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2021年08月04日 (水)

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必読!24,000字!びじゅなび独占濃厚ロングインタビュー!【ベル】8月11日リリース、新体制第2弾シングル『拡声決起ストライキ』◆現代社会を生きる全ての人達へ──。7周年ツアーは、世相に対する皆との共闘。

NEWS - 21:00:13

8月11日に、新体制第2弾シングル『拡声決起ストライキ』をリリースするベル。

今作を携えて、今月から16公演に及ぶ全国ワンマンツアーも開催する彼らの今を、びじゅなび独占!超濃厚ロングインタビューでお届けします!

 

『拡声決起ストライキ』に込められた想い、これからに向けた覚悟と決意、そしてツアーを「共闘」と記す理由。

 

ベルを知っている方も、知らない方も、とにかくじっくりと是非読んでみて下さい!

 

 

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2021811日、新体制第2弾シングル『拡声決起ストライキ』をリリースするベル。

 

「未来は、自らの意志で選び切り拓く。」

 

強い決意と覚悟が込められた今作は、現代社会を生きる全ての人達に自身と向き合い考えるきっかけを与える作品となった。

5人の音楽と言葉が心に響いたのなら、勇気を持って一歩踏み出し7周年全国ワンマンツアーで彼らと共闘して欲しい。

 

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『拡声決起ストライキ』のデモを聴いた時、色んな映像が一気に頭の中を駆け巡った。

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――『拡声決起ストライキ』のMV&ヴィジュアル解禁1週間前に、『無敵のアゲ卍SUMMER』という真逆な作風の偽MVを公開する手の込んだギミックがありました。

 

ハロ:あえて先に真逆の世界を見せて『拡声決起ストライキ』と対比させる事で、本シングルに込めた想いをより明確に伝えられるのではないかと考えてのプロモーションでした。

 

 

――『無敵のアゲ卍SUMMER』はアロハ姿のメンバーと若者言葉を多用した歌詞など本来のベルとはかけ離れた作品でしたが、公開時の反応はどのようなものだったのでしょうか?

 

ハロ:「これがベルなのか?」と目を背けたがる人や、「5人になって方向転換したのかな?」と考える人も居れば、仕掛けがある事に気付いた人も居て。賛否を起こしたかったので、狙い通りの反応をしてもらえたと感じます。手段を選ばなければ話題を作る事や炎上を起こす事は難しくないけれど、僕らの在り方として音楽で仕掛けたい。だから、今回は偽MVを制作しました。

 

 

――監督&脚本がハロさん、同じく脚本&映像編集がルミナさん。ルミナさん、映像編集にラップにと多才ぶりを発揮ですね。

 

ハロ:そう、彼は多才なんですよ。僕が歌詞に沿って「ここの部分はこういう映像が撮りたい。」と提案して、ルミナと相談しながら制作していきました。最後のラップシーンは、僕がカメラを構えて、ルミナがラップをして、明弥が照明のライトを振り回すという、かなりアナログな方法で撮影しました()

 

 

――アナログだけど楽しそうです()

 

ハロ:楽しかったよね、プレッシャーが無かったし。

ルミナ:そうですね。

 

 

――ただ、最初に仰っていた通り、これはあくまでも『拡声決起ストライキ』への布石であって。今の世の中を象徴するのが『無敵のアゲ卍SUMMER』で、ベルからの決意表明と問題提起が『拡声決起ストライキ』。その前提で両作品に触れると、世界の現状を突き付けられて非常に恐ろしくなりました。

 

ハロ:そう、今の世の中って怖いんですよ。

 

 

――1曲ずつ伺っていきます。『拡声決起ストライキ』、どのようなイメージで作曲されたのでしょう?

 

タイゾ:この曲の自分は珍しく全編アコースティックギターで、エレキは一切弾いていないです。曲を作っている段階ではハロくんがどういうテーマで歌詞を書くかわからない状態でしたけど、俺自身は前作の『乙女劣等行進曲』よりも更に“5人になったベルを出したいなと考えていて。ギターが2人になった事も音で皆に伝えられたらという想いがあったので、自分がアコギでルミナがエレキと明確に役割分担をしてみました。あと、ベルでの俺は細かいギターフレーズを弾く事が多いですが、この曲に関しては力強さを出したかったので、時々出てくるアルペジオ以外は基本的にコードを掻き鳴らしています。イントロの怪しさと曲中の力強さの緩急を意識して作りました。

 

ハロ:メンバー全員でスタジオに集まって、大きめの音で曲を流しながら選曲会をしたんです。そこでこの曲のデモを聴いた時、色んな映像が一気に頭の中を駆け巡ったのが印象的で、「リード曲にしたい!」と言いました。イントロのアルペジオが何か起こりそうなヒリヒリとした雰囲気を醸し出していて、ベルが掲げているコンセプトの歌謡サスペンスにもぴったりだと思います。

 

正人:僕もイントロのアルペジオの怪しさが凄く良いなと思いました。最初は、わりとクールで大人なイメージの曲だと感じていたけれど、歌詞が乗ったら一気に熱量が上がって僕らの考えを強く主張する曲に変化した。歌詞によって印象が切り替わったなと思います。

 

タイゾ:俺は曲出しのデモ段階では歌メロをピアノで入れている事が多いので、余計に曲の印象が違うと思います。

 

明弥:さすがタイちゃんだなと感じた曲ですね。自分もコンポーザーですけど、イントロのアルペジオやコード感の雰囲気がギタリストならではでカッコいい。歌詞に関しては後程ハロが触れるでしょうけど、今こういう時代に何が正しくて何が間違いなのかとか、これはおかしいと感じる事とか、色々とあるじゃないですか?僕達も去年ライヴ活動ができない時期があったり、本当に様々な事を経て完成した作品なので熱い想いが込められています。作品を制作する時には、シングル向きの曲とかファンからの人気が高そうな曲とか考えるのが普通でしょうけど、そういうものは一切無視して今の自分達が一番カッコいいと思える曲を形にできました。

 

ルミナ:MVに関しても監督やカメラマンと綿密な打ち合わせをして、自分達のアイディアを取り入れてもらいつつ、チームの皆で作り上げました。映像と合わせて聴くと、しっかりと魂を込めた作品にできたなと改めて感じます。

 

 

――楽曲と歌詞と映像の相乗効果が凄まじくて鳥肌が立ちました。作品に関わった全員の熱量が高かったのでしょう。

 

ハロ:その通りですね。水や泡を降らせる過酷な状況の中、途中からは監督が自らカメラを担いで撮影を始めたり、びしょ濡れになりながら取り組んで下さいました。撮影前に僕の中にあるイメージを共有してもらう為に「この映画を観て、この人の事を調べて下さい。」とお願いした結果、凄く熱くなって小道具も沢山作って下さったし。映像編集が終わった時に色味を少し変えたいなと思って提案した部分があるんですけど、「こういうこだわりで、この色にしているんだ。」と言って譲ってくれなかったんですよ。それが凄く嬉しかった。

 

 

――監督ご自身が、「自分の作品でもある。」と捉えて下さっていたんですね。

 

ハロ:はい。本当に嬉しくて、そのシーンの色味はお任せしました。

 

ルミナ:そんな撮影の裏で、カメラを回している後ろでは結構ふざけたりもしていたんですけど、MVには全く使われなかったですね()

 

ハロ:気を付けて観ないとわからないですが、各パートをフィーチャーして撮影する時は後方のメンバーはほとんど映らないので、密かにパートチェンジをしたり()

 

ルミナ:確か、明弥さんのソロショットの時は後ろに正人さんが居るんですよね。

 

ハロ:真後ろで突っ立っている()

 

一同:(爆笑)

 

ルミナ:でも、完成してみたら立っているだけでもカッコ良かったんですよ!

