【Deathpair】ライヴレポート＜危機＆刹那生誕単独公演『狂迫概念』＞2025年10月6日(月)池袋BlackHole

2025年10月6日、池袋Black Holeにて、Deathpairのボーカル・危機とギター・刹那の生誕を祝うワンマンが開催となった。それぞれがプロデュースしたTシャツやグッズも販売となり、会場はお祝いムードに包まれ、暖かい空間となっていた。

定刻を少し過ぎた頃、厳かなSEが流れた後、ステージの幕が開くと、ステージにはメンバーがすでに揃っていた。さらにセンターには十字架に架けられた危機が！当日、有料チケットでの入場者に配られた新曲「虚」からライブが始まる粋な演出。会場はお祝いムードから、一気にバンドのダークさに飲み込まれる。
続く「霞」もステージ中央の十字架の前でのパフォーマンスが続く。刹那の手を借り、自由を手に入れた危機は、「虚」とは異なり、どんどん会場を煽って行く。「揺らせ」と会場を煽りたて、それに答える集まったファン達の熱気で、少し肌寒かった当日ではあるが、会場内は熱気で溢れかえっていた。間髪入れず、「嫉」で、ヘドバン、折り畳みと会場は更に熱くなる。
『声、聞こえねえぞ』と会場に声援を求め、そこから「M.E.S.S」へ。サビでは危機の高音が響く。そして、深いシャウト、不気味な笑い声が混ざり込み、思わずライブに引き込まれずにはいられない。

「世苦」が続き、会場内は拳が上がる。刹那が会場に手拍子を誘導し、一体感が更に高まっていく。
刹那のエッジの効いたギタープレイから始まる「傀儡」。曲中では苦怨（ギター）のソロ部分もあり、不気味な雰囲気を纏いながらも、しっかりと魅せていた。

曲間では、短く『声』とだけ発し、会場から声援を引き出す危機。静かになったタイミングで「R.I.P」を投下する。派手な乗り方はしていなくても、体が自然と動いているファンが多く、音楽を楽しんでいるのが伝わってくる。サビでは危機が切なく、歌い上げる。

「薬、足りてるか？」と何度も会場に畳み掛け、「劇薬」に入ろうとするが、まさかのトラブルが発生！演奏が止まってしまう。まるでそんな場面も演出に見えてしまうから不思議である。
「黒渦」が続き、手拍子でファンもメンバーの思いに答える。「Dusk」でも、危機のデスボイスが会場内に響き渡り、それに合わせて、拳が高く付き上がったり、折り畳みが始まったりと、ファンを休ませることがない。

再び「声」と会場を煽り、「Bondage」が始まる。落ちサビでは危機にピンスポットがあたり、一際ボーカルとしての風格を漂わせていた。
「中毒患者」では『かかってこい！』と雄々しく叫ぶ危機に、更に刹那も会場を煽る。幽慈（ベース）、苦怨もステージの前方に出てきて、言葉こそ出していないものの、会場を盛り上げる。間もなく本編が終わってしまうのが信じられないほど、あっという間に時間が過ぎていた。ここまでMCらしいMCもなく、ただ楽曲だけを残してきたDeathpair。それほど、楽曲に自信があるという証拠であろう。

ライブを通して、眉目秀麗な出立ちの幽慈は、見た目に反し低音がとても重く、刹那は上手で花のあるパフォーマンスを繰り広げつつ会場を盛り上げ、苦怨は安定感のあるギタープレイと、不思議な存在感でdeathpairを支えている。サポートのLoaもまだ数回目のステージではあるが、巧みなテクニックと重たい演奏がバンドにマッチしていた。
危機はデスボイスの重さもさることながら、それ以外の歌唱も美しく、心地よい中に儚さを漂わせる。

本編ラストは「Deathside」。最後まで熱を上げ続け、世界観を見せてくるメンバー達。メロディアスなサビ、それぞれの楽器隊がこれでもかと実力を披露しあう間奏など、１曲にDeatpairの良さが詰まった楽曲で、つい見惚れてしまう。約１時間、バンドの『今』が詰まっており、あっという間に過ぎてしまっていた。
『まだ出来んだろ！』とファンを煽り、ステージを後にするメンバー。アンコールにも期待が高まる。

アンコールでは、まず刹那がステージに戻る。ライブを配信しており、見ているファンに向けてのメッセージを英語で伝えたり、率直な気持ちを伝えた。
幽慈、苦怨、そしてサポートのLoaもステージに戻る。１ヶ月でLoaが14曲覚えてくれたという裏話も披露。幽慈もDeathpairに関わり、１年のタイミングということもあり、思いを伝えつつ、メンバー２人の誕生日を祝う。苦怨は喋ることなく、刹那にステージ上でお誕生日プレゼントを渡す。
そして、危機もステージへ。苦怨は再び喋ることなく、危機にもお誕生日プレゼントを渡した。
危機は集まってくれたことへの感謝を伝え、歌っている時とは少し違う、ふわっとした雰囲気でMCをした。取り留めなく話をしており、『今日もMCがやばい』と本編にはなかった笑いを誘う。

刹那は12月19日（金）、場所は再びBlack Holeにてイベントを開催することを発表した。随時最新情報は発表となるので、詳細の発表を楽しみに待ちたい。２月には周年もやる予定とのこと。こちらも続報が楽しみである。

『狂っていけるよな？？』という煽りで最後の楽曲「憎悪」が始まる。MCでほっこりした空気になっていたのを、一気に一変させる。刹那がステージの柵に乗りあげ、フロアの逆ダイを煽る。『もう終わるのか？』『まだ終わらないぞ』と煽り、曲をやめる気配がない危機。本編でも休ませることなく、激しい楽曲を立て続けに披露していたが、アンコールでこの曲を持ってくるあたり、ファンは絶望していたかもしれない。
『今日はありがとね』と優しい言葉で締め括った危機、気持ちを熱く語り刹那もステージを後にした。

【絶望】を初めとする重く沈んだ気持ちを代弁してくれるかのごとく、激しいライブを繰り広げたDeathpair。生誕単独公演なのに『狂迫概念』という、めでたくはない言葉を選んでいるのにもきっとわけがあるのだろう。そう思わせてくれる約１時間半のライブだった。
人には光が必要だが、光があるからこそ闇が生まれる。その闇をDeatpairは更に深く、黒いものに変えているだろう。だからこそ救われる、晴れる気持ちもあるだろう。そんな人たちに寄り添えるバンドなのだと感じた。

SET LIST

M1.虚
M2.霞
M3.嫉
-SE-
M4.M.E.S.S
M5.世苦
M6.傀儡
M7.R.I.P
M8.劇薬
M9.黒渦
M10.Dusk
M11.Bondage
M12.中毒患者
M13.Deathside

アンコール
EN.1憎悪

最新情報

＜配信情報＞
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⚫︎new single「虚」
各プラットフォームにて配信中！！
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ライブ情報
⚫︎2025年12月19日（金）池袋Black Hole
詳細は追って発表いたしますので、お待ちください。

関連リンク

OFFICIAL HP：https://www.deathpair.com/
OFFICIAL X：https://x.com/Deathpair_info