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2022年03月23日 (水)

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★ロングリリースインタビュー★【Chanty】New Single『走馬灯に見た蒼い夢』◆収録曲「透明人間」「シロクロのメロディ」の2曲を解剖、そして現在・これからのChanty──。

NEWS - 22:00:13

Chantyから届いたNew Single『走馬灯に見た蒼い夢』。

誰の心にもある葛藤をエモーショナルに描いた今作は、幾多の変化を乗り越え歩み続ける彼らだからこそ生み出すことができた作品だと思う。

進むべき道を見失って不安になったら、そっと振り返ってみてほしい。

視線の先に映るあの日のあなた自身が、大切なものを思い出させてくれるはずだから。

 

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『透明人間』には、今のChantyのライヴの魅力が詰まっていると思います。

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――『走馬灯に見た蒼い夢』、タイトルからして素敵な作品が完成しました。

 

芥:ありがとうございます。実はこれ、仮タイトルがそのまま正式タイトルになったんですよ。素敵と言ってもらえて良かったです。

 

――10ヶ月ぶりのリリースということが少し驚きです。

 

芥:もうそんなに経っていたんだなぁという感じですね。  

野中:もしかしたらファンの中にも気付いている人が居るかもしれないけれど、本来は昨年のうちにリリースをしている予定だったんですよ。8周年ワンマンのMCでも、ふわっと「年内にリリースします。」みたいなことを言っていて。でも、今のところ誰からも指摘されていないのでバレていないかもしれないです()

一同:()

 

――『透明人間』と『シロクロのメロディ』、この2曲が一緒に収録された意味が伝わる作品でした。

 

芥:そう言ってもらえるとありがたいですね。

白:『走馬灯に見た蒼い夢』というタイトルが決まって、イメージがまとまった感じがありました。

 

――2曲の組み合わせは、決め打ちではなかったんですよね?

 

野中:はい、『透明人間』は昨年11月の時点で演奏していたので。

白:高田馬場AREAでの最後のライヴで初披露だったんです。

 

――『透明人間』はとてもライヴ映えする楽曲です。Chantyの楽曲は常にエモーショナルですが、こういう方向のエモさがシングルの1曲目にくるのは久しぶりな気がして。

 

芥:確かに。別に、リード曲というわけではないんですけど。

野中:(収録曲の)どちらがリードかという概念は、メンバー全員持っていないかもしれない。でも、1曲目が歌モノの作品が続いていましたよね。

芥:これは、俺がライヴでやりたい・聴きたい曲でもあるので。

白:この楽曲自体が、そういう観点で生み出されたものです。イメージとしては、名古屋E.L.L.でのイベントで対バンのメンバーが2階席からChantyのライヴを観ていて、演奏したらうわ、やられた!カッコいいな、これ!と悔しく感じるような曲を作ろうという話から始まったんですよ。

 

――ピンポイントで“E.L.L.2階席という設定なのが面白いですね。

 

白:そうなんです()

芥:バンドのカッコよさが伝わる曲を作りたかった。

 

――制作エピソードからして、ライヴ映えして当然の1曲だったと。

 

芥:でも、Chanty狙って作れないバンドじゃないですか(苦笑)

白:基本的に狙うと違う方向に行ってしまいがちなので、今回はかなりレアケースでしたね()。「ライヴ曲を作ろう!」と言い続けて・・・。

芥:早、何年目なのか・・・。

野中:9年目です。

一同:(大爆笑)

芥:「せっかくなら楽しんでもらいたいし、ファンを巻き込める曲を作ろう!」と言って、上手くいったことがほぼ無いんですよ。

 

――そんなことは無いと思いますが・・・。

 

芥:そんなことは無いと思われている曲は、僕らとしてはそんなつもりじゃなかった(=ライヴ映えを狙って作ったわけではなかった)曲なんです。

 

――なるほど()

 

野中:『不機嫌』とかも、初披露の時はダダ滑っていましたからね。

白:今やライヴの鉄板曲ですけど。

野中:結果的に、鉄板曲になっているということは着地はできたんだけど。

芥:力技で着地させました()。『透明人間』には、今のChantyのライヴの魅力が詰まっていると思います。

白:うん、新体制のライヴ曲という感じがする。

芥:制作段階から俺もギターを弾くつもりでしたね。実は、弾こうと思っていたのに結果的に弾かなくなった曲というのも結構あって。

白:最近で言ったら『スライドショー』とか。

芥:うん。『淡々と』も本当は弾きたかったんだけど、無理だった。

白:『スライドショー』は、2回くらい弾いてみたライヴがあったよね。それを観た人は、非常にレアです()

芥:挑戦してみたものの、ボーカル的にこの歌はギターを弾きながら歌っている場合じゃない!となったのでやめました。

白:『透明人間』は、視覚的にも芥さんにステージでギターを弾いて欲しいと思っていたので良かったです。

 

――316秒という短い時間の中に物凄い感情の渦が詰め込まれていて、あっという間だけど強烈なインパクトが残る曲です。

 

白:聴いている人達の感情も忙しいだろうし、メンバーの演奏もまぁまぁ忙しいです()

 

――イントロのリフレインしているギターがSOSの警告音に思えたり、いっそ終わろうかなの部分のベースが心の悲鳴に感じられたり、感情とシンクロするフレーズが多々あって。

 

芥:かなり際どい精神状態が感じられますよね。

 

――今回もまた歌と楽器隊のフレーズの合致具合が素晴らしいなと思いました。

 

白:たまたまなんです()。おそらく、俺が弾きたいギターを弾いて拓さんが弾きたいベースを弾いて、芥さんが歌いたいメロと歌詞を付けて・・・。

野中:今作でサポートしてくれた多村直紀さん(Yeti)に叩きたいドラムを叩いてもらって・・・。

白:結果、良い感じにまとまりました()

芥:野中くんは、「ディレイを使いたい。」と言っていたよね。

野中:そうです、ディレイを使いたかったです!

