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【姫路シラサギROCK FES 2025】ライヴレポート◆2025年5月2日・3日 姫路アクリエ大ホール◆Psycho le Cému故郷姫路で初のフェス開催!

ENVii GABRIELLA



翌5月3日。ヴィジュアル系の王道をいく出演者ばかりだった前日とは、かなり印象の異なる出演者が揃っているだけに、観客の雰囲気もずいぶんと違うよう。そんな中、幕が上がって、照明に浮かび上がったのは、ENVii GABRIELLAの3人のシルエット。壮大なSEに手拍子が加わり、期待感がふくらんでいく。唯一、バンド編成ではない出演者ではあるが、「オネエ、入りまーす!」という一言から、あっという間に自分たちのペースに。


「ドンチードンチー言ってりゃいいのよ」と、愛あふれる乱暴な口調で次々にまくしたて、4つ打ちのビートに乗せ、3人のフォーメーションを活かしたダンス(それも足もとはピンヒール!)で観客を魅了する。LidaとYURAサマが登場し、一緒にダンスした「サイコダンス」を挟み、最後はドラマチックな「Symphony」。Takassyの声の魅力でしっかりと聴かせ、音楽でも存分に楽しませてくれた。「オネエ3人の音楽をメインとした総合エンターテイメントユニット」の名にふさわしいステージには、初見の観客もすっかり引き込まれたはず。


キズ



華やかなムードを一転、どす黒く染め上げたのはキズ。個性豊かな出演者が揃った両日だが、ここの落差が一番激しかったかも。傘をさし、フードを深くかぶったまま登場したヴォーカルの来夢の表情は、ステージ中央の立ち位置まで来てもまるでうかがえない。ミドルテンポの「ストロベリー・ブルー」が始まると、真綿で首を絞めるかのように、じっくりと攻められているようにさえ感じられる。それがまた、恐ろしくも美しい。


ピアノの静かな音色から、感情の赴くまま歌い上げる声が重なって、「鬼」が始まる。楽器陣の音が加わっていくと、生きることへの渇望のような、来夢の生々しい感情がさらに迫ってくる。サウンドはもちろん、観客への向き合い方や突きつけてくる表現など、出演者の中でも群を抜く“圧”を感じさせた。フェスだから、みんなで仲良く盛り上げようといったようなところはちらりとも見せず、ひたすら攻撃に専念したのがまさにキズらしく、それこそがPsycho le Cémuへの彼らなりの礼の尽くし方だったのだろう。


ゴールデンボンバー



続いては、ゴールデンボンバー。メンバー4人の登場と同時に「元カレ殺ス」が始まると、メンバーは自由奔放が過ぎるほどで、ステージのどこに目をやればいいか、思わず迷ってしまう。「抱きしめてシュヴァルツ」では、DAISHIの顔のお面と黒ビキニ姿で樽美酒研二が現れたり、姫路出身のあややに扮した(?)喜矢武豊が、あややのシャンプーのCMを再現したりと、とにかく大騒ぎ。


さらにPsycho le Cémuのメンバーもステージに登場。勇者姿のDAISHIが、「酔わせてモヒート」を鬼龍院翔とツインヴォーカルで聴かせ、ギターを手にしたseekが、「♰ザ・V系っぽい曲♰」でエアギターを披露。さらに、歌広場淳は3階席まで客席中を駆け回るというにぎにぎしさ。そして最後はもちろん「女々しくて」で会場をひとつにまとめ上げる。サービス精神の塊でありつつ、楽曲からはヴィジュアル系らしさがしっかりと漂い、エアーバンドであることを超えた個性と魅力でおおいに楽しませてくれた。


氣志團



バイクのエンジン音が、氣志團の登場を告げる。楽器陣がそろったところで、綾小路翔がバイクに乗って登場。パワフルなドラムソロに、エンジン音を重ねるセッションから「喧嘩上等」で幕を開けると、観客をステージに釘付けにする。聴かせ方も見せ方も細やかに工夫されたうえ、ひとつひとつを丁寧につくり上げていることが伝わるところには、誠実ささえにじんでいた。


『氣志團万博』を開催している彼らは、いわばフェスの先輩。今日のフェスを「我がことのように嬉しく、感動してます」という綾小路の言葉には、後輩の成功を喜ぶ漢気があふれていた。そんな綾小路のカッコよさは、彼らの地元を思い、万感の思いを込めて歌い上げる「落陽」でさらに輝く。そして、彼の歌そのものが持つ説得力にも圧倒された。最後は、特攻服に身を包んだPsycho le Cému5人を迎え、「One Night Jamboree」で明るく華やかに締めくくる。すでに大団円といった空気さえ漂わせた彼らは、ロックでありながら、極上のエンターテインメントを届け、会場全体を巻き込んでがっつりと盛り上げた、このフェスの功労者とも言えるだろう。


