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【DEZERT】ライヴレポート<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR '25-'26 “あなたに会いに行くツアー”>初日◆2025年6月14日(土)千葉LOOK◆」元気ください、元気あげます。そんな関係でいれたらってマジで思ってます」(SORA)

DEZERTが、自身初の47都道府県ツアー『DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR '25-'26 “あなたに会いに行くツアー”』の初日公演を、6月14日に千葉LOOKで開催した。

昨年12月に日本武道館公演を成し遂げた彼らが次に挑むのは、全国47カ所49公演というバンド史上最大規模のツアー。
その記念すべき初日公演では、来年3月20日に幕張メッセ・イベントホールでワンマンライヴを開催することをサプライズ発表した。
彼らにとって2度目のアリーナ公演となるその日が、本ツアーのグランドファイナルになるという。

武道館の“その先へ”向かうバンドとしての覚悟を示し、それをオーディエンスが受け取ることで、千秋(Vo/Gt)が「愛おしいぜ、あんたら!」とライヴ中に叫ぶほど尊い空間を作り上げた同公演。
そのオフィシャルレポートをお届けしたい。


◆     ◆     ◆

最大収容人数200名の千葉LOOK。フロアは、プレミアチケットを入手した幸運な人々で超満員となり、開演前から汗ばむほどの熱気が立ち込めていた。
壮大なSEと歓声に迎えられ、黒のスーツで揃えたシックな出で立ちの4人が登場し、いよいよ長いツアーが幕を開ける。

1曲目は、6月11日にリリースされたミニアルバム『yourself: ATTITUDE』から「真宵のメロディー」。
SORA(Dr)とSacchan(Ba)が一歩一歩を踏みしめるように、着実なリズムを刻み、そこにMiyako(Gt)の抜け感のあるフレーズと、千秋のエモーショナルな歌声が重なっていく。
ドラマティックなメロディーも含め、DEZERTの新章開幕となる瞬間にジャストフィットしたオープニングである。
フロアでは、力強く拳を掲げたり、じっと聴き入ったりと、オーディエンスはそれぞれのスタイルで自由にライヴを楽しんでいる。このバラバラ感もまた、ツアー初日特有の空気だ。

しかし、ミニアルバムのリード曲でありDEZERTの王道をいくハードなナンバー『「変身」』が始まった瞬間、フロアには突如一体感が生まれ、オーディエンスが一斉に左右に大移動する横モッシュが巻き起こる。
急激に高まったボルテージは、その後の「Sister」「匿名の神様」「ミスターショットガンガール」とアッパーな曲の連発で、さらに上昇。
場内の温度と湿度もどんどん上がっていき、蒸し風呂状態に。まだ序盤にも関わらず、メンバーもオーディエンスも汗だくになっていた。
小箱ならではの激熱空間に、千秋は「最高じゃねーかおい!」と喜びつつ、「後ろ見えてる? 大丈夫?」と気遣う場面も。

薄暗い照明の中で静かに奏で始めたのは、「明日暗い月が出たなら」。
ダークなトーンの中にも淡い光を感じる繊細なナンバーは、ライヴの流れに緩急をつけると同時に、DEZERTの持つ仄暗い一面を映し出す。
ここで、ステージの中心に4人が向かい合い、ジャムセッションが始まる。暴れまわる4人の音が徐々にまとまっていくと、シームレスに「アダム・ペインを探して」に突入。
こちらは複雑に絡み合う音が癖になるナンバーで、ツアーを通してさらなる進化にも期待できそうな予感を秘めている。

「この曲だけ撮影OKにするので拡散してもらえたら。ガンガンプロモーションしてください」という千秋のお願いから始まったのは「蝶々」。
オーディエンスは片手でスマホを構えながらも、反対の手を高く上げ、軽快なリズムに合わせて器用に飛び跳ねていた。
凶暴な重低音が轟く「君の脊髄が踊る頃に」で再びエンジンをかけると、怪しげな雰囲気と疾走感が共存した「はい!少女」、初期からの暴れ曲『「教育」』で狂乱の渦へ。
すでに最高潮まで熱い空間が出来上がっているかのように思えた。

しかし、「こんなんじゃ終われないぞ、おい。今日死ぬ気で生きていかないと明日勝てないぞ。もっと来いよ、もっと手伸ばしてくれよ、掴みに来たんだよ。……行くぞ!!」と千秋が全力で煽り、「MONSTER」へ突入すると、さらにもう一段階ヒートアップ。轟音の中でヘッドバンギングの嵐が巻き起こる。
メンバーとオーディエンスが正面からぶつかり合い、互いに感情を剥き出しにして暴れる光景からは、何物にも代えがたいライヴという空間ならではの尊さが溢れている。
冒頭に記した通り、「一言いい? 愛おしいぜ、あんたら!」と千秋が叫んだのも、まさにこの瞬間だ。

サビの大合唱が恒例となっている『「遺書。」』では、メンバーの熱心な指導の甲斐あって1オクターブ上担当のソプラノパートも加わり、オーディエンスが合唱団のようなハーモニーを生み出す。
ライヴハウスにも、『「遺書。」』というタイトルにも似合わないチグハグさを楽しめるピースフルな雰囲気もまた、DEZERTのライヴの愛おしい部分なのかもしれない。

「最高の初日になったと思います、ありがとう。今日の掛け声でおもむろに出たんだけど、“楽しむってもう違くない? もう愛おしいにこの空間を変えようぜ“って思ってます。
楽しいを乗り越える、そんな音楽を作っていきたい。そして俺らは、あなた一人に歌いに行くという概念を持っています。
そう考えたときに、音楽やってる意味とか、これからもっと大きくなりたいとか、色んな理由が混ざって出てきたんだよ。
だから“あなたに会いに行くツアー”にしました。あなたがいてくれて、それだけで僕は報われてます。
もっとこの空間が愛おしくなるように、もっと大事に抱きしめられるように、俺たちも週末以外は全部練習します。
今日終わってからも、明日のライヴ前も練習する。俺たちが音楽をやる理由にあなたがいてくれてありがとう!」(千秋)

このツアーに懸ける思いと信念、そして感謝の気持ちを改めて伝え、武道館には持っていけなかった大切な曲として、本編ラストの「The Heart Tree」へ。
<この場所があなたの居場所になりますように>という歌詞に思いを乗せ、一つ一つの歌詞を噛みしめるよう丁寧に届けた。



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