【Azavana】◆詩結(Gt)◆心理カウンセラーによるパーソナルインタビュー第3弾

MBTI性格診断をもとに各メンバーの内面を引き出す企画は本来言葉にしない本質を露わにするものとなった。
5人それぞれが高いミュージシャンシップとバンドマンイズムを持っているからこそ、せめぎ合う赤裸々な内情も浮き彫りになる。
何故、Azavanaはこのタイミングでここまで曝け出すのか?
5人が信じる強固なバンド像があるからこその発言の数々。
超賛否両論必至の本企画、5人の言葉をすべて重ねわせたときに浮かび上がるひとつの像にも注目してほしい。
3回は論理的な考えを持ちながら大胆かつ、実は男臭い側面を持つ詩結が登場。
自身が考えるこれまでの変遷と揺るがぬ姿勢。
広い視野と高いIQを持つ詩結の言葉たちは隅から隅まで彼らしい手触りだった。
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人からどう思われてるかはわかんないですけど、僕はバンドマンのなかでは感性が普通寄りだと思っていて。
────カウンセラーからインタビューされますよって聞いたとき、どういうイメージを持たれましたか? 嫌でした?
詩結:バンドマンは自分の話をするのが大好きなんで、掘り下げてもらえるのは楽しみです。どうしても横並びの集合インタビューだけでは語りきれないこともあるので。
────それは良かったです。今回インタビューに先んじてアンケートに答えていただいてるんですけど、そのなかで詩結さんのMBTIは「ENTP-T(討論者の慎重型)」でした。結果を見てどう思いました?
詩結:へーっていう感じです(笑)。これ、前に診断やったことあるような気がするんですけど、結果までは記憶にないんですよ。
────論理力の高さ、感受性が豊か、あと自己反省と成長がすごく上手にできる、積極性と強さが現れてます。
詩結:あー、でもそうですかね。昔から理屈っぽいところはあるのかなとは自分では思ってますけども。
────どういうときに出ますか?
詩結:なんだろうなぁ。バンドの話でもそうですけど、もちろん気持ちは大事だと思うんですよ。創作活動って気持ちの部分が根源になってることが多いと思うんで。でもそれとは別の軸で考えてることもある。正解のない活動のなかにも正解と不正解が明確に存在する分野もあるじゃないですか? それこそ数字で答えが出るものだったりとか。そのあたりは冷静に切り分けてますね。
────じゃあ結構ドライに見られるのかな?
詩結:そう思われることもあるかもしれないですね。
────理屈っぽいってネガティヴな言い回しかなと思うけど、理屈が並べられるということは頭がいいということですよね。思考を放棄しちゃうほうが詩結さんにとってはストレスじゃないですか?
詩結:そうですね。思考を放棄した瞬間に孤独ではいられなくなりますね。
────ENTP-Tって、ストレス耐性が弱いんですよ。影響力の範囲外の不条理な事象がすごく嫌だと。そのあたりが結構根深いんじゃないかなって。
詩結:それでも昔よりはだいぶ耐性がついたのかなとは思ってますけどね。人からどう思われてるかはわかんないですけど、僕はバンドマンのなかでは感性が普通寄りだと思っていて。なんていうのかな? 並外れた感性の持ち主ではないと思うんですよ。いざバンドをやってみると、本当に並外れた感性の人が多いので、いわゆる世間的な常識はあまり通用しないわけです。
────すなわち、“自分は常識人だよ”っていう感覚ですかね?