 

正人:「映らないけれど、後ろで一生懸命叩いて。」と言われる事が結構あったので、それならば何かしようかなと思って。立ったり踊ったりもしていました()

 

ハロ:タイちゃんがドラムを叩いたり僕がベースを弾いたりもしましたが、おそらく映っていないです()

 

正人:でも、オフショットには入っています!()

 

 

――これを読んで「観たかった!」と思ったファンの皆様は、オフショットをご覧になって頂いて()

 

一同:そうですね!

 

 

――個人的には、サビのサウンドと歌の闘争感がとても好きです。

 

ハロ:駆け上がる感じが良いですよね。最初は拡声器のセクションも無かったけれど、途中で思い付いてタイちゃんに相談したら賛成してくれたので入れました。只事ではない雰囲気が増して、よりヒリヒリさせられたと思います。

 

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聴いてくれた誰かがハッと何かに気付ける、そんなきっかけを作れたら。

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――歌詞について伺います。衣装やMVからも伝わる通り学生運動をモチーフにされていて、これは三島由紀夫氏からの影響とのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

 

ハロ:三島由紀夫という存在は知っていましたが、以前から作品を読んでいたわけではないです。去年、2020年はちょうど三島の没後50年という事で、『三島由紀夫vs東大全共闘の真実』というドキュメンタリーが放映されていて。それを観た時に、不思議と強く惹かれるものがあったんですよね。言葉に力があった最後の時代と言われる時期に、学生運動に参加する若者達の国をも揺るがしかねない異常な熱量。希望か絶望かわからないものに青春を傾ける、その熱量に憧れに近い感情を抱いて、それからずっと自分の頭の中には学生運動の光景が残っていました。実は、『拡声決起ストライキ』というワードは楽曲タイトルよりも先に7周年ツアーのタイトルとして誕生したんです。その後この曲の歌詞を書き始めたけれど、僕の中で『拡声決起ストライキ』という言葉があまりにもしっくり来てしまったので、これを軸に今書きたいものを書こう。と書いた歌詞です。デモを聴いた時に色んな映像が頭の中を駆け巡ったと言いましたが、その時に浮かんだのも学生運動の光景です。

 

 

――なるほど。歌詞にもありますが、今の世界は同調圧力が凄まじいですよね。

 

ハロ:本当に。

 

 

――ただ、『無敵のアゲ卍SUMMER』が大半の人間を象徴しているとすると、その同調圧力に気付いていない人も数多く居るのかもしれないなと。

 

ハロ:うん、そうだと思いますよ。でも、人間には無意識に感じてはいても、気付いていない事が沢山ある。それを気付かせるような歌詞を書きたい気持ちもありました。僕が感じている事や考えている事を書いた歌詞で、聴いてくれた誰かがハッと何かに気付ける、そんなきっかけを作れたら。

 

 

――「君はどうする。」という問い掛けは、今の時代を生きる全ての人に刺さると思います。同時に、またあのような事態が起こり得る世相になってきているのではないかと感じていたりもして。

 

ハロ:僕も色々と考察したんですけど、よく若者の政治離れなんて言葉を耳にするじゃないですか?

 

 

――選挙の投票率の低さなども話題になります。

 

ハロ:学生運動という大きな事件があった結果、若者が政治に深い興味を持って介入し過ぎると、同じ事が繰り返されてしまう。と感じた大人達が、政治から若者を遠ざけていった。その結果が、今なのではないかと思うんです。

 

 

――確かに・・・!

 

ハロ:今仰ったように、またああいう事が起こってもおかしくない世相になってきているなと感じますよね。ずっとヒリヒリしているし、本当にいつ風船が割れてもおかしくない、水槽が溢れてもおかしくないような状態だと思う。

 

 

――MVの最初のシーンで、テレビ画面に“TOKYO2020”と映し出された事にも考えさせられました。

 

ハロ:このMVの解禁日が東京オリンピック開会式当日だったのがまた凄いですよね。

 

 

――運命的なものを感じます。本当に多くの方に届いて欲しい楽曲であり、メッセージです。

 

ハロ:ベルの曲の中では異端だし、わりと問題作だとは思うんですよね。この作品に同調して下さる方も居れば、コンプライアンス的にやり過ぎだと感じる方も居るでしょうし、反対意見も遠慮なくぶつけて欲しいです。その主張こそが大切だという事を書いた歌詞だから。

 

 

――主張するという行動そのものが、ひとつの前進でしょうし。

 

ハロ:そう思います。自分には無関係だとスルーし続けると、『無敵のアゲ卍SUMMER』のMVの人達みたいになってしまいますからね。

 

ルミナ:この曲を聴いてくれた人達に、言葉の意味を考えて欲しい。実際、俺も歌詞に出てくる言葉の中には難しくてよく意味がわからないものもあったけれど、それをただ受け流すのではなく言葉と映像から調べてくれたら良いなと思う。考える事をやめてしまっている人が多い今だからこそ、良いきっかけになって欲しいです。

 

 

――本当にその通りだと感じますし、沢山のきっかけを与える曲になると思います。

 

明弥:コンプライアンスという面に関してはコロナ以前から厳しい世界なので、僕達のように人前に立つ職業の人間は発言や行動に気を付けなくてはいけない部分が確実にあって。同調圧力に屈せずに生きていく事が大切であると同時に、そこについては意識せざるを得ない状況の中で、生きづらさや息苦しさを感じる事も無いわけではないです。でも、自分達には音楽という表現手段があるから、曲を通して意思表示ができる。その意思表示をどう捉えるかは、それぞれにお任せします。本当に、これまでのベルにはあまり無いタイプの曲なんですよね。歌謡サスペンスをコンセプトに活動しているバンドなので、歌謡曲中心で、歌詞の内容的にも誰しもが味わう男女の物語みたいなものが多かった。そう考えると確かに異端的な曲ではありますけど、僕ら5人が好きなロックやバンドというのは「周りと違う事をやりたい。」とか「人とは違う主張をしたい。」と思って始めるものだし、僕ら自身もそういう想いを持って楽器を手にしたので。バンドを始めた時の気持ちを思い出せるようなテーマを持った作品になったし、この曲を生み出した事でベルの音楽性や歌詞の世界観もより拡がっていくだろうなと思います。

 

