【DEZERT】3月20日幕張メッセワンマンに向けてフルメンバーインタビュー敢行! 生々しいリアリティで辿り着いた4人の現在地。────「音楽で人を救いたい」

3月20日に幕張メッセイベントホールにて自身2度目となるアリーナワンマンを開催するDEZERT。日本武道館ワンマンを成功させたのち、自身初の試みとなる47都道府県ツアーを敢行したバンドは現在何を想うのか。
フロントマン=千秋は、「DEZERT第一章を締めくくれる場所が見つかった」とも語る。終わりなき旅のなかで生き続ける意味とは?
全国各地を軒並みソールドアウトさせた事実に浮つくこともなく、4人からはどこまでもリアルな言葉が発せられた。それは生々しく刻まれるバンドの鼓動が、これからも続いていくことを各人が理解しているからこそだ。
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失敗を恐れない覚悟が生まれた
────2025年末にリリースされたメジャー1stシングル「「火花」/「無修正。」」は、DEZERTの今を体現する快作でしたね。「「火花」」は西島秀俊さん主演のドラマ「人間標本」の挿入歌で、なんでもメンバーの皆さんも俳優デビューをされたとか。
千秋:いや、何もないですよ。セリフもないし、湯船に浸かってただけなんで。
Miyako:楽器隊は演奏シーンだけだったけど、ドラマって、一つひとつのシーンにあんなに時間かけて作ってるんだって驚きはあったかな。「人間標本」は全5話なんだけど、作り上げるのはきっと大変なんだろうなと思いましたね。
Sacchan:撮影環境はすごく新鮮でした。
SORA:僕もMVと同じくドラムを叩くお仕事だったんで、いつもどおり頑張ったってとこですかね。
────なるほど。そのほかにもこれまで以上に活動の幅が広がった昨今だと思うんですけど、まずは2025年6月から続いている“DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR '25-'26 “あなたに会いに行くツアー””について。自身初の47都道府県ツアーを始めるにあたって、当初はどんなふうにバンドが変化していくと思ってました?
千秋:特別な変化を求めるツアーではなかったんで、しれっと始まった感はあったよね。スパンも長いし、本数を重ねていくうちにどこかふわふわした感じもあって。全然手を抜いてるわけではなくて、むしろその状態が心地良くもあったんだけど。
────47都道府県を回ったからこそ得られる感覚だと。
千秋:ツアータイトルのとおり、巡礼じゃないけど、武道館を終えて、地方で待ってくれている子たちに会いに行くっていうツアーだからね。バンドの根本が変わるようなこともなかった。始めからわかってたことなんだけどね。もちろん幕張メッセに来てねって気持ちで回ってる部分もあるんだけど、なんか野心的なものがちょっと今のDEZERTにはないのかなって感じてる。
────2024年末の初武道館ワンマンのときとは違う感覚なんですね。
千秋:武道館のときは野心があったよね。先輩と2マンさせていただいて、DEZERTを知らない層も武道館に連れて行くぞって必死感があった。けど、47都道府県ツアーをやっていると対バンとかイベントにも出れないし、そういう“奪ってやるぞ”的な野心感は生まれなかった気がする。
────だけど、それすらもある程度予想してたことなんですよね、きっと。
千秋:いざやってみると、正直メンバーだけじゃ処理できない部分がいっぱいあって。スタッフワークもなかなか難しくてキツい部分もあったかな。まぁ、それもわかってたことなんだけどね。
Miyako:まさにわかってはいたけど、想像以上に大変っていう感覚。1本1本を大切に回るツアーにしたいと思ってやってるからこそ、自分自身ともバンドとも向き合う時間が増えていった気がする。
Sacchan:どういうツアーになるか事前に思い描いてたことって、正直に言うと何もなくて。47都道府県ツアーをやったことがなかったので、なんならどう変わってもいいぜ!くらいのテンション感ではあったと思うんですよ。でも、一方で恐怖感もあったかもしれないですね。
────恐怖感?
