達の間にもあったと思うんですけど、今回の『ダイアリー(acoustic ver.)』は「これがChantyのアコースティックアレンジの代表曲です。」と言ってもいいくらいの仕上がりにできたと思いますね。

ピアノの山口さんの力も大きかったですし。

 

 

――山口さんのピアノとChantyの相性は最高ですよね。

 

 

芥:もうメンバーみたいな感覚です。

 

白:うちのメンバーは全員ピアノが大好きだけど、誰1人弾けないので()

 

 

――弾けなくても「こうしたい!」というイメージが皆さんの中にあるから良いのかもしれません。

 

 

野中:僕に関しては、「こうしたい!」を口で伝えるのは難しいです(苦笑)

でも、山口さんはメンバーの頭の中にあるイメージを5倍以上にしてバシバシ弾いてくれる。

 

一同:わかる!

 

芥:山口さんは俺と同郷で、同じ小学校出身なんですよ。

もう数年前のことですが、スタッフの方から「芥さんと同郷のピアニストが居るんですよ。」と紹介して頂いたのがきっかけでした。

 

 

――人の繋がりは宝物ですね。いつかアコースティックツアーも実現して欲しいです。

 

 

白:本当は、去年開催する予定だったんですよね。

 

芥:実は、この曲はアコースティック音源をリリースするために先録り的な感じで録ってみた曲なんです。

前作『色を失くしたこの街で』の制作時に、「他にも録った曲があるので、後々リリースします。」と話していた中の1曲です。なので、こちらは前作同様、いつもエンジニアを担当してくださっている鎌田さんに録音して頂きました。

アコースティック音源のリリースやツアーの構想もあったけれど、コロナの影響が長引いていますし、成人くんの休養もありますし、実現はまだしばらく先になるだろうと。

それならば、ここでリリースしておいたほうが良いのではないかということで、今回収録したんですよね。

 

 

――なるほど。この歌詞を書いた時と現在では、精神面や思考において色々な変化があると思うのですが、改めてレコーディングしたことで気付いたことや思い出したことなどはありますか?

 

 

芥:『ダイアリー』は、時期によってかなり変化した曲なんですよね。

当初は絶望に満ちていたというか、半自傷に走っているのではないかというくらいの歌い方をしていて。最近、何人かのファンの方から頂いた手紙で、「あの頃の芥さんは、いつ『解散します!』とか『脱退します!』と言い出してもおかしくないような歌を歌っていた。」と書かれていて。

同時期にたまたま同じようなニュアンスのことを言われたりしまして・・・。別にバンド自体のテンション感が悪かったわけではなく、俺個人が完全に絶望期だったんですよね。なんだか今思えば申し訳なかったなって思います。

でも、そういう時期を経て、楽曲の持つ意味合いや奏法やアレンジに変化を加えながら、表現を拡げていったんです。

なので、自分達からしても、おそらくファンの人達から見ても、『ダイアリー』は成長を見届けている感覚が最も強い楽曲のひとつではないかと思いますね。

勿論、当初のアプローチが好きだったという人もたくさん居るとは思うんですけど、自分の中では消化しきれてきたな。という感覚があったりもするので、この曲が浮かばれるなと思っています。

 

 

――収録されている2曲はそれぞれに在り方が異なりますが、この時期に出すことにとても意味のある作品になったと感じます。

春の様々な変化に苦しくなったり抗ったりしている人達にとって、想いをひとつ消化させることができる作品というか。

 

 

芥:俺自身、『春煩い』というタイトルだけでもうそれができたと思っています。

 

成人:春のイメージって、人によって本当に様々ですよね。五月病なんて言葉もあれば、春というだけでテンションが上がる人達も居る。人それぞれの感性の違いが露骨に出るのが春というイメージがあります。

 

 

――他の季節よりも、捉え方のバリエーションがある気がしますよね。

 

 

野中:確かに、夏・秋・冬は大体みんな似たような捉え方をしていそうな気がする。

 

芥:春は、曖昧な季節なんです。病んでいるとかそういう意味ではなく、俺は憂鬱のプロなので。これからも、憂鬱な気持ちのまま、憂鬱な人達と寄り添っていきたいと思います。

 

 

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俺個人の都合で、他のメンバーがやりたいことが制限されてしまうのは絶対に嫌だった。だから、一時活動休止という形を選びました。

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――先日オフィシャルで成人さんの一時活動休止について発表がありましたが、改めてお話を伺えますか?