芥:ほらほら、みんなもっといいプレイがいっぱいあるんだから、せっかくだからアピールして!()

野中:はい!ディレイを使ってとても満足していますし、これがスパイスになって『透明人間』はより研ぎ澄まされたのかなって思います。あまりこういう発言しないので、なんか恥ずかしいです()

白:その時期あたりに、芥さんと「もう少し攻撃的なギターを弾いてもいいんじゃないか。」という話をしていて、早速やってみようと思ったのがこの曲でした。サビのあえて歌と絡まないようなフレーズは、おそらくこれまでの自分なら付けなかったものだと思います。どちらかというと歌のメロディーに沿ったギターを弾くことが好きですが、『透明人間』に関してはボーカルと主張し合うようなフレーズが多い。芥さんとの話し合いが上手く反映されたんじゃないかな。

芥:イントロのリフレインするギターフレーズは、俺が付けていったものなんですけど。3人体制になってから、僕らが得意としていたスタジオワークがなかなかできなくなってしまったので、アレンジ案やフレーズを繰り返しやり取りする形が増えていたんですね。白くんはいつも俺のメロディーや歌を邪魔しないようにギターフレーズを置きにいってくれるんですが、「もう少し思い切ってやっちゃって良いんじゃないかな?」という気持ちがあったので、今回そういう提案をしてみました。

 

――遠慮されていたわけではないですよね?

 

白:はい。遠慮ではなく、そういうギターが好きで弾いていました。同時に、主張することが嫌いなわけでもないから、それならやってみよう!と思ったのがこの曲でしたね。

 

――体制の変化もありますし、各々のプレイの主張が強まることがプラスに働く時期なのではと感じます。

 

野中:そうですよね。これはちょっとぼやきみたいになるかもしれないけれど・・・スタジオワークの時、芥さんは白くんに対しては「こういう感じのギターはどうかな?」とか意見を言うんですよ。でも、俺は全然言ってもらえないんですよ()

 

――芥さん、自覚アリな感じでしょうか?()

 

芥:ありますね、確かに良くない(苦笑)。これはお互いにあると思うんですけど、活動を共にしている期間が長くなってくると、各々のフレーズや楽曲に対してここはこうくるだろうな。とわかることが当たり前になっているところがあって。そういう部分に関しては初心に帰るというか、スタジオワークがなかなかできない今だからこそ余計にちゃんとお互いのプレイや楽曲に対して反応を返していこう・・・と、改めて思いました(苦笑)。絶対に良いものを作ってくれるという信頼があるからこそだとはいえ、任せてしまっているところがあるので。

野中:わかる。当たり前に良いメロディー、良いギターフレーズを付けてくれるだろう。と思っているので、不安にならない。・・・逆に、もう少し不安にならないとダメなのかな?

芥:そうそう、俺もそう思う時がある。

白:『透明人間』は勿論ですけど、俺は『シロクロのメロディ』のベースが凄く好きで。拓さんに「めちゃくちゃ良い!」ってLINEをしたんですよ。

野中:LINE来ました!嬉しくなりました()

芥:そういうことが大事なんですよね。心掛けてやっていこうと思います。

 

――阿吽の呼吸があるのは大前提として、改めて言葉にして欲しい時も、言葉にしないと伝わらない時もあるのでしょう。

 

芥;そうなんですよね。

 

――データでのやり取りの場合は、受け取った側が感想を胸にしまってしまうと送った側は「どうだったのかな?」と不安になる事がありそうですし。

 

一同:確かに!

芥:スタジオワークができないというのは、僕らにとってはかなり致命的なんですよ。

白:そうですね。前の音源から今作まで10ヶ月かかったのは、たぶんそこでしょうね。

芥:慣れないということに甘えてしまっていました。その間にも白くんが曲を出したりしてくれていたけれど、それに対して常に積極的なレスポンスをできていたかというとそうではなかったと思うし、何となくグッと前に進まないところがあって反省しています。動こうという気持ちはあったのに行動できなかった自分達の中には、潰してきてしまったものもあるのではないか。と感じるし、この作品を足掛かりにしてまた走りたいなという気持ちが強まりました。

白・野中:うん。

白:俺もひとつ反省があって。芥さんは自宅で歌録りをするんですが、その環境を更に整えて新しい機材を使って今作のレコーディングに臨んでいたんですね。で、『シロクロのメロディ』のプリプロデータを「良い感じで録れたから聴いてください!」と送ってくれて、次のスタジオで「良い感じじゃないですか?」と訊かれた時、俺は反射的に「良い感じだった!」と返してしまったんです。でも、本当はまだ聴いていなくて・・・咄嗟に反応してしまったが故に、「あ、ごめん。実はまだ聴けていないんだよね。」と言い出すこともできなくなって、聴いた体で3分くらい話してしまいました(苦笑)

芥:それは言いにくいよねぇ()。嘘をつくつもりはなく、反射的に嘘になる返事をしてしまう時ってあるから。

 

――あえて「さっきの話だけど・・・。」と言い直すのも難しいですし。

 

野中:もう話題が過ぎていますからね(苦笑)。俺も何か反省することあったかな・・・?『透明人間』って、仮歌の時と結構歌詞が変わったよね?

芥:あぁ、ちょっと変えたね。

野中:ちゃんと気付いていたので!

