【BugLug】ライヴレポート<15th ANNIVERSARY ONEMAN LIVE「ASOVIVA~真夏の太陽と冴わたる月の詩~」>◆Buglug15周年ワンマンを8月9日(バグの日)に聖地・日比谷野外大音楽堂で完遂!「俺たちはまだまだ上を目指してんだよ!BugLugを超えるのはBugLugだけだ!」

BugLug 15th ANNIVERSARY ONEMAN LIVE「ASOVIVA~真夏の太陽と冴わたる月の詩~」が8月9日(土)に日比谷野外大音楽堂で開催された。
その名の通り2010年始動のBugLugの結成15周年を祝うライヴは、8月9日=バグの日に開催され、これまでの道のりを体感させるだけでなく、バンドの最新形を示すものとなった。
2025年のBugLugのこれまでの歩みを回想すると、1月には昨冬より続いたツアーのファイナル<Re: HAPPY BIRTHDAY KILL YOUTOUR 2024 FINAL『Karma~icing on the cake~』>をZepp Shinjukuで開催。さらに3月からは恒例となる“バグパニック”でライヴハウス荒らしの如く怒涛の公演本数でバンドを鍛え上げた。
ヴィジュアル系シーンの風物詩ともなっている<バグサミ2025>で渋谷中のライヴハウスをジャックしたことも記憶に新しいが、それまでの間にコドモドラゴン、ΛrlequiΩ、XANVALAとの東名阪2マンツアー「侵食」をそれぞれに緑、青、赤と俗にいう光の三原則をテーマカラーを携えて敢行している。
そしてもっと言えばシングル『poru』に加え「寄 生 kiss」、「獏」、「“REIWA PARADE”〜社不なbaby〜」の配信リリースもあった。
つまるところ2025年のBugLugは尋常じゃないほどに精力的なのだ。それがもちろん今宵の日比谷野外大音楽堂で迎える15周年ワンマンに向けたものであることは想像に難くない。
そんな期待が高まるなか定刻の18時をまわりSEが鳴り響くとまだ真夏の太陽の余韻が残る会場にメンバーが登場する。
これまでのツアータイトルをあしらった巨大バックドロップの前に現れたメンバーは全身白のコーディネート。後述することになるがこれはBugLugが提示する次なるコンセプトカラーでもある。
ライヴは一聖の歌い出しから弾けるように展開する爽快な「Dream Rush」からスタート。瑞々しい世界が野音に広がると続いたのは「マジカルモーメント」。この夜に相応しくパーティー感を増すものだが、音源以上にバンドサウンドでビルドアップされていることも印象深い。優のかき鳴らすフレーズが合図となる「-7-」でさらに加速していく。カラフルな七色の照明と相まって序盤からBugLugの持つポップセンスが炸裂するロケンローな選曲が会場の空気を束ねていった。

「15周年、BugLugのワンマンライヴへようこそ!」
一聖が手短に告げるとイントロと同時にクラップが巻き起こった「KAIBUTSU」へ。“牙を持つ「KAIBUTSU」”の部分を“俺たちがBugLug”と歌い変えることがお馴染みだが、15周年ワンマンで披露されることでいつも以上のカタルシスを感じさせる。
ここで早くも「MOSHPIT☆LIFE」、「HICCHAKA×MECCHAKA」とアッパーなキラーチューンを連打。各曲がカテゴライズし難い個性を放ちながら、曲の中でもめくるめく展開をみせるのがBugLugの魅力であるが、その中心には一聖の芯を喰ったメッセージがある。
そして今年6月に青を基調にしたコンセプトアー写と共にリリースされた「獏」へ。相反する思考と温かみのある演奏がやけにリアリティと生活感をもって心の隙間を満たす。多種多様な思考が可視化される世界において、そんな世相をどこか俯瞰しがちにもなるが、振り払うように絞りぬく歌唱が力強く響いた。そもそも「獏」は架空の夢喰い動物であるが、バラードナンバーにおいてもファンタジックな要素を介在させながらヒューマニズムを体現するのは流石の一言だ。“自由の為に”と歌われるアウトロが都会のビル群に吸い込まれていくと、「一樹がアコースティックギターを持つ曲は何パターンかあるんだけど…1回目の野音でやった楽曲をやっていきたいと思います」の曲紹介に勘の良いオーディエンスから歓声があがった「akari」を披露。
“夕暮れに染まる”の歌詞どおりに曲中でみるみる薄暗くなっていく空。自然を味方につける演出も実に野音を熟知しているなと思わされたところではあるが、一樹のアコギと優のエレキが織りなすノスタルジックな音色はもちろんのこと、甘露な燕のベースラインと淡々とした悠介のドラミングのすべてが歌唱に寄り添い丁寧に紡がれたことも印象深い。今宵のサブタイトルを想起させるように太陽と月を感じさせる「akari」は中盤のハイライトとなった。また、自然を味方につけると言えば、なんとこの日は満月だったことも忘れ難い。