Psycho le Cému



フェスの二日目である5月3日は、Psycho le Cémuの26周年の結成記念日。そんな大切な日、そしてフェスを締めくくるライヴは、「君がいる世界」からスタートした。前日はやはり緊張があったのか、イキイキと躍動する5人の姿が頼もしく映る。DAISHIは今日も絶好調な様子で、「FANTASIA-恋の幻想曲-」をピアノに合わせて切々と歌い上げる。メンバーそれぞれが思いを込め、全力でプレイに集中していることが伝わってくるようだった。


ダンスを交え、彼ららしい楽しいライヴを繰り広げたところで、攻撃へと転じていく。「Murderer Death Kill」では、seekが客席へと降り、堂々と通路を歩いていく。この空間をおおいに味わい、胸にやきつけるかのようだ。熱気が広がる会場へ最後に贈られたのは、「アカツキ」。コロナ禍を経て、未来への希望と決意を込めて生まれた曲が、彼らの未来にとって重要な一歩となるに違いない『姫路シラサギROCK FES』に刻まれた。


そして前日と同様に学生達との共演のステージ。フェスの大成功を実感しながら聴く「シラサギ」は、新たな感慨をもたらしてくれた。「青き春 君を想い 愛を唄った日々よ シラサギが舞う青い空で 千年の夢をみよう」と歌われるこの歌は、Psycho le Cémuの夢がまだまだ続くことを示している。26年の歳月を経て、彼らは大きな夢を抱き続けているのだ。だからこそ、彼らはこんなにも輝いているのだろう。


最後の最後には、『姫路シラサギROCK FES 2026』の開催決定というとびきりの発表があり、Psycho le Cémuの未来をさらに明るく照らし出した。個性的で実力のある出演者たちが、主催者であるPsycho le Cémuのメンバーを交えつつ、このフェスならではのステージを繰り広げた二日間。第一回目にして、このフェスならではの空気感が生まれていたことは、姫路を盛り上げたいというPsycho le Cémuのフェスに懸ける強い思いの結果だろう。

この先、どんなふうにこのフェスが成長していくのか。『姫路シラサギROCK FES 2026』で、桜の咲く頃に再会するのが今から待ち遠しい。



Text/ 村山幸
Live Photo/ kondoh midori
Visual Photo/ Sayaka Aoki(PROGRESS-M)

アーカイブ

▼「姫路シラサギROCK FES 2025」のアーカイブ配信はこちら
【DAY1】姫路シラサギROCK FES 2025〈Psycho le Cému / PENICILLIN / SHAZNA / アンティック-珈琲店- / DEZERT〉
https://live.nicovideo.jp/watch/lv347585752

【DAY2】姫路シラサギROCK FES 2025〈Psycho le Cému / 氣志團 / ゴールデンボンバー / ENVii GABRIELLA〉
https://live.nicovideo.jp/watch/lv347585773
※「キズ」の配信はございません。「氣志團」は6曲目までの配信となります。予めご了承ください

視聴チケット購入はこちら
https://dwango-ticket.jp/project/T3pmjbUqTR
(2025年5月17日(土)23時59分まで視聴可能、販売は同日20時まで。)


姫路シラサギROCK FES 2025テーマソング
DIGITAL SINGLE「シラサギ」
https://nex-tone.link/A00171431

Psycho le Cému INFORMATION


Psycho le Cému Tour 2025
「शक्ति शक्ति अस्ति ~破壊と創造の物語~」
7/12(土)渋谷WWW X
7/19(土)福岡DRUM Be-1
7/20(日)岡山IMAGE
8/3(日)仙台MACANA
8/10(日)さいたま新都心VJ-3

「शक्ति शक्ति अस्ति ~神聖なる新生~」
8/31(日)新宿LOFT
9/19(金)新横浜NEW SIDE BEACH!!
9/21(日)柏PALOOZA
9/23(火、祝)名古屋ELL
10/4(土)大阪BIG CAT

チケット発売中
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11018132

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New Digital Single 「シャクティ シャクティ アスティ」
2025.06.04. サブスク&配信スタート!!

New Concept Produced by 杉本善徳(Waive)

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MUD FRIENDS 2000〜2025
Psycho le Cému/Waive/MUCC
2025年11月13日(木)Zepp DiverCity Tokyo
OPEN17:30 START 18:30
1Fスタンディング ¥9,900-
2F指定席 ¥11,000- 入場時別途DRINK必要
最速先行受付〜5/14 23:59
先行チケット
https://w.pia.jp/s/mudfriends25plc/



CROSS ROAD Fest <DAY1>
2025年11月15日(土)幕張イベントホール
open12:00 start13:00
Psycho le Cému / Laʼcryma Christi / SHAZNA / Plastic Tree/ FAIRY FORE / Waive / DʼESPAIRSRAY
先行受付〜 2025/5/19 23:59
https://l-tike.com/crossroadfest/

関連リンク

【Psycho le Cemu OFFICIAL】
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Official Fan Club
Official ニコ生

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