★インタビュー★【0.1gの誤算・水田魔梨(Gt)】ギタリスト水田魔梨が語る「自然体でいることで辿り着いた“理想の場所”」
活動8年目を駆け抜けるバンド、0.1gの誤算。周りを驚かせる奇想天外な企画をいくつも繰り出し、昇竜の勢いでバンドの規模を広げてきた。夏の全国ツアーを完遂し、2024年下半期のライヴも続々と発表。今年を締め括る12月31日には、品川ステラボールにて、水田魔梨バースデーとカウントダウンの2部構成ライヴを開催することも決定している。
本インタビューでは、下手ギタリストとして活躍する水田魔梨が登場。パーソナルな一面を引き出しながら、現在の水田魔梨をつくり上げた出来事、心の成長に触れていく。
◆ ◆ ◆ ◆
──── ギターを始めたきっかけ、音楽のルーツについて、まずは教えていただけますか。
水田魔梨:ギターを始めたのはSEX MACHINEGUNSがきっかけです。母がハードロックやメタルバンドが好きで、車の中でよく聴いてたんです。それで、小さい頃からそういう音楽には馴染みがあって。小3の時、母と一緒にSEX MACHINEGUNSのライヴに行って、子どもながらに衝撃を受けたことを今でも覚えています。めちゃくちゃ格好良いなと。年に一度ぐらいですけど、いまだにライヴも観に行ってます。自分のギターのパフォーマンスを考える時も、そのライヴの映像が常に頭の片隅にありますね。
──── お母様の影響で幼少期からバンドの音楽に触れていたんですね。実際にバンドを組みたいと思ったのはいつぐらいだったんですか。
水田魔梨;高校生の時です。部活で軽音楽部に入っていて、そこでバンドを組んだのが最初でした。でも、みんな段々と部活外でバンドを組み始めるようになるんですよね。だから、自分も同じく、ネットのメンバー募集掲示板に書き込みをしたんです。そしたら「ヴィジュアル系のコピーバンドをやりませんか?」っていう誘いがきて。当時、ヴィジュアル系バンドにはあまり詳しくなかったんですけど、とにかくやってみようと思って始めました。
──── バンドを本格的に始めるとなると「家族の反対を押し切って」という話もよく耳にしますが、水田さんの場合はどうでしたか。
水田魔梨:うちは特にないですね。母は最初から応援してくれていましたし、父からも反対はされなかったですね。とはいえ、今思うと、父は内心「うーん」って思ってたかもしれないですけど(笑)。高校卒業後は大学に行ったので、もし音楽をやってなかったら、普通に就職して毎日スーツにネクタイの格好で仕事してたんじゃないかなって思います。
──── 0.1gの誤算は、他のメンバーのご家族も含め、ライヴ会場でよくお見かけしますし、すごく応援してくださってますよね。
水田魔梨:そうですね。大きい会場の時はいつも観に来てくれます。普段からSNSとかも見てくれてるようで、しょっちゅうバンドの話題になりますし、ライヴの内容についてもよく感想を言われますね(笑)。0.1gの誤算を組む前からバンドをやってたから、もう10年以上になりますけど、もちろん最初から上手くいったわけじゃなくて。「音楽で食ってます」って、胸を張って言えるようになるまでは時間が掛かりました。そのぶん最近はさらに応援してもらえるようになったと感じてます。
──── 下積み時代は、どんなことを考えながら音楽と向き合っていましたか。
水田魔梨:正直なところ、何も考えてなかったと思います。だから駄目だったんだなって。ただライヴをしていれば何かが起きる、誰かが見つけてくれる、ファンも勝手についてきてくれるって思ってました。当時も、もちろん努力はしていたし、ライヴも一生懸命やってたけど、今思い返すと、多分何も考えてなかったんです。
──── ご自身の成長は、今どんなところで感じられていますか。
水田魔梨:最近になってというわけではありませんが、年々ライヴで緊張しなくなってきました。周りをちゃんと見て、色んなことを考えることで、少し余裕を持ってライヴができるようになったんじゃないかな。それから、色んな人とも話せるようになりましたし、ファンを大切にするっていう意識も大きく成長できたところだと思います。
──── バンド内で、水田さんはどんな役回りですか。また、周りの方からよく言われることはありますか。