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地に足着いた、ちょっと大人な歌謡にできたと思います。

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――全タイプ2曲目に収録されている『綿飴』は、ベルの王道的な1曲だと感じます。

 

ハロ:超王道、ど真ん中ですね。

 

 

――異端的な『拡声決起ストライキ』の次にこの曲が入った事で、非常にバランスの良い作品になりました。

 

明弥:そう思います。ベルの王道であり、自分自身も好きなタッチの曲ですね。この曲のデモは前作『乙女劣等行進曲』の選曲会の時からあったけれど、その時は選ばれず。通常は一度選ばれなかったものを再度持って行く事はあまりしないんですが、ハロがこの曲を気に入って「凄く良いから形にしたい。」と言ってくれていて。音源制作とは無関係な期間に歌詞を書いて持ってきてくれたりもしたので、今回の選曲会にも提出しました。

 

 

――この曲にとって、音源化されるのにベストなタイミングが今だった。

 

明弥:そうですね。現時点ではライヴでのみ披露している、タイちゃん作曲の『キミシニタモウコトナカレ』という曲があって、それもいずれ良きタイミングでリリースできたらと考えていますし。勿論、ライヴでのみ聴ける曲の特別感というのもファンの人達にとっては嬉しいものでしょうから、今後またそういう楽曲が生まれてくる可能性もありますね。『綿飴』の話に戻ると、これまでバラードやミドルテンポの曲はAメロ・Bメロは抑え目にしてサビでトップキーを出して盛り上げるような聴かせ方をするパターンが多かったけれど、今回はあえてサビもあまり声を張らないところが新しい。そのほうがハロもニュアンスを出しやすいという事だったし、音源でも凄く良い雰囲気に仕上がったので、ライヴでどう聴こえるかがまた楽しみですね。

 

 

――その日のテンションによって、ライヴでの表現が変化する曲になりそうです。

 

ハロ:きっと変わってくると思います。『乙女劣等行進曲』の選曲会で出されたデモは本当に全曲素晴らしくて、『綿飴』以外にもまだ形にしたい曲があるくらいなんですよね。コロナの自粛期間中にデモを聴き返していて、この曲の包み込んでくれるような雰囲気に改めて魅力を感じて。これは絶対にベルでやるべき曲だし、埋もれさせては勿体ない!と、勝手に歌詞を書いて送り付けてみたり、明弥が開催した個人イベントに遊びに行った時にもこの曲の話を出してみたり、猛烈にアピールし続けて今回の選曲会にも持ってきてもらいました()

 

 

――念願叶って何よりです!

 

正人:聴いた瞬間、ベルだな!と思いました。7年やっているバンドなので、親の顔よりも多く見たんじゃないかと感じる曲ですね()

 

一同:()

 

正人:ファンの人達からしても、耳馴染みが良い曲ではないかと思います。ドラムに関しては微シャッフルというか、ハネているのかいないのか微妙なところを叩いています。ドラムにはほぼ修正を入れていないし、リズムを叩く人間としてもう一段階先に進めたと感じる事ができました。昔の自分だったら叩けていない曲だと思います。

 

ルミナ:安心感がある曲だという話が出ましたけど、俺自身も加入前のベルの曲を聴いて良いな!と感じて入った人間なので、曲の捉え方や考え方はわりとファンの人達に近いのではないかと思うんですね。実際、俺にとっても加入前に良いと感じたベルだ!という安心感がある曲です。

 

タイゾ:皆が言う通り、これは“THEベルの曲というイメージだし、王道が来たなと思いました。曲調的に自分のギターの手癖にとても合うので、明弥がデモに入れてくれていたフレーズをそこまで変えずに、自分の色を加える形にしました。このシングルの中では一番、ギターが歌っている曲じゃないかな。ギターも歌いたい!という感情を込めて演奏できましたね。エロい曲です()

 

 

――演奏にも歌にも色気と哀愁が溢れていますよね。

 

明弥:ええ、アダルトな1曲です()。あと、僕の作ったデモ段階でもピアノを入れてはいたけれど、前の作品からピアノアレンジをして頂いている方にお願いして、より良い形にできました。打ち込みでピアノを作る事も可能ではあるけれど、ベロシティ(音の強弱)に限界があって難しいんですよ。やっぱり、歌心のある専門分野の方が実際に弾いて作るニュアンスは全く違いますね。

 

 

――ハロさんの歌声とピアノの相性も最高です。

 

明弥:注文したわけではないですけど、あえて少し掠れた声で歌ってくれたのも良かったです。

 

正人:ライヴで生のピアノを入れて演奏する日が楽しみですね。

 

 

――明弥さんにアピールする為に送られた歌詞と、今回音源になった歌詞は同じなのでしょうか?

 

ハロ:明弥のデモは1番のAメロ・Bメロ・サビまでだったので、事前に書いた歌詞もそこまでなんですが、最初に送った状態からほぼ変更していないです。その後の部分についても書きたい事は決まっていたし、ベルの王道の曲調で自分が培ってきた空気感が活きる曲なので、歌詞については特に迷う事は無かったですね。ただ、歌い方やニュアンスには物凄くこだわっていて、デモよりもキーを半音下げて歌いまわしでわざと声を掠れさせたりしています。Aメロの使い古した 誘い文句と、最後のサビの何もかも賭けて全て愛したを、あえての間で「♪使い古しら(た)」「♪全て愛しら(た)」と歌って浮遊感を出しました。Cメロのピアノとヴォーカルだけになる幸せって目には見えない 夢みたいなものからの哀愁感と、他の部分のちょっとエロティックな感じとのギャップを出す事にもこだわりましたね。

 

 

――その細やかなこだわりによって、楽曲が一層深みを増したと感じます。

 

正人:歌い出しの夜更けのムーンライトシャドウって、新築マンションの広告に書いてありそう()

 

一同:(爆笑)

 

 

――折り込み広告の、建物の写真の横あたりに()

 

正人:そうそう、不動産業界は使うべきだよ()

 

ハロ:そのフレーズは、デモ段階で明弥に歌詞を送った時からぴったりハマったなと思っていました()

 

 

――コロン逃避行など、曲の世界観に適した単語の選び方がさすがだなと。

 

ハロ:2番のAメロにマスカレードという言葉を使っていますけど、これは仮面舞踏会の事で。片付けられない事後の嫌悪とか解けたレースのリボンが 寂しそうにこっちを見てるとか、直接的な言葉を使わずに情事を彷彿とさせるような表現をしました。

 

 

――直接的な表現よりも色気を感じます。

 

ハロ:そうですね。直接的なワードは想像力を掻き立てられないので、小説的な表現にこだわってみました。地に足着いた、ちょっと大人な歌謡にできたと思います。

 

 

――出逢ったことも 哀したこともの部分だけ、あえてではなくになっていた事にもグッときました。

 

ハロ:その後のあいしたは、正しい表記の愛したになるんですけど、愛と哀しみは本当に表裏一体ですよね。Cメロの幸せって目には見えない 夢みたいなもの 色褪せて 塗り足して その繰り返しも、ハッとしてもらえるんじゃないかな。

 

 

――全体を通してエモーショナルでした。

 

ハロ:ありがとうございます。そのエモさは楽器隊の力によるところが大きいと思うので。

 

明弥:全メンバーが人生のエロい瞬間を想像して作り上げました()

 

一同:(大爆笑)

 

 

――曲を聴く前にインタビューを読まれた方がどんな曲を想像するのか、少し不安になりますが(苦笑)

 

明弥:イヤらしいエロではなく芸術なので大丈夫です!