Sacchan:半年以上の間、同じタイトルでライヴをやり続けるわけじゃないですか。それも初めての経験だし、終わったときにどうなっていたいかを想像するっていうよりは、まだ戦ったことのない敵と戦う気持ちだった気がしますね。未知の感覚というか。だから、気持ち的にも余裕を持って回らないと、何かあったときにバンドが壊れてしまうんじゃないかって恐怖感は持ってました。大丈夫って言い聞かせながら臨んでたところはあるし、心にちゃんと余裕を持っておかないとっていう意識が、さっき千秋くんが言ってた“ふわっと始まったツアー”ってことなのかなと思いますね。
────決してネガティブな意味ではなく。
Sacchan:そう、悪い意味じゃなくて。そもそもバンドって生き物は、ライヴが多ければ多いほど衝突する可能性が増えると思うんです。メンバーによって考え方も違うかもしれないし、それで歯車が狂っちゃうことも考えられる。正直なことをぶっちゃけると、長いツアーを回ること自体がワクワク感に勝る恐怖があるんですよ。これはうちに限らず、ある程度長くやってきたバンドはそうだと思うんですけどね。このツアーに関しては、セットリストを固定してやろうぜって言ってたわけでもないし、アベレージを求めるライヴにする感じでもなかったから、とにかく大らかな気持ちでやってきました。
────Miyakoさんは、2015年に加入してほどなくハードなロングツアーを回った経験もありますけど、あの頃とは当然バンドの雰囲気は違うわけですよね?
Miyako:そうですね。でも、武道館を終えて成長したはずの自分たちにとっても、こんなに大変なことなんだなって思わされたかな。そりゃ47ヵ所にただ行くだけなら楽だろうけど、各地方でその日しか観られないお客さんもいるんだって思うと、責任も大きいし、なおかつ幕張メッセに来てもらえるようなステージをしなきゃいけないしね。成長することって終着点がないでしょ? 辿り着けたと思ったらまだ先があるってことを、ずっと繰り返してる感じです。
────それは成長し続けているってことの証でもあるんでしょうけどね。
Miyako:こうなったら、ゴールっていうものが明確にあれば楽になれるんだけどそうじゃないからね。これはバンドに限った話じゃないと思うけど。
SORA:僕は、ツアーが始まるときはすごいワクワクしてましたね。と言うのも、以前にロングツアーをしたときと比べて、色々なことを広い視野と寛大な気持ちで受け入れられるようになっていたから。それでもまだまだ未熟だと思ってるけど、これは先輩をはじめとする方々に多くの経験をさせていただいたことによる成長だと思いますね。昔回ったロングツアーのときはもっと未熟だったし、マインド自体が今とは全然違ったと思うんですよ。今の自分たちならあの頃とは違って、もっと色々なことができるんだろうなって気持ちで初日を迎えたことを覚えてます。
────実際に回ってみて、どうでした?
SORA:音楽やドラム、バンドを続ける覚悟をしっかり言語化することに対して日々考えているって感じですかね。まだ、自分のなかでは全然できてないんですけど。
────まだ模索中?
SORA:模索中。例えば格闘技だと、RIZIN大晦日(“Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り”)の朝倉未来選手は負けちゃったけど、とても素晴らしかったじゃないですか。あれって負けたときにどうするのかって覚悟を持っているからだと思うんですよ。人前に立つっていうことに対しての覚悟って、色々な形があると思うんだけど、自分にとってのそれは何なんだろうっていうことを考えさせられるツアーでしたね。
Miyako:そうだね。1本1本のライヴをしっかりお客さんに届けることは、もう当たり前にできるバンドになってきたんだなって実感もあるし、俺らって大人になったのかな?って思うこともありました。ただ、それが良いことなのかそうじゃないのかは現時点ではわからないんだけど。
────成長することと、大人になることがイコールじゃないってことですか?