詩結:そのつもりです。バンドマンって時間をちゃんと守れるだけで、「すげぇ真面目だね」って言われるんですよ(笑)。だから、決まってるとおりに進まないことや、決まったことをできない人に対しての耐性っていうのがあんまりなかったんです。というか、今も根っこはそうだと思うんですけど。とはいえ、前にやってたバンドとかを含めたらもう10年ぐらいバンドマンをやってるので、いろんな人に出会って“こういうもんだ”っていう感覚は業界に入ってきた当初よりだいぶ身についたのかな。むしろその耐性がつかない普通の真面目な人って数年でバンドをやめちゃうと思います。決まったとおりに進まないとダメだって思ってるほうがちょっと子どもなのかなとすら思い始めてる。
────ENTPって共感してあげたい気持ちを持ちつつも、自分の自己防衛を上手にしていこうっていう人が多いんですよね。詩結さんからはそれを感じます。
詩結:そうですね。だからやりたいことを崩さないことよりも、崩れたあとにどう対応するかに考えをシフトしたほうがいいのかなって。それこそコロナウイルスの流行で足止めをくらったことで、決まってたことなんて崩れるもんだっていう感じにはなりましたね。
事象を解決しなかったことが積み重なっていった結果、その人間を嫌いになっちゃうほうが取り返しつかないから。
────関係者から見た印象だと“詩結は周りが見えすぎちゃってしんどいんちゃうんか?”なんです。
詩結:それは時期によりけりですね。近しい場所にいる人たちとの相互理解を諦めてしまうっていうのは悲しいことだと思うんですけど、どれだけ近くにいてもお互いに立場が違えばわかりあえないこともいっぱいあると思うんですよ。だから、しんどいっていうのは、“わかってほしいなあ”とか“わかってほしかったな”とか、そういうところで感じることが多いです。
────文系、理系と大きく分けたらどっちだと思います? IQもかなり高いと思いますけど。
詩結:まあ国語の成績は良かったのできっと文系ですね。IQは昔の診断ではたぶん140ぐらいだったと思うんですけれども。でも、自分の影響力の範囲外へのストレスはありつつも、頭ではそれを気にしないように言い聞かせている自分がいます。10代の頃だったら“なんでも自分がやればいい”って思ってた節があるんですけど、徐々に、自分がどう頑張っても影響できない範囲というものを嫌でも知るというか。全てを放棄しようかと思いました。
────なるほど。そこでファイティングポーズを取る気力はなかったってことです?
詩結:ただね、放棄することは結局できないんですよ。根性はないけど意地はあるのかなと思っていて。なんだろうなぁ、弱音も文句も出ると思うんですけど、でも最終的に全部放り投げて“もう俺は知らんぞ”ってなることはあんまりないですね。それで自分が折れたって感じになっちゃうほうが嫌なんで。
────バッドエンドだろうがハッピーエンドだろうが、結末までちゃんと行こうよっていうタイプですよね。
詩結:事なかれ主義とはだいぶ逆ですね。別に何も起きないならそれが一番いいですよ? 基本的には誰とも争わずに穏やかにのんびりしていたいんですけど、起きている問題を見て見ぬふりしていると、その問題が一生消えないままつきまとってくる感覚です。僕らがやってるバンドの活動に関しても、問題点に気がついてるけど言い合ってぶつかるのが面倒くさいから言わないとかはありえない。だって、その事象を解決しなかったことが積み重なっていった結果、その人間を嫌いになっちゃうほうが取り返しつかないから。
────すごく熱い人なんですね。それでいてロジカル。
詩結:バンドやってるといろんなイレギュラーなことがありますからね。ロジカルになっていきますよ。細かいことで言うと、頼んでいた映像や写真が期日までにこないとかも全然あります。いろんな人が関わってるぶん、どっかしらでズレてはくるもんですけどね。
────ストレスとうまく付き合っていそうで、実は今も溺れてらっしゃるんじゃないかなって思うんですよ。
詩結:うーん、良くも悪くもライヴが楽しいっていうことで、ライヴが終わったときはそこまでの過程でなんかあったとしてもまぁいいかってなるんですけどね。本当は解決してなかったのに。それで次また同じ問題に直面したときに、“そういえばこれあったわ”ってなったりするんですよ。そうなったら笑うしかないです。
────その根本的なストレスの逃がし方はありますか?
詩結:それはその問題の解決策とは別で、精神的な逃げ道とかそういう話ですよね? それで言うと、隙あらば誰か人間と話してることが多いですかね。
────人がお好きなんですね。
詩結:どうやらそうみたいです。
────一見クールっぽく見られそうだけど、めちゃくちゃ情熱マンじゃないですか。
詩結:仲良くなった人間には割とそう言われます。近い距離感で腹を割って話してる関係性じゃないとなかなかそういうのが出てくる場面もないと思うんですよね。それこそ今こうやって取材していただいてますけど、例えば、誰にも聞かれてないのに勝手に一人で「俺はこういう想いを持ってるんだ」みたいに語り始めても、“え? 何この人?”っていう感じがあるでしょ?(笑)相手の存在なしに壁打ちできないというか。
────それってオンステージとオフステージで切り替えられるものなんですか?