 

ハロ:このエロティシズムを歌えるバンドは、そう居ないんじゃないかな。

 

明弥:曲の官能小説です。

 

一同:(大爆笑)

 

ハロ:名言が出た!()

 

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なぜ音源にはシャウトを入れていないのか、ずっと疑問だったんです。

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――Aタイプ3曲目収録は、冒頭からシャウトに驚かされた『ネオトーキョークラシック』です。

 

タイゾ:今回の作曲期間中、俺は何となく攻めた気分だったんですよね。今はバラードはいいやという感じで、攻撃的な曲を作ろうと。

 

ハロ:コロナの自粛期間だったしね。

 

タイゾ:その影響もあったかもしれないです。この曲はシンコペーションというリズムで、ベルではあまり使ってこなかったのではないかと思うんですけど、個人的にその食って入るリズムの前のめり感を出したかった。シャウトに関しては、ハロくんはよくライヴ中にシャウトしているんですよ。でも、これまでのベルの音源にはシャウトが入っていなくて、なぜ入れていないのかずっと疑問だったんです。個人的に、シャウトフェチなので。

 

 

――そうなんですか!

 

タイゾ:シャウトって、わりとヴィジュアル系ならではのものじゃないですか?他のジャンルでやっていない事をやりたいんです。もしかしたら音源ではシャウトを封印しているのかなと思ったので、今回「音源にはシャウトは入れないの?」と訊いてみたら「入れても良いよ。」と返されて。もしハロくんが「音源には入れたくないんだよね。」と言うなら当然それを尊重するつもりでしたけど、意外とウェルカムな返事をもらえたので入れてもらいました。

 

ハロ:封印していたというか、ベルはシャウトがガチガチにハマる曲をあまりメインにしてこなかっただけなんですよね。引き出しにはずっとあったけれど、音源に必要なパーツだとは感じていなかったし、あくまでもライヴでの煽りの一環としてだけ使っていたんです。ただ、今回5人体制になっての2作目で、僕自身もそういうものに挑戦してみたい気持ちがあって。そこでこの曲を持ってきてくれたので、7年ぶりくらいにレコーディングでシャウトを録りました。

 

タイゾ:曲のイメージは、夜桜です。俺は作曲中に画が浮かぶんですが、ラストのサビの琴の音が駆け上がるところで夜桜がパッと散る光景が見えた。作曲期間が桜の咲いている時期で、家の近くにも夜桜が沢山咲いていたので、そこからインスピレーションを受けたと思います。

 

正人:僕はずっとシャウト系のバンドをやっていたので、シャウトマイスターと呼ばれているんですけど・・・()

 

一同:()

 

正人:リズムの話をすると、ここ10年くらいドラムは4つ打ちというリズムが主体で。シンコペーションを使うバンドは以前よりは少なくなった印象ですが、僕がよく聴いていたロックバンド達はシンコペーションを使う事も多かったので懐かしい気持ちになりましたね。凄くストレートな曲だから、僕もストレートに演奏しました。その中でドラムのキメやフィルを少し変えてみたら、それに対して弦楽器陣がイメージ通りに合わせてきてくれて。バンドの醍醐味を感じる事ができましたね。

 

タイゾ:最終的には、正人用のマイクを用意してドラムを叩きながらシャウトをしてもらおうかと・・・()

 

 

――シャウトマイスターがシャウトを披露する日が!?()

 

ハロ:足元のモニターから正人のシャウトが響く日が来るかもしれない()

 

正人:まぁ、僕の全てがシャウトみたいなものなので・・・()

 

一同:(爆笑)

 

 

――楽しみにしておきます()。明弥さんとルミナさんはいかがですか?

 

明弥:シャウトというベルの音源にとっては新しい要素が入った、ライヴ映えする曲だなと思います。ライヴのセットリストにしても、以前はわりと「ラストは皆で楽しんで終わろう!」という感じの構成が多かったけれど、5人体制になってからは結構激しく熱く終わって汗だくで楽屋へ戻ってくる事が増えていて。タイちゃんが加入前にサポートしてくれていた期間のライヴはそんな感じではなかったから、きっと「あれ、ベルってこんなバンドだったっけ?」と思っているかもしれない()

 

タイゾ:そうですね()

 

明弥:この曲もライヴ後半に演奏したら、思わず正人もシャウトしてしまうくらい熱い展開になるんじゃないかな()。とにかく、ライヴが楽しみな1曲ですね。

 

ルミナ:明弥さんの言う通り、新体制になってからライヴバンド力が強化されていると感じていて、その良い切り札になる曲だと思います。俺も、密かにシャウトの練習をしているんですけど・・・。

 

ハロ:そう、レクチャーしています。ライヴで同期から流すくらいなら、入れなくて良いと思っているんですよね。シャウトって、そういうものではないから。この曲は掛け合いのようにシャウトが入っているので、ライヴではメンバーにヴィジュアルシャウトをしてもらえたら嬉しいなと。

 

 

――シャウトの掛け合いは、観ている側もテンションが上がります。

 

ハロ:そうですよね。いずれは、そういうものが見せられるかもしれないです。

 

ルミナ:今はまだ、喉が切れそうになっています(苦笑)

 

ハロ:正しい発声をすれば喉を傷めないから大丈夫だよ!本当にライヴが楽しみな曲ですね。

 

 

――歌詞からは、『拡声決起ストライキ』同様に「主体性を持て。」というメッセージを感じます。

 

ハロ:はい。『拡声決起ストライキ』を書いて、その延長線上の1本のストーリーの中で書いた歌詞です。タイトルのネオ(=新しい)クラシック(=古典的)は対比なんですね。『拡声決起ストライキ』を聴いた人が、その日を境に何か変わってくれたとしたら、昨日までの自分をどう俯瞰するのか。『拡声決起ストライキ』で「今まさに変わるべき場所に居るんだ。」と歌ったので、こちらでは「見える景色はどうだい?」という事を書こうと思いました。歌詞の中の此処はまるで 現代的蟹工船の『蟹工船』は小説のタイトルですけど、安い賃金で過酷な労働を強いられる漁師達がすし詰めのように蟹工船に乗せられて行く描写が印象的で。

 

 

――小林多喜二氏の作品ですね。

 

