【DEZERT】12月27日、日本武道館ワンマンを目前に結成以前からのヒストリーを辿るフルメンバーインタビュー
![](https://www.visunavi.com/wp-content/uploads/2024/12/Z.jpg)
“DEZERT SPECIAL ONEMAN LIVE at NIPPON BUDOKAN「君の心臓を触る」”。
DEZERTの歴史上最大キャパシティであると共に、絶えず目指してきた憧れの地でもある。だが、時が近づくにつれてその“約束の場所”を“通過点”と呼ぶようになった。
集大成ライヴにするつもりはない。強い決意で臨む12月27日の大一番。
そんな未来に向かう前に、あえてこれまで歩んできたヒストリーをDEZERT結成以前から振り返ってもらった。
過去の足跡に触れることで浮き彫りになったのは、千秋、Miyako、Sacchan、SORAのどこまでも普遍的な人間味だった。
「最後にバンドやろう」って雰囲気になったんだよね。
────12月27日の日本武道館ワンマンがいよいよ迫ってきましたが、今回VISUNAVIのインタビューではこの機会にここに至るまでのヒストリーを再確認したいんですよ。もともとは千秋さんとSacchanが2人でバンドを組んでたんですよね?
千秋:うん。でもDEZERTを組む前から関わってるんだよね。俺が前にやってたバンドの同期とかSEを作ってもらってたんです。2010年くらいだったよね?
Sacchan:そうだね。千秋くんがやってたバンドは音楽性的にはいろいろなタイプの曲があったと思うんだけど、当時のアンダーグラウンドなフィールドから頭一つ抜けていきそうな雰囲気を醸し出してた印象がありました。僕らはなんだろう……沼地の底みたいな所で活動してたから、そのなかからどうやって頭一つ抜けていくんだろうっていうのが永遠のテーマだったんですけど、それを具現化しそうだなって雰囲気を持ったバンドだったのはすごく覚えてますね。
千秋:そうやった?(笑)同じ世代や年下がいたり、すごく若いメンバーを5人集めてみた感じのバンドでしたね。
Sacchan:そうそう。当時はセッションバンドみたいな文化が流行りだしたぐらいの頃で。僕は前やってたバンドが解散して、これ今じゃ考えられないですけど……その先の出演する日程が決まっていたのに「あーあ、バンド解散しちゃったぜー」みたいになってたんです。
千秋:あははは(笑)。
Sacchan:でも一度出演するって言っちゃってる手前、穴は埋めなきゃいけない。解散した僕の前のバンドメンバーは4人いたんですけど、それを2つに分けてセッションやろうぜって話になったんです。それで、当時僕が一緒にやってたもう1人のメンバーがSNSで千秋くんを発見して、彼に声かけようってなりました。それが一番最初の出会いだったと思います。初めて出たのは池袋CYBERかな?
千秋:そうだね。セッションなんで当然カヴァーしかやってないんですよ。1曲目はね、DaizyStripper。
Sacchan:そうだったね! 懐かしいね(笑)。
千秋:「ダンデライオン」で俺のアカペラから始まったの覚えてるもん。vistlipの曲もやった。当時から人と違うことをしたくて、有名なバンドの曲を、さも自分たちの曲のようにやってたな。
────そこからセッションを経て2人が正式なバンド結成に至ると。
千秋:いや、違くて。俺はそのセッションバンドを脱退するんですよ。その時にSacchanから正式なバンドに誘われることもなかったし。あのね、当時Sacchanゾーンっていうのがあったんですよ。
────Sacchanゾーン?
千秋:なんか渋いことやってる界隈。Sacchanがその中心にいて、それこそ女性ヴォーカルとか、当時はピアノの同期って流せなかったんですけどなんか知らんけどピアノが流れていたりとか、とにかく玄人っぽい界隈だったんです。一方俺らは若さとかメンバーの個人動員で闘っているような感じ。お互い全然やってることが違ったんですよ。俺らのバンドは、勢いはあったけどその反面イケイケドンドンでみんなやりたいことがあり過ぎた。その時期に人生で初めて曲を作り始めて、Cubaseっていう音楽DAWソフトがあるんですけど「使い方がわからんから教えてくれや」ってSacchanに連絡したんだよね。
Sacchan:そうだね。
千秋:同期使いたいんやけどって相談したら、Sacchanが「じゃあ俺やるよ」みたいな感じでまた付き合いが始まって。でも俺、結局そのバンドを辞めて「もう大学戻るわ」ってなったんです。それからセッションとかにも誘われたんですけど、なんか断ってた。でも、ちょいちょいライヴ自体は観に行ってて、それで目黒のガストかなんかで2人で「最後にバンドやろう」って雰囲気になったんだよね。それまでやってきたバンドには音楽的なものを感じてなかったし、1回ちゃんと真面目に音楽をやりたいなと思ってたんですよ。俺も曲作りを始めて音楽の奥深さを感じだしてて、最初は動員ゼロでいいやぐらいのテンションで心残りないように真面目に音楽をやるバンドをしようって始めましたね。
Sacchan:僕自身はバンドっていうもの自体に執着があったかって言われると微妙なところだったんですよ。音楽で生活していくことに対しては執着があったんだけど、僕のなかではもうほぼほぼバンドを諦めてたんです。どちらかというとバンドの肉付けの部分みたいなのを頑張ってやっていこうかなと思ってたところで。ただ、一緒にセッションやったり、バンドを手伝ったりしてる時に、千秋くんってすごくいいヴォーカルだなと感じてたんです。だから千秋くんが前のバンドを抜けたんだったら、もう一回誘ってみようって。それで乗ってくれるならやってみようかなって思って話をした記憶はあります。
![](https://www.visunavi.com/wp-content/uploads/2024/12/3-1024x886.jpg)
────その2010年頃ってSORAさんとMiyakoさんは?
