【Chanty】★ロングインタビュー★2024年2月14日(水)発売 New Single「レインドット」◆雨粒が地面に落ちて混ざりあってしまう前に、突き刺したい一閃──。
2024年最初のリリースとなるシングル、『レインドット』。
疾走感溢れるエモーショナルなサウンドと突き抜ける歌声が聴く者の心を奮い立たせてくれるタイトルチューンを中心に、10周年を越えてより強靭に繋がり紡がれていく彼らの想いを改めて感じられる作品となっている。
一瞬一瞬の奇跡を積み重ね、常に全身全霊で自分達の音楽と向き合い輝きを放ち続けるChantyの今を、4月に開催されるONEMAN TOUR 2024『愛哀想奏』でぜひ体感して欲しい。
◉Chantyは、始動から今日までずっと一本道で想いを繋いで歩んできた。
――10周年を迎えた昨年は非常にハイペースな活動だったと感じますが、バンドにとってどのような1年でしたか?
野中:4月に開催した『電光石火の轟音踊れや踊れいばら道』ワンマンツアーから、事務所に所属してバンドの環境が変わったじゃないですか。イベントなども増えたり、これまでとはまた違った部分も出てきて。これは今だから言えることかもしれないけれど、たぶんメンバー全員、わりと余裕が無かったと思います。
芥・白・shota:(同意)
野中:9月には10周年の川崎CLUB CITTA’ワンマンもあって、やっぱりメンバー各々がプレッシャーも感じていましたし、気持ちがいっぱいいっぱいになりがちでした。とても充実していたけれど、正直なところ大変だったように思います。
芥:堪えた(笑)。
shota:削られましたね(笑)。
野中:そこから付随して、個人的に作曲作業は身体的・精神的・時間的に余裕が無いとできないものなんですね。その3つが揃っていないと自分の中には曲が生まれてこないから、最近は全く作曲ができていないんです。でもリリースのタイミングは事前に決まっているものだし、曲を用意しなくてはいけないという状況の中で、芥さんや白くんはどんどん作ってきてくれて。自分にはできないことをできるメンバー達のことを“本当に凄いな”と改めて思いました。今の自分は作曲という部分ではバンドに貢献できないからこそ、みんなができないことを頑張っていこうと。
――お互いに補い合えるのがバンドの素敵なところですからね。
野中:はい。2024年、野中はそう思っています。
芥:あ、これからも!?「今年の俺は作曲します!」ではなくて?(笑)
野中:引き続き、です(笑)。
一同:(爆笑)
芥:でもね、野中くんはここぞという良いタイミングで良い曲を書いてきてくれるイメージがあるので。
野中:ありがとうございます!
――ちゃんと良いバランスでまわっているのでしょう。
芥:うん。でも、確かに10周年まで無我夢中でしたね。春のワンマンツアーも本当にあっという間だった。
――喉の手術明けのツアーでしたし。
芥:そういえばそうでしたよね!僕は歌える楽しさを噛みしめていたツアーでした。上手くいかないことだってたくさんあったけれど、歌うってこんなにも楽しいんだって再確認しながら純粋に10周年に向かっていましたね。
白:2023年はやることが増えたからこそ、今まではやってこなかったようなことも色々とできるようになって、その中には成功も失敗もあったけれど、上手くいかなくてもやったことに意味があると感じられたし、たくさんの発見や気付きがありました。それを活かして、2024年はより良い1年にしたいと思っています。
shota:Chantyに加入してからずっと、イベントライヴが本当に少なくて。イベントだと(演奏曲数は)平均5~6曲ですけど、うちはほぼワンマン・2MAN・3MANで演奏時間が長いから、10曲以上のセットリストが普通だったんですよね。そのおかげで全曲覚えられたとは思いますけど。
――年始に遂に全曲制覇、おめでとうございます!