ハロ:そうです。少し難しい話になりますが、現代は趣味が無い若者が多いと言われていますよね。でも、先進国の中で日本の経済成長率はずっと横ばいなんです。つまり、若者達はお金がないから、やりたい事に投資できないだけ。そういう事を蟹工船に喩えていたりします。『拡声決起ストライキ』は「俺達について来い!」と拡声器を構えた僕が聴き手と向き合っているイメージで、『ネオトーキョークラシック』は聴き手と同じ方向を向いて並んで肩をポンと叩いているようなイメージ。書き手の立ち位置が違うんです。『拡声決起ストライキ』では書けなかった寄り添い方をしている歌詞ですね。

 

 

――前作に収録されている『天』でも君の明日を委ねるなというフレーズがありましたし、ハロさんの中でベルの主流であった男女の恋愛的な作風の歌詞とはまた異なるものが生まれてくる時期なのかもしれません。

 

ハロ:やっぱり、一時はバンドが3人になり、ルミナが加入して4人になり、タイちゃんが加入して5人になり・・・変化を遂げていく中でも、続けていくだけの理由と信念が常にあったし、それは歌っていかなくてはいけないものだと思っていて。それ故の『天』だったし、そこから今回の作品へと繋がってきた部分があったんだと思います。

 

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夏を意識した曲調の、皆で楽しめるライヴ曲を書きたいなと。

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――Bタイプ3曲目収録の『サマーランドスケープ』は、『無敵のアゲ卍SUMMER』としてMVが公開された楽曲の正式な完成型です

 

ハロ:はい、歌詞も変わりました。

 

 

――MVではヴィジュアルと偽歌詞のインパクトに意識を持って行かれがちでしたが、改めて聴くと夏の明るさの中に少し切なさも孕んだ素敵な楽曲です。

 

明弥:ベルには夏の曲が結構ありますが、今年の夏以降は7周年ツアー含めライヴの予定が沢山決まっていたので、夏を意識した曲調の皆で楽しめるライヴ曲を書きたいなと。ルミナのラップやイントロの掛け声的なコーラスなど、これもまたある意味で挑戦的な曲かなと思います。ファンの人達がリズムに合わせて手を打ち鳴らしたり、サビでタオルを回したりしている光景を思い浮かべながら制作しました。

 

 

――フェス感がありますし、今はまだ客席で声が出せないのでタオルを回すなどのアクションで楽しめるのも良いですね。

 

明弥:そうですよね。5人体制でツインギターになったからこそ、「ここでのルミナはギターを弾かずにラップをしてくれ。」なんてアイディアも出せるようになったし、自分達的にも楽しめる1曲です。ただ、タイちゃんのギターは物凄く細かいんですけど()

 

タイゾ:うん、かなり忙しいですね()

 

 

――夏真っ盛りの明るさだけでなく、夏の終わりの切なさを感じられるところが魅力的でした。

 

ハロ:ちょっと物悲しさのある、ただ明るいだけでは終われないサビのメロディーラインが、そういう雰囲気を感じさせるんだと思います。

 

タイゾ:個人的には、ライヴで『真夏のバラッド』と『サマーランドスケープ』を続けて演奏してみたいなと思っています。『真夏のバラッド』はパーッと明るい夏の雰囲気の曲なので、その後に少し切なさのある夏を感じられるこの曲が並んだら凄く良いんじゃないかな。

 

 

――夏の経過を感じられそうですね。

 

タイゾ:そう、ちょっと物語風になると思うから繋げて演奏してみたいです。あとは、ルミナのラップのような新鮮な要素もありますし。

 

 

――違和感無くラップが入ってくるのが凄いなと。

 

明弥:(ルミナは)今までも、ライヴではシャウトラップみたいな事をしていたんですよ。前のバンドでも、ラップとまではいかないまでも曲間の煽りなどでファンに声でアピールができる事は知っていたので、是非それをやって欲しいなと。

 

ルミナ:ライヴの時に『無敵のアゲ卍SUMMER』の歌詞で歌わないように気を付けないと()

 

ハロ:『無敵のアゲ卍SUMMER』の歌詞は全て僕が書いたんですが、『サマーランドスケープ』のラップ部分はルミナに書いてもらったんです。

 

明弥:ラップの歌詞にある次世代のJOKER”について掘り下げて欲しいですね()

 

 

――次世代のJOKER”って、ルミナさんが歌うとカッコいいですよね。

 

明弥:ダサカッコいいだと思います()

 

ルミナ:ハロさんにどういう想いでこの歌詞を書いたのかを聞いて、それに合わせて次世代の切り札となる存在になろうと思って次世代のJOKER”と・・・メンバーは「ダサい。」と言うけれど、自分ではカッコいいと思って書いたんですよ!

 

ハロ:いや、カッコいいよ()。キラーワードだから耳に残るんだよね。

 

 

――そのフレーズを体現できるルミナさんだからこそ、しっくりくるのでしょう。

 

明弥:そうそう!

 

 

――正人さんはいかがですか?

 

正人:ギターソロの前半の、ギターとリズムが相まって感じられる波感が好きですね。去年の夏はライヴも外出もできなかったから、夏の暑さを感じられなかったじゃないですか。この曲を持って各地でライヴができる今年の夏が楽しみです。あと、僕が同期をMTRに入れてボリューム編集もするんですけど、最初の掛け声コーラスの圧が強過ぎて()

 

一同:(爆笑)

 

ルミナ:明弥さんの声がデカいです()

 

明弥:僕が低いパートを歌っているんですけど、作曲者故に自分の中でイメージが固まっているので、声の主張が強過ぎましたね()

 

 

――インパクトがありますよね。歌詞は、ベルの夏曲のオマージュということでした。

 

ハロ:はい。『サマーランドスケープ』は夏の景観という意味なんです。さっき正人が話したように、去年は本当に夏を感じられなくて。最後に過ごした夏らしい夏である2019年はメンバーが3人になってしまった時期で、サポートギターを招いてイベントツアーで全国をまわりました。その時に『四つ辻乱舞』という扇子を振り回す夏の曲を無料配布したんですが、歌詞の中にせーので跳び越えてというフレーズがあるんですね。3人になっても色んなものを跳び越えていきたいという想いを込めて書いたけれど、翌年の夏にコロナでブレーキを踏まれてしまった。今回、この曲の歌詞を書き始めた早い段階でせーので跳んだあの夏から 何センチ進めたろうという部分が浮かんで。それなら、ベルが今までに生み出してきた夏曲のオマージュとして各曲からワードを取り入れていこう、それこそが夏の景観だなと思ったんです。『真夏のバラッド』には波の描写が多いから、波の間に間には 揺れるボトルメール、夏の大三角形のひとつをモチーフにした『Deneb』からは、花火の描写を取り入れました。想い出を作れなかった去年の夏の事は夏の陽炎 フラストレーションで、その後の君の居ない夏は 知らない季節だに繋がっていくんです。そして、今年の夏こそはまたあの場所で皆と一緒に過ごしたいという想いを込めて、この夏に 名前を付けて 君の帰りを待ってると書きました。

 

 

――凄く素敵なフレーズだと思いました。ファンの方達と各地のライヴハウスで再会した時に演奏したら、楽しさと同時に感動しそうです。

 

