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【Kαin】ライヴレポート◆YUKIYAの誕生日当日に行われた2024年5月2日の公演「約束の日 -THE ONE DAY-」の模様をお伝えしよう。そして、7月にはNEXT GIG Kαin結成17周年記念公演<GIGS VISUALIVE 2024 東京、モノクローム…>2DAYSの開催が決定!

 毎年YUKIYA(vo)の誕生日にライブを行っているKαinが今年も5月2日・3日の2日間に亘って、新宿ReNYでバースデー・ライブを開催した。各公演を「約束の日 -THE ONE DAY-」「次の日 -THE NEXT DAY-」と銘打ち、2日間で趣の異なるライブを披露する意欲的な姿勢はさすがだし、今年はYUKIYAのバースデー・ライブが30周年を迎えたことも話題を呼んだ。大きな節目を祝うべく新宿ReNYには両日共に多くのリスナーが集まり、華やいだ空気に包まれたライブとなった。YUKIYAの誕生日当日に行われた5月2日の公演「約束の日 -THE ONE DAY-」の模様をお伝えしよう。

 開演時間を迎えて暗転した場内にオーケストラを用いた壮大なSEが流れ、ステージ前に降ろされた幕にヨーロッパの古城や教会などをモチーフにした映像が映しだされる。美麗かつシネマライクなオープニングに心を惹き寄せられているとステージ前の幕が開き、Kαinの面々が姿を現した。客席から大歓声と熱い拍手が湧き起る中、ライブは翳りを帯びたミディアム・チューンの「NEW WORLD ORDER」(新曲)から始まった。



 ステージに力強く立ち、強い存在感を発しながら、深みのある歌声を聴かせるYUKIYA。引き締まった表情で、タイトさとしなやかさを併せ持った上質なドラミングを展開するATSUSHI。ギターを膝の辺りに構えたスリムなシルエットと楽曲のエモさを増幅させるギター・ワークの取り合わせが印象的なkazuya。クールなオーラを発しながらファットにウネるベース・サウンドを紡いでいくkazu。秀でたスキルを備えたメンバーが揃った編成にふさわしく、彼らはライブが始まると同時に抒情的な世界を構築してみせ、オーディエンスに馴染みの薄い新曲を据えた幕開けにも拘わらず、場内の熱気は一気に高まった。



 その後は心地よく疾走する「DREAMS BURN DOWN」(D≒SIREセルフカバー)やソリッドなサウンドと弾力感のあるYUKIYAのボーカルのマッチングをフィーチュアした「NUMBER SIXXX.」、尖りを感じさせる歌中とエモーショナルに開けるサビのコントラストを活かした「BARREL」などを相次いでプレイ。スタイリッシュさと気持ちを引き上げる躍動感を融合させた独自の味わいは本当に魅力的だし、MCを入れずにSEで楽曲を繋いでいくという世界観重視の構成も光っていた。
 続くライブ中盤ではメロディアスかつ耽美感が香る「聖痕-stigma-」やクールなテクスチャーの「graver」、妖艶なシャッフル・チューンの「残月」などが届けられた。多面性を見せながら散漫になることなく、逆に世界観を深めていく辺りは見事。“魅せる”という言葉が似つかわしいKαinならではのアプローチが奏功して、場内を埋めたオーディエンスがどんどん惹き込まれていくことが如実に伝わってきた。

 ハイ・クオリティーな楽曲群に加えて、YUKIYAのライブ・アプローチも実にいい。彼は歌や楽曲の合間に、「今日がなんの日なのか分かってきているはずだろうに、俺より声を出してくれねぇじゃねぇか! 俺の名前を呼んでみろ!」だったり、「もっと俺を楽しませてくれよ!」「俺を祝えっちゅうの!」といったアジテーションを挟むが、強い言葉でいながら高圧的さは感じさせない。そのことからは、彼の“せっかくライブにきたんだから心を解き放って、好きなように楽しもうぜ!”というオーディエンスを思いやる思いが伝わってきた。そんなYUKIYAは本当に素敵な存在だし、彼の言葉に応えてオーディエンスは熱さと一体感を伴った良質なリアクションを見せ、ライブは終始いい空気感で進んでいった。



 「VANITY」(JILS)を聴かせた後、YUKIYAが「あらためまして、Kαinです」と挨拶。「俺にとって今1番大事なバンドで、最高のメンバーと最高に楽しく音楽をやっているKαinだけど、今日は俺の誕生日ライブの30周年でもあるわけじゃん? だから、久しぶりに会いにきてくれたヤツらが懐かしいなと思う曲も何曲か用意しているわけよ。
 もうこの歳になってさ、音楽をやって、ロックバンドをやって、なにがあると思う? “もっともっと金がほしい。売れたくて、たまんねぇんだよ。テレビに出て、有名になりてぇ!”っていうふうに生きてるように見えるか? きれいごとじゃ、ねぇぜ。本当にもう今俺を動かしている気持ちは、みんなが好きだっていう曲を1曲でも多く残したくて、みんなが好きだって言ってくれている歌をちょっとでも歌えたらいいなって、それだけだからさ」(YUKIYA)
 YUKIYAならではの熱い言葉に、客席からは温かみに溢れた拍手とYUKIYAの名を呼ぶ声が湧き起こる。D≒SIRE、JILS、そしてKαinといった活動を通してYUKIYAが30年を超える長きに亘ってファンと篤い信頼関係を築いていることが伝わってきて、思わず胸が熱くなった。