shota:ありがとうございます。毎公演、“今回はこの曲が来たか!”とか“遂に聴いていた曲が来た!”とか大変でしたね(笑)。
芥:また、無茶な(曲の)繋ぎを要求されたりもしてね(笑)。
――ライヴでは曲の繋ぎにアレンジが加わる場合も多いから、ただ1曲を通して演奏できるだけではダメなんですね。
shota:そう、Chantyはそれだけじゃダメなんです(笑)。無事にゴールできて良かったです。
――年末には、ONEMAN TOUR『突き刺す音楽』が開催されました。“突き刺す音楽”という言葉を今タイトルにした意味や、改めてこの言葉と対峙して感じたこと、このツアーで得たものなどをお聞かせください。
野中:『突き刺す音楽』は結成当初から掲げていた言葉なんですけど、活動にあたって媒体関係者やライヴハウスに提出するバンドのプロフィール資料に書いていたもので、自分達の口で「“突き刺す音楽”をコンセプトに活動しています!」と言っていたわけではなかったんですね。実際に口に出して言ってきてはいないから、コンセプトとして実感していたかと言われたら正直そこまでではなかった。だから、芥さんが「10周年を迎えて行うワンマンツアーのタイトルを『突き刺す音楽』にしたい。」と言ってきた時も、自分の中では初心にかえるような気持ちは無くて。だって、ずっと初心のままなので。
芥:さすがリーダー、良いことを言いますね。僕は、完全に初心にかえろうとしていました・・・。
一同:(爆笑)
――どちらもそれぞれに正解なんだと感じます。
野中:もちろん、10年前から進化はしているだろうけど、変化はしていないと思うので。
芥:カッコいい!(笑)
白:リーダー風が吹いている!(笑)
野中:(爆笑)
shota:それも含めて“新人バンドとして”っていう(笑)。
野中:そう、全て含めて気持ち的には10年前の新人バンドのままここまで来ているんです。
芥:確かにそうだね。
shota:深いですね。
野中:だから、『突き刺す音楽』をテーマにツアーをまわったけれど、何かを特別に意識することはなく。気持ち的には、10年前のリバイバルという感じですかね。
――常に気持ちは10年前の延長線上にあるから。
野中:うん、レールは同じひとつの線上ですね。Chantyは始動から今日までずっと一本道で想いを繋いで歩んできたと思うので、これからもその延長線を描きながら活動していければと思っています。
◉10年を越えてこれからもっと先へと走ろうしている中で、“元々のChantyってどんなものだったっけ?”と再確認したかった。
芥:野中くんが言ったとおり初心にかえって何かをしようと極端なことを考えていたわけではないけれど、僕の中にはどうしてもきっかけというものがあって。固有名詞を出して話してしまうと、やっぱりベルとDevelop One’s Facultiesの解散が決まったことが大きかったです。ツアータイトル自体はそれ以前に決定していたけれど、内容に関して自分は完全にむきになっていたというか。これを読んでくれている人達は「いつまで引きずるんだ。」と思うかもしれないけれど、それくらい大切且つ切磋琢磨した仲間達だったんです。解散前にそれぞれのバンドと2MANをさせてもらいましたけど、あの時も自分は完全にむきになっていたし。身近な戦友達が終わりに向かってある意味での完成に近づいて行く中で、ファンとの両想いの関係性とか信頼して託し合っている空気感と同時に、どんどんカッコ良くなっていく姿に負けたくなくて、自分の中で“終わりを迎えるバンドに負けてはいけない!”みたいな邪な気持ちが強くなり過ぎて。言葉が悪くなってしまっているかもしれないけれど、これは本当に正直な気持ちです。あの時期は、身近な“永遠ではなくなってしまった最中のもの”に対して過剰に意識し過ぎていたし、それも含めて“本分に戻りたい”みたいな・・・。確かにChantyは一本道できたとは思うけれど、その時々のムーブとか細かい部分では変わっていたりもするし、10年を越えてこれからもっと先へと走ろうしている中で、よくあるライヴの運びとかそういうところを全てかなぐり捨てて“元々のChantyってどんなものだったっけ?”と再確認したかった。だから、『突き刺す音楽』というワンマンツアーは“自分達にしかできないものを”みたいな部分にちょっと神経質になり過ぎていたとは思います。結果、あのツアーがダメだったのかと言われたら、全くそうではなくて。細かい部分で言ったら“これは上手くいったけど、こっちはダメなんだ”と学ぶようなことも色々あったし、ようやくこの年始くらいから消化できてきたんじゃないかな。意味のある遠回りをした感覚というか、“俺らは俺らのことをやってきたんだから、そんなに周りを意識しなくていいんだよ。”と再確認できた感じがしています。ちょっと突っ込んだ話になってしまいましたけど、僕としてはそういう風に思っていました。
――あの時期は、私のような第三者からでも“終わりを決めた盟友達がChantyに託していきたい想い”と“それを受け止めてこの先も歩んでいくChantyの想い”の両方が感じ取れていたので、見ていて凄く複雑ではあったんですよね。託されて欲しい部分もあるけれど、背負い込み過ぎては欲しくないというか。だから、今“消化できてきた”という言葉を聞いて、正直少し安心しました。
芥:うん、複雑でしたよね。今はもう、“あの時期は何だったんだろう?”と感じるくらい素直に今を楽しめています。
――そこを経たからこそ、辿り着いた今。
芥:本当にそうだと思う。
――白さんとshotaさんはいかがですか?ライトなツアーのご感想でも大丈夫です。
白:ライトな話をするなら、本当にあっという間だった。
――日程が詰まったツアーでしたからね。
白:うん。Chantyはわりとゆっくりしたスケジュールでツアーをまわるタイプのバンドだったから、1週間出っぱなしみたいなツアーは久々でした。
芥:あれも良いよね、辛いけど(笑)。
野中:過酷な移動とか、一番“バンドをやっているな!”って感覚になるよね(笑)。
shota:1週間出っぱなしツアー、俺は体調を崩しがちです(苦笑)。
――体力的にはしんどいですよね(苦笑)。修正点を直していくことなどはやりやすそうですが。
野中:そうですね。1週間、バンドのためだけに動いて、バンドのことだけを考えていられる時間が長いので、ライヴの修正もしやすいです。
――ライヴの合間に日常に戻ってしまうタイミングが無いから。
白:そうそう。いつもは周年とかツアーファイナルに少し大きめの会場でのライヴを決めると、そのライヴの前の日程をわざと空けたりするんですよ。そうなると1~2週間ライヴをしていない状態で大きな会場に立つことになるので、やっぱり気持ち的に構えてしまうところがあるんですよね。このツアーのファイナルは新宿BLAZEでしたけど、良い意味で構えず普段通りのライヴができたのは、日程が詰まったツアーだったからなのかもしれないという発見がありましたね。あと、バンド側だけじゃなくて各地を一緒にまわってくれるファンのみんなも同じように大変だったと思うので、メンバーもファンもやり遂げた感のあるツアーだったんじゃないかな。
一同:確かに!