ハロ:そうなんですよ。夏の終わりに似たしんみり感もありつつ、「色々大変だったね!」と言いながら泣き笑いするような曲であってくれたら良いな。そして、今年のその光景が来年の皆の心に去年の想い出として残ってくれたら良いな。そうやって想い出を積み重ねながら、ずっと続けていきたいです。

 

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「自分達の音楽がこの先も響き続けますように。」という想いを込めて。

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――Cタイプ3曲目収録の『見世物小屋は鳴り止まない』は、明弥さんが2年前に当時のルミナさんのバンドのライヴを観て書かれた曲だそうですね。

 

明弥:まだ加入するかなんて一切決まっていなかった時期に、勝手にルミナを絶対にベルに入れるぞ!と思いながら書きました()

 

ルミナ:当時やっていたバンドの解散が決まっていて、俺自身はもうバンド活動をしないつもりでしたが、そのタイミングで声を掛けてもらったんです。ライヴを観に来てくれて、帰りに食事に連れて行ってもらって、その後に明弥さんから「曲を作った!」と連絡が来ました。

 

明弥:以前からハロとルミナは知り合いで、でも僕はよく知らなかったんです。アーティスト写真を見てカッコ良さそうな子だとは思っていて、実際にライヴを観たら本当にカッコ良くて、これは加入させたい!と。

 

ハロ:ライヴを観た後の明弥は、物凄くテンションが高かったです()

 

明弥:盛り上がってしまいました()。当時のバンドでのルミナは、実のお兄さんとツインギターで活動していたんですね。元々のベルはワンギターの4人体制だったけれど、既存曲はツインアレンジのものが多くて。音源ではギターを重ねて録音して、ライヴでは同期を流す形で演奏していたので、ツインで5人体制にするのもアリだなと思ったんです。それで、ツインギター前提の曲を作ってみようと。

 

 

――ルミナさんが「ベルでギターを弾きたい!」と感じるような曲を。

 

明弥:そういう気持ちで作りましたね。そこから巡り巡って、タイちゃんの加入も決まって。見事、僕らの思惑通りに()

 

ハロ:タイちゃんの加入経緯に関しては既に色々なインタビューでも話していますけど、結構あの手この手を使って勧誘したので・・・言ってしまえば、半ば拉致()

 

一同:()

 

明弥:本当に色々なドラマがあってようやく5人になれたから、打ち込みなどは一切入れずにメンバーの音だけでライヴができる曲にしました。

 

ハロ:僕は前々から「この曲をやりたい!」とアピールしていたんです。タイちゃんに「実は、こんな曲があるんだよ。」とデモを送ったりもしました()。そうしたら・・・僕らのシングルはいつもAタイプには2曲+MVBタイプにはAタイプの2曲+Bタイプのみ収録の1曲、CタイプにはAタイプの2曲+Cタイプのみ収録の1曲という全4曲でリリースをしていて、今回も当初はその予定だったんです。でも、選曲会で4曲が固まったところでタイちゃんが「この曲もやりたいんだよね。」と言ってくれて。

 

 

――アピールが実られた!

 

ハロ:そう!これはチャンス!と思って、めちゃくちゃ援護射撃しました()

 

タイゾ:そう言った時、俺の携帯にはこの曲のデモが入っていなかったんですけど、ハロくんのスマホに入っていたからその場で流してくれて。その時に俺も久しぶりに聴いてやっぱり良い!と思えたので、「これも録りたいです。」と話して入れてもらいました。

 

ハロ:今回の音源は今までにない挑戦を多々しているし、「そもそも、シングルが4曲でないといけないわけではないよね。ABCタイプに各3曲ずつ収録で、3曲目が全て違うという流れも綺麗じゃない?」と一生懸命プレゼンをしたら、皆すぐに賛成してくれて良かったです。曲をリリースするには、理由付けがあるじゃないですか?5人体制にしたいと思った時に書いた曲で、それをタイちゃんが音源にしたいと言ってくれて・・・この5人で1年間活動して地に足着いた今のタイミングでこそ、形にすべき曲だなと。

 

明弥:レコーディング方法に関しても新しい部分があって。これまでのレコーディングはドラムをスタジオ、ベースは宅録で録っていたけれど、この曲だけは勢いを出す為に正人とスタジオで「せ~の!」で録ったんです。正人とはベルのリズム隊として7年一緒にやっていますが、初めての挑戦でした。

 

正人:演奏しながら、明弥の顔を頻繁に見ましたね()

 

明弥:一応クリックは流していたけれど、あくまでもガイドに過ぎないので。気持ち走るくらいの感じで演奏したほうがしっくりきたから、ブレイクの瞬間などもアイコンタクトで合わせて録りました。

 

 

――ライヴ感全開ですね!

 

明弥:はい。僕はChantyの野中くんと仲が良いんですけど、Chantyの楽器隊は大体「せ~の!」でレコーディングをしているから、「バンド感が出るし、良いと思うよ。」とオススメされていたこともあって。実際に凄く良かったですし、スキルも上がったんじゃないかな。

 

 

――バンドの可能性がどんどん拡がっていきます。

 

明弥:本当に。会場限定音源は別にすると前作の『乙女劣等行進曲』から1年越しのリリースなので、メンバーそれぞれにあれもやってみたい”“これもやってみたいという欲求が強くあったんですよね。リズム隊が同時に録るレコーディングは、またやろうかなと・・・思いましたよね?()

 

正人:はい()。やっぱり、リズムが生きているんですよ。

 

 

――この曲の持つライヴ感とストレートなカッコよさの理由がよくわかりました。

 

明弥:うん、凄くストレートですね。

 

正人:テンポ以上の勢いを感じるよね。

 

明弥:5人になってからのライヴでは「同期もクリックも無しで、正人のリズムでやってみよう。」という曲が増えてきたので、僕の予想ではこの曲もライヴでテンションが上がったらテンポも上がると思います()。でも、そのほうが気持ちが良い時ってあるんですよ。

 

一同:ある!

 

 

――オーディエンス側にも同じ感覚がある気がします。

 

明弥:ですよね。自分達が観て育ってきたレジェンドなバンドさん達の大半は、同期などは入れずにその時々のバンドのリズムで表現していたし。今は技術の進化が目覚ましくて綺麗に聴かせる事はいくらでも可能だけど、今回こうしてアナログな録り方をしてその良さがより深くわかりました。凄く楽しいレコーディングでした。

 

 

――ここでもまたバンドを始めた頃の気持ちを思い出せそうですね。

 

正人:そうですね。「このバンドの曲をコピーしたい。」とか「憧れのアーティストみたいになりたい。」という想いがきっかけでバンドを始める人が多いと思うんです。僕自身も、「好きな曲を叩けるようになったら嬉しいな。」とドラムを始めたし。でも、最近の曲のドラムって凄く複雑なんですよね。初心者の子がコピーしようとしても、すぐにはできないような曲が多い。ベルのファンの中にもドラムを始めた子達が居て、時々「ベルの曲を叩いてみました!」という報告が来るんですけど。

 

 

――それは嬉しい!

