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【LM.C】ライヴレポート<LM.C Club Circuit ’24 -Autumn->2024年11月17日(日)横浜 1000 CLUB◆6年振りに開催した、ギタリスト・Aijiバースデーライブ!

前代未聞で、奇想天外な、空前絶後のイチャラブぶりが大爆裂。今秋で結成18周年を迎えた彼らが現在続行中の[LM.C Club Circuit ’24 -Autumn-]においては、ちょうど折り返し点となった11月17日の横浜1000 CLUB公演がギタリスト・Aijiの誕生日と重なっていたことにより、なんと約2時間半にわたったライヴ全編がヴォーカリスト・maya&ファンからの愛に満ちたAijiへの祝福で埋め尽くされることになったのである。

「今日が何の日か、みんなわかってるよな!」(maya)

ここまでの名古屋、大阪、柏では各公演が絶妙に異なるセットリストで展開されてきており、幕開け曲も日によって違っているという流れも踏まえつつ、今宵のバースデーライヴをしょっぱなから盛り上げることになったのは、またとない派手さをたたえたLM.Cきってのパーリーチューン「Chameleon Dance」。しかも、曲中には“誕生日!オメデトウ!!”や“Happy Birthday!”といったmayaによる合いの手が入り、観衆たちもそれにならって盛大なコールをAijiに投げ掛けるという光景が繰り広げられたのだ。

なお、mayaの誕生日については先だって7月30日に[mayaの王様ナイト’24]と題されたライヴがZepp Shinjukuにて賑々しく行われたほか、これまでにも幾度となくそのような場が催されてきている。しかし、ややツンデレ気味なキャラを持つAijiに関しては以前から彼自身が「祝われるのがちょっと苦手」と公言してきたこともあり、過去には特にバースデーライヴと銘打つこともなくSHIBUYA-AXでの[~Go to the 5th Anniversary~ LM.C LIVE 2010]が11月17日に行われたことがあったのと、6年前に初めての誕生日ライヴとして渋谷ストリームホールでの[LM.C LIVE 2018 Aiji B-Day]が実現したのみ。既に18年も活動してきているというのに、誕生日ライヴが2回目ないし3回目というのはなかなかの珍しさのような気がする。

それだけに、mayaはこのレアな機会を目一杯に特別なものとして演出したかったようで、今宵のセットリストにはAijiのギターソロがまばゆい輝きを放つ「星の在処。-ホシノアリカ-」や、Aijiによるラップがフィーチャリングされている「CHEMICAL KING-TWOON」など、完全に“Aiji推し”な構成が組まれていたと言っていいだろう。それと同時に、本編前半では今ツアーから初お披露目となった新曲「Egoist」が投下される一幕もあり、ハードエッジなAijiのギターワークとmayaのエモいヴォーカリゼイションが融合したその最高なライヴチューンぶりは、まだ音源化されていない曲にも関わらずおおいにオーディエンスを沸かせていた。

また、本編中盤ではアルバム『WONDERFUL WONDERHOLIC』(2010年発表)に収録されている名バラード「meteorion」を聴くことも出来たのだが、これは2009年秋にmayaとAijiが流星群を観に千葉・海ほたるまでドライブをしに行った際の出来事が元になって生まれた、というリアルガチなイチャラブ逸話も込みでファンに長く愛されているもの。その歌詞のとおりに〈どこまでも続けと願うよりも 笑い合える未来を選ぶ〉ことを続けてきた彼らふたりの姿が、この夜のライヴを通してあらためて尊く感じられる場面だったとも言えるのではないだろうか。

「じゃあ、そろそろ特製のアレをお願いします!」(maya)

との呼び声でスタッフ陣がステージ上へと搬入してきたのは、Aijiの近影+さまざまな時代の顔写真たちをあしらった豪華なバースデーケーキ。なんでも、これはmayaが事前に
ファンクラブ会員に向けて「Aijiさんの顔写真を50個並べたケーキを作りたいから、いろんな写真を送って」と秘密裏に発信して集めた画像をもとにデザインされたものだったそうで、このケーキ贈呈の場面ではファン一同の歌うあたたかな「Happy Birthday To You」の調べまでもがAijiに届けられることに。あまりステージ上で祝われることに慣れていないAijiも、その流れにはさすがに深い感慨を覚えた模様。

「なんかさ、50歳までロックミュージシャン続けられるってほぼほぼ奇跡みたいもんじゃん。もう、いまだにツアーとか組めること自体がありがたいわけですよ。しかも、その中でこうやって誕生日のライヴまであって、みんなに祝ってもらえてるなんてさ。本当にありがとうございます」(Aiji)

だがしかし。mayaの仕組む愛情テンコモリでサプライズな強火のオモテナシ攻撃にはさらなる続きがあった。

「そういえば先輩、昨日の夕方かな。会社にメールが来てなかったですか?」(maya)