本編も折り返し地点にきたところで披露されたのは、わらべ歌のような柔和さがむしろ裏側に潜む狂気を蔓延らせる快作「kinder」。空間ごと滲んでいくような異様な緊張感が野音を侵食すると、ここからは再びアッパーに展開。
一聖がマイクスタンドを掲げた「夜会」では妖しげなシャッフルが、ステージ上部にレーザーで歌詞が映し出された「骨」ではより肉感的に儀式感を誘う。

「寄 生 kiss」はハードな導入から抜けのよいサビまでとても3分に満たない曲尺とは思えない濃度で、早くも往年の楽曲にも劣らない強烈な存在感を放つ。
そしてバックドロップが落ちて、背面にバンドロゴをあしらった電球が露わになると一気にクライマックスへ。
「"REIWA PARADE"~社不なbaby~」、「排水溝で一気して」とエッジィな展開に集結したオーディエンスもリミットを解放していく。それぞれコンセプトカラーの緑と赤を基調にした「寄 生 kiss」、「"REIWA PARADE"~社不なbaby~」から「排水溝で一気して」はいずれも2025年にリリースされた楽曲たちで、このアニバーサリーにおいても最新形で対峙するバンドのメンタリティがむしろ歴史の豊かさを感じさせるものとなった。



「お前らはBugLugを信じてここに来たんだよな?でも、俺たちはまだまだ上を目指してんだよ!BugLugを超えるのはBugLugだけだ!」
一聖の情感こもった咆哮にオーディエンスがタオルを振り回して応えた「V.S」、そしてラストはついにアンセム的ナンバー「ギロチン」を披露。熱狂のなか本編終了となった。

アンコールはなんと6曲を披露。
宙に舞ったカラフルなテープが眩い「ASOVIVA」で多幸感を充満させると、この日に来場者限定のミュージックDLカードが無料配布された新曲「ボクの終わりが見えた時」へ。
正真正銘の初披露ながら荒々しくラウドで激しいエネルギーが渦巻く1曲は、2025年に緑、青、赤と続いたコンセプトの次なるカラー=白をテーマとしたものだ。
アンコール故にメンバーの出で立ちはTシャツ姿とラフになっているものの、本編でみせた白の新衣装しかり、照明のひとつひとつをとっても光の三原色と白で構成されるものが非常に多かったのはきっと気のせいではないだろう。
余熱を冷ますように、芳醇なメロディが美しい「ブレーメン」ではオーディエンスの合唱も巻き起こった。