芥:おぉ!()

白:それは反省じゃなくて良い話だ!

芥:野中くんはね、本人的には色々と感じているんでしょうけど、外から見るとリアクションが薄いタイプなんですよ()

 

――「良かった!」と思っていても、御自身の中で飲み込んでしまって表に出てこないのかもしれません。

 

野中:うん、そういうところがあると思います()

 

 

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自分も相手も見えているようで見えていない曖昧な感覚だからこそ必死になれるんだろうし、完全に理解していることが正解ではないんだろうなと思う。

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――歌詞のお話に移ります。以前『壊創するシンポジウム』リリース時の取材でも話題にしましたが、芥さんの歌詞にはよく色が出てきますよね。今回もまた、蒼・シロクロ・透明と。

 

芥:そういうことばかり言っていますよね、俺は()。今作の2曲はどちらも色々と考えてしまっている悩ましい人達の歌詞ですけど、俺の中でも『走馬灯に見た蒼い夢』というCDタイトルによってまとまった感覚があるんですね。は、空の色だったり、若草色だったり、青春時代の蒼い気持ちを象徴していて。『透明人間』も『シロクロのメロディ』も、結果的には自分が走馬灯を見る時・・・つまり、この世から去る時にあんなことがあったな。とかあんなことを思っていたな。と思い返すであろう蒼い夢のことを書いていたというか。

 

――2曲は関連付けて書かれたものではなかったそうですが、聴き手側もこのCDタイトルでひとつの作品として提示された時に綺麗に腑に落ちたんです。とても密接な関係の2曲だなと感じた。

 

芥:最初に『透明人間』ができて、『走馬灯に見た蒼い夢』という作品タイトルが生まれて、それから『シロクロのメロディ』を書いたんですけど、確かにそう感じますよね。『透明人間』には思春期あたりの中二病感があって、俺は今もどこかにその気持ちを持ち続けていて。ヴィジュアル系には病んでいる感じの表現を落とし込んだ作品がたくさんありますけど、その表現を商品化・ラッピングしていないバージョンがChantyかもしれないなと思っているんです。病んでいるということではなくて、もっとリアルでもっとノンフィクション。

野中:うん、うん。

芥:別にそれを目指しているわけではないけれど、そういう部分があるなと個人的には思っています。

白:ちょっと卑屈な感じというかね。

芥:そうそう。ある時、ふと自分が死ぬ瞬間、走馬灯で誰の顔を思い浮かべるんだろう?と考えたんです。変な話、ファンの人達には最後の瞬間に俺の顔も思い出して欲しいなと思ったりもして。そんなことを考えていた時期に、長年お世話になってきたライヴハウスの高田馬場AREAが閉店すると発表された。あんなにもたくさんの人達を受け入れてきたAREAという場所が、もし命を持つ生きものだったとしたら。終わる瞬間に誰の顔を思い浮かべるんだろう?そこにはChantyの顔もあって欲しいな。という気持ちが芽生えたんです。

白・野中:なるほど!!!

野中:AREAを擬人化して考えたら、ってことか。

芥:色々な人を呑み込んで、何十年も生きてきた場所ですからね。

 

――とても斬新な視点で、深いお話です。

 

芥:バンドって、たくさんの人と関わって、たくさんの人を集めて、色々な鬱陶しいことも巻き起こる中で、本当の自分って何なのかという自分探しをしているようなものだと思うんです。で、本来は個性を発揮して逸脱していきたいはずなのに、逆に一体化してしまう不条理を感じることがあって。それはきっとファンの人達も同じで、自分のアイデンティティを発揮したいから際立った個性を求めてヴィジュアル系を好きになった人も多いだろうに、実際は振りに一体感を求めたりする。ファンの人達も、一体感が怖かった経験があるんじゃないかと思うんです。そこから逃げ出したいのか、同化したいのか。振りが嫌いとかそんな話ではなく、個性を求めているはずなのに一体化していく矛盾に対して感じる嫌悪感が、中二病というか思春期に覚えた葛藤と似ているなと感じたんですよね。

 

――なるほど・・・。歌詞を読んで、何かしら自分の表現を追求する生き方をしている人は勿論、私のようなごく一般的な人間にとっても日常で感じた経験のあるリアルな感情だと思いました。

 

野中:日常こそが狂気ですよね。フィクションの歌詞より日常の歌詞を歌われたほうが、よほど刺さると俺は思う。

芥:あとは、AREA閉店という終わりが見えたところから必死になる滑稽さという視点もあって。まぁ、それはそれで良いんですけど・・・。

 

――バンドも、解散が決まった途端に惜しまれがちですし。

 

芥:そう。そんなのはもう禅問答だし、皆が幾度となく経験している事なんでしょうけど。演者としてそれなりに長く活動してきた人間としては、そこに滑稽さや、言い方が悪いですが嫌悪感を抱く瞬間もあるんですよね。そう言いつつも、自分もAREAはあって当たり前だと思ってしまっていたし、終わりが見えたからと騒いでいるのが変だなぁと感じる部分もあったりして。今の“AREAを擬人化するみたいなことだって、相手側からしたらご迷惑な話だよなって気持ちもあるんですよ(苦笑)。だって、無くなると決まったからってそんな風に騒がれても、相手側からしたら「あなたは本当に私のことをわかっているのですか?」と思うでしょうから。「あなたは本当に自分のことを知っているのか?相手のことを知っているのか?」というのは、今回の歌詞を書いていて特に感じたことでした。

 

――芥さんは、常にどこか客観視しているというか俯瞰していますよね。自分と相手の両方の視点から見てどう思うかを考えて歌詞を書いていらっしゃる印象が強いです。

 