「あぁ、なんか来てたね。曲が3曲くらい添付されてて聴いたけど」(Aiji)

「あれ、俺です。Aijiさんのために作った曲なんですよ。あれが今年の俺からの誕生日プレゼントです」(maya)

「えぇっ????」(Aiji)


「18時18分に“アーミィちゃん(Aamyというmayaのアナグラム名)”っていう名前で送ってあったでしょ?」(maya)

「どういうこと?!いや、前にクリエイター募集したことあったじゃん。だから、海外のファンの子が自分で作った曲を送ってきたのかと思ってた。で、メールには「今までわたしはLM.Cの音楽にたくさん救われてきました」「次の募集にはわたしも応募しようと思ってます」みたいなことが書いてあってさ。「けっこう良い曲書くなぁ」と思ったんだけど(笑)。なんか、文もカタコトの海外の女の子っぽかったよね?」(Aiji)

「あれは自分で打った文を「違う人が書いた風にしたい」ってAIに相談して、作ってもらったんです。LM.Cの音楽に救われてきた、っていうのは事実だし(笑)。で、あのメールで送ったのはAIヴォーカルのaamyちゃんが歌ってるバージョンだったじゃないですか。今日はmayaバージョンを持ってきてここでAijiさんに聴かせようと思ってたんだけど、実はデータを忘れてきちゃいました」(maya)

当然、ここで場内からあがったのは「えー!聴きたい!!」の声。そこで急遽mayaは自前のスマホに入っているデータを客席側にあるPA卓に有線出力して会場に流すという案を提示し、あろうことか本番中にステージからPA卓へと移動して、その場でmayaがスマホを操作するという前代未聞にして奇想天外な事態が発生。

「本番中にLM.Cのステージを観るの、初めてです(笑)。キャー!Aiji!!」(maya)

そう無邪気にハシャぎながらも「Be with Me」、「Back to You」、「WillPower」と題された新曲デモがmayaによって場内に流され、空前絶後の臨時試聴会が開催されてライヴはかれこれ25分ほど一時中断することに。とはいえ、とにかくどの曲にもさまざまなかたちでAijiへの愛が詰まりに詰まっていて圧倒されたのは間違いない。(※ちなみに、このあとのMCではmayaが「もう、Aijiさんのためにしか曲を作れない」という発言をした場面もあった)

あげく、本編終盤での「LIAR LIAR」では歌詞の〈だから流れるあの星をつかまえて君にあげるよ〉の“君”の部分でmayaがAijiを指し、かと思えば〈目の前の僕を信じて〉というくだりではmayaがAijiにぴったりと密着して寄り添いながら〈目の前のうちらを信じて〉と歌ってみせ、ふたりのイチャラブぶりはますます加速。人から祝われることが大好きなmayaが、祝う時にも全心全力だというのはなんとも頷ける話ではある。

「いやー、自分の誕生日かのようにとても幸せなライヴでしたね。まだ[LM.C Club Circuit ’24 -Autumn-]は続いていくので、このあともみんなで楽しくやっちゃいましょう!よろしくお願いします!!」(maya)

「6年ぶりの誕生日ライヴということで、ありがとうございました。みなさんきっとバンギャ道もけっこう長いでしょうし、LM.Cも18年やって来てちらちらと20周年が見えて来た感じではあるんですが、いわゆる“推しは推せるうちに推せ”みたいな言葉があるじゃないですか。そういった意味では、我々もみなさんの気持ちをありがたく受け止めながら“推してもらえるうちに推してもらいまくれ”みたいな気分で(笑)、ここからもLM.Cはライフワークとして生涯現役で続けていこうと思ってます。なので、みなさんぜひ推し続けてください!」(Aiji)

かくして、最後の最後にはmayaがダメオシ的に以下のような発言まで。


「いつもは別々だけど、今日はAijiさんと一緒に帰りまーす♪」(maya)

その言葉を受けてAijiもmayaの肩にしっかりと手を回すことになったせいか、いつになく濃厚イチャラブな後ろ姿となったふたりに向け、ここで尊い関係性を賛辞するかのような大歓声が掛けられたのは言うまでもない。これぞ、仲よきことは美しき哉。

平和で愛のあふれる場所では、自然とあらたな創造性が育まれるのがひとつの定石だとすると。この先の[LM.C Club Circuit ’24 -Autumn-]でも、mayaとAijiはなにかしら前代未聞で、奇想天外な、空前絶後のライヴをまたきっと見せつけてくれるはずだ。

Text: Yuki Sugie
文: 杉江由紀

Photo: AOKI SAYAKA(PROGRESS-M)
写真: 青木早霞(PROGRESS-M)

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