shota:俺にとっては加入後2回目のワンマンツアーでしたけど、1回目はChantyのメンバーとしてまわる初めてのワンマンツアーということで凄く緊張感があって、自分でもちょっと硬かったなってイメージがあるんです。
芥:あぁ、そうかもね!今は本当に頼りがいがあるし、もう何も意識しないで大丈夫。
shota:自分でも溶け込んだんだなって思います。
野中:shotaくんが加入して1年経ったあたりから、各地のライヴハウスや関係者の人達に「ドラムがめちゃくちゃ良くなったね!」と言われるんですよ。
芥・白:言われる!
野中:“・・・俺は?”とか思ったりもするんですけど(笑)。
一同:(爆笑)
――野中さんが上手いのは関係者の中で周知の事実だから、“今さら褒めるとか逆に失礼だよな。”と思われているだけですよ!(笑)
芥:でも、言って欲しいんだよね(笑)。
白:拓さんのキャラクターなのか、上手いのにあまりそういうことを言われないから。
shota:できて当たり前みたいに思われているのかも。
野中:まぁそれは冗談として(笑)。『突き刺す音楽』ツアー以降、shotaくんを褒めて頂くことが本当に増えているので凄く誇らしいんです。
shota:それって、当事者である自分達ではわからないことなんですよね。客観視している人達が言葉にして伝えてくれることで、成長できているんだって感じられる。
――今のChantyのグルーヴ、めちゃくちゃ気持ち良いですから!
野中:バンド単位で成長できているんだなって気がしています。
◉雨粒が地面に落ちて混ざりあってしまう前に、突き刺したい一閃。
――2024年最初のリリースとなる『レインドット』、最高に“漲っている”作品が誕生しました!
芥:新人ですから!(笑)
野中:BPMの速さとか、10代の子が作った曲みたい(笑)。
――ライヴと音源それぞれに良さがあるのは大前提として、やはりライヴでの勢いや迫力を音源で表現するのはなかなか難しいと思うんです。それが今回、Chantyのライヴのグルーヴ感が見事に作品としてパッケージされたなと。
芥:意図しているものがわりと明確だったことと、あとは白くんの音感(※おとかん)がだいぶ変わったこともあるね。
白:うん、今回のシングルはだいぶ音感が違います。
芥:ちょっと“攻め”な感じ。たぶん、白くんの趣向がそっちに向いた瞬間というのがあって。
白:そうかもしれない。
芥:過去に聴いていたギターロックを改めて聴いて「良いね!」となったあたりから、白くんの音感が段々とそちらに傾倒していったんですよね。いろんなタイミングが合致した結果だと思います。白くんはずっと“ボーカルを潰さないように”ということを念頭に置いて弾いてくれていて、“ギターは行き過ぎない”って線引きをしっかりできる人だからこそ物凄く繊細な音も作れる。でも、僕はずっと“もう少し箍を外した白くんも見てみたいな”とも思っていて。
――そこはきっと、加入当初から「芥さんに一番似合うギタリストになる。」と仰っていらした白さんですからね。
白:そうです、よく覚えていますね!(笑)
芥:そのギターの音感と、『レインドット』という楽曲と、最初のドラムの猛攻みたいな勢いと・・・そういうものがバチッとハマった結果、物凄く気持ち良い曲になりました。
白:今回、ドラムの音もだいぶ攻めているんですよね。
野中:ドラム、凄く良い音!
――サウンドの疾走感といい、楽曲の世界観や構成といい、アニメのオープニングテーマに合うのではと思いました。攻めのサウンドと、それに負けずに光の柱のように突き抜ける歌声で、楽曲からも歌詞からも奮い立たせてくれる力強さと前向きさを感じます。
芥:確かに。歌詞も、あまり覚悟系にならずに済んだ感じはします。『レインドット』というタイトルとサビのメロディーは、10年前からあったものなんですよ。ちょっと余談ですけど、僕はインタビューの時にこの話をして、野中くんが「あの時の曲やったんや!(驚)」みたいなリアクションをしてくれることを期待していたのに、それとなく訊いたら「知ってんで、前に出していたよな。(←平然)」って・・・。
野中:余裕で覚えていて、“あ、今その曲を使うんだ。”と思っていました(笑)。
芥:さすが、リーダー。そう思っていたなら、言って欲しかったです(寂)。
――心の中で思うだけに留めていらしたんですね(笑)。
野中:本当に、普通に心の中で思ってた。
芥:付き合っていたら、僕が「好きって言って欲しいのに!」って言うパターンですね(苦笑)。
一同:(笑)
芥:元々フルコーラスのデモが保存されていたんですけど、それを聴いたら引っ張られてしまうと思ったので、あえて原曲を聴かずにタイトルとサビのメロだけを活かしてアレンジし直したんです。白くんが力を貸してくれて、自分自身でちょっと微妙だなと感じていた部分を凄く良い形に作り直してくれたりもして、完成したのが今回の『レインドット』です。できあがった後に最初のデモを聴いてみたら、それはそれで良い曲だったよね。
白:うん、最初の形も良かったです。
野中:おそらく野中は10年前に聴いた記憶でしかないですけど、ちょっとフレッシュな歌モノの曲という印象だった気がする。
白:そうそう!
