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【MUCC】ライヴレポート:Text by RAZOR・猟牙!<MUCC TOUR 2025「Love Together」>2025年11月3日(日)名古屋ボトムライン with RAZOR 「MUCCはこのヴィジュアルシーンの礎と言っても過言ではない」────(猟牙)

<MUCC TOUR 2025「Love Together」>が開幕した。
本ツアーはMUCCが対バンしたいバンドたちとのライヴを繰り広げるもので、全国各地でバンドが入れ替わり、様々な光景を見せることが新たな魅力を発掘する意欲的な実に“MUCCらしい“アプローチとなっている。
そんなツアー2日目の対バン相手はRAZOR。本レポートではアグレッシヴだったこと間違いない夜の模様をお届けする…と思っていた矢先にMUCC・逹瑯から思わぬ言葉が届いた。

「あのさ、この日のレポート、猟牙に書いてもらいたいんだよね。」

ということでヴィジュアル系界を代表する言葉のマエストロ=RAZOR・猟牙が満を辞してMUCCだけでなくRAZORのライヴもレポート!



◆   ◆   ◆


RAZORのボーカルの猟牙です。

今回MUCCとRAZORのライブレポートを担当する事になりました。

MUCCだけならまだしも、自分のバンドのライブレポートまでするという狂った企画。

発案は逹瑯さんです。

考える事が普通じゃない。

さすがです。

どうやって自分のレポートを書こうかなと悩みつつも、この狂った企画を乗りこなそうと決めました。

で、文字数制限があるのですが大幅にオーバーしてしまいそうです。

ちなみに締切も大幅にオーバーしています。

誠に、誠に申し訳ございません。

この前置きが既に長いですよね。

早く本題へ行けって感じですよね。

ええ、わかってます。

ちなみに今回はライブレポートどころでなくライブドキュメンタリーになりそうです。

想いが溢れてしまって大変なんですよ。

なので暖かい目で読んでやってくれたら幸いです。

それではライブドキュメンタリーを始めます。

MUCCからの愛の贈り物



「Love Together」にいよいよRAZORが登場、これは事件である。

ヴィジュアル系のみならず様々なフェスで観客を熱狂の渦に巻き込んできた百戦錬磨のライブバンドMUCC。

そこに立ち向かうはライブ本数ではMUCCに負けず劣らずな轟音剃刀バンドRAZOR。

RAZORもライブハウスを賑わせてる存在で、多種多様な楽曲と個性的なメンバーのライブパフォーマンスに心惹かれる人も多いのではないだろうか?

自分で書いててめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど、とりあえずこのノリで行かせていただきます。

