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【mitsu】★スペシャルインタビュー★「これまでの人生で一番自分のことが好き」と言いきった彼の思い描く景色とは。7月18日に開催される10周年記念公演について訊く


バンド以上にバンドにやってると思ってます。ソロのくせに(笑)。



────では、7月18日の10周年ライヴについて聞かせてください。ライヴタイトルは“A New Hope”。9周年は“HOPE to LIVE”で、どちらにも“HOPE”(希望)を掲げていますが、ここに繋がりはあるんでしょうか?

mitsu:実は、9周年と10周年の繋がりはまったく意識しなくて。9周年のライヴは、俺にとって生きる希望だったので、そのままの意味の“HOPE to LIVE”。今回の10周年は、ν[NEU]がなくなったことが理由です。ν[NEU]は希望をコンセプトに掲げていたバンドなんですけど、それが終わるからって“希望はもう終わりだよ”っていうのは良くないなって。じゃあこれを継いでいけるのは俺しかいないって思ったときに、“新たな希望”って意味合いをつけたくて。代わりにはならないけど、また新しい希望はここにはあるよっていうのを提示したくて、“A New Hope”というタイトルにしました。なので、今回のアー写には、ν[NEU]っぽい色を入れたりとか、前髪パッツンにしたりとかしたんです。

────mitsuさんにとって、“希望”とは?

mitsu:先にある楽しみじゃないですかね。“帰ったらステーキ食べるぞ!”みたいな(笑)。それから、真っ暗な部屋を光で照らされたときに感じる“ここに君いたんだ”“ここに物があったんだ”みたいなもの。それって温かいじゃないですか。そういう優しいものであり、日常の色が変わってくるもの。上とか前とかにあって、太陽とかに近いものが希望かなと思っています。ただ、それが見えなくなる理由が絶対ある。傷ついたとかなくしたとか、余裕がなくて視界がほとんどなくなるとき。そんなときに照らしてくれたり、教えてくれたりするものでもあるというか。

────すでにライヴの概要は見えてらっしゃるんですか?

mitsu:ここ最近のライヴは、自分のなかで一本化したものをやってると思ってるので、10周年だから派手な演出を〜とかは考えてなくて。それは自分が歩いてきた道筋にあるものではないじゃないですか。やっぱり10年歩いてきた足跡を辿る日なんで、今までと変わったことをやりたくないですよね。今まで歩んできたものをみんなに証明するって感じですね。

────普段のライヴはどのように作られていくんでしょうか。

mitsu:セットリストを俺が考えて、繋ぎとか流れとかはサポート陣がどんどん協力してくれてます。会話をするのと同じように、歌うことによってその人に届くメッセージがあると思うので、もしMCがなかったとしても意図が伝わるようなライヴにしたいって常に思っていて。“今ここでこういう曲を歌うべきだな、歌いたいな”とか、届きやすいような形を考えています。

────サポートメンバーとも相談して作られているんですね。

mitsu:ガンガンします。ライヴでファンの子たちに伝えたいことを考えたときに、人によっては言葉、人によっては仕草・表情、人によっては音で伝わると思っていて。その“音で表現する”っていう部分は、自分は歌しかできないので、メンバーのみんなに一緒に作ってもらっています。たとえば同じ曲でも、「今日は雨が降っててほしい」とか、「今日は夕方から夜にかけて。月明かりを見上げるぐらい余裕がある心が穏やかな日の曲調にしてほしい」とか伝えるんですよ。俺のライヴに同期がないのはそれが理由なんです。雨が降ってるギターの音と、激しい怒りに包まれたギターの音は、絶対違うはずなんですよ。それを出すにはどういう表現ができる?ってなったときに、ここの間が大事かなとか、コードはこっちの音色のほうが響くよねとか、終わり方はこうだよねとか。リハーサルは、それをやるためのものだと思ってます。

────サポートというより、それはもうバンドですね。

mitsu:バンドですね! 今のメンバーを“mitsuバンド”って呼んでるんですよ。おこがましいんですけど、そうとしか呼べないんですよね。サポートの域を超えてるし、スキルと柔軟性と人間力が高い。みんなこだわりは持ってるんですけど、“mitsuくんのソロだから”っていうのをちゃんとわかってくれてる。でも、俺が間違ったときは絶対言ってくれるんですよ。それは、俺がさっき言った希望の話と繋がっていて、すごく視野が狭くなる瞬間に気づかせてくれるんですよね。たとえば、結構デカいライヴで“今日勝たなきゃ。見てくれた人全員ファンにするんだ”みたいな気合いが入ってるとき、リハ終わりにけいと(大熊けいと邦夫 / Dr)さんが俺の肩を揉みに来て。俺はそれで察して「あーやっぱ突っ込んでる?」って聞いたら、「んーちょっとねー」って。もうこの会話だけでわかるんですよ。そういうのをみんながやってくれる。このメンバーを最強だと思ってるので、それを世の中のみんなにも伝えたいです。