水田魔梨:みんなの意見をまとめる係ですかね。0.1gの誤算を始める前は、そういうタイプじゃなかったんですけど、話の収拾がつかなくなる発言をするメンバーが多いので(笑)。メンバーの中では僕が一番よく喋るので、トークイベントも僕が仕切ることが多いです。周りやファンの方からは、「自分の意見をはっきり言うところが良いね」って、よく言われます。あとは、ライヴのパフォーマンスやメイクの振り幅が広いことも褒められることが多いですね。「ライヴの本数が多くても、一本も見逃したくない」って言われることも。ファンの方からいただいた手紙を読んでいると、ギターのプレイに関することもヴィジュアル面でもみんな全く違う部分に着目していて、自分でも気付かなかったような細かいところまでしっかり見てくれてるんですよね。僕、ギターが特別上手いわけじゃないし、顔が格好良いわけでもないから、正直なところ突出した部分がないんですよ。でも、だからこそ色んな表情が出せると思うし、毎回のライヴでなにかしら印象に残すことができているのかなって思います。
──── メイクや衣装といったヴィジュアル面でも、水田さんはこれまで色んなことにチャレンジされている印象を持ってます。
水田魔梨:もともと0.1gの誤算の中で、奇抜なメイクをする担当だったんですよ。顔に色んなアイテムをつけたり、色んな髪型にしたり。最近はボーカルの裕宇さん(緑川裕宇)もライヴで女形の格好をすることが多いですが、僕も前はよくしてました。あとは、顔に包帯を巻いてた時もありましたね。その時のメイクは、かなり芸術点が高かったなと思います(笑)。個人的には綺麗な感じの衣装が好きなので、「嘘とシアン」のMVで着た白いドレスっぽい衣装は特に気に入ってますね。
──── 今日の衣装も素敵ですが、ビジュアル面で特にこだわっているポイントはありますか。
水田魔梨;前よりもメイクが激しくない代わりに、変わったカラコンを付けるとか、そういう部分にはこだわってます。僕自身、アニメを観るのが好きなんですけど、ヴィジュアル系のメイクって二次元のキャラクターに寄せやすいじゃないですか。僕はもともと、俗に言う陽キャなタイプの人間じゃないので、メイクをして衣装を着ることで、ステージに上がるときの自信にも繋がってると思います。この衣装もそうなんですけど、脚が細いので、衣装さんとの打ち合わせでも、腰の位置を高くして、脚が綺麗に見える衣装が良いねっていう話になって。2つ目の衣装あたりから脚をしっかり出すようになりました。あと、今日履いてるストッキングも柄がついていたり、ネイルとか細かいところにも気を遣ったりするようになりました。バンドを始めたばかりの頃は、マニキュアを塗ってライヴをすると失敗するっていう悪いジンクスが自分の中であったんですけど、ここ数年はそういうこともなくなったので(笑)。セルフネイルですけど、柄をつけたりシールを貼ったりして楽しんでます。
──── 0.1gの誤算は活動8年目に突入していますが、以前バンドインタビューで、メンバーの皆さんから「まだ8年」という言葉が出ていましたね。
水田魔梨:コロナの自粛期間、どのバンドもそうだったと思うんですけど、僕らもちょっと落ち込んだ時期がありました。でも、その時にバンドの在り方に向き合った結果、悪い流れ、勢いが劇的に変わった瞬間があって。だから、メンバーみんなそこから本当の0.1gの誤算が始まった認識なんですよね。それまでの歴史、思い出はたくさんあるんですけど、8年なんて、まだまだ全然だなって感じます。
──── 苦しい時期を乗り越えた時が、0.1gの誤算にとってのターニングポイントだったんですね。このとき、水田さんご自身も心境の変化はありましたか。
水田魔梨:僕は恐らくメンバーの中で一番大きな変化があったんじゃないかと思います。下手のギタリストって目立ちづらいポジションということもあって、注目されることが少なかったんです。上手側に入り口があるライヴハウスが多いので、満員のフロアで後から入ってきたお客さんには、物理的に見てもらうことが厳しくて。ファンを惹きつけるための努力が足りなかったっていう反省もあるんですけど、それ以上に悲観的になっていた時期がありました。でも、バンドの勢いが良くなるにつれ、自分の意識もどんどん変わって、色んなことに挑戦するようになったんです。すると、自分のやるべきことさえしっかり頑張れば、「万人受けなんかしなくて良いや」って思えてきて。だって自分、もともと万人受けするようなタイプじゃないじゃんって。バンドを何十年もやってきて思いますけど、万人受けする人なんて本当に一握りの人間しかいない。だったら、一人でも良いから深く刺さる人が居てくれれば良いんだっていう意識に変わりました。そうすると、不思議なことに周りから評価されることが増えていったんです。前はSNSの発言も一言一句すごく悩んでましたね。もちろん、自分の言葉には責任を持たなきゃいけないですけど、無理して格好つけなくても、普段思っていることを自然に表現したほうが良んだと思えるようになったことは、大きな変化だと思います。