ライブ当日の朝、私は少し焦っていた。

なぜならRAZORは9周年のワンマンツアー中で、柏2days→仙台インストアイベント→仙台2days→名古屋ボトムラインという怒涛の6daysだったのだ。

MUCCというシーンの王者に立ち向かう今日、果たして喉や体のコンディションは平気なのか?と。

しかしライブハウスに入ってMUCCのメンバーに挨拶した瞬間にそんな焦りはどこかに消えてしまった。

あぁ…ついにこの人達とやれるんだ…という喜びと興奮で胸がいっぱいになったのだ。

ライブが始まるまでの間、逹瑯さんがちょこちょこRAZORの楽屋に顔を出してくれた。

これがまた緊張を解そうとしてくれてるのかプレッシャーをかけに来てるのか絶妙な塩梅なのである。

でもきっと逹瑯さんにしてみれば、とにかく楽しくやろうぜって事なのだと思う。

私にはわかる。

長年MUCCの音楽を聴いて逹瑯というボーカリストを観てきたのだ、ある程度はわかる。

そんなこんなでリハーサルを終えてヘアメイクやら撮影やらアレコレしていたら一瞬で本番の時間がやってきてしまった。

本番直前、MUCCのメンバーに挨拶を済ませ、いよいよRAZORのライブへ。

※ここからRAZORのライブ映像を観ながらレポートを書くので、第三者目線と本人視点が入り交じるというおぞましいゾーンに突入しますがご容赦ください。

<RAZOR>



場内が暗転してSEが鳴った瞬間にメンバーを呼ぶファンの熱い声。

RAZORのメンバーが一人一人登場してはその華やかさに目を奪われる(だって映像観ててほんとに思ったんだもん)。

1曲目に放たれたのは「INTENSITY」。

クラシカルで荘厳なコーラスから一気にメタルコアなリズムを畳み掛けるアグレッシブなこの曲は今やRAZORの代表曲と言っても良いだろう。

そして1曲目にして会場ではヘッドバンギングの渦が巻き起こり、これはもうMUCCとRAZORの相性はバッチリなのでは??

MUCCとRAZOR、バッチリなのでは???

この対バンまたすぐやるべきなのでは?!?!?

失礼、いきなり取り乱しました。

まぁとにかく、1曲目にしてステージからの景色も圧巻だったに違いない(凄かった)。

▲猟牙


続く2曲目の「SILLAGE」ではヴィジュアル系ならではのメロディアスな旋律を奏で、激しいだけに留まらないRAZORの魅力が会場を包み込んだ。

さぁここからどう攻めるのかと思いきやなんと3曲目にしてRAZORが誇るウォール・オブ・デスナンバーの「埋葬」へ雪崩込む。


しかしさすが百戦錬磨の夢烏と剃刀フレンズ(仮)、ドスコイよろしくと言わんばかりに両者が激しくぶつかり合う光景は圧巻であった。

さらに畳み掛ける4曲目の「嫌、嫌、嫌。」ではメンバーとオーディエンスが一丸となってWow Wow Wowと熱いコールアンドレスポンスが行われた。

Wow Wow Wowなんて使い古された掛け合いに思われがちだが、そのシンプルさが良いのだ。


シンプルな言語に合わせてフロアに集まった知らない人同士がひとつになっていく様、理屈抜きで涙腺が緩むのである。

ライブって良いですね…

そんなこんなでMCタイムへ。

ここでは猟牙が初めてMUCCに触れたのは中学生の頃で、亡き母親がミヤマニ(ミヤファンの呼称)であった事を暴露。

こんな話が飛び出すのもLove Togetherならでは。

まぁRAZORに限らずMUCCに影響を受けてきたバンドは数知れず、そもそもこれまでMUCCが成してきた功績ってのはだな…

やばいRAZORのレポートの時間なのにMUCC語りが始まりそうなので話を戻そう。

というわけで愛に溢れたMCで会場はドッカンドッカン盛り上がり(多分)、後半戦はRAZORが誇るダンサブルラウドナンバーの「UNION」からスタート!

裏話をするとこの曲を作る上でMUCCの「G.G.」の影響を少し受けている。

あのようなデカイリズムの曲がほしかったのである。

お陰様で名古屋ボトムラインの客席がリズムに合わせてうねるうねる。

最高の景色だ!

▲剣
▲衍龍
▲IZA
▲NIKKY

そこから「BAD EVIDENCE」、「DAMIAN FLY」と大暴れナンバーを立て続けに連発し客席をドロドロに疲弊させていよいよ最後の曲はRAZORの最新シングル「In CREATURE」だ。

結成から約9年、様々な楽曲やヴィジュアルにチャレンジしてきたRAZORが辿り着いた「In CREATURE」はラテン語と英語と日本語をミックスさせた新機軸のヘヴィクラシカルナンバーだ。

MVを観ていただければわかると思うが、RAZORは歴を重ねて丸くなることなく、更なる尖りを見せつけてきた。


末恐ろしいバンドである。

自分で言ってて恥ずかしいを超えて、もはや悦に浸り始めてます。

そんなこんなで「In CREATURE」で禍々しい世界を叩きつけオーディエンスを騒然とさせてRAZORのライブは終了した。

うーん、熱いライブであった。

きっとRAZORはこのMUCCとのツーマンに向けて沢山悩んだであろう。

ワンマンツアーのど真ん中、短い時間の中でいかにしてRAZORの魅力を発揮させるべきなのか?