 

 

成人:はい。右手首が痛み始めたのは一昨年からで、明確に症状を自覚した時点でメンバーには伝えていたんですね。

去年、コロナの影響でライヴ活動ができない期間があって、その時はかなり改善されている実感があって、自分の体感的には完全復活くらいに感じたんです。

今後も適切なケアをしていれば、そこまで心配する必要な無いのではないかと思ったんですけど、ライヴ活動を再開してみたら、また痛みが出てきてしまって。

最初は、「少し動きを抑えたり、色々な方法を模索しながらやっていこう。」とメンバーとも話していたんですけど・・・痛みの度合いや調子の波というのは、自分自身にしかわからないじゃないですか?

正直、このままだとみんなに迷惑を掛けてしまうし、Chantyの活動自体に支障が出てきてしまうと思ったんです。

バンド活動を続けていく上で、もちろん俺が主役なわけでもないし、俺個人の都合で他のメンバーがやりたいことが制限されてしまうのは絶対に嫌だった。

だから、一時活動休止という形を選びました。

 

 

――不安を抱えて進むより、ここで一度お休みをして根本的な解決法を探ろうと。

 

 

成人:そうですね。Chantyというバンドには、楽曲にしろ活動にしろ、まだまだやりたいこともできることもやっていないこともたくさんある。

コロナ禍で制限されている中でも、もっと展開的にできることもあるかもしれないのに、自分の手の問題でそこに制限が生まれることだけは絶対に避けたい。

それが、何よりも一番大きな想いです。

 

 

――わかりました。メンバーの皆さんも、仲間が痛みを堪えながら活動を続ける姿を見るのは辛かったと思います。

 

 

白:そうですね・・・現状、振替公演ツアーをしている中でも、悪化していってしまっているのは事実ですし。

手のことについては、メンバーでも情報を共有して色々と調べたりもしているんですけど、完治に至るまでの道のりがわりと難しいもので。長い休養を取ることが回復へと繋がっていくのかどうかも、本格的な治療を始めてみないことにはわからないんですよね。

だから、一時活動休止という形も希望的観測にはなってしまうし、残酷な言い方に聞こえてしまうかもしれないけれど、ファンの人達に対してもあまり希望を持たせるようなことばかりを無責任には言えない。

成人さんが発表した文面のように、最終的にバンドに戻って来られるのかどうかは、正直まだ明言できないし誰にもわからないんです。

 

 

――現状、最良の選択が一時活動休止という形だったわけですよね。

 

 

一同:そういうことです。

 

芥:成人くんの生誕ライヴのMCでも伝えたんですけど、当然これまでに色々な病院へ行ったり、治療法を調べたり、そういうことをした上での今の決断なので。

色々な未来を考えなくてはいけない可能性があることは、メンバー全員がしっかり頭の中に置いている状態です。

 

野中:バンド人生もありますけど、個々の人間としての人生もありますからね。

 

 

――はい。芥さんも仰っていたとおり、バンドは個の集まりですし、まだまだ長く生きていくわけですから。

 

 

野中:そうなんですよね。メンバーそれぞれに、バンドをしている人生も、その後のセカンドライフ的な人生もある。

個人的には、そこに気付けていなかったところもあるんですよ。

どういう治療を選択するかにしても、成人くんの人生だから彼が決めるべきことで、そこに関しては他のメンバーが口を挟むべきではなかったのかもしれないって。それに気付けなかったんですよね。

痛みは本人にしかわからないし、それぞれに置かれた環境も違う。だから、本当に難しいです。

この活動休止が正解なのかも、今は誰にもわからない。人間だから、そこに少なからず希望的観測は欲しいじゃないですか。

でも、成人くんが発表したコメントのとおり「戻って来られるかどうかわからない。」というのも事実だし。

あの成人くんのコメントの文章って、ありのままが出ていると感じたんですよ。最初から素直で正直な気持ちを全て書いてあるので、本当にその通りだなって思うし。

だから、どういう結論に至ったとしても・・・無事に戻って来られても、残酷な結果になってしまっても、それはもうファンの人達にも1人の人間の人生として見ていて欲しいなと思います。

 

 

――きっと視点によって捉え方が異なってくると思うんです。もしファンの方達からの視点で残酷に映ったとしても、その選択によって成人さんの腕が守られたのであれば、一概に残酷だとは言えないわけですし。

 

 

一同:そうですね。

 

 

――全員の人生にとって最良の結論が出せることを祈っています。

527日には高田馬場PHASEでベルとの2MANが開催されますが、成人さんのリクエストで実現した公演だそうですね。

 