「まだまだ旅は終わらないよな?想いを込めた大切な曲です」
そう紹介されたのは「おわりのないうた。」。終わらないことを掲げる2曲が連なったからこそ新曲のタイトルの意図も気になるところだが、このあたりはこれからの道のりで自然と明かされていくことだろう。いずれにせよBugLugがこれからも歩み続けることは間違いないのだから。
ただ、この夜はこれで終わりではなかった。続いたのはなんと2013年リリース『文明開化』収録の「LOST CHILD」だ。
等身大の素直なメッセージと吐露するような歌唱が胸を打ち、気がつけばミラーボールが万華鏡のように空に光を放っている。
感動的な空気が野音を包み込んだが、これで終われるわけないよな?とばかりにラストは大狂乱を巻き起こす「猿」でスパーク。
キャッチーなのにアングラで、マニアックなのにアッパーで、それでいて心に沁みるありとあらゆるBugLugの魅力を全22曲に散りばめて15周年を祝う夜は見事に幕を閉じた。
とりわけ印象的だったのは、MCで多くを語らず、あくまで楽曲で届けることに注力した姿勢だ。これまで日本武道館をはじめ数々の大会場でワンマンを行ってきたバンドの貫禄といえばそれまでかもしれない。だが、今こそ音楽の素晴らしさで真っ向から勝負する姿勢はどうしようもなくこれからの未来もさらに渇望させるものだった。
実際、この日披露された新曲「ボクの終わりが見えた時」に続くニューミニアルバム「なまいろ。」が12月10日にリリースされることが終演後に発表された。
「なまいろ。」は「七色」と「生(なま)」を掛け合わせた造語で、今日までに世に放たれた“四色”の先にある新たな彩りを予感させる。
「なまいろ。」は多様な感情・人格・表情が、“むき出し”のまま存在している状態を示す楽曲群で構成されるとのこと。そして、そこに存在するそれぞれの色は、綺麗に整えられたものではなく、生きたまま、未加工のままの姿であることが強調されるそうだ。
元来、楽曲の持つ多面性がアイデンティティでもあるBugLugにとってどういった性質の作品になるのか楽しみに待ちたい。
そして「なまいろ。」のリリースに先駆けて11月からは14公演に渡る全国ツアーがスタートする。そのファイナル公演<BugLug ONEMAN TOUR 2025 「なまいろ。-Color Identity-」FINAL 『人格-アパートメント-』>の会場は2026年1月9日(金) Spotify O-EAST。
『人格-アパートメント-』について尋ねたところ、人間の中にあるさまざまな感情や心の動きを、ひと部屋ずつに分けて表現したアパートだと一聖は語ってくれた。
それぞれの部屋には違う「自分」がいて、感情ごとに顔を変える。そして、そのアパートの管理人は、他でも無い自分自身だと。
人間生活において誰しもが持ついくつもの表情をさらけ出す場所が『人格-アパートメント-』だとしたら、何部屋あるのか?同居人はいるのか?誰も居ない部屋は?…なんて邪推をついつい始めてしまいそうになるが、今は想像を膨らませてツアーの開幕と「なまいろ。」のリリースを心待ちにしたい。
2025年、アグレッシブな活動で走り続けるBugLugの16年目が今、始まる。
Text:山内 秀一
Live Photo:Megumi Iritani
SET LIST
BugLug 15th ANNIVERSARY ONEMAN LIVE
「ASOVIVA~真夏の太陽と冴わたる月の詩~」
2025.8.9(土)日比谷野外大音楽堂
SET LIST
1.Dream Rush
2.マジカルモーメント
3.-7-
4.KAIBUTSU
5.MOSHPIT☆LIFE
6.HICCHAKA×MECCHAKA
7.獏
8.akari
9.kinder
10.夜会
11.骨
12.寄 生Kiss
13. "REIWA PARADE"~社不なbaby~
14.排水溝で一気して
15.V.S
16.ギロチン
EN1.ASOVIVA
EN2.ボクの終わりが見えた時(新曲)
EN3.ブレーメン
EN4.おわりのないうた。
EN5.LOST CHILD
EN6.猿
RELEASE

2025.12.10 RELEASE
MINI ALBUM
「なまいろ。」
※詳細後日解禁
LIVE
BugLug ONEMAN TOUR 2025 「なまいろ。-Color Identity-」
2025年11月1日(土) 千葉LOOK
2025年11月3日(月・祝) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
2025年11月8日(土) 仙台enn 2nd
2025年11月9日(日) 高崎the Groove TAKASAKI
2025年11月15日(土) 静岡SUNASH
2025年11月22日(土) 岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
2025年11月24日(月・祝) 福岡OP’S
2025年11月29日(土) 高松sound space RIZIN’
2025年11月30日(日) 神戸太陽と虎
2025年12月6日(土) 金沢GOLD CREEK
2025年12月7日(日) 長野LIVE HOUSE J
2025年12月13日(土) 名古屋CLUB UPSET
2025年12月14日(日) 大阪Yogibo METAVALLEY
<開場 / 開演>
17:00 / 17:30
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BugLug ONEMAN TOUR 2025 「なまいろ。-Color Identity-」
FINAL 『人格-アパートメント-』
2026年1月9日(金) Spotify O-EAST
<開場 / 開演>
17:45 / 18:30
<チケット>※全公演共通
前売り¥6,000(D代別) / 当日¥7,000(D代別)
【先行受付】
・BugLug official blog magazine from ASOVIP会員
・BugLug MOBILE会員
受付期間:8/9(土)21:00~8/25(月)23:59
入金期間:8/29(金)12:00~9/2(火)23:59
プレイガイド:TicketTown ツアー本編 / ツアーファイナル
【一般先行】
受付期間:9/6(土)21:00~9/22(月)23:59
入金期間:9/26(金)12:00~9/30(火)23:59
プレイガイド:イープラス
【一般発売】
受付期間:10/4(土)10:00~
プレイガイド:イープラス
関連リンク
【BugLug OFFICIAL】
◆Official Site
https://buglug.jp/
◆Official X
https://x.com/RR_BugLug
◆Official Instagram
https://www.instagram.com/buglug_official/
◆Official Youtube Channel
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