セットリストはどうすべきか?

とにかく悩んだに違いない。

それはそうだ。

このヴィジュアルシーンの礎ともなっているMUCCとの共演なのだから。

でもRAZORは弾けたライブを魅せてくれた。

何より驚いたのは6daysとは思えないメンバーのアグレッシブなステージング。

疲弊していないと言えば嘘になるであろうスケジュールの中でのライブ。

NIKKYは強靭な腕と足のコンビネーションで骨太なリズムを叩きつけ名古屋ボトムラインを揺らし、衍龍はいかついタトゥーを身にまとい、タトゥー以上にイカついフェイスでオーディエンスを威嚇した。

IZAはクールな佇まいかと思いきやマイクスタンドを投げ飛ばすほどに熱くなり、剣は上手ギタリストの王道を極め華やかに舞ってファンの視線を釘付けにした。

そしてなんと言っても猟牙の張りのある歌声。

本来ボーカリストにとってここまでのハードスケジュールの中でクリアな歌声を届けるのは相当難易度が高いと思われるが、猟牙はそれを乗り越えたのだ。

……自分で書いててキツイけど、映像を客観的に観たらそうとしか言いようがなかったのだ!!

猟牙、底知れない男である(言わせてやってほしい)。

そんなRAZORが11月30日渋谷WWW Xのツアーファイナルで9周年を迎える。

この日初めてRAZORを観た人も、是非ともこのライブに足を運んでみては?

きっとあなたの想像を超えた刺激、興奮、感動、幸福を与えてくれるに違いない。

<MUCC>



さて、いよいよここからはMUCCの登場である。

RAZORとしての時間が終わり、ひとりの“バンギャル男”に戻る瞬間。

私の青春であり、憧れであり、壁でもあった存在――MUCC。

今更私がMUCCの事を紹介しなくたって大多数の人がMUCCの事を知り尽くしているであろう。

だがしかし、私の目線からお伝えするMUCCのお話が何よりも解像度が高く、共感を生む自信があるのだ。

ここまで自分でハードルを上げた事に若干の後悔をしつつもお話させていただこう。

先程も述べたが、MUCCはこのヴィジュアルシーンの礎と言っても過言ではない存在だ。

それはただバンド歴が長いからではない。

あまりにもこのシーンにもたらした功績が大きいのだ。

MUCCが台頭してきた頃、ヴィジュアルシーンは良くも悪くもカオスであった。

DIR EN GREYとPIERROTの二大巨頭が音楽シーンを席巻している最中、その2バンドから影響を受けたようなバンドがわんさか溢れていた。

売れてるバンドの物真似が蔓延るのは世の常。

そしてそんな物真似バンドにだってそれなりに魅力は宿ったりする。

それもそれで面白かったりするのだ。

ただ、それだけでは間違いなく

”本当の感動”