──── 自然体でいることで、水田さん自身も気持ちが楽になったと思いますし、周りを気にせず色んなことに挑戦している姿が、見ている側の目にも魅力的に映ったんでしょうね。今後の目標についても教えていただけますか。
水田魔梨:自分が好きなギタリストのように、誰かに憧れてもらえる存在になることです。水田魔梨じゃなきゃできないライヴを今後も確立していきたいです。テクニック云々じゃなくて、ライヴ中もギター片手に躍ってるぐらいの感じが好きなので、自分の個性をもっと高めていければ良いなと思ってます。0.1gの誤算としては、活動を止めないっていうのは大前提。それに加えて、昔だったら、無理してでも武道館でやっちゃおうぜって言ってたかもしれないけど、今は次のステップを見失わず、着実に進んでいきたいと思います。だからと言って、大人しくなるわけじゃありません。安定っていう言葉は僕らには似合わないので、今後も他のバンドがしないような面白い企画をたくさん実現していきます。
──── 既に発表されているライヴを含め、これからの活動も楽しみです。年末には水田さんのバースデーワンマンもありますね。
水田魔梨:12月31日に品川ステラボールにてワンマンライヴを行います。この日は2部制で、1部が僕のバースデーライヴ、2部がカウントダウンライヴということで、僕の誕生日を祝っていただくとともに、今年の締め括りを0.1gの誤算と一緒に過ごしていただければなと。今年は特に大きな会場で行うので、絶対に遊びに来てください。
──── 今日はパーソナルインタビューということで、せっかくの機会ですので、メンバーの皆さんへメッセージをお願いできますでしょうか。
水田魔梨:メンバーに…ですか!?照れくさいので、メンバーには絶対に読まれないことを願って(笑)。まさしは、途中でサポートドラムとして加入してくれて、ライヴでもたくさん支えてくれてます。まさしのお陰でバンドの空気が良い方向に変わったこともあり、感謝してます。まぁ、普段はちょっとふざけ過ぎてるなと思う時もありますけど(笑)。ベースの大輔(眞崎大輔)はすごく真面目な漢で、自分と一番性格が近いのかなって思います。だから、一緒に話すことも多いですね。そして、なによりも同じ下手仲間。一番近くでずっとライヴをしてきたので、大輔が隣じゃないとライヴがやりづらくてしょうがない(笑)。ギターの河村(河村友雪)は、僕が本当はなりたかったタイプ。僕らよりも年下なんですけど、ギターを弾いてるところも見た目も、これからも僕の理想の姿でいて欲しいなって思います。裕宇さん(緑川裕宇)は、0.1gの誤算を結成するとき一番に僕に声を掛けてくれて、他のメンバーを探している時期もずっと一緒にいたんです。色んなことがあったけど、今こうして水田魔梨っていう存在があるのは彼のお陰です。面と向かって言えないですけど、本当に感謝してるし、幸せです。活動をしている中でも、0.1gの誤算っていうバンドの全てが緑川裕宇に詰まってるなと、常々感じています。
──── 最後に、水田さんにとって0.1gの誤算とは?
水田魔梨:理想の場所ですかね。人生かけてるっていうのは当たり前なので。やりたいことに次々と挑戦し実現していける、理想の場所です。
文◎藤代冬馬
写真◎上野宏幸(株式会社LINKSOLU-リンクソルウ-)
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12/31 品川ステラボール
1部 水田魔梨バースデーワンマン 生きてりゃ次がある
2部 0.1gの誤算カウントダウンワンマン【ゆく年くる年無法地帯2024→2025】
関連リンク
【0.1gの誤算 OFFICIAL】
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◆水田魔梨 Official X