詩結:普段の自分とステージに上がるときの自分とあんまり切り分けてないです。自分じゃないものになろうとはしていないというか。何か抱えてるものがあったらあったで、それをネガティヴな方向に爆発させるよりはステージ上で楽しもうみたいな気持ちはありますけど。意外と何か抱えてるものがあるときのほうがライヴは元気だったりしますからね。でも、そもそも余計なことはあまり考えてない気がします。ライヴのときはもうライヴに入ってるんで。
────ちゃんと自分のなかの自分像に従って生きてらっしゃると。
詩結:結局、自分の思うことしかできないなっていうのは年々感じてて。求められるキャラクターを演じることって1~2年なら頑張ればできるかもしれないけど、それを一生はできないんですよ。それに対して無駄に抗うことをやめたというか。
────やめたら楽になりました?
詩結:そうですね。バンド始めてすぐの頃は、周りの友達とか先輩に「これの真似してみたらいいんじゃない?」とか「こういうのやったら人気が出るんじゃない?」とか言われたら、自分が好きじゃないものでも取り入れてましたし。それも経験として必要なことだったとは思うんですけど。それを経て、結局は自分のなかにあることしかできないなって今は思ってます。これってバンドであろうがなかろうが関係なくて、普段の人間関係においても言えると思うんですね。自分は本当はこうだっていうことを抑えて違うことをやったとしても、どうせあとで“正直、これだよね”っていうところに戻ってきちゃうんです。その場でちゃんと主張するなり解決するなりしないとダメ。もしそれを見過ごすっていう選択をするんだったら、もう一生黙ってたほうがいいんじゃないかな。
────厳しい!
詩結:ちゃんと向き合うならその場で解決したほうがいいことが多いんですよ。愛想よくしてるだけで解決できるわけないんだから。どんなコミュニティだって問題はあるじゃないですか? 複数の人が集まって何の問題も起きないって基本的にはないと思いますよ。そういうときに見て見ぬふりをせずにちゃんと解決に向かって動こうとする意志が大事なのかなと思ってます。
自分が言い出さないとどうしようもないなっていうことが何回かあって、そのあたりから変わってきたんだと思います。
────このインタビューは詩結さんが2人目で、この前は諒平さんだったんですけど、すでに考え方が全然違って興味深いです。
詩結:あー、彼は組織においては間を取り持つタイプというか全体のバランスを見る感じの人だと思うんです。やっぱりそういう人がいないと、人間の集団って円滑に回らないから。自分とはタイプが違うけど、集団に必要な存在ですよね。
────詩結さんみたいにちゃんと物事を切り分けて考えて「主張するときは主張しようよ」っていう声を上げる人も必要だと思います。詩結さんが今の考え方になったのは必要に駆られて?
詩結:そうですね。そもそも幼少期は人と話すのが得意じゃなかったし、自分の意見を強く言うのが苦手でしたよ。内向的でしたね。10代で友達とバンドをやったときも、“バンドマンって我が強そうなイメージがあるけど、実はそうでもないのかなぁ”と思っていて。誰かが言い出さなきゃ話が進まないんだけど、お互い気を遣って誰も言わないみたいな状況が発生するんで。でもずっとそういう状態でも埒が明かないし、気づいてるんだから自分が言い出さないとどうしようもないなっていうことが何回かあって、そのあたりから変わってきたんだと思います。
────ご家族から、すごく変わったねとかって言われませんか?