芥:当時は楽曲の立ち位置的に『フライト』とかぶってしまいそうで出さなかった曲なんですけど、見事に生まれ変わりました。10年の時を経て今、色々と消化した形でこのタイトルで歌詞を書くことができて嬉しい。
――Chantyの今の気持ちというか決意表明的な印象もある歌詞だなと感じました。
芥:正直、掴みどころは無いんですけどね。
――“間違ってなかったんだよきっと”とか、わりと肯定的ですしね。
芥:確かに。良い感じにできたなと思います。
――少しお話が前後してしまいますが、そもそも何故今10年前の『レインドット』を形にしようと?
芥:本当に偶然なんです。自分としては別にMVを撮る曲にしようとか考えていたわけではなかったけれど、白くんが「この曲はリードっぽいから。」と言ってくれて。
白:芥さんが持ってくる曲は、基本的にリードですね。
野中:メロディーラインがリードっぽいのかな。
芥:別に懐古するために持ってきたわけではないし、10年を迎えたからとかでもなくて、ふいに“『レインドット』、あのメロディー良いな!”と思い浮かんだ。そこからは、あれよあれよという間にという感じです。
――大正解でしたね!
芥:うん。白くんが作ってきてくれた『曖昧』と『よまいごと』も含め、良いバランスになったなと思います。
――それぞれのプレイについてはいかがでしょう?
芥:ドラムが凄く好き!
shota:「とにかく激しくお願いします!」という要望だったので(笑)。
白:速いよねぇ!(笑)
芥:頭サビ後のドラムがとにかく大好きなんですよ。もし名古屋E.L.L.の2階席から対バンのライヴを観ていてあの演奏をされたら、“このバンドにやられる!!!”と思ってしまうカッコよさだと思う。
――Chantyは“名古屋E.L.L.の2階席”というシチュエーションが登場しやすいですね。
白:確かに、『透明人間』の時もそうでしたね(笑)。
野中:名古屋E.L.L.は2階からステージ全景が見やすいライヴハウスだから、そういうイメージを持ちやすいんですよね。
芥:あのドラムで僕が後ろから受ける「前に行けよ、お前!」みたいな空気がもう・・・!
shota:「行くぞ!」ってなりますよね(笑)。
芥:あれはなる!その後の、白くんのキュイーンと劈いていくギターがまた良い。
白:元々あったリフなんだけど、良いよね。
芥:僕が適当にキュインキュイン弾いたリフだったから、まさか弾くとは思わなかったんだけど。わりとそのまま弾いてくれたよね。
白:うん、そのまま。無理やりアレンジしたい願望が無いから、良いものはそのまま使う。
野中:わかる。野中も、誰かがデモで入れたベースフレーズが耳に残ったらそのまま使う。今回のそのキュインキュインも良かった。
shota:俺は、ティロリロリロロが好きです(笑)。
一同:あぁ!(笑)
白:あれは冷静に聴くとちょっとダサいんですけど、ダサいくらいがカッコいいんです(笑)。
野中:ダサいとカッコいいは紙一重やもんな。
一同:確かに!
野中:あと、この曲のMVの中盤で各メンバーが歩いてるシーンがあるんですけど、その時の白くんがカッコいいです!わかる人にはわかると思うけど、ちょっと疲れた顔をしていて(笑)。
白:あはははは(笑)。
芥:アンニュイな表情をね(笑)。
野中:野中的オススメなので、是非観て欲しいです。
――楽曲の世界観に似合った素敵なMVに仕上がりましたからね!そして、この曲のシンガロングの部分には大切な仲間達が参加されているということで。
芥:二進化十進法歌唱部隊であるyuyaくん(ex.Develop One’s Faculties)とハロくん(ex.ベル)にシンガロングを入れてもらったんですが、滾るものがありましたね。“降り注ぐ雨粒ひとつひとつにそれぞれの意志があって、そのひとつである自分自身が見つけてもらえるのか。地面に落ちて混ざりあってしまう前に、突き刺したい一閃”みたいな想いが込められている部分なので、2人にも一緒に歌って欲しかったし、連れていきたい気持ちがあった。
白・野中・shota:めちゃくちゃ良い!
――聴いていて鳥肌が立ちました。
芥:たまたまですけどそれぞれベストなキーで歌い分けた結果、一番下がハロくん、次が僕、一番上がyuyaくんになって。偶然にもBCDの順に並んでいるんですよね。“この並びは気持ち良い、トレインになるんじゃないか!”と思って(笑)。
――“BCDのトレインは止まらない”、再び・・・!