は生まれない。

2000年、私がまだ中学生でバンギャル男だった頃に初めてMUCCのライブを観た。

場所は渋谷ON AIR EAST。

汗で湿った空気、開演前のざわめき。

あの日の記憶は20年以上経った今でも鮮明に焼き付いている。

あの日初めてMUCCを観た私は

”本当に感動”した。

その頃の私は色んなバンドのライブを観に行っていた。

先程述べたようなメジャーバンドからインディーズバンドまで。

そんな私が言う。

MUCCは間違いなく他のバンドと一線を画していた。

勿論MUCCのメンバーも様々なアーティストから影響を受けてきたであろう。

しかし、MUCCには一切どこぞのバンドの物真似要素は見えなかった。

異様な程に独特な世界観と楽曲を突きつけてきたのだ。

あれは誰にも真似出来ない。

今でこそ饒舌に喋る逹瑯も、当時はすんごい世界観をかましていた。

「MUCCでぇーす……ちょっと…告知が……ありまぁーす……」

こんな感じでゆっくーーり淡々と喋っていたのだ。

めちゃくちゃ怖かった。

YUKKEは表情をピクリとも動かさずお人形のように一点を見つめベースを弾いていた。

めちゃくちゃ怖かった。

ミヤは操られたマリオネットのような動きをして顔を傾けギターを奏でていた。

めちゃくちゃ怖かった。

とにかく、異様。

異様、異様、異様。

メンバー全員異様だったのだ。

でもそれがもうなんかめちゃくちゃヤバくて超かっこよかったのだ。

怖いのに目を離せない。

MUCCは“恐怖すら芸術に昇華するバンド”だった。

そして何よりも特筆すべき点は楽曲である。

当時は美しい耽美系なバンドかシャウトを多様するコテコテ系バンドが主流であった。

そんな中MUCCはどこにも属さず、昭和歌謡、ジャズ、ミクスチャーの要素をふんだんに盛り込み、MUCC独自の楽曲でライブハウスを唖然させ騒然させ最終的に熱狂を与えていた。

今でこそヴィジュアル系には音楽性も幅広いバンドは沢山いるが、その“自由さ”のレールを最初に切り開いた一つは間違いなくMUCCだ。

まぁ他にもその手のバンドもあるにはあったが、MUCCのセンスとスキルはずば抜けていた。

だから誰もが目を離せない存在になった。

私も惚れた。

そういう事なのだ。

そしてMUCCはあれよあれよと言う間に大きくなっていき、大規模なロックフェスにも出演するような存在に。

そりゃそうだ。

初期の頃からジャンル問わずに誰もが興奮する音楽を奏でていたのだから。

そして2025年現在、MUCCはジャンルも歴も超えボーダーレスにバンドを呼んでLove Togetherを決行したのである。

本来であればワンマンツアーでも良いはずなのに、沢山の後輩バンドや戦友バンドを招いてくれる心意気がまさにMUCC。

MCでもお伝えしたが、王者として君臨しつつも後輩にも絡んでくれる様はお笑い界で言えばダウンタウンやとんねるずのような…

この例え結構的確だと思ってるんだがいかがだろうか?

ってか偉そうにMUCCの事を語っているけど、ライブレポートを書かねばならないのです。

まずいです。

本当にすいません。

ではここからが本題のライブレポートです(やばすぎ)。

場内が暗転してSEのDaydreamが響き渡る。

静かなるピアノがフロアを支配し、徐々にブレイクビーツの波が押し寄せ観客は熱い手拍子でメンバーを待ち構える。

颯爽とメンバー全員が登場して逹瑯が「イける?RAZOR観て気合い入っちゃった?遊んでくれる?」とクールに挑発。

イけるに決まってんじゃん!ウヒョー!!

