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【ライヴレポート】<ヘルブロス ONEMAN TOUR「シャングリラ」FINAL>2024年1月26日(金)青山RizM◆各々の音楽人生を経てヘルブロスとしての「今」を刻んだ白熱のステージ!

ヘルブロスが、1月26日にワンマンツアー『シャングリラ』のファイナル公演を青山RizMで開催した。今ツアーは1月10日発売されたばかりのミニアルバム『シャングリラ』を引っ さげての東名阪ツアーとなり、同ミニアルバムや、前年5月にリリースしたフルアルバム 『PARADISE』の楽曲を中心に構成され、熱気のあるライヴを届けた。


ヘルブロスは、セッションバンドとしての活動を経て、2021年に夢人(Vo)、千歳(Gt)、 てら(Ba)、大熊けいと邦夫(Dr.)の現メンバーで本格始動。2023年には1st ONEMAN TOURを行なったほか、すでにシングル3枚、ミニアルバム2枚、フルアルバム1枚をリリースするなど、ハイペースで楽曲を生み出している。

この日のライヴは、ミニアルバム『シャングリラ』の冒頭を飾る「white」からスタート。 幻想的なメロディに夢人の伸びやかな歌声が響き、2曲目の「Rejection」では、汚れた世界での息苦しさを重く激しいサウンドで叩きつける。かと思えば、青と赤の照明が怪しげな世界を生み出す「シャングリラ」で、葛藤や苦悩といった内から溢れ出す感情をダンサブルなサウンドにのせて届けるなど、多彩な楽曲と巧みな演奏で冒頭から一気に世界観を作り上げていった。


「ついにやってまいりました。ツアーファイナル。あのヘルブロスが、こんなにお客さんのいるライヴやってるぞ。みなさん来てくれてありがとうございます!」

初のMCタイムの合間にオーディエンスからの力強いメンバーコールが届けられると、「あったかいですね、最初から」と笑顔を見せた夢人が、動員が少なかった頃のエピソードとして、イベントではMCのタイミングになるとまるで“すんっ”と時が止まったようになる瞬間があった、という苦い思い出話を笑いを交えて話し、集まってくれたファンの存在に改めて感謝を伝えた。


その後はアップテンポなリズムが開放感を生む「PLAN.B」、ベース・ドラム・ギターの演奏がフィーチャーされたドラマティックなナンバー「灰泥」、情熱がほとばしる 「Signal」で感情を解き放ち、未来を強く信じたいという願いが描かれた「if」では、夢人のやや掠れた力強い歌声が胸を突き刺す。メロデイの良さもさることながら、振り幅のある楽曲を見事に1つのステージへと昇華させるヘルブロスの表現力は圧巻だ。


さらに、妖艶な魅力を放つ「タナトーシス」が始まると、てらがベースをハイポジションに持ちかえ指弾きで色気のある音を響かせ、「紋白蝶」では千歳が華やかなギターソロを披露。その後に続く「タイムマシン」では、大熊の軽やかなリズムが一気にライヴの空気感を変えてしまうなど、楽器陣のテクニカルなプレイが次々と飛び出し会場を更に盛り上げていく。

メンバーも参加した中盤のトークでは、「ヘルブロスの昔話に触れてみようと思うんですけど」と話し始めた夢人が前出のMCに続き、応援してくれる人が増えるまでに時間がかかったこと、メンバー自身はいつもふわふわとしていて4人の仲がとても良いことなどを報告。そのうえで、楽しいだけではなくライヴのブッキングなど表には見えない細かな作業もあるが、それを担ってくれているというリーダー(千歳)に突然の感謝を伝え、千歳が照れたように笑う場面も見られた。


また、ベースのてらが「ヘルブロスには良い曲が多い」と改めて自身のバンドを自画自賛し、ドラムの大熊が「みんなエグいよね。曲を書くスピードが早い」と話すと、夢人が「リリースの数も半端ないんですよね。みなさの手元にフルアルバムが届く頃には、次の作品が出来てて」と言葉を続ける様子からも、お互いへのリスペクトと、この4人で作る音楽を心から楽しめているといった絆を感じさせた。


「あとは、はっちゃけて終わるだけっていう感じで!」

ライヴの後半戦はMCの和やかな雰囲気とは一転。夢人もギターを持ちツインギターで、 結成初期の「Doomsday」や「ドラマ」「Joker」といった激しい楽曲たちを連投。ステー ジ上では千歳とてらが立ち位置を入れ替わり客席を煽り、夢人が鋭い視線でオーディエ ンスを挑発。オーディエンスは折りたたみやヘドバンでその熱量に応えた。

本編のラストはファンへの想いが詰まった「ラクエン」、そして共に歩く未来を歌う「プラネタリウム」をオーディエンスを含む全員の大合唱で響かせる。明るい照明の中、ファンと共に歌い、その大合唱を見つめる4人の姿には凛とした清々しさが漂っていた。


アンコールではAYABIEの楽曲をリテイクした「メリーゴーランド」、やわらかなメロディラインが美しい「Contact」を披露。ダブルアンコールの「Ficton」を届け終わると、 メンバーはステージに一列にならび手をつなぎ、オーディエンスを伴っての大ジャンプでライヴを締めくくった。

ライヴ全体を通して深みのある豊かな歌声を届けた夢人、真っ直ぐに客席を見つめ華のあるギタープレイを披露した千歳、全身を揺らし楽曲の世界に没頭するようにベースを弾くてら、メンバーの背中を後ろから見守り、多彩なリズムで全体を包んだドラムの大熊。 プレイヤーとしての卓越した技術と、一途にバンドに向き合い、純粋に音楽を楽しむ4人の姿が印象に残るライヴとなった。

また一方で、本編のMCでマイクをはずして小声で「こんばんは」と、客席の一人ひとりをガン見する夢人に、オーディエンスからはクスクスといった笑いがこぼれたり、「良いこと思いついた!」と突然ファンを巻き込んだ「ド・レ・ミ」の大合唱で無邪気に喜ぶ様子からも、ファンと過ごすライヴが“楽しくて仕方がない”といった気持ちや自然体の魅力が溢れていた。

ヘルブロスの楽曲には、迷いや痛み、葛藤や焦燥感といった負の感情と共に、そのもがきと向き合っていこうとする強さや純粋さが溢れている。真っ直ぐに生きようとするからこそ生まれる心の振れ幅。そのどちらの感情にも寄り添い、等身大で音楽を奏でる彼らのライヴにぜひ触れてみてほしい。


今後は、3月から5月にかけてマンスリーで行なわれるヘルブロス主催のイベント『暗黒武 術界』の開催が発表されたほか、この日のライヴもYouTubeチャンネルにて公開が予定されている。



TEXT:原千夏

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