芥:そうです!
shota:これって、ライヴだとみんな気付いているのかな?
野中:年末の新宿BLAZEワンマンから、2人の歌声が入ったデータに差し替えているんですけど。
芥:このインタビューを読んだりCDのクレジットを見たりしてからであれば、ライヴでも聴き分けられるんじゃないかな。
――盟友達の歌声と共に、シンガロングがライヴで一層盛り上がっていくのが楽しみです。
◉“寂しいし愛して欲しいけれど1人で居たい”みたいな感覚ってあるじゃないですか?
――続いて、『曖昧』のお話を伺っていきましょう。
野中:残念ながら、『曖昧』はまだちょっと・・・。
白:記憶が曖昧・・・?
一同:(爆笑)
――どういうことでしょうか?
野中:まだメンバーで一度も合わせていないので、僕らの中では完成していないんです。
白:みんなで合わせる前にレコーディングをしたので。
shota:感覚的には、まだデモの段階なんですよね。
――今回収録の3曲の中で、この曲だけはまだライヴで演奏されていないですからね。(※2月初旬時点)
芥:そう、この曲だけはリリースしてからライヴで演奏しようと思っていたんです。
野中:ライヴで演奏することによって完成するんだと思う。
――『曖昧』は未だ曖昧だった、ということで・・・。
一同:そういうことです(笑)。
――それを念頭に置いてお話を伺っていきます(笑)。原曲は白さんですが、イントロのギターリフが印象的で一度聴いたら離れません。
野中:うん、これは完全にギターリフの曲ですよね。
白:さっきも少し話に出ましたけど、今作の制作時期に青春時代に聴いていた音楽が自分の中で再燃していて、その頃に聴いていたギターロックなどの影響を受けて作った曲です。元々そういう曲が好きだったけれど、自分で作ったことは無かったなと思ったんですよ。カップリングって、“3曲収録されるから、ちょっと冒険しても良いかな。”という気持ちになるもので。今回はメインである『レインドット』と歌モノの『よまいごと』が既にあったし、それならもう1曲はノリと勢い重視で作ってみようかと思って生まれた曲です。
――サビのメロやリズムにはChantyらしい印象を受けつつ、同時に新しさも感じる曲だと思いました。
白:確かに、ニュアンスとしてはChantyの初期曲っぽい感じがあるのかも。
芥:そうだね!この歌詞、凄く僕っぽいなと思えて好きなんです。ブックレットに載せた時に字面が綺麗な歌詞ってあるじゃないですか?まだ曲を聴いていないのに、最後の1フレーズを読んで“この曲、きっとカッコいいんじゃないかな!”と思えるような歌詞。これはそうできたと思っていて、最後が“曖昧だな。”で終わるところがとても好き。
――わかります。「伝えたい」とか「理解して欲しい」といった葛藤ゆえの自問自答感は・・・
芥:いつもどおりの僕ですよね(笑)。
――それが上手く形にできた。
芥:うん、自分の中でキラーワードみたいなものもあるし。自画自賛してしまいますけど、2A(※“食べ慣れてしまった~”からの部分)が特に好きですね。
shota:俺は未だに歌詞をわかっていないので・・・「 」が“愛して”なことしかわからない(笑)。
一同:(爆笑)
芥:逆に、そこだけは聴き取ったんだ!(笑)
shota:『曖昧』は“愛して”の曲だって思っています(笑)。
芥:“寂しいし愛して欲しいけれど1人で居たい”みたいな感覚ってあるじゃないですか?
――わかります、“寂しがり屋の1人好き”ですよね。
芥:そうそう。とても僕らしい歌詞だなと思う。でも、書いている途中で過ってしまったことがあって・・・この曲はたぶんライヴで動く曲になるから、きっと歌っている僕の目の前には手を伸ばしてくれているファンの人達が居るわけです。“その手を伸ばしてくれるまだ見ぬあなたには”とか“「愛して」”とか言ってしまっているけど、目の前に居てくれているし、その手を伸ばしてくれているのにと考えたら、書きながらちょっと罪悪感を覚えてしまって(苦笑)。もちろん、こういう物語なだけだからそれはそれで良いんですけど、目の前に居てくれる人達に嫌な想いはさせたくないなって。
野中:“食べ慣れてしまった優しさはインスタント”とか言っちゃってるしね(笑)。
芥:そう!(苦笑)
――“愛しているし、手を伸ばしてもいるし!”と思わせてしまったら嫌だなということですね。そこまで考えるのはお優しいなぁ。
芥:きっとセンシティブな気持ちの時に書いていた歌詞なので、これはもう“こういう日のこういう人の話なんだ”と思って共感してもらえたら。
◉それぞれの“なんとなく”の感覚の積み重ねでできているあの瞬間って、本当に奇跡。
――最後に、既にライヴで素晴らしい進化を遂げつつある『よまいごと』。「感動的でしょ!」と押し付けるような仰々しさは一切なく、それでいて物凄くドラマティックな曲ですよね。
一同:そうなんです!
野中:これってバラードに入るのかな?
shota:どうなんだろう・・・?
白:絶妙だよね。
芥:パワーバラード?