ってなもんである。

1曲目の「invader」から早速客席はモッシュにクラウドサーフの波が蠢く。

ほんと昔から観てるけどMUCCのノリってフリーダム。

ヘドバン、拳、人波を泳ぐクラウドサーフ、ここまでフロアのノリがジャンルレスなバンドもレアだ。

1曲目にしてこれまでのMUCCの歴史で様々なジャンルのファンを獲得してきた事を証明してみせた。


続く2曲目の「サイコ」では笑ってしまう程の重低音。

ここまでミクスチャーラウドな音を奏でられてしまうと2階席で観てる私もノリノリになってしまうしかない。

今日はあくまでライターとしてMUCCのライブを観ようかなと思っていたが、無理だ。

立ち上がってノッてしまった。

黙って座ってろってのは拷問である。

嗚呼、最高だぜ…

「逮捕しちゃうぞ」

逹瑯が物騒な言葉を放ち「サイレン」へ。

ヘヴィなグランジロックが奏でられ、ボトムラインがイカれたダンスホールへと変貌した。

すると近くで観ていたRAZORのギタリスト衍龍が私の元に駆け寄ってきて爆音の中こう叫んだのだ。

「この曲超かっけー!」

ふふ、そうだろう衍龍。

MUCCってかっこいいよな。

しかし実は衍龍もMUCCに対する愛が深い男なのである。

衍龍はMUCCの初武道館のライブにチケットを買って観に行っていたのである。

よく見るとIZAも2階席でノリノリになって観ていた。

RAZORって可愛いな…

すいません、話が脱線してしまいそうなのでライブレポートに戻ります。

そんな「サイレン」に踊らされた後はドゥームで退廃的なラブソング「愛の唄」へ。

生易しい愛なんかいらない、廃になるまで身も心も貪り合おう、逹瑯が歌いながら座り込んで客席の目の前まで体を差し出す。

なんて官能的な光景なのだろう。

妖艶なのに美しい。

MUCCが織り成すヴィジュアル系の真髄を見せつけられた。

それにしてもまだ4曲しかやってないのにとんでもなく濃密な時間が流れている。

でもこれでこそMUCCだよなぁ、そんな想いに耽っているとおもむろに逹瑯がこう叫んだのだ。

「名古屋はヴィジュアル系の聖地だろう!名古屋を取り戻そうぜ!」

名古屋系と言えばMerry Go Round、Lamiel、Phobia、他にも名古屋バンドは沢山あったが、今ではlynch.が代表格と言えるだろう。

ちなみに当時私が一番愛した名古屋系はPoisonous Dollだ。

ポイゾナスドール、通称ポイドル。

そしてなんとこの私、2001年にY2K ROPPONGIで行われたポイドルとMUCCのツーマンに行ってます。

すげぇだろ??

がはは。

ヤバいまた話が脱線している!!

という訳で逹瑯の名古屋のヴィジュアルシーンを取り戻せという言葉から雪崩込んだ「Round & Round」。

▲逹瑯


めちゃくちゃファンキーでアッパーな曲調に笑みがこぼれずにはいられない。

それにしてもこの曲からはあの伝説のバンドZI:KILLの匂いがするのだ。

私はZI:KILLが好きだった。

だから感じるのだ。

絶対にZI:KILLのオマージュ要素が入っている。

これで全然見当違いだったらMUCCの皆様には合わせる顔がない。

※違ったら後でめちゃくちゃ謝ります。

とにかく超かっこいい。

うーん、最高。

MCでは「今夜のライブを猟牙にレポートしてもらおうと思います!MUCCとRAZORの両方を!」と逹瑯が緊急告知。

場内はどよめきと笑いに包まれた。

そりゃそうだ。

演者側がセルフライブレポートなんて中々に前代未聞。

しかしこうして今私はちゃんとレポートを書いています。

前代未聞な気持ち、刺激的です。

逹瑯さん、貴重な経験をさせてくれてありがとうございます。

そんなMCから雪崩込んだのはミヤのセンチメンタルでテクニカルなギターが冴え渡る新曲「夜風」。

胸がぎゅっとなるようなメロウなダンスナンバーにMUCCの音楽性の幅広さを再確認させられ、続く「Boys be an Vicious」ではインダストリアルパンクを炸裂させクラウドサーフ続出、からの「LIP STICK」ではサークルモッシュまで巻き起こり、もう何でもアリの狂乱祭りだ。

▲ミヤ

しかしここで空気は一変、逃れられない悲しき運命、それでも僅かに輝く光を求め未来を祈る「不死鳥」へ。

これなんだよな、MUCCの真髄って。

痛いほどの孤独、逃れられない絶望、でもそれは自分だけじゃない誰しもに存在する闇。

それを歌にしてくれる。

それだけで救われる気がするのだ。

辛いのは、弱いのは自分だけじゃない、そんな事を教えてくれるバンドだった。

アウトロではMUCCを支え続けてるドラマーのアレンを囲みミヤとYUKKEが激情のサウンドを奏でていた。

その光景にMUCCが困難を乗り越えて今こうして活動してくれている事の奇跡を実感して涙腺が緩んだ。

そこから新たな芽が息吹くかのように場内は緑の照明に包まれ、新曲の「Never Evergreen」へ。

ほら、やっぱりMUCCは悲痛を叫びながらも希望を届けてくれるのだ。

無責任な希望を歌ってるわけじゃない。

痛みを伴いながらも手を取り合おうと言ってくれているのだ。

誰だって独り。

だから独りじゃない。

ありがとうMUCC…!