芥:だから雁字搦めになるんですよ(苦笑)。でも、改めて俺はもがいていたい人なんだなと思いました。もがいている=私なんだなって。

 

――ボーカリストには、特にそういう方が多い気がします。

 

芥:やっぱりそうですよね()。『透明人間』の歌詞を書いて、結果的にこうだったら良いね。とかこうしたいね。というようなことは全く無くて。結局、自分も相手も見えているようで見えていない曖昧な感覚だからこそ必死になれるんだろうし、完全に理解していることが正解ではないんだろうなと思う。

 

――確かに!完全に理解してしまったら、必死になれないのかもしれません。

 

芥:そうなんですよ。だから、それで良いのかもな。という気持ちと、でも、良いのかもなで終わらせられないからこその今なんですけど!という気持ちの両方があるんです。バンドだって、お互いを理解しきっていないからこそ続いている部分があるのかもしれない。俺は2人のことをまだ全然知らないと思っているし、だからこそ面白いところもありますよね。3人体制になって各々の関わりの密度が高まった部分もあるし、個人的にはもう少しバンド内でぶつかり合っていっても良いんじゃないかと思っています。あと、ファンとの関係性にも通じる部分はありますね。お互いがそういう関係性であることが、逆に救いなのかもしれないと感じることもあるし。その中で、結局、自分が最期に思うものは何だろう?”“自分にとって誰が、何が、大切だったんだろう?”“死にざまは自分が決めるし、あなたの思い通りにはならないんだよ。というようなワードが浮かんだ。そんなお話を、AREAの閉店をきっかけに書いてみました。

 

 

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言葉というものが、少し憎らしく思えてしまった。

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――『シロクロのメロディ』の原曲は、1年くらい前あったとか?

 

白:そうです!芥さんがアコギを弾いて歌っている動画を送ってくれて「良いね!ここから作っていこうか。」という話になったのが約1年前。そんなに時間が経ったつもりではなかったから、今回改めてアレンジをするにあたって前の編集データを探すことに苦労しました()。そこで1年経っていたことを実感しましたね。

 

――歌い出しの時点で涙腺が刺激されるような美しい楽曲です。タイトルにはシロクロと付けられていますが、楽器の音色やフレーズには優しい色彩を感じました。

 

白:あぁ、そうですね。ベクトル的にはChantyが得意とするジャンルですけど、ここまで振り切っているものは意外と無かった気がするし、俺も拓さんもいつもとは違うアプローチをしていて。芥さんの歌のニュアンスも新しいし、メンバー全員が新たな要素を取り入れた曲にできたと思います。たぶん、Chantyのファンの人達は好きなんじゃないかな。

野中:俺も、他のバンドからこの曲が流れてきたら好きになりますね()

白:「めっちゃ良いじゃん!」ってなるよね()

 

――そう思える楽曲を御自身のバンドで生み出せていることが素敵です。

 

一同:本当に!

 

――聴いていて浄化されるような感覚を覚えました。

 

芥:浄化しますよ!ただ、この歌詞を全て俺の過去の実話みたいには捉えて欲しくなくて。

白:芥さんの性格的にリアルに自分が主人公の歌詞は書かない気がするし、そう捉える人は居ないんじゃないかなぁ。

芥:それなら良かった。勿論、歌詞の中の感情面・・・何も色付けの無い初期衝動だったり、好きなものに対する純粋さや蒼さに関しては、過去の自分自身と重ねた部分があります。自分が幼少の頃に感じていたことに、今現在の気持ちをエッセンス的に加えた感じですね。最初はめちゃくちゃ暗い歌詞を書いていたんですけど、書いているうちに書きたいのはこういうことではないな。もっと純粋に物事を楽しんでいた頃の気持ちを歌詞にしたいな。と思って。自分の記憶の中の話をするなら・・・小学校の帰り道、1人でちょっと遠回りをしてみたら、外が段々と暗くなってきた。街灯もあまり無いし、怖くなって口ずさんだ鼻歌。その誰のものでもない、そして誰しもにあるであろう自分だけの歌が、俺のルーツだったりするんです。そういう時に見た景色を今思い返すと、まだ何の色もついていないセピアやシロクロに見える。それに今、人生というものの中で色を塗っているんです。そんなことを書きたかったんですよね。

白:こういうノスタルジー系の歌詞、珍しいよね。

芥:うん、あまり書かないですね。

 

――今回の2曲はどちらも、立ち位置は現在だと感じるんです。『シロクロのメロディ』は現在から振り返った過去への、そして『透明人間』は未来に向かう中での現在の葛藤という印象を抱いたんですね。それがループするように続いていくのが人生で、バンドに限らず誰しもがそうなんじゃないかなって。

 

芥:うん、そうですね。ループする感覚とかまさにそうですけど、歩んでいるうちに大切な何かを忘れてしまって振り返って思い出すようなことって誰しもにあるはずで。『透明人間』も『シロクロのメロディ』も、俺の過去や今現在に対するエッセンスは入っているけれど、聴いてくれた人達にも自分を当事者だと感じて欲しい。だから、今回の作品の歌詞は今までのバンドナイズした覚悟系みたいなものには寄らないようにしたいと思ったんですよ。

 

――以前も、「もう覚悟系の歌詞はちょっと・・・。」と仰っていましたよね。

 

芥:覚悟系の歌詞にしてしまうと、ライヴで演奏するタイミングを選んでしまうんですよね。

野中:ファンの人達も歌詞の意味合いを意識して聴くからね。

芥:そう。今回はもっと誰の気持ちの中にもあるものとして捉えて欲しくて。ただ、歌詞の中に昔話にするつもりはないからというフレーズがあって、そこには初期衝動を感じた時と同じ気持ちで歩いて行けるわけではないかもしれないけれど一緒に居たい。という意味と共に、今のバンドの状況で言えば成人くんのこと、そして過去に一緒に歩んでいたメンバー達のことに対して、その感情を昔話にするつもりはないし、それも含めて今のChantyができているんだよ。という想いを込めています。

 

――とても伝わります。

 

芥:過去に置いてきた自分が今の自分をどう見ているかというのは、どっちだっていいじゃないかと思うんですよ。仏壇の仏様や先祖の写真って、見るタイミングによって表情が怒って見えたり笑って見えたりしません?