 

正人:本当に、凄く嬉しいです。それもあって、この曲のドラムは気軽に叩けるような曲が1曲あっても良いな。と思って作りました。おそらくコピーしやすいと思うし、楽しんで演奏できるんじゃないかな。これを叩いて、一層ドラムを好きになってもらえたら良いですね。

 

 

――ギターのおふたりはいかがですか?

 

タイゾ:ギターは宅録で録ったんですけど、今回収録されている曲の中で一番速く録れたしやりやすかったです。リズム隊のデータに勢いがあったので、その勢いに任せてギターを弾いたらそれだけでかっちりハマりました。俺は、基本的にクリックを聴かずに正人のドラムのアタックに合わせて弾くんですね。この曲が一番、自分のタイム感とリズム隊が録ってくれたデータが合致しました。ただ、これもまたフレーズが細かい()

 

明弥:細かいね()

 

タイゾ:ベルは、ルミナがシンプルなフレーズを弾いて俺が小難しい事をやるという役割なので()。ギターだけを聴いていても面白い曲じゃないかなと思います。

 

 

――ツインギターの強みが前面に押し出された曲だと感じました。

 

タイゾ:そうですね。もしルミナが細かいフレーズを沢山弾きたいタイプのギタリストだったら、俺は必要ないし加入していなかったですから。この曲も、そういう部分が音に如実に表れていると思います。

 

ルミナ:ツインギターの強みは、ライヴでも楽しみにしてもらいたいです。俺は逆に必ずクリックを聴いてレコーディングするタイプだったから、ほぼ聴かずに弾くのが新鮮でしたね。

 

明弥:一応ガイドはあっても、メインはリズム隊の録音データで録ったからね。最後のあたりも正確に言えばリズムが走っているんですけど、「そこが良いから合わせてくれ。」と言いました。

 

 

――個々の更なる成長も目覚ましい。

 

ハロ:単純に、5人になって楽しいんだと思います。

 

明弥:無理なくやりたい事をやった結果、拡がっているので。

 

ハロ:5人体制にしようと決めて、まだ誰が入るかも一切わからない状態で描いていたものが綺麗に具現化されたんです。タイミング含め、運が良かったなと思いますよ。そして、タイちゃん同様、僕もこの曲の歌録りが一番速かったです。ほぼ一発録りに近いくらい。本当に勢いがある曲だったので、綺麗に録る事よりも勢い重視で歌いました。おそらくベルで一番短い曲ですけど、5人の良い部分がギュッと詰まった曲だと思います。歌詞は、一緒にシーンで闘ってきた沢山のバンド達がコロナ禍の中で解散という道を選んだけれど、世の中の状況的に最後に2MANを開催する事すら難しく、ただ見送る事しかできなかった。

 

 

――持って行き場の無い悲しみと苛立ちですよね。

 

ハロ:きっと、そのバンドのファンの人達も同じ気持ちを抱いたと思うんです。ラストライヴなのに自分の置かれている環境的に許されなくて足を運べなかったり、悔いなく思いっきり楽しみたいのに声が出せなかったり。目を閉じて 耳を澄ましてみれば あの音やあの光景が 暗い夜道も照らし続ける 忘れないあの音響けという部分は、コロナ禍で色々な事を奪われた上に拠り所にしていたバンドまで失ってしまった人達の心に少しでも寄り添いたくて、烏滸がましいながら代弁にも似た気持ちを込めました。あと、ラストライヴを終えた後のブログやTwitterに「俺にとって、このバンドは青春でした。」というような言葉が綴られているのを何度か目にした事があるんです。確かに青春は濃いかもしれないけれど、僕の中では短いものというイメージなんですね。僕らが打ち込んでいるのは、そんな一時的な輝きではなく人生そのものを懸けてきたものだし、青春みたいな安っぽい言葉で美化しないで欲しくて。だから、あなたが抱えて生きてきたんだ 安っぽい青春なんて 言葉で美化をしないでくれよと書きました。

 

 

――そのフレーズは特に心に刺さりました。

 

ハロ:明弥と正人と「ベルを5人体制のバンドにしよう。」と決意した時の気持ちを思い出しながら形にしましたね。最後のサビも、元々はあの音響けとしていたんですが、明弥が「じゃなくにしても良くない?」と提案してくれて。凄くしっくりきたので、この鐘響けに自分達の音楽がこの先も響き続けますようにという想いを込めて、『見世物小屋は鳴り止まない』で帰結させました。

 

 

――美しい着地でした!ここまでお話を伺ってきて、数年後に振り返ってもひとつのターニングポイントであったと思えるような代表作が誕生したと感じます。

 

ハロ:僕ら自身もそう思っています。この作品をリリースして7周年ツアーをまわれる事が、とても嬉しいですね。

 

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7周年ツアーは、世相に対する皆との共闘。

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――829日・高田馬場AREAを皮切りに、7周年全国ワンマンツアー『拡声決起ストライキ』が14都市16公演で開催されます。大規模なツアーになりますね。

 

ハロ:こういう時期だからこそ、僕らのほうから応援してくれている人達の近くまで行って、今のベルの音楽を届けたいと思って決めました。まだツアー自体を臆するバンドも多い時期かとは思うけれど、ワンマンツアーだからこそ可能な事だと思うので。コロナ禍で開催した去年の6周年ツアーを無事に完走できた事も自信に繋がりましたね。このような情勢であっても、自分達の工夫と皆の協力によって実現できると実感できたので、今回はあえて公演数を増やしました。

 

 

――ツアーファイナルは1017日・東京キネマ倶楽部ですが、この会場での周年ライヴは今回で一区切りとか?

 

ハロ:できればそうしたい、という感じですね。これまでの周年はファイナルをキネマ倶楽部で迎える事が多くて、ファンの人達からも「ベルに一番雰囲気の似合う会場だ。」と言われますし、僕ら自身もそう思ってやってきたんですけど・・・特に手の込んだ事をしなくても馴染めてしまう会場だから、恵まれた環境であると同時に、ある種のぬるま湯でもあるんですよね。今回の作品とツアーのテーマのひとつは決意表明ですし、次のステップに進むべきタイミングなのではないかと。あと、初日に関しても、僕らは東京公演からスタートしてツアーに出る事が珍しいんです。通常なら東京はファイナルのみなんですけど、既に発表されている通り高田馬場AREAは今年いっぱいで閉店してしまうので、メンバー全員にどうしてもAREAでやりたいという気落ちがあった。もしかしたら、ベルがAREAで行う最後のワンマンになるかもしれないですからね。本当に色々な意味のあるワンマンツアーです。

 

明弥:世の中的にはまだライヴハウスに足を運びづらい子達も居るとは思うけれど、とにかくまずはこうして自分達のほうから各地へ会いに行ける事がとても嬉しいです。声が出せないなどの制約はあっても、「来て良かった!」と感じてもらえるライヴをお届けします。もしかしたら、その頃にはワクチン接種なども進んで、ようやくライヴに行けるという子達も居るかもしれないし、「また会えたね。」と伝えられたら良いですね。できる限りの感染対策を行った上で、こういう状況でも足を運んでくれる皆と嫌な事は一旦忘れてひとつになって、笑顔で7周年を迎えたい。『拡声決起ストライキ』という決意表明的な想いを持って、楽しく熱く自分達の目標に向かって突き進むツアーにしたいです。