そしてここからのMCで逹瑯が爆弾発言を投下した。

「RAZORはワンマンツアー中で今日で6daysなんだよね。それでもこうして高いチケット代払ってMUCCとの対バンに来てるRAZORのファンの熱さは本物だよね。いいねぇ、RAZORのファンくれよ猟牙!」

凄い事言いやがるぜ…!

でもここからがニクイんだよ逹瑯さんって。

「そうやってさぁ、RAZORのファンがMUCCに来てくれたり、MUCCのファンがRAZORに行ったり、そうやって輪を広げていこうぜ!いいなー!」

これは取って付けたような上っ面の言葉じゃない。

だってMUCCはそれを体現し続けてきたバンド。

先輩や後輩の垣根を越えて沢山ライブをやってデカくなったバンド。

敵意も愛情も全てが詰まってる。

ずっと変わらない。

これだからMUCCはやめられない。

さぁここから怒涛の後半戦がスタート。

「流星」が始まり、2階席にいる私と衍龍は絶叫。

きたこれ。

サビになった瞬間、私と衍龍は2人で大合唱。

めちゃくちゃやかましい。

仕方ないやん。

名曲はいつだって人の正気を失わせるのだ。


そして新曲「茨-イバラ-」へ。

タイトルからしてMUCCの故郷である茨城とかけているのであろうか?

真相は定かではないが、ハードコアパンクな曲調に、茨城のヤンチャな若者の人間性を描いているのだろうか?

違ったらめちゃくちゃ失礼な話なのだが、なんとなくそう感じたのだ。

それとも茨の道の事なのかな……

今度MUCCに会える機会があったら聞いてみようと思う。

とにかく前向きなヤンチャさが痛快な新曲であった。

さぁいよいよラストスパート、MUCCの大人気なさ爆発の「咆哮」ではヘドバン、折りたたみ、絶叫と暴力的快感のオンパレード。

まだまだ暴れたりねぇだろと容赦なく「蘭鋳」へ。

オーディエンスを座らせカオスな空気感が漂う中、突然逹瑯が「猟牙もやれんのか!」と叫び、私はわけも分からず慌ててステージに。

まさかこのタイミングで呼ばれると思っていなかったので上裸にファーコートという変質者スタイルでステージに上がってしまった。

そこから一緒にファンの皆さんとジャンプしまくってサビも任せられ歌わせていただいた。

カオスである。

▲YUKKE


ライブレポートも書きながらリスナーとしても楽しみながらステージにも上がらせていただけるなんて、私は一体何者なのであろうか?

まぁ、もうそんな事はどうでもいいのだ。

とにかく理屈抜きに楽しんだもん勝ちである。

そして「蘭鋳」を終えて私はそそくさと退散し、最後の曲「Daydream Believer」ではステージ袖でMUCCからの愛を堪能させていただいた。

ありがとうMUCC、この命が消えるまでMUCCを愛してるぜ…!!