詩結:うーん、どうですかね? 家族の前でそんな話をすることはあんまりないですからね。バンドを始めてからは、知らない人と交流する機会っていうのがすごく増えたので。ヴィジュアル系っていうフィールドに出始めた最初の頃の僕を知ってる人が世の中にどれぐらいいるかわからないですけど、その頃の自分しか知らない人が今の自分を見たら、だいぶ違うのかなあとは思いますけれど。いつの間にか適応していくもんなんですね。
────今ご自身で気づかれてるかわからないんですけど、「必要に駆られて」っておっしゃってるんですね。だから必要なタイミングがすごくいっぱいあったんだろうなぁと思って。
詩結:そうですね。大きな問題って、人目につく部分つかない部分含めていっぱいあると思うんですよ、本当に。
────“しんどくない? 大丈夫か?”っていう心配の声もあったと思うんで、素直に「大丈夫じゃないです」って言ったほうがいいと思います。
詩結:そうかもしれないですね。
────そしてこれは全メンバーさん共通なんですけど、最後に毛色の違う質問を2つにします。オススメのグルメと美容法を教えてください。
詩結:食事はですねえ……たしか高田馬場だったと思うんですけど、ベースのЯyuとちょっと前に行った「たまには焼肉」ってお店があって、そこの飲むロースっていうのが美味しかったです。都内のライヴの前後とかでも高田馬場って立ち寄りやすい場所だと思うんでオススメです。美容はねぇ、最近そんなにやってないですけど、とある先輩から学んだベビーオイル洗顔っていうやつがありまして。これは良かったです。あとは寝れるときに寝るってことですかね。って言いながら時間が空くと友達と飲みに行っちゃったりするんですけどね(笑)。美容とはちょっと違うけど、作業に追われたりして何が正解かわからなくなってる時に仲良いバンドマンと会ったり話をすることは、自分にとって大事ですね。
────いつもと変わったインタビューに快く答えてくださってありがとうございました。
詩結:改めて自分が何を考えてるのかを再認識できました。そういうのは好きなんで、また機会があればもっと語りたいところですね。
取材:上田ゆう(NLPマスター、認知行動療法)
文:Visunavi Japan
写真:宮脇進
RELEASE
Azavana 3rd Single
「獄詩」
2025.10.22(水)RELEASE!!
01.獄詩
02.孤独におはよう
03.獄詩(instrumental)
04.孤独におはよう(instrumental)
(4曲入りCD +MVオフショット映像収録DVD)
¥2,000-(税抜)
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2026年冬
Azavana 1st FULL ALBUM RELEASE決定!!
LIVE

2026関東ワンマンツアー
「心音」
1/10(土)新横浜NEWSIDE BEACH
1/11(日)Heaven's Rock宇都宮VJ-2
1/18(日)前橋DIVER
1/24(土)柏PALOOZA
1/28(水)水戸LIGHT HOUSE
1/31(土)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
〈TOUR FINAL〉遼 Birthday
◤2/27(𝖥𝗋𝗂)Zepp Shinjuku◢
※チケット詳細後日
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10.28(火) SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
Azavana Presents Яyu Birthday ONEMAN
「Antidote」
OPEN 17:45 / START 18:30
前売 ¥5,500 / 当日 ¥6,000(各+D代)
※整理番号順入場(自由席)
※撮影会有り(Яyuのみ)
チケットe+
●一般発売 9/20(土)
eplus.jp/azavana/
(問)H.I.P. 03-3475-9999 hipjpn.co.jp
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11.07(金)広島SECOND CRUTCH
Azavana Presents 諒平 Birthday ONEMAN
「狂喜乱舞」
OPEN 18:00 / START 18:30
前売 ¥5,500 / 当日 ¥6,000(各+D代)
※撮影会有り(諒平のみ)
チケットe+
●一般発売 9/20(土)
eplus.jp/azavana/
(問)H.I.P. 03-3475-9999 hipjpn.co.jp
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<主催&ワンマン 2DAYS>
●12.24(水)SUPERNOVA KAWASAKI
Azavana Presents
「牙」
Azavana /哀と凛人の無所属 / NICOLAS / XANVALA
OPEN 16:45 / START 17:30
前売 ¥5,500 / 当日 ¥6,000
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●12.25(木)SUPERNOVA KAWASAKI
Azavana Presents ONEMAN
「星明かり、滴る虚夢」
OPEN 17:15 / START 18:00
前売 ¥5,500 / 当日 ¥6,000
※チケット詳細後日
関連リンク
◆ OFFICIAL SITE
https://www.azavana-official.com/
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