────このメンバー編成はどんなふうに決まっていったんですか?

mitsu:コロナ禍でRENA(Ba)と出会って、もともとはKAZAMI(Key)さんがドラムだったんですよ。でも、ある日KAZAMIさんに、「けいとさんっていう人にドラムをやってほしいんだよね」って打ち明けて。すごく失礼なことを言ったのに、その1ヵ月後くらいに、「やっぱり俺mitsuバンドでやりたい」ってKAZAMIさんが言ってくれたんですよ。俺はそのとき酔っぱらってたんで、「KAZAMIさんキーボード弾いてくんない? KAZAMIさん、ドラムは超上手いじゃん? キーボード弾きたくない?」って言って(笑)。彼は3歳からピアノを弾いてて、もう感覚で弾けるんですよ。俺はその感覚が欲しいと思って。そしたら「いいよ」って言って、次のリハのときには揃えて来てくれたんです。師匠も作っていて、「mitsu、これでできるよ」って言ってくれて、めちゃくちゃ嬉しかったです。サポート陣って上手いし、現場もかなりやってるから、刺激っていつだってあるわけじゃないと思うんですよ。だから俺は、ワクワクとか、“新しい希望”をあげたいと思って。最高の友達だし、最高の家族みたいな感覚なんで、カッコいいとこ見せたいし、連れていきたいし、連れてってもらいたい。だからバンド以上にバンドにやってると思ってます。ソロのくせに(笑)。

────そんな最強布陣で10周年ライヴに臨めると。

mitsu:そうなんです。こんな最高の奴らと10周年っていう冠で集まってライヴがやれる。超ハッピー!っていう。“めっちゃ楽しいよ、みんなも来てよ”って素直に思うんですよね。でもそれは“絶対来て!”みたいな必死なのとは違うんですよ。今いるメンバーと自分とスタッフ陣と、そしてファンの子たちと、みんなで一緒にやれるっていうことが超嬉しい。だからそこにプレッシャーはないですね。俺は、死ぬまでやるって決めたんで、売れようが売れなかろうが終わらないんで。

────「ソロ活動を始めたときは10年後なんか考えられなかった」っておっしゃってましたけど、今はずっと先の未来を見られてるってことですよね。

mitsu:そうですね。未来があったらいいなって感じ。未来を見てるっていうよりは今を見てる。明日になったら明日見てるし、これがいつまで続くかな。未来っていうよりは過去と今しかなくて、この積み重ねが未来になると思います。

────その未来が続いていくために、努力していることはありますか?

mitsu:体を鍛えること。いい歌を歌うこと。体と精神は一つだなって思ってるので、メンバーといる時間を増やすこと。最近、けいとさんと「smoking talk」っていうYouTubeコンテンツを始めたんですけど、けいとさんといる機会を増やすことによって、俺自身が10周年ライヴでいい歌を歌えるなっていう確信がある。なんでかって言うと、けいとさんの叩くドラムのリズムに歌が乗るから。俺はライヴ中、ファンのほうを向いているんで、けいとさんを見ないじゃないですか。見なくても呼吸さえもわかるような関係になっていたいなって。ファンの子たちにも俺の呼吸が届いたら、もう言葉なんかいらねぇだろってぐらいまでいくはずだと思ってるんですよ。

────では、そのコンディションをいっそう高めるために、ライヴ当日はどんな準備をされているんでしょうか?

mitsu:朝起きたら、30分タバコを吸います。で、洗面して準備してライヴハウスに行きます。タバコを吸います。ストレッチをしながら、トマトを食べます。で、リハして、汗が落ち着いたらメイクして。メイクさんには「あなたがカッコいいと思う俺でお願いします」って言って、すごい嫌がられます(笑)。でも、「これやって」って言っても、できないと思うんですよ。スキルが足りないって意味じゃなくて、俺だって「マライア・キャリーの声出してください」って言われても無理だもん。「あなたのカッコいいと思うものを作ってください」っていうのは、照明さんとかスタッフ陣にも全員に言ってます。メイクが終わったら、“今日俺は何のために歌うのか”って自分に聞きます。たとえば、今日で最後の子もいるかもしれない。対バンで初めましての子もいるかもしれない。“何を伝えるか”っていうのを自分のなかで確認します。そうすると、歌がちゃんと歌になるんですよね。あとは、メンバーのみんなと楽しく喋るな。これ、チューニングだと思ってるんで。音を合わせるのと同じように、みんなと会話しながら心のチューナーで合わせて。みんなと会話ができない状態のライヴって音が合わないんで。ライヴ前のルーティーンっていうか、ベストな自分を作るためのルーティーンですね。

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