あぁ、なんて贅沢な一日なんだろう。

RAZORとMUCCのツーマンがまず感慨深いし、MUCCのライブを目に焼き付ける仕事を与えてもらったんだから。

でもまだ油断は出来ない。

ここから恐ろしきアンコールタイムはMUCCとRAZORのスペシャルセッション。

緊張と興奮が入り交じる中、ステージに呼び込まれるのを待とうと思っていた矢先、逹瑯さんが私にこう言った。

「一緒に出て喋ろう、イける?」と

私は一瞬困惑しつつも

「ハハ…ハイ!イケますよ!イキますとも!」

というわけでそこそこに身長差がある二人でステージに上がった。

逹瑯さんとステージで話すのは初めてだ。

でもいつもと変わらない逹瑯さんがそこにいた。

逹瑯「今日2階席でRAZOR全部観てたんだけどさぁ、いいねぇ」

猟牙「どの辺が?どの辺が良かったですか?!」

詰め寄る私。

そこから楽しくお話をしつつ、アレン、YUKKE、ミヤ、衍龍もステージに登場し、和やかな空気に包まれながらも壮絶なアンコールセッションへ。

私のリクエストにより「娼婦」へ。


やっぱり初期のMUCCの代表曲と言えばこれでしょう。

これ以外の曲の選択肢はなかった。

逹瑯さんと交互に歌う予定だったのだが、ドSモードに突入した彼は私にほとんど歌わせてきた。

まぁ全然イけるけどね!

なんだか感慨深かったよ。

ガキの頃から観てたバンドと、ガキの頃から聴いてた曲を一緒にやれてさ。

客席で夢烏と剃刀フレンズ(仮)が笑顔で暴れてる光景はめちゃくちゃグッときたよ。

夢烏、剃刀フレンズ(仮)、本当にありがとう。

そして最後はRAZORも全員集合して「大嫌い」へ。

しかしここでまたもやとんでもない事態が。

なんと最後に登場したRAZORのクールドラマーNIKKYが、ポン〇ッキのム○クのメイクをして登場してきたのだ。

客席もステージも爆笑。

でも私は少し悔しかった。

RAZORの中で突飛なヘアメイクをするのは基本的に私だけなのだが、ここにきてNIKKYがとんでもないヴィジュアルをぶちかまして会場の視線を掻っ攫っていったのだ。

少し、ほんの少し、悔しい。

私の歴史においても、ここまでヤバいヘアメイクはした事がないよ。

でもなんだろう、RAZORのドラムってすげぇだろ?って、そんな誇らしい気持ちも芽生えてしまった。

NIKKY、負けたよ。

あんたカッコイイぜ……。


まぁそんな話は置いといて、全員でかます「大嫌い」はとんでもない盛り上がりだった。

夢烏だけじゃなく剃刀フレンズ(仮)もクラウドサーフしてきたんだよね。

見逃してないぜ。

よくやった。

そんなこんなで狂気の大団円によりMUCCとRAZORが織り成すLove Togetherは幕を閉じた。

さて、とんでもない長さになってしまった私猟牙によるライブレポート、楽しんでいただけましたでしょうか?

いや長ぇよ!!

と世界中から突っ込みを入れられるのを覚悟の上で書かせていただきました。

文字数も完全にオーバーし、締切もすぎてしまっている。

VISUNAVI Japan様、大変申し訳ございません。

本当に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、そうでもして書きたかった想いが沢山ありました。

最後に、Love Togetherを開催してくれたMUCCに大いなる感謝を。

また是非共演させてください。

そしてその時はまたライブレポートを書かせてください。

次こそ締切を守ります。

絶対に。

では、読んでいただきありがとうございました。

RAZOR 猟牙


Text:猟牙(RAZOR)
Photo:冨田味我


■MUCC TOUR 2025「Love Together」
2025年11月28日(金)@大阪STUDIO PARTITA OPEN18:15/START19:00 ゲストバンド: XANVALA
2025年11月29日(土)@大阪STUDIO PARTITA OPEN17:15/START18:00 ゲストバンド: nurié
2025年12月20日(土)@水戸ライトハウス OPEN17:15/START18:00 ゲストバンド: MAMA.
2025年12月21日(日)@水戸ライトハウス OPEN17:15/START18:00 ゲストバンド: CHAQLA

【チケット料金】前売 8,500円 ※入場時ドリンク代別途必要
 ※東京キネマ俱楽部公演: 2F指定席両日SOLD OUT、1Fスタンディングのみ販売中
 ※他会場:スタンディング
【チケット一般発売中】
 <イープラス> https://x.gd/zKasA
 <ローソンチケット> https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=362876
 <チケットぴあ> https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2536536