野中:正直、どこからどこまでがバラードという括りになるのかがわからないんですよ。野中は普通に“ロックな曲だな!”と思っても、「これはロックバラードだよ。」と言われたりすることもあるし。
白:確かに。
野中:自分の中では、“メロディーがどれだけ泣いてるか”が判断基準かなと思っているんですけど。
shota:テンポ感は関係なく?
野中:うん。BPM200とかを超えてきたらまた話が変わってくるけどね(笑)。だから、野中の中では『よまいごと』はバラードなんです。
芥:そう考えたら、Chantyの中でまた新しい感じの曲ができたよね。
白:そう思う。
shota:最初はもっと普通のバラードだったんですよね。
芥:そう。もっとテンポも遅くて、“ど”が付くほどのバラードだった。
白:うん、うちにはそういう曲も無いから作ろうと思って。
芥:それで白くんは物凄く良い曲を持ってきてくれたんですけど・・・Chantyの真骨頂の曲達、例えば『おねがいごと』や『淡々と』あたりと張った時に、あまりライヴで演奏しなくなってしまうのではないかと思えてきて。せっかくめちゃくちゃ良い曲なのに、セットリストを考える上で登場回数が減ってしまいそうなことが僕はとっても嫌だった。
一同:確かに。
芥:それで、「こういう感じにしてみたらどうかな?」と軽く提案したら、それをもう完璧に形にしてくれました。
白:提案を聞いて、ピンときましたね。
芥:今回の音作りも含めてハマったよね。これからライヴでもどんどん演奏していくであろう曲になりました。
――Aメロで光が射し込んできてサビでパーッと溢れて開く感じからも、ライヴの光景が浮かびます。改めて歌詞を見ながら聴いたら、ぽろぽろと泣けてしまいました。
野中:本当に、この歌詞は変に考えずにすっと入ってくる感じがします。
白:名曲ですよね。
芥:この感じで作曲してくれたからこそ書けたところもあるし、僕にしてはちょっと低めのキー感も良いんですよね。
――その低めな感じによって、歌がまた一層映えましたよね。
野中:わかります、入りの低い感じとかもめっちゃ良い。
芥:ライヴでは、サビでファンの人達がジャンプをしてくれるじゃないですか?いつもみたいに動く曲で高めに声を張って歌っている感じでは無く、呼吸をするかのように優しく歌っている中でもああいう動きがフロアに起こせていることが凄い幸せだなって感じています。
野中:これは変な意味ではなく、自分の中で“Chantyが解散する時、最後に演奏したいのはどの曲なのか選手権”を開催することがあるんですけど(笑)、現在『よまいごと』がぐんぐんランクアップしてきていますね。
白:確かに、『よまいごと』は上がってきちゃうね。
――メンバーの「演奏したい」とファンの方達の「聴きたい」が合致する曲だと感じます。
野中:そうなってくれたら良いですよね、そこが一緒だと幸せです。
芥:確かに。shotaくんの安定したビート感が曲の芯になっていますけど、実はライヴでは神技みたいなことをしていたりもして。頭のアルペジオのパートは、同期を走らせずにギターを弾いているんですね。だから、shotaくんはサビ前の歌詞の“会いたくなった”のところで同期を押す。白くんはテンポを崩したらいけない、shotaくんもタイミングを見誤ってはいけないという、神技をやってのけています。
shota:この曲ができた瞬間から、“きっとこのパターンだろうな”と頭にあったので。
芥:逆に、僕はずっと「大丈夫?」と言っていて。
野中:何なら、ちょっと揉めかけたくらい(笑)。
一同:(笑)
shota:アルペジオの部分でハイハットを刻むのはどうしても嫌だったんです。そこはもうボーカルとギターのコンビネーションで頑張ってテンポ感を保ってもらって、俺はタイミングで同期をポンと押すだけなので(笑)。
野中:野中も、それでいけると思ってた。
芥:Chantyにはこれまでもそういう曲がいくつもあったもんね。でも、アルペジオを続けながらリズムキープすること自体の難易度が高いし、この曲では難しいんじゃないかと思ってた。僕が白くんを見誤っていましたね(苦笑)。
――演奏も歌声も地に足がついている感じがしますよね。
白:それに関しては、前作の『Emaj7』での発見だったんですよ。
芥:“無理に上げない”っていうね。
――無理に上げないのに盛り上がるのは、バンドがまたひとつ進化した結果なのでしょう。
芥:確かにそうですね。
――そして、歌詞に何度も出てくる“なんとなく”訪れる感情って、とても尊くて大切なものだなと思いました。
芥:そうなんですよ!“なんとなく”がもう奇跡の塊なので。
白:共感性が強い歌詞ですよね。
芥:結構、自分目線なところがあるんですけど。眠れない夜に“ライヴでもインストアでもいいから(ファンの人達に)会いたいな”と思うことがわりとよくあるんですよね。この歌詞はどちらかというと「俺が幸せにしてやるぜ!」みたいな感じではないし、相変わらずちょっと自信が無いから、“次は僕が笑って そしたら君は笑ってくれるかな”みたいなことを考えてもしまうんだけど(苦笑)。これは去年の下半期が無かったら書けなかった歌詞かもしれないですね。今日何度も話に出てきたあのバンド達のことに然り、“思い出にしたくない思い出”もどんどん増えていってしまうから、どうしても“出会わなけりゃさよならも来ないんだろう”なんて考えてしまうこともある。