 

――そういうこと、ありますね!

 

芥:それって、自分自身の心境が投影された結果だと思っていて。自分にちょっと後ろめたさがある状況だったりすると、睨まれているように感じたり。で、それによってあ、今の自分はちょっと良くないかも。と気付けたりする。それとちょっと似た感覚ですね。昔の自分が今の自分を見て笑っているのか泣いているのか、それはどちらでもいいんじゃないかな。

 

――そうやって振り返れるものがあるということ自体が大事なのではないかと思います。

 

芥:そうなんですよ!昨日(※取材は36日)は『ゴーシュが遅れてやってきたワンマンツアー』の初日でしたけど、そこで白くんが言ってくれたことでもあって。このツアーについて、俺の中には「いつまで昔のことを引っ張りまわすつもりなんだ?」と感じている人も居るんじゃないかという葛藤があったんです。『ゴーシュ』を作った時まだ白くんは居なかったし、今は成人くんが脱退してしまったわけだし。ツアー前日まで悩んでいて、昨日は無理やりもっと素直に今を楽しもうぜ!という気持ちに持っていこうとしていた。そうしたら、白くんが「ストーリーのあるツアーって、凄く素敵なことだ。」って、昔のGLAYのライヴでのエピソードを話してくれて。

白:GLAY10周年ツアーのファイナル公演で、TERUさんが「10年後にこのジャケットを取りに来るから。」と言ってマイクスタンドにジャケットをかけてステージを降りて。その10年後にまた同じ場所でライヴを開催して、開演すると本当にマイクスタンドにその時のジャケットが掛けられていて・・・というストーリーがあるライヴがあったんです。

 

――なんてドラマティック!

 

白:今回のツアーを始める時にそれを思い出して、MCで「こういうストーリーがあるツアーって良いよね。」という話をしたんですよ。

芥:その言葉に凄く救われました。『シロクロのメロディ』の歌詞に言葉で繋ぐ意味などバカみたいだ。と書きましたけど、俺は最近凄くそう思うようになっていたんですよね。これまでずっと意味で繋いできたけれど、言葉でしか繋げないって・・・。と、そのフレーズを書いて勝手に腑に落ちてしまった。言葉は大切なんですけど。

 

――時として、言葉が呪縛になってしまうのでしょうか?

 

芥:そう!それって、本当にバカみたいだなって。Chantyに色んなことがある中で、行動で示せていたことは僅かじゃないかなと思ってしまったんですよ。だから、言葉で繋ぐことで自分達のテンション感をキープしていたし、ファンの人達をキープしようとしていた部分もあると思う。特に俺は言葉について結構考えてしまう性格だから、ブログやTwitterでも自分の気持ちをより簡潔に伝わるように書こうと心掛けてはいるけれど、その行為自体に疑問を覚えてしまったというか。性格的には伝えたいタイプですけど、言葉で紐づけて繋げているものは、自分の根幹から湧き出て行動で示すこと・・・例えば、ライヴや音源で伝えることには勝てないような気がしてきてしまって。言葉も凄く大切だし、自分は言いたいし伝えたいから言葉にしていたんですけど、それが自分の中でストレスになってきた・・・というと、それもまた語弊があるけれど。

 

――言葉で繋ぐ意味などバカみたいだ。と思いながら言葉を紡いでいる自分に、矛盾を感じてしまった?

 

芥:そうかもしれないです。言葉が持っている弱さとか、だけどなんか変なところで強かったりとか・・・言葉というものが、少し憎らしく思えてしまったんですよね。

 

――真っ直ぐ届かず、真意とは違うところへ行ってしまったりもするものですしね。

 

芥:そうなんですよねぇ。それに加えて、俺は去年の春あたりからしばらく不調な時期があったので、なおさら行動で示せない!と自分の中で思い込んでしまったんです。本分である歌というものに対しても思うように伝えられていないと思い込んでいるから、本分で伝えられていなかったら、言葉で繋げることすらできない!と。特に去年はその乖離している部分にストレスを感じていましたね。今年に入ってからは段々と良い感じになってきましたが、あの時期のフラストレーションみたいなものが今作にぶわっと爆発してしまったのもあるかもしれない。言葉は凄く大切にしているものだし頼ってしまうんですけど、自分の身から出た本心からの行動にはどうしても勝てないし、その上で今以上に言葉でもわかりやすく伝えられたら良いし。そんな自分に立ち返りたいという気持ちこそが、『シロクロのメロディ』に詰め込みたかったものなのかもしれないなと思います。

白・野中:確かに。

芥:言葉で繋ぐことを呪縛と感じるかどうかだって、結局はその時の自分の心境によりけりだったわけで。過去の自分から見たら、ツアー初日前夜までの俺は自分が敷いてきたレールに対して泣いているように見えていたんだろうなと思う。でも、昨日の千葉LOOKでの初日が本当にめちゃくちゃ楽しかったし、心洗われたんですよね。『シロクロのメロディ』はこれから先の道しるべになるような曲なんじゃないかって、ライヴで演奏して改めて感じることができました。あと、これは作品解説とは別のエピソードですけど、今回はリモートでミックス作業をしたんですね。その作業中に、エンジニアさんの奥様の陣痛が始まって。

 

――えっ!!!