 

ルミナ:ハロさんも言っていた通り、今の時期に16公演のツアーをまわる事に対して「大丈夫なの?」と感じる人も居るとは思います。でも、全てのスケジュールがキャンセルになって一切の活動ができなかった時期にはもう戻りたくないし、その時の気持ちのまま立ち止まってはいたくないんです。バンドをやっている以上は売れたいですし、その気持ちだけはコロナ禍だからという理由では捨てられない。勿論、まだ感染が収束したわけではないけれど、その時々の状況の中で活動を続けていく為の方法や対策の知識を得ながら前進はできているし。しっかりとした感染対策をしながら、ベルの音楽を全国へ届けてきます。『拡声決起ストライキ』という作品を生み出せたからこそ、このツアーはバンドにとって本当に勝負のツアーなので。キネマ倶楽部でのファイナルが最後かもしれないという話もありましたが、大きなステージへどんどんステップアップしていけるように。公演本数的にも、気合いの部分でも、勝負しかないなと思っています。

 

タイゾ:個人的には、「こういう時期にライヴをするなんて。」というような声はあまり気にしていないんです。去年から今年にかけて、そういう言葉に触れる事が数回はありましたけど、それを言っている人って実際にはライヴハウスに来ていない、ただ言いたいだけの人だろうなと感じるし。そういう人に対して俺自身が言いたい事もあるにはありますけど、今回ハロくんが『拡声決起ストライキ』でああいう歌詞を書いてくれたので、俺はその歌詞に全力で乗って曲を掻き鳴らすツアーにします。せっかくステージ上で音楽で表現できる立場に居るからこそ、SNSなどではなくステージで想いを表現して、ファイナルのキネマ倶楽部まで駆け抜けたいと思います。ツアーをやるからにはバンドとして成長したいし一皮むけたいので、観てくれたファンの人達に「5人体制になったベルは、こんな見せ方もアリなんだ!」と思ってもらえるように。「こういうのもあるんだね。」ではなく、「これもアリじゃん!」と思って欲しいですね。これまでのベルの良さも、新しい一面も、満遍なく見せつけられるツアーにします。

 

正人:去年のライヴができなかった時期、僕ら自身にもフラストレーションはありましたけど、それ以上にベルを自分の居場所だと感じてくれているファンの人達の拠り所を奪ってしまっている事を強く感じたんです。だから、ライヴの開催可否を自分達で選択できる限りは、居場所であり続けたいなと思っています。なかなかライヴに足を運べない土地の子達も、近くまで来るなら行こうかなと思ってくれるかもしれないですし、沢山の人達と再会できたら嬉しいですね。僕らのファンの人達はとてもマナーが良くて感染対策にもしっかり協力してくれるので、そこについては安心も信頼もしています。バンドというのは今のままで良いという意識を持ってしまったら続けられないものだし、この先89年とベルを続けていく為には今以上に頑張らないといけない。そのきっかけを作れるようなツアーにしたいと思います。

 

ハロ:そもそも、ストライキというのは世相に対する反抗であって。コロナ禍において、エンターテイメント業界は槍玉にあげられがちじゃないですか。でも、僕らも生半可な気持ちでやっていないし、ファンの人達も生半可な気持ちで応援していないですよね。沢山の時間とお金を使ってバンドを追い掛けてくれるのだから、僕らはそれに応えなくてはいけないし、応える事でしか自分達の存在意義を示せないと思う。周年ツアーというのは並々ならぬ覚悟を持って挑むものですが、今年に関しては世相に対する皆との共闘だと思っています。

 

 

――バンド・ファン・スタッフ、関わる全ての人間が一丸となって挑むツアー。

 

ハロ:そうです。ファンの人達に「僕らは僕らのやりたい事を貫き通す姿勢のままで、安心して追い掛けて良いんだ!」と思って欲しい。それを示す、ひとつのターニングポイントになれば良いですね。あとは、うちのメンバーは皆、美味しいものを食べる事が好きなんですよ。ツアーに行くと、ライヴ後は必ず皆で食事をするんです。

 

 

――各地の美味しいものを食べに。

 

ハロ:行きますね。ライヴが終わって一息ついたら、正人が店の検索を始めます()

 

正人:胃袋の中身が一緒ならば考えも一緒になるだろう、と思っているので()

 

 

――それは一理あると思います!

 

ハロ:ツアーが無いと、メンバー全員で一緒に過ごす時間がなかなか取れないんですよね。

 

 

――お食事中の何気ない会話が、次の活動へのヒントになるでしょうし。

 

ハロ:そうなんです。そういうコミュニケーションが取れるバンドである事が誇らしいし、このツアーで僕らはもっともっと強くなれると思う。今のベルの魅力とここから更に前進していく姿を観て欲しいので、ぜひ会場まで足を運んでもらえたら嬉しいです。

 

 

取材・文:富岡 美都(Squeeze Spirits/One’s COSMOS)


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「拡声決起ストライキ」MV Full
https://youtu.be/l8s-eUZv4Wg

 

「収録全曲試聴」

https://youtu.be/G_LBegN3wQ0

 

 

★2021年8月11日 (水)リリース
「拡声決起ストライキ」

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【Atype】CD +DVD / S.D.R-365-A / ¥2,200(tax in)

CD:
1.拡声決起ストライキ
2.綿飴
3.ネオトーキョークラシック

DVD:拡声決起ストライキMV

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【Btype】CDのみ / S.D.R-365-B / ¥1,650(tax in)

CD:
1.拡声決起ストライキ
2.綿飴
3.サマーランドスケープ

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【Ctype】CDのみ / S.D.R-365-C / ¥1,650(tax in)

CD:
1.拡声決起ストライキ
2.綿飴
3.見世物小屋は鳴り止まない

 

 インストア情報

image5


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<ライヴ>

 image2.jpeg


■ベル7周年ワンマンツアー
「拡声決起ストライキ」

8/29(日)高田馬場AREA
9/4(土)静岡Sunash
9/5(日)名古屋ell.FITS ALL
9/11(土)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
9/12(日)長野LIVE HOUSE J
9/18(土)福岡DRUM SON
9/20(祝月)岡山CRAZY MAMA KINGDOM 2ndROOM
9/23(祝木)仙台MACANA
9/25(土)札幌CRAZY MONKEY
9/26(日)札幌CRAZY MONKEY
10/2(土)浦和ナルシス
10/3(日)町田プレイハウス
10/9(土)神戸 太陽と虎
10/11(月)江坂MUSE
ツアーファイナル
10/17(日)東京キネマ倶楽部
※2部公演(1部アコースティック、2部通常ワンマンライブ

 

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★ベル OFFICIAL Twitter★
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