――出会えた喜びと失う哀しみって常に背中合わせですよね。
芥:うん、だからこそ奇跡だなって思うし。自分の中では本当にサビに尽きるというか・・・泣きたくなったら泣いて、笑いたくなったら笑って。だって、ライヴ中に「今この瞬間に笑いたくて来ました」とかそんな確固たる意志なんて無いと思うんですよ。それぞれの“なんとなく”の感覚の積み重ねでできているあの瞬間って、本当に奇跡。
――それで言うと、『レインドット』の“誰かの一生と誰かの一生が 混ざり合う瞬間を掴みたい”というフレーズもライヴの瞬間のことだろうなと感じますし・・・
芥:うん、確かにそうですね。
――そう考えていくと、今回の3曲は曲調やシチュエーションは異なれど、どこかでリンクしているように感じられて。
芥:そうなんですよ!確かに、僕はそれを意図的に書きました。『よまいごと』にも“曖昧”って言葉が出てくるんですけど・・・
――“偶然や必然なんて曖昧なもんじゃなくて”の部分ですよね、そこは意図的なのか気になっていました。『曖昧』では“曖昧だな。”で終わっていたものに対して、『よまいごと』でひとつの答えに辿り着いたのかなって。
芥:そうです!『曖昧』の歌詞みたいに誰かとの出会いや繋がりに対して懐疑的な気持ちになったりもするけれど、出会いってそんなものじゃない。偶然や必然すら生温い、そんなカテゴライズは要らないもの。この瞬間、今のインタビュー中も奇跡だし、もう一瞬一瞬が奇跡。
shota:本当にそう思う。
芥:だから、最初は今作も以前みたいに収録曲のタイトルとは別の作品タイトルをつけようかと考えたんですけど、考えているうちに全部が繋がっている感じがしてきて。『レインドット』の意味を問われたら凄く曖昧にはなってしまうけれど、一閃一閃がそれぞれの人生で、それが交差する瞬間が生まれたりもする。今もまた自然と“曖昧”という言葉を使ってしまったくらい、いろんなことが繋がっていったから、『レインドット』を主軸にした作品としてそのままのタイトルでいいやと思ったんです。そういう形にできてとても嬉しかったし、今回はこれで良かったなと思っています。
◉『突き刺す音楽』がバンドの原点であるならば、『愛哀想奏』が今のChantyを表す言葉になっていったらいいな。
――年始から既にたくさんのライヴを行っているChantyですが、4月にはONEMAN TOUR 2024『愛哀想奏』が4月4日・札幌CrazyMonkey公演を皮切りに、ツアーファイナルで芥さんのお誕生日でもある4月29日・赤羽ReNY alpha公演まで全国5ヶ所6公演で開催されます。
野中:Chantyはコロナ禍を除いて毎年必ず春にワンマンツアーをまわっているんですね。春=桜のように季節を連想するイメージは色々ありますけど、バンギャルさん達に“春=Chantyのワンマンツアー”というイメージ付けができたら嬉しいなという気持ちがあったりします。あと、今回のファイナルは芥さんの誕生日な上に会場が赤羽ReNY alphaなんですが、このライブハウスはChantyにとって凄く意味のある場所で。
芥:白くんがChantyに加入して初めてライヴをした場所であり、その時にshotaくんと対バンで出会った場所であり、成人くんがラストライヴをした場所であり・・・凄くグッとくる場所。正直、これまではツアーファイナルに自分の誕生日を据えることから逃げていたんです。ツアーの集大成の1日ってだけでプレッシャーなのに、そこに自分の誕生日なんて重なったらもうパニックです(笑)。
白:確かに、プレッシャーだよね。
shota:俺もファイナルが誕生日は辛いな。
野中:(その先もツアーを)続けてって気持ちになる。
芥:そうだよね。誕生日だからといってあまりファンシーな気持ちにもなりたくないし、色んな意味で避けてきたんですけど、今回は会場も含めてご縁があったので“これは腹を括ってやろう”という気持ちになりましたね。
――『愛哀想奏』というタイトルは?
芥:色々と考えていく中で、『愛哀想奏』という言葉が浮かんで。愛・哀しみ・想う・奏でる。何かChantyっぽくないですか?
白:うん、凄くらしいよね。
芥:単純に言葉の響きが好きというのもあるけれど、前回のツアーの『突き刺す音楽』がバンドの原点であるならば、『愛哀想奏』が今のChantyを表す言葉になっていったらいいなと思っています。今までみたいな長いタイトルも好きなんですけど、今回は簡潔に。
白:確かに、こんなに短いのは珍しいね。
――凄く綺麗にまとまっているし、字面も素敵です。
芥:そうなんですよね。この言葉に意図を持たせるツアーにしたいと思います。
白:毎回そうですけど、単純に楽しいツアーにしたいです。春は新年度じゃないですか?年度が替わると環境が変わって、良いことも悪いことも起きて、メンタル的にダメージを受け気味な人も多いと思うんですよ。そんな中でChantyのライヴで元気をもらって、また自分が生活する場所へと戻っていってもらえたらという気持ちがあるので。
芥:本当に春は疲れてしまうよね。僕も『春煩い』とか『今年も春が希望という名の嘘をつく』とか書いているし。春に疲れた私達(苦笑)。
野中:そんな春に生まれてますからね、彼は(笑)。
芥:そうなんだよ!(笑)
一同:(爆笑)
芥:ツアーではまだリリースしていない新曲もやっていけたらと思っているしね。
――今作の新曲達よりもさらに新曲も聴けるツアーに!