 

成人:はい。休養を決めた時点で振替公演ツアーは決まっていたので、ライヴの本数的にはそれなりにあったんです。

でも、東京でのライヴが少ない且つ対バン形式のイベントがひとつも無かったんですよね。

どうしても1本、都内で対バンでのライヴをやっておきたくて、一番に思い浮かんだベルにお願いしてみたんです。

彼らも多忙なスケジュールの中で受け入れてくれて、本当にありがたかったし楽しみです。

 

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現体制になってから、今まで以上に自分達のやりたいものを素直に突き詰めていく方向に進んでいる感覚があります。

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――そして、613日には赤羽ReNYでしゃらりらりららワンマンツアーのファイナルを迎えます。

 

 

野中:しゃらりらりららワンマンツアーが、とても長かったんですよね。

期間的には123ヶ月を経て、ようやくファイナルを迎えられそうです。

 

白:それだけを聞くと、物凄く大層な長期ツアーに行っていたみたいなんですけど()

 

野中:ワールドツアーに行っていたみたい()

 

 

――延期・振替が1年越しになりましたからね。

 

 

白:本当に、ちゃんとやり遂げられて良かったなと思います。

 

芥・野中・成人:うん。

 

 

――中止という可能性もあったわけですし。

 

 

野中:結果的に、中止公演はひとつも無かったんですよね。

 

芥:青森と北海道に関しては、販売したチケットを一度キャンセルして新たに発売し直す形での延期公演にはなりましたけど、公演自体は開催できました。

東京も同じくですが、やっとゴールが見えてきた。

 

野中:事実上、完走です!

 

 

――ツアーを完走できることも今は当たり前ではないんだな、と実感させられますよね。

 

 

一同:確かに。

 

 

――この日は白さん加入2周年公演でもありますが、この2年を振り返っていかがですか?

 

 

白:感覚的には、あっという間と言えばあっと言う間でしたね。

1周年を迎える少し前にコロナ禍が始まって、あまり活動できない期間を迎えてしまったもので、確かに2年という時間を過ごしてはいるものの、実質的に2年間フルで動けているかといえば違いますし、少し変な感じなんですよね。今はライヴ活動も再開していますけど、コロナ禍以前のような本数と勢いではないので、不思議な感覚はあります。

 

 

――次々に予定を変更せざるを得ないと、時間の感覚がわかりづらくなりますよね。

 

 

白:そうなんです。2周年ということが、あまりしっくりきていない感も若干ありますね。

でも、ツアーが止まったりして時間があった分、自分含めバンドとしてもレベルアップができているわけで。

こうしてしゃらりらりららワンマンツアーのファイナルを自分の周年記念も兼ねて開催させてもらえることになって、結果的に良い修行期間になった部分もあるのかもしれないなと思っています。

あと、これは個人的な話ですけど・・・最近、フライヤーが新しくなったじゃないですか?僕の中のChantyのイメージはなんですね。

で、今回は僕が加入してから4着目の衣装なんですけど、実は真っ白な衣装は初なんです。

4着目にして“Chantyといえば、これだよね!と思いながら着ています()

 

 

――確かに、今でも“Chanty=白い衣装というイメージが強いですよね。

 

 

白:そうなんです。でも、意外と真っ白は少ないんだよね。

 

野中:1年目は多かったけど、実はそれ以降はあまり着ていないですね。

 

芥:今回のアーティスト写真を撮影している時に、俺がカメラマンさんと一緒に先に外に居て、後から楽器隊が来るというシチュエーションがあったんですけど。

ふと歩いてくる彼らのほうを見たら、真っ白な衣装の3人と一緒に、真っ白な犬がついてきていて。

 

 

――真っ白な犬!

 

 

芥:そう、近所の白い犬が3人を引き連れてやってきた。

映像で残せていたら相当面白かったんですけど、残念ながらありません()

 

 

――見たかったです()

白さんが加入したことで音楽面でもまたバンドが大きく成長できた素敵な2年間だったと感じますが、皆さんにとってはどのような時間でしたか?