 

野中:出産予定日にミックスをしていたんですよ。そうしたら陣痛が来て、「分娩室に入ったら行かなきゃいけないから、それまで作業を続けるね。」と言われて。「本当にありがとうございます、お願いします。」と言った10分後くらいに「分娩室に入った!!!」って()

白:「早く病院へ行ってください!!!」って()

 

――人生の大切な瞬間ですからね!

 

野中:本当に!無事に間に合って良かったです。

白:Chantyの作品と共に誕生してくれて、記念日になりました。

芥:走馬灯の曲を制作している時に新しい生命が誕生したことに、輪廻転生みたいなものを感じてしまいましたね。意味合いとしても、タイミングにグッとくるものがありました。

野中:そんなバックボーンを感じながらこの作品を聴いてもらうのも良いですね。

 

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俺の中でのChantyはもう、バンドという次元を超えて概念化しているというか。

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――Chantyは走り続けていますが、正式に3人体制になったことについては現在どう感じていますか?

 

野中:実質3人で半年以上活動してきているので、現場での変化というのはそこまで無いんですね。一番大変だったのは、成人くんが休養に入った昨年6月以降の数ヶ月間でした。

芥・白:そうですね。

 

――皆さんは「結果的に復帰を期待させるだけの形になってしまったかもしれない。」と気にしていらしたけれど、個人的にはこの8ヶ月がメンバーにとってもファンにとっても心のリハビリ期間になってくれていたらと思っていて。

 

白:ファンの中には薄々戻れないんじゃないか。と感じていた人も居れば、成人さんが戻ってくるまでという前提だったから、サポートで色々なドラマーが叩くライヴも楽しめていたのに。という人も居て。そこに関して申し訳ない気持ちはあります。でも、成人さんのことに関しては休養に入る時のコメントで完結していた部分もあって。
野中:成人くんの脱退を発表した瞬間は何もできずただ、ぼーっとしてしまいました。別に成人くんとの関係性が変わってしまうことはないし、変わるのは「バンドを一緒にやってない状態になるだけ」だと思うんですが、それを受け入れていたつもりがダメでしたね。その後、冷静になってnoteに文字を並べて行くことでやっと受け入れられた所はあります。そう考えると、受け入れるタイミングはファンの方と同じタイミングだったのかもしれない。

芥:俺は、脱退発表に対してどういう言葉を形にしたらいいのかがわからなかったんです。気持ちが沈んでいるとかではなく、報告に対して適切な言葉が浮かばなかった。白くんが言ったように、脱退という事実をやたら掘り下げるのも違うんじゃないかと思ったし、あの時に白くんと野中くんがTwitternoteに綴ってくれた言葉がその通り過ぎて、俺が更に何を言えばいいんだろうって。僕ら3人としては、どういう形かはわからないけれど休養が成人くんにとって良い方向に働いて欲しかったんですね。一縷の願いを込めた部分もあったけれど、結果的にこうなりましたということです。

 

――様々なドラマーを迎える形のサポート体制にされたのは?

 

芥:固定でサポートしてもらうのか、色々な人にお願いするのか、最初は悩んでいたんです。でも、こういう期間だからこそ自分達もスキルアップとして色々な人達と音を合わせてみたい気持ちもあったし、そんな今しか見せられないChantyを楽しんでもらえたらという想いが芽生えたんですよね。不安もありましたけど、野中くんが「これって凄く贅沢なことじゃないか。楽しもう。」と言ってくれたのを覚えています。俺的にも、サポートを固定化してあ、ドラムはサポートなんだ。という印象を強めたくなかったところがあって。

白:確かに、サポートと言うと足りていない感を感じてしまう人も居るだろうし。

芥:観てくれている人達には楽しんで欲しいし、こっちも楽しみたい。そういう気持ちでやっていました。ただ、正直なところバンドがバックボーンに抱える現状を素直に伝えることもできないし、個人的に夏くらいの時期から段々とメンタルが下がっていって気持ちが乖離してしまって。ファンの人達に対して嘘をついてしまっているのではないかとか、サポートしてくれているドラマーの人達のことを都合よく使ってしまっているんじゃないかとか、申し訳ないような気持ちが変に前に出てきて。

 

――その時期のライヴのMCで「続けてしまって申し訳ない。」という言葉が出た時は、驚くと同時に心配になりましたよ。

 

芥:そうですよね(苦笑)。自分のコンディションがよくない時期だったからこそ、そんなことを思ってしまったのかもしれないですけどね。そんな状況の中でも野中くんと白くんが「大丈夫、大丈夫!」と言い続けてくれたことが、俺にとってはかなり救いでした。俺は性格的に理詰めで悩むところから始まってしまう場合が多いけれど、2人は未来への展望が先に立つというか。そのバランスに助けられたし、そのあたりから自分の理想とするひとつのChanty像が見えた。これは本当に例えばの話で、ネガティヴには捉えないで欲しいですけど。もし、俺がどうしても活動を続けることができなくなったとしてもChantyは続くだろうという夢を見たんです。俺の中でのChantyはもう、バンドという次元を超えて概念化しているというか。もしかしたら、Chantyは「やりたい」という人間が居る限りは永遠に続いていくバンドなんじゃないか。と感じられたんです。今回また成人くんという強力なウエイトがひとつ減ってしまったわけだけど、それはこれまでにバンドを離れたshia.くんや千歳くんの時も同じだった。メインコンポーザーすら失う経験をしてもChantyは続いてきたし、どんどん強くなっているんですよね。各々が色々なものを出し合って右往左往しながら楽曲制作をして作品を生み出してきたのがChantyの真実で、その繰り返しでここまできた。だから、今のChantyの中には5人時代の意思も未だに生き続けているし、綺麗事ではなく11人の意思がずっと繋がっている感じがするんです。それって、なかなか稀有なバンドだと思う。常に全員で作り上げる=このバンドの意思として続けてきたことがこんなピンチの中でまた光った、そのことが凄い希望になったんです。もし、俺が居なくなる日が来ても、このバンドは続いていくんじゃないか。、そんな未来が見えたことが嬉しかったし、2人への感謝と共に過去から繋いでいるものへの感謝を強く感じましたね。