Miyako:バンドって大人にならないほうが良いこともあるような気がしてるから、そこは俺のなかでもまだ整理がついてないかな、って感じです。もっと先になって理解できるのかもしれない。でも、答え探しのためにバンドをしてるわけじゃないから、答えがなくても構わないかな。
千秋:自分探しをする旅でもないからね。
────ツアーではほぼ全ての公演を「真宵のメロディー」から始めたじゃないですか。それは当初から決めてたんですか?
千秋:ツアーが始まるタイミングで出したミニアルバム『yourself: ATTITUDE』にも、「真宵のメロディー」は収録されるかどうかわからないぐらいだったんだけどね、実は。そこでメンバーやスタッフからも大きい会場が見える曲だよねって意見が上がってきて収録されることになって、じゃあツアーもこの曲を1曲目にしようかってなった。1曲目にやらなかった公演もいくつかあるんだけど、そもそも俺はこの曲を1曲目にすることを推してたわけじゃないんだよね。
────やってみたらしっくりくるものがあったんですかね?
千秋:いや、「真宵のメロディー」に関しては、まだしっくりきたことがない。だから1曲目でやってるのかも。
────武道館ワンマン前あたりで、千秋さんから「自分が言われたい言葉を歌うようになってきた」って発言を聞くようになったんですけど、その考えは今も変わらない感じですか?
千秋:結局さ、自分も音楽に救われて今ここにいるわけでしょ。俺は“あなたを救いたい”みたいなことをハッキリ言うタイプじゃないんだけど、端的に言えば救ってあげたいんだよ。なんで音楽やってるかって言ったらお金のためじゃないでしょ。お金稼ごうと思って音楽始めましたか?って話。
────自分を救う言葉が、誰かを救う言葉になっているってことですよね。逆に言えば誰かを救うことで自分を救える。
千秋:だから、そこで自分自身との戦いが始まると思うんだよ、バンドマンって。俺はあんまり人付き合いがないほうだけど、たまに後輩バンドの話を聞いたりする。「どれぐらい収入があります」みたいなこと言われるんだけど、そこはどうでもよくない?みたいな。音楽で人を救いたいんじゃないの?って思う。こっちも人間だから言ってることが変わったりもするけど、DEZERTをずっと続ける理由はそれでしかないから、音楽は人を救えるんだって気持ちがなくなることはないかな。
────かつて、“千秋を救うツアー”と題してロングツアーを回ったことも腑に落ちてきますね。伏線回収じゃないですけど。
千秋:まぁ、あのタイトルは俺が決めたわけじゃないんだけどね。
────話を戻しますが、“もう大丈夫”と歌い始める「真宵のメロディー」からライヴがスタートすることにハッとさせられたんですよ。DEZERTが何を伝えたくて全国回ってきたのかの理由がそこにあるんだなって。
千秋:そこは言葉の強さだよね。そういうメッセージを、例えばみーちゃん(Miyako)にギターの一音で表現しろって言ったってそんなの無理じゃん? 「おお……千秋がまたなんかエラいこと言い出したな」ってなるでしょ? やっぱそこは常にマイクを持って言葉にできるフロントマンとではハードルが違うし、言葉で伝えるっていうのはヴォーカルの役目だよね。人間のコミュニケーションって、“言葉”だから。それをふまえてDEZERT代表として、フロントマンとして、伝えていくことは徹底していってるつもり。よく知ってると思うけど、俺は喋りすぎるからグダるときもあるけど、嘘を言ったことはないのよ。正直な気持ちをずっと伝えてるし、本気で人生変えてあげたいなとか、何かの活力になりたいってずっと思ってる。だから、このバンドで売れたいんだろうな。
────先日、MCでも仰ってましたもんね。バカにされたくないからデカい会場でやるって。
千秋:DEZERTを聴いてくれてる人もそのほうが勇気出るでしょ。良いときも悪いときも、小っちゃいことを積み重ねて成功してる姿を見せれたら、力になれると思うんだよね。俺は、格闘技はあんま見ないけど、さっきの朝倉未来さんの話もそうだと思ってて。
────無謀な試合だと言われていても立ち向かっていく姿勢ですよね。
千秋:人間だから勝つときもあれば負けるときもあるけど、それを全部ひっくるめてどう生きてるかが人を動かすでしょ。今は良いところだけ切り取ってカッコつけてるヤツが多い。俺はむしろカッコ悪いときもあることが大事なんじゃないの?って思ってる。失敗してもどう立ち上がるかが大切だし、SORAくんの“覚悟”って言葉を借りると、俺は失敗を恐れない覚悟が生まれたと思う。そう考えると「真宵のメロディー」は覚悟の曲じゃないんだよな。
────答えが明瞭ではないってことですか?