Miyako:2010年……何やってたんだろ。
千秋:みーちゃん(Miyako)はDragonWAPPPPPPERだよ。
Miyako:そうか。DragonWAPPPPPPERっていうふざけたバンドをやってました(笑)。
千秋:いやいや、めちゃめちゃちゃんとしたバンドやったで。
SORA:俺はSacrificeってバンドでしたね。
千秋:そうだ。
SORA:XodiacKに加入するかしないかの時期だと思います。
────SORAさんにとってはSacrificeが人生で初めてのバンドですか?
SORA:全然。14歳か15歳で最初のバンドを組んでるから、ヴィジュアル系2つ目か3つ目ぐらいじゃないかな。
────この時期って出会ってはなくても、お互いのバンドの存在は認識してたんですか?
千秋:みーちゃんの存在は有名でしたよ。勢いあってブイブイ言わせてた。DragonWAPPPPPPERなんて俺たちが対バンさせてもらえるようなバンドじゃなかったもん。ねぇ、Sacchan?
Sacchan:もう二つも三つも頭が抜けてるような存在でしたね。
千秋:そうそうそうそう(笑)。すごかったよね。
Miyako:え、でもなんかイベント一緒に出たことなかった?
千秋:それは2011年じゃない?
────その時は千秋さんとSacchanは前身のAcid Cherry King?
千秋:そうそう。俺とSacchanと前のギターの3人ね。目黒のガストを経て、2010年の冬にAcid Cherry Kingを結成して気付いたことがあるんですよ。結局大事なのは人間性だし、それと同時に地盤を固めて地に足をつけて活動することに尽きるなって。ちゃんと「こういう楽曲で行くんだ」とか、「CDはあえて出さない」とかあらかじめ考えてましたね。動員数を伸ばそうってよりも、まずはしっかりとしたパフォーマンスを固めることから始めるべきだって堅実な考えでした。それで足りないピースだったドラマーを探しだしたのが2011年の初頭かな。
────ドラマーって地盤中の地盤だと思うんですけど、どういう条件で探しだしました?
千秋:そこは俺とSacchanの価値観が全然違ったかな。Sacchanはとにかくスキル重視だった。そこはリズム隊だし、長くバンドを続けていくなら顔がカッコいいとかイケイケドンドンよりも、とにかくスキルありきだったんです。でも、俺はうまいに越したことはないけど、同じ世代で若さを大切にしたかったんだよね。でもあんまりいいドラマーって正直いなかったんだよ。うまい人はすでに売れてるバンドに入りたいみたいな考え方が多かったし、SORAくんに出会うまではなかなか難しかったね。バンドにピタッとハマる人間が見つかるまでは固定のサポートドラムでずっとライヴをやってました。でもその時から「Sister」とか「「秘密」」はやってたからね。「「眩暈」」もか。セトリ今と変わらんやんって話だけど(笑)。
────SORAさんに至った経緯も教えてください。誰かの紹介でした?
千秋:SORAくんは……誰の紹介だっけ、Sacchan?
Sacchan:もともと僕は、SORAくんがSacrifice時代に実は対バンをしているんです。
Miyako:へー。
Sacchan:鹿鳴館とかで会えばオッス!って挨拶するくらいの感じではあった。だから紹介という感じじゃないかな。千秋くんがSORAくんに会ったのは間違いなく池袋BlackHoleのスタジオだよね。僕はもともとSORAくんと面識があったから、BlackHoleのスタジオで会った時は懐かしい感じでした。出会いからして自然な始まりだったから、きっかけみたいなのがパッと出てこないのかもしれないですね。
────SORAさんはその時スタジオでアルバイトされてたんですか?
SORA:いや、そん時はしてないね。
Sacchan:あれ(笑)。してなかったっけ?
SORA:その前にXodiacKでAcid Cherry Kingと対バンしてるはず。それで打ち上げをしようってなったんだけど、誰も参加しなかったんだよね。
千秋:そうだそうだ。XodiacKとはBlackHoleで対バンしてるわ。
SORA:でしょ? それで、「こんなに誰も参加しないんじゃ打ち上げにならないからごめんなさい」って千秋から連絡が来て。その日に千秋とお互いガラケーのメールアドレスを交換したのが初めてだと思います。そのあとに俺がスタジオでバイトしてたんだけど、XodiacKが止まるってなってSacchanに「サポートドラムやってもらえませんか?」って声かけられたんです。それで俺がどんな人かを知りたいってことで千秋と朝まで飲んだんだよね。
Sacchan:そっかXodiacKとの対バンが先か。話してるといろいろ思いだしてくるね。
SORA:さらにそのあとに千秋のバイト先でなんかSacchanの仲間たちと忘年会みたいなのがあって。そこに俺も顔を出して本格的にサポートの話になり、次の日にはサイゼリヤに行ってセットリストを決めてたよね。
Sacchan:なんかあったかもそれ。
SORA:それですぐにそのままリハに入ったんじゃないかな。