 その後は、効果的なビート・チェンジが様々な風の息吹を思わせる「LEAVE ME…」(D≒SIREセルフカバー)を聴かせた後、温かみを湛えた「あふれそうな涙」やドラマチックな「Latency Sorrow」、華やかさとせつなさがないまぜになった「Re:MEMBER」などを披露。胸を打つ瞬間の連続にオーディエンスのボルテージはさらに高まり、熱いリアクションを見せ、客席からは何度となく大合唱が湧き起こる。この辺りのテイストはKαinならではの魅力に溢れていて、何度体感しても飽きることがない。Kαinのライブが強い“病みつき感”を備えていることを、あらためて実感せずにいられなかった。

「長く歌ってきたけれども、俺みたいなめんどクサいオジサンが歌っている歌を20年、30年と好きだと言ってくれる人がいて、いまだにこうやって会いにきてくれる人がいて。この歳になるとね、みんながいいと思う曲を作れねぇかなとか、本当に自分が心からいいと思える曲を、みんなも愛してくれないかなとか、もうそれだけだから。この歳になって、これだけ長くバンドをやっていると、もうそれしかないよ。
 本当にさ、ただただ俺が喜んでいるのは“俺達の曲を好きでいてくれて、ありがとう”ということだけだよ。だから、つまらないことが沢山ある世の中だけど、一時でいいから、今日この会場にいる間だけでもいいから、俺達が奏でる音楽が君達にとってほんの少しの光であればいいなと心から思っています。あらためて言います、今日はどうもありがとう」というYUKIYAの言葉に続けて、ライブ後半ではエモーショナルな「光」や温かみと力強さを同時に感じさせる「TRUTH」(JILS)、爽快感を湛えたアップテンポの「証-akashi-」などが演奏された。

 激しくいきあげるパターンとは異なり、“響く楽曲”をしっかり聴かせることでオーディエンスの心を揺さぶり、最終的にカタルシスを与えるのもさすがの一言。場内は華やかな盛り上がりを見せ、「theEND」を聴かせてKαinがステージを去った後にはエンディングSEに合わせた合唱が始まり、オーディエンスの歌声はいつまでも止むことがなかった。
 今年の「約束の日」も素晴らしいライブで楽しませてくれたKαin。スタイリッシュな前半とドラマチックな後半という構成は観応えがあったし、新旧織り交ぜたセットリストでいながら昔の楽曲が古びて聴こえないことからはYUKIYAが生み出す楽曲が時代を超える普遍性を備えていることを感じさせる。そんなKαinだけに、今後の彼らも強い輝きを発する存在であり続けることは間違いなさそうだ。

取材:村上 孝之
写真:逸見 隆明

SET LIST

「藤田幸也生誕祭!」

2024年
5月1日(水)池袋手刀「黒服の日」

5月2日(木)新宿ReNY「約束の日」

5月3日(金)新宿ReNY「次の日」


2024年5月2日(木)
「約束の日 -THE ONE DAY-」
東京・新宿ReNY
Kαin

<セットリスト>

SE1 新曲(映像アリ)
SE2 新世界
01 NEW WORLD ORDER
02 DREAMS BURN DOWN(※D≒SIREセルフカバー) 
03 NUMBER SIXXX.
04 BARREL
05 因果律
SE Haunt
06 聖痕-stigma-
07 graver
08 残月
09 VANITY(※JILSセルフカバー) 
10 LEAVE ME…(※D≒SIREセルフカバー) 
11 あふれそうな涙
12 Latency Sorrow
13 Re:MEMBER
14 光
15 TRUTH(※JILSセルフカバー) 
16 証-akashi-
17 theEND
SE Akashi SE2023

LIVE


<NEXT GIG>
2024年7月18日(木)
Kαin結成17周年記念公演
「GIGS VISUALIVE 2024 東京、モノクローム…」
【day:1】
東京・渋谷REX
開場18:30/開演19:00
出演:Kαin(YUKIYA&ATSUSHI)
※Support Guitar:一也 -kazuya-(HOLLOWGRAM)
※Support Bass:kazu(the god and death stars/gibkiy gibkiy gibkiy/etc…)

2024年7月19日(金)
Kαin結成17周年記念公演
「GIGS VISUALIVE 2024 東京、モノクローム…」
【day:2】
東京・渋谷REX
開場18:30/開演19:00
出演:Kαin(YUKIYA&ATSUSHI)
※Support Guitar:一也 -kazuya-(HOLLOWGRAM)
※Support Bass:kazu(the god and death stars/gibkiy gibkiy gibkiy/etc…)

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