千秋:“もう大丈夫”って歌ってるけど、何が大丈夫なんだい?ってすごくぼやかした曲。真宵ってタイトルも、夜明けの薄暗くて明るくはない景色というものに付随してるからね。今のDEZERTをすごく表している曲だなと思うよ。だって難しいよね。武道館もあれだけの人が集まってくれて、周りも応援してくれている状態でバンドがめっちゃ順調に見えると思うんだけど、実際はもがいている部分もあるし。
────そういう意味では、バンドを取り巻く環境もやるべきことも変わってないんですね。
千秋:そうだね。変わったらまたそのとき話します。
────ところで、年明けの新宿LOFT公演では「「火花」」を本編ラストに据えたじゃないですか? 「「火花」」はメジャー感があって疾走するキャッチーな楽曲ですけど、淡々とした曲調の「真宵のメロディー」とすごく似てるなと思ったんですよ。その2曲が本編の最初と最後にいることで、バンドの景色が変わるような気もしたんです。
千秋:LOFTの2日目ね。1日目が終わったあとに「なんで「「火花」」を最後にやんないの?」って俺に言ってきたでしょ?
────そう。初日は中盤にプレイしてたけど、「真宵のメロディー」と同じぐらい“バンドの今”を象徴してる印象を受けたんですよ。
千秋:俺のなかで「「火花」」ってちょっと難しい立ち位置だったんだけど、ああいうふうに言われて正直ハッとしたんだよね。たしかになんで最後にやらないんだろう?って。どうやらSORAくんは最初から「「火花」」をラストにすべきだって言ってたらしいんだけど、実際にやってみたらすごく手応えがあって。ようやくツアーが完成する感じがしました。
────正直、めちゃくちゃ説得力がありました。置きどころが難しかった理由はなんだったんですか?
千秋:つまり「「火花」」って曲は理想郷なんだよ。すげえ良いこと言ってるんだけど、俺たち4人が心からあれを言いきるってことに関してはまだ模索中なのかもなって思う。だから俺は、最後にしなかったのかな。自然とね、感覚的な話。でもやってみてしっくりきたから、幕張も最後にこの曲をやるんだろうなって思った。あ、それで言うと、ツアーがどうだったかって答えが出たわ。「真宵のメロディー」で始まって「「火花」」で終わるためのツアーだったんだろうね。
────あと、内情の話で言うと「「火花」」って曲はずっと前からあった曲なのも興味深いところです。
千秋:たしかにリリースは年末だったけど、2024年の武道館を終えてすぐに書いた曲だから、実は新曲のなかで一番付き合いが長い曲ではある。
────「真宵のメロディー」も「「火花」」も共通して“大丈夫”って歌ってるけど、ともにキャッチーなのに奥底にすごく孤独が眠っているし、そもそも本当に大丈夫な人は“大丈夫”なんてきっと歌わないんですよね。
千秋:そう、全然大丈夫じゃない。大丈夫じゃないからみんながついてきてくれるんでしょ。完璧なヤツなんか誰も興味ないし、大丈夫じゃなくていいんだよ。
3月20日にDEZERT史上最高のライヴをやってやろうと今は思ってる。
────3月20日が少しずつ迫ってきているわけですが、幕張メッセでワンマンをすることはどういう流れで決まったんでしょうか? もともと、武道館をゴールにするつもりはないっていうのはメンバーの総意だったとは思いますが。
千秋:俺ばっかり喋って申し訳ないんだけど、これはDEZERTの悪い癖。武道館をやる前にもう会場を押さえてるしね。こういうこと言うとネガティヴに思われるかもしれないけど、メンバーでも賛成派と反対派がいたのよ。
────賛成派は?