 

――過去のメンバーの想いも含めて全てのピースを欠けずに持って進んでいるということは、拝見していても伝わってきます。

 

野中:だからと言って、それが重荷になっているわけではなく。きっと、皆で分担して背負っているからだと思うんです。誰か1人が背負ってたら辛くなってしまうかもしれないけれど、それぞれがちゃんと意識しているところがあるからこういう気持ちで居られるし、もしかしたらファンの人達も・・・一緒に歩むことをやめてしまった人達も居るかもだけれど、それでもきっと腑に落ちているところがあるのかもしれないなと思ったりします。これからも背負ったものを大切にしながら、何よりも楽しんでやっていきたい。

 

――バンドが楽しんでいないと、ファンを楽しませられないですから。サポートドラマーの皆様は、本当によくChantyのカラーを理解して下さっていますよね。

 

一同:本当に!!!

野中:感謝とリスペクトしかないです!

白:本当に凄いよね。逆の立場になって考えたら、凄く難しいことだとわかるから。

芥:我々は恵まれていますね。

野中:サポートドラマーの人達が皆、成人くんのことを話してくれて愛情を感じるんですよ。この繋がりは、成人くんが作ってくれたものなんだな。と強く感じます。成人くんじゃなかったら、こうなってはいなかったかもしれない。

白:その通りだね。

 

――Chantyの音楽とメンバーを本当に好きな方ばかりなんだと思います。

 

一同:ありがたいです!

芥:そうやって演奏してくれているからこそ、俺らもライヴにのめり込めるんですよね。

白:うん。不思議なことに、サポートだからという不安感が一切無いんですよ。

芥:そうだね。ドラムがサポートという環境が初めてだったから、最初は少し構えていたところもあったんですけど。

野中:確かに。

芥:今はもうフルパワーを発揮できていますね。

 

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ふと目にした時に「やっぱりカッコいいな!」と思ってもらえるChantyでありたい。

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――先程もお話に出ましたが、現在は『ゴーシュが遅れてやってきたワンマンツアー』の真最中ということで。私はこのツアーに、約束というものに対するChantyの誠実さを感じたんですね。そして、その約束がバンドの原動力や支えになる可能性もあるのではと思っていたんです。

 

芥:うん、今までは俺もそう思っていました。そういうバンドでありたいし、それに救われてもいたんですけど、色々なことが起きる中で俺個人は凄く考えてしまったところがあった。でも、自分達がマンガを描いていたとして、伏線回収をしないままお話が最終回になったら嫌じゃないか?という気持ちが強かったし。いつまでも何かにしがみついていたいということではなく、歩みを進める中で大切にしているものは何も変わっていないと示し続けられたらと今は思えています。

 

――『ゴーシュ』という楽曲自体、今の世界で聴くと改めて見えるものがたくさんあって響きますよね。このタイミングでこのツアーというのも、意味あるものだなと。

 

芥:そうですね。ファンの人達も、この曲を思った以上に大切にしてくれている感じがするんですよ。当時のツアーで『ゴーシュ』が誕生してファイナルの吉祥寺公演で披露した時は、凄い滑った想い出がありますけど(苦笑)

野中:『ゴーシュ』も初披露では手応えが無かったんですよ()。「このツアーで曲が生まれました!」と張り切って披露したら、全く盛り上がらなくて滑ってるやん!!!()

 

――滑っていらした記憶は無いんですけど()

 

野中:おそらく、メンバーが期待し過ぎていたんだと思います。ツアーで生まれた曲に対する達成感もあったし、お客さんに甘えていたんだと思う。

芥:そう、感動の押し売りをしていたかもしれない。

野中:「すご~い!!!」と盛り上がって欲しいと思い過ぎてしまった(苦笑)。今考えれば、お客さんもしっかり聴いてくれていたのかもしれないとは思います。

 

――ファンの方達からしたら初聴きの曲ですから、温度差が生まれてしまったのかもです。

 

芥:そうですよね。で、昨日のMCでその時の温度差をネタにして面白がってもらおうと思ったんですけど、それがまた滑りました・・・。

一同:(大爆笑)

野中:本当に回収できなかったもんね!『ゴーシュ』を使うと滑るのかもしれない(苦笑)

芥:ずっとライヴで育ててきただけあって、1年くらい前から演奏する度に凄く手応えを感じられる曲ですけど、トークではあまりネタにしてはいけないという教訓ができました(苦笑)

 

――そして、ツアー後には芥さんと野中さんの生誕祭が開催されます。まずは428日・29日に大阪で芥さんの生誕祭ですが、『オオサカコンプレックス』というタイトルは?