■2025年12月31日(水) 「COUNTDOWN JAPAN 25/26」幕張メッセ

「Never Evergreen」Music Video

「Never Evergreen」配信Linkfire
https://tjc.lnk.to/NeverEvergreen

RELEASE

■Maxi Single「Never Evergreen」 
2025年12月10日(水)Release



【初回限定盤(CD+DVD)】 品番:TKCA-75314 価格:3,200円(税込)
[CD]
1.Never Evergreen
2.夜風(よるかぜ)
3.茨-イバラ-
4.Never Evergreen (Original KARAOKE)
5.夜風(よるかぜ) (Original KARAOKE)
6.茨-イバラ- (Original KARAOKE)
[DVD]
1. Never Evergreen Music Video
2. Documentary of Never Evergreen



【通常盤(CD)】 品番:TKCA-75315 価格:1,500円(税込)
初回限定盤CDの収録曲と同内容

【CROWN TOKUMA SHOP限定盤】メンバーデザインによるモイルバッテリー+CD(シングル通常盤)
「Never Evergreen | 逹瑯モデルモバイルバッテリー付* | クラウン徳間ショップ限定盤 | CD(シングル通常盤)」 TKZA-10053 / 8,800円(税込)
「Never Evergreen | ミヤモデルモバイルバッテリー付* | クラウン徳間ショップ限定盤 | CD(シングル通常盤)」 TKZA-10054 /8,800円(税込)      
「Never Evergreen | YUKKEモデルモバイルバッテリー付* | クラウン徳間ショップ限定盤」 CD(シングル通常盤)」 TKZA-10055 / 8,800円(税込) 
(*MagSafe対応・PSE適合品・IC保護機能:過充電、過放電、過電流、過電圧、ショート防止付)
https://shop-crtk.com/search?tagGroupCode=TG00000255 

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≪MUCC 「Never Evergreen」」発売記念インストアイベント≫
「📸MUCCと記念撮影会📸」
2025年11月27日(木) タワーレコード梅田NU茶屋町店  参加メンバー:YUKKE 時間:18:00~
2025年12月6日(土) タワーレコード名古屋パルコ店  参加メンバー:ミヤ 時間:18:00~
2025年12月10日(水)ベルサール西新宿 1Fイベントホール* 参加メンバー:逹瑯・ミヤ ・YUKKE 時間:18:00~
2025年12月19日(金)タワーレコード水戸オーパ店  参加メンバー:逹瑯 時間:18:00~

初回限定盤1枚・・・2ショット撮影会&ポストカードにサイン
通常盤1枚・・・2ショット撮影会
*初回限定盤1枚・・・4ショット撮影会&ポストカードにサイン
*通常盤1枚・・・4ショット撮影会

「🎄リミスタMUCCリスマス🎄」
2025年12月25日(木)インターネットサイン会  参加メンバー:逹瑯・ミヤ・ YUKKE 時間14:00~

RAZOR 9th ANNIVERSARY ONEMAN TOUR IX - ninth -
TOUR FINAL

11月30日(日) SHIBUYA WWW X
OPEN 17:00 / START 17:30
¥5,500(税込・D台別)
チケット発売中!
https://l-tike.com/razor/

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RAZOR 2025 LAST ONEMAN LIVE
〜逝ク年・狂ウ年〜 開催決定

RAZOR 2025 LAST ONEMAN LIVE
〜逝ク年・狂ウ年〜
2025年12月27日(土) Veats Shibuya
OPEN 17:00 / START 17:30

【チケット料金】
前売り:¥5,500( 税込/D別)
当日:¥6,600( 税込/D別)

【一般発売】2025年12月7日(日) AM10:00~ 
https://l-tike.com/razor/

関連リンク

◆MUCC Official Web Site https://55-69.com/
◆MUCC Official X https://x.com/muccofficial
◆RAZOR Official Web Site https://razor-web.jp/
◆RAZOR Official X https://x.com/RAZOR_official_

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