千秋:えっと、みーちゃんとSacchanかな。俺とSORAくんは反対派だった。と言うより、SORAくんは幕張でDEZERT主催のデカいヴィジュアル系フェスをやりたいって言ってたんだっけかな。
Miyako:そうだね。
千秋:武道館は自分たちのケツを叩くためにやった部分もあったから、幕張はまたどうなんだって話で。
────反対した理由も聞いていいですか?
千秋:武道館に向かってる最中って、みんなが魔法にかかってたでしょ。ソールドアウトはしなかったけど、結果的にあれだけのお客さんが入ってくれて、当然俺たちの最高動員。それまでの倍どころじゃないぐらい。じゃあその魔法が解けたあとにどうするのかって話と、魔法にかかったまま進むって選択が怖かったっていうのが正直なところ。
────最終的に踏みきったのはどうして?
千秋:話し合いの流れでって言うとそのまんまなんだけど。今、音楽で人を救いたいって言ってるけど、これまでの俺はそれを力強く言えなかったのよ。自分を救う言葉を歌ってるとか、色々こねくり回して表現してきたけど、本当は違うじゃん。音楽で誰かを救いたいってことでしかないから。幕張メッセはそういうDEZERTで臨むし、これまで何章もあったけど、そういう意味ではついにDEZERT第一章を締めくくれる場所が見つかったなって思う。幕張メッセが終わったらアルバムを作ろうってなってるんだけど、そういうアルバムを作るよ。それぐらいの力を俺たちは持ってる自信があるから、幕張に立てる。
────バンドを束ねるための目標だった武道館がみんなにかけた魔法ってなんだったんでしょう?
千秋:やることを発表したらみんながおめでとうって祝ってくれるし、目標に向かっていくことで応援してくれる人も増えて、風が吹いたんだよね。実際、先輩バンドと2マンとかやって野心的に頑張ったらチケットも一気に伸びた。DEZERTが初武道館をやるって魔法にみんながかかってくれたし、俺自身も自己催眠をかけてる感覚だった。それはめっちゃ良い魔法なんだけど、俺たち4人はそれなりに真面目にバンドをやってきてるから、気がついちゃうんだよ。“武道館マジックからそろそろ醒めるんじゃね?”って。
────あぁ、なるほど。
千秋:この魔法にかかったままでいいんじゃない?って考え方もあるんだろうけど、武道館の次どうすんの?っていうのが見えてきたときに自己催眠をかけ続けるのはやっぱちょっとしんどくて。フロントマンとしてこの魔法を幕張までかけ続けるべきだったのかなって思うことも正直あるんだけどさ、でも、醒めたことで気づくこともあって。それを活かすしかない。
────魔法を解いたけど、それでもDEZERT第一章が完結する場所は武道館じゃなくて幕張メッセなんですね。
千秋:結局、魔法が解けたうえで上に行かなきゃいけないしね。幕張メッセってめちゃくちゃデカいのよ。
────9000人キャパですからね。
千秋:武道館に来てくれた人が全員来てくれても、まだ埋まらないからね。色々模索して、出す予定じゃなかったシングルを出したり、ファンの目を見て声を聞きたくてインストアイベントもたくさんしたり、感じることもたくさんあった。そのうえで、3月20日にDEZERT史上最高のライヴをやってやろうと今は思ってます。
────「「変身」」では“あの場所まで行けば 変わると期待してたんだ”と言いきってますけど、楽器隊の皆さんにとっても武道館を経て何かが変わった感覚っていうのはなかったんですか?