 

芥:全てを説明してしまうとつまらないのですが、正直、大阪にコンプレックスがあります。遡れば以前のバンドの時から、悔しい想いをすることもたくさんあったので。俺個人としては、良い感じに成果が見えていた時期も味わっていれば、そこから急降下したこともある、そんな場所です。俺はこのバンドで生誕祭を始めてから、一度として同じ場所では開催していないんですね。毎年、それぞれの場所で意味のあることを考えてやっていきたくて。今年は、大阪という自分の中では比較的ネガティヴな想い出が多い場所で、新しい未来を切り開きたいなって。誕生日前日の428日は、OSAKA MUSE BOXのステージに1人で立ちます。完全に1人でライヴをするのは人生初なんですよ。

 

――お誕生日前夜に一大チャレンジですね!

 

芥:それには理由があって。去年は山口茜さんにピアノを弾いてもらう形でソロ的なライヴをして、アンコールでメンバーに登場してもらったんですが、その時に改めてバンドって良いな!と感じられて凄く幸せだったんです。だから、あえて誕生日前夜に修練の場を設けてこれまでの自分の腕試しを行って、誕生日当日はChantyあぁ、やっぱりバンドって最高!という気持ちを味わいたいなと()。俺はサウナには入らない人ですけど、サウナで言うところのととのう瞬間を429日に持って行きたいですね。

 

――素敵です!野中さんは517日に故郷の三重・四日市CLUB CHAOS521日に東京・高田馬場CLUB PHASEで生誕祭ですが、どちらもタイトルに『イタダキマス』と付いていますね。

 

野中:そんなに深い意味は無いですが、タイトルそのまま頂いちゃう感じです()

芥:野中くんは地元をとても大切にしているからね。

野中:そう、地元が大好きなので。一度来た事がある方も二回目の方もまだ来た事が無い方も、皆に三重県に来て欲しいです!そして、普段はしない何かをしようと企んでいます。・・・歌ってみたりしようかな、なんて。

芥・白:おぉ~!()

野中:いや、歌わないかもしれない()

 

――何かしら珍しいことが起きるかもしれないぞ、と。

 

野中:地元だから無礼講かなと。東京は山口茜さんにサポートをお願いしていて、何とセットリスト全曲にピアノアレンジを入れてもらいます。俺はピアノが好きなので。

芥:贅沢だよね!

野中:めちゃくちゃ贅沢!

白:ファンの人達以上にメンバーが楽しみにしていると思います()

 

――どちらもとても楽しみです!

 

芥:正直、現時点ではドラマーとしてすぐに誰かを迎えようという方向では動いていないんです。それは、白くん加入の際に成人くんが一生懸命推しているのに俺と野中くんの気持ちがすぐについていけなかった時のベクトルとはまた違って。3人体制でのライヴを重ねる中で、3人の中で起こり得る色々なことをもっと詰めていけるのではないか、3人で成立している今というものをもっとしっかり形にした上で未来を見たい、という気持ちが強くなったんですよね。いずれはドラムをどうするか考える時はくるでしょうけど、今は急いでいないし、この3人で何を生み出していけるのかというワクワクをもう少し楽しんで模索していきたい。

 

――今のChantyのライヴ、凄くカッコいいですよね。

 

白:そうなんですよ、最近凄く良いんですよ()

 

――これは本当に個人的な感想ですが、私はChantyのライヴにおけるボーカルとドラムの縦のラインの熱量の合致に非常に魅力を感じていたので、そこが欠けた時にどう変わるのだろうという不安もあったんです。芥さんの歌の熱量が溢れ出た時、成人さんが後ろから全力で後押しされている印象だったから。

 

芥:うん。歌っていても、それは感じていました。

 

――でも、3人体制になってみたら、それはそれで凄く11人が際立っているというか、このバランスも凄くカッコいいなと思えた。

 

芥:ありがとうございます。今仰って下さったように、際立っている・・・特に、良い形で白くんと野中くんの我が出たと思うんですよ。あまり目立ちたがらないタイプの2人がガツガツと前に出てくるようになったし、負けられないな!と俺が脅威を感じることも結構あったりして。

 

――もし今ここに誰かが加わったら、それぞれの見せ方やパワーバランスにまた変化が生じるでしょうし、それを調整していく期間が生まれますよね。それなら、しばらくは3人で個々の強さを増してから今後を考えるのも良いのではないかと。

 

芥:俺自身も全く同じ感覚ですね。俺の中では、「3人のChantyも凄く良い感じのバンドだよね。」と言われるバンドにしていくことが今の自分達の仕事だなと思うし、そこに可能性を感じられているので。活動する中で衝撃的な良い出会いがあればまた変わるかもしれないですけど、今は3人のChantyを突き詰めていくことが面白いです。やっぱり、成人くんのラストとして脱退ライヴを開催できずに突然の脱退発表になってしまったことについてはメンバー全員凄く悩んだし、でもどうすることもできなかった・・・だからこそ、成人くんと一緒に作ってきた、そして過去のメンバー皆と一緒に作ってきた、自分達が一番カッコいいと思えるChantyが今も続いているんだと思って欲しいし、そのために3人でもカッコよくやっていきたい。一緒に歩むことを一度やめたとしても、ふと目にした時に「やっぱりカッコいいな!」と思ってもらえるChantyでありたい。そう強く思っています。

 

 

取材・文:富岡 美都(Squeeze Spirits/One’s COSMOS)

 

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<リリース>

 ジャケット写真.jpeg

★New Single「走馬灯に見た蒼い夢」

MNPK-028

定価 ¥1,000+税

 

■収録曲

M1. 透明人間

M2.シロクロのメロディ

 

*Chantyオフィシャル通販、専門店にて販売中

*配信はこちら*

https://tunecore.co.jp/artists/Chanty 

 

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