芥:そう、だから曖昧なんですよ(笑)。
――『曖昧』も聴けるツアーになるでしょうしね(笑)。
一同:そうです!(笑)
芥:おそらく、2023年にバンドが吸収したものが消化されるツアーになるんじゃないかな。
白:そうだね。
芥:昨年は本当に様々なものを形にしようとファンと一緒に創って来たので、盛り込んだツアーにします。良いツアーになると思うんだよなぁ。最近、ライヴの調子が良いんですよ。
shota:良いですよねぇ。
野中:対バンのメンバーさんからも「Chantyのお客さんの声、物凄く大きくない?気合いが入ってるね!」と言ってもらえたりして、凄く嬉しい。
白:嬉しいよね。実際、俺自身も声が凄いなって感じているし。
芥:最近、また一段と気合いを感じるよね。
野中:だからって、別に「声を出して欲しい。」とかそういうことを言いたいわけじゃないですよ。
芥:そう!うちはノリ方を強制したりはしないので、声を出さずにじっと聴いていてくれても構わないです。
shota:楽しみ方は自由ですからね。
芥:もしかしたら、声を出す派の人達のレベルが上がったのかもしれない。
shota:声量が上がったんだ!
芥:これまで以上に、一緒にぶつけ合えている感じがするんですよね。
――ファンの方達の声が大きくなるのは、バンドのテンション感が良いからこそなんじゃないかなと。
野中:お互いに応え合った結果、みたいな。
――ええ、相乗効果の段階がまたひとつ上がったのかなと思います。
芥:嬉しいですね。あと、Chantyのファンの人たちは本当に音楽を楽しんでくれる人が多い。もちろん、それぞれの都合などもあるとは思いますけど、イベントでも“なるべく最後まで楽しもう”って姿勢で居てくれる人が多い印象があって。
野中:関係者の人達からそういう言葉をもらうこともあるし、誇らしい気持ちはありますね。
芥:そんな感じで、ちょっと良い地盤が固まった状態でまわれるツアーが楽しみです。それまでにまだ2ヶ月くらい、イベント出演もたくさんあるので武者修行をして、今できる僕らをちゃんと形にしていきたいなと。
shota:あと、最近「昔、Chantyに通っていました!」みたいな人達がライヴやインストアにちらほら足を運んでくれるんですよ。俺からしてもそれが凄く嬉しいので、感謝の気持ちを持ちながら、各地で正々堂々と今のChantyを掲げていくツアーにしたいと思います。
芥:確かに、最近「久しぶり!」って人達がちょいちょい来てくれていますね。
野中:リバイバルChanty。
白:10年って、ちょうどリバイバルしそうな時期じゃない?さっきも話したけど、俺も10年くらい前に聴いていた音楽を聴き返して、改めて“カッコいいな”と思っているわけだし。
一同:確かに!
芥:10年続けていると、ファンの人達も生活に変化が起きたりするだろうし、以前のようにツアーをまわったり頻繁にライヴに足を運ぶことができなくなったりもするじゃないですか?「また必ず!」と言っても、環境的になかなかそれが叶わない子達も居るだろうし。だから、本当にそれぞれが自分のペースで会いに来てくれたら嬉しいです。そして、自分がライヴに通っていた一番好きだった時代のことは、変わらず大切にしてもらえたら。
――リバイバルで足を運んでまた好きになってもらえるって凄いことだと思うんです。久しぶりにChantyに触れた方達にも、今のChantyをカッコ良いと思ってもらえたということですから。
芥:そうですよね。Chantyのことをずっと見ていてくれる人達にはいつも心の底から感謝の気持ちでいっぱいですし、時間が空いてもまた足を運んでみてくれた人達にも本当に感謝ですね。
――出会いは奇跡、ですね。
芥:“なんとなく辿り着いた今日はきっと奇跡ってやつなんだ”ということです。いろんな人がなんとなく生きる中で偶然の出会いを繰り返していて、本当に毎日が奇跡の積み重ね。でも、それをあまり仰々しくは言いたくないから“なんとなく”なんです。これからも、“なんとなく”の奇跡を積み重ねて一緒に過ごしていきたいと思います。
取材・文:富岡 美都(Squeeze Spirits)
RELEASE
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■Chanty ONEMAN TOUR 2024 「愛哀想奏」 4月4日(木)札幌CrazyMonkey 4月5日(金)札幌CrazyMonkey 4月13日(土)仙台ROCKATERIA 4月19日(金)心斎橋VARON 4月20日(土)名古屋ell SIZE 4月29日(月・祝)赤羽ReNY alpha 芥BD
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