SORA:変わらなかったんじゃないですか? 変わらないじゃんって思えたことが素敵なことだったと思います。
────そもそも変われると思ってなかったですか?
SORA:いや、バンドマンって武道館に立てば変われるんじゃないかって希望を心のどこかに抱いてると思うんですよ。でも現実はそんなに甘くないっていう部分がやっぱりある。こんなこと言うとどうなんだって思われるかもしれないけど、これを読んでくれてるキッズの子たちに誤解はしてほしくなくて。立ったからこそわかることがあるから、大きいよね。変わると思ってたのに、変わるわけがないってことに気づけたことが良かったなって今は思いますね。
Sacchan:バンドっていう集合体である以上、武道館の規模感でやるからここで一気に変わろうとか気持ちを切り替えようみたいなことはないと思ってて。変わる必要がそもそもないっていうのもあるんだけど、現実的な体感で言うとお客さんの熱量はさらに高くなったし、実際、47都道府県でワンマンをしても、今まで以上に多くの人が来てくれるようになりましたよね。千秋くんも言ってたように、武道館は紛れもなく自分たちの最高動員だし、そういう側面で変わったって感じることはあるかもしれないです。ただ、バンドの本質を変えるんだとしたら、これまで10数年やってきたなかでいくらでも変わるタイミングなんてあったよねって話なんで。どう変わっていったら理想的かなんてことも考えてないです。結構、俯瞰して見てますね。
Miyako:俺も、武道館が終わって変わったと感じることはないかな。それよりも武道館を発表して1年以上かけてそこに向かっていくなかで、メンバーそれぞれが変わっていったと思ってて。それまでも挑戦はし続けてきたけど、あんなに大きな挑戦ってなかったからね。その道中ってやりがいのあることもあれば、もちろん苦しいことも多いし、その経験で自分自身も変わったはず。武道館が終わった瞬間にみんなが最強になれるとかだったら単純でいいんだけど、そういうことじゃないしね。でも、俺って平和的な性格でわりとのんびりしてる部分もあるけど、武道館って挑戦はいつでもできることじゃないし、挑戦できたその素晴らしさのほうが印象深いかな。それは今回の幕張も同じだと思います。
────千秋さんは、武道館を発表することになった2023年9月のLINE CUBE SHIBUYAワンマンをソールドさせたときは大喜びしてた印象があるんですけど、武道館はまた違うものでした?
千秋:そうだね。実は武道館でやるのも、俺は反対だったから。武道館をやったらバンドの夢が終わっちゃうんじゃないかって思ってたんだよね。例えば、武道館が大失敗したとして、それはフロントマン千秋の力では到底立て直せないんだよ。感覚的にZeppとか渋公なら今の俺が頑張ればどうにかできる自信はあるの。でも、武道館はそういうレベルじゃない。もし武道館が失敗に終わったらメンバーのモチベーションも低下して、バンドが続かないんじゃないかってことまで考えてたからさ。でも、そこはあれだけお客さんが入ってくれたことで乗り越えられた。だから「「変身」」で歌ってることはマイナスな意味じゃなくて、変わらないって理解できたってことでもあるんだよね。
────目指していく道中で進化したし、次の夢も生まれたんですね。
千秋:確実に人間としてもバンドとしても成長できたと思ってる。武道館に向けた取り組みでうまくいったものもあれば、そうじゃないものもあるけど、小さなチャレンジを重ねた先に大きな挑戦があったことに意味があった。立ってもどうせ変わらないんだったら、また何回も立てばいいし、いっそ日本武道館を俺たちの聖地にすればいいじゃん?って思ってて。それは今回の