 

 

成人:加入当初から白くんはChantyっぽい人だなとメンバーも多くのファンの人達も感じていましたけど、白くん自身がそのことをしっかり自覚して、サウンド面や楽曲の色付けなども率先して取り組んでくれるようになって。

馴染んだというより、既に白くんがみんなを引っ張る立場になってくれているんです。

コロナ禍で活動が儘ならない期間に作曲してくれた楽曲にしても、ワンマン公演を行うにあたって引き出してきた過去の楽曲を演奏するにしても、Chantyの楽曲に対しての白くんのギターの乗せ方という部分がこの1年間で物凄くパワーアップしたことは、僕らメンバーが一番感じていると思います。

 

白:(小さくガッツポーズ)

 

一同:()

 

成人:きっと芥さんと拓ちゃんも同じように感じているだろうけど、この1年で一層“Chantyのギター・白になったなと。

 

芥・野中:そう思う。

 

野中:白くんの最初の印象は、かわいい弟キャラだったんですよ。

だけど、今では頼れる兄貴という感じです()

 

一同:()

 

 

――正反対の立ち位置に!

 

 

野中:どこで変わったかという話はちょっと置いておいて、今ではすっかり自分が弟になりました()

バンドのサウンド面についても、楽曲についても、それくらい頼れますね。新しいスパイスをくれるということではなく、Chantyの中心核的な感じです。

 

白:そうかな・・・()

 

野中:僕の中のイメージでは、そうです()

末っ子だったので弟という感じがあったけれど、今は感覚的には白くんのほうが年上です()

 

芥:白くんが加入したことで、Chantyというバンドは音や楽曲に関して原点回帰している気がします。バンドは活動を続ける中で色々なものを探して、色々なアプローチをしていくわけですけど、白くんが入って現体制になってから、今まで以上に自分達のやりたいものを素直に突き詰めていく方向に進んでいる感覚があります。紆余曲折を経て、あのタイミングで白くんが入ってきたことで、逆に白くんが“Chantyとは?を教えてくれたというか。

2年以上前はバンドの外側に居る人間だったわけで、白くんが外から見て抱いていたChantyというバンドのイメージが、自分達が考えていた以上に初期衝動に近いものだった感じがするんですよね。

Chantyが始動した頃の感覚を教えてもらったというか、思い出させてもらった。白くんの加入が、バンドが立ち返ってまた生み出していくきっかけをくれたんです。

それに加えて、今のコロナ禍によってライヴができるということの貴重さを改めて感じたし、感染対策によるライヴスタイルの変化・・・ファンの人達が声を出せないとか、ソーシャルディスタンスで前ほど自由に動けないとか、色々な制約がある中でのライヴによって本来のChantyってこうだったよね。ということを今一度思い出したり見直したりできた。

そういう意味で、色々な要素によってバンドにとってはありがたい方向に進んでいるんじゃないかなと。

Chantyは、今かなり良い感じだと思うんですよ。

このまま613日に向かっていければ、成人くんが休養に入るということはありますが、4人でまずひとつの段階を成し遂げられる1日にできるのではないかと思っています。

 

 

――Chantyが進んでいく道のりの中の大切な1公演として、なるべくたくさんの方達に見届けて欲しいなと感じます。

 

 

芥:そうですね。おそらく、配信もできると思うので。

 

 

――配信に積極的なところも、本当にファン想いだなと感じます。

 

 

芥:色々な方の協力のもとで実現できていることですが、このツアーに関しては可能な場所は全て配信してきました。

本来であれば、皆が自由に選んで共有できるはずだったものなので、そのための努力は怠りたくないというのはメンバー全員の共通した想いですね。

 

 

――それぞれの場所から楽しんで頂けますように。そして、素晴らしい日になることを祈っています。

 

 

芥:ありがとうございます。あとはもう、やってみないとわからないですからね。

やってみないとわからない。の結果、ここまで続いてきたバンドなので。やり続けていれば、何とかなる。そう信じていますよ。

 

 

 

取材・文:富岡 美都(Squeeze Spirits/One’s COSMOS)

 

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<リリース>

 

 

★2021年5月15日

New Single Release
「春煩い」

 

全2曲入り


M1 春煩い
M2 ダイアリー acoustic ver.

 

¥1,000 tax out
物販、通販、一部専門店限定リリース
※販売店舗につきましては4月22日現在、自主盤倶楽部、ライカエジソン全店、fiveStars、littleHEARTS.全店舗にて販売

 

https://www.youtube.com/watch?v=YQolIJQpImg

 

 

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芥メイン

▲Vocal.芥
https://twitter.com/chanty_akuta

白メイン

▲Guitar.白
https://twitter.com/chanty_shiro

野中メイン

▲Bass.野中拓
https://twitter.com/chanty_taku

成人メイン

▲Drums.成人
https://twitter.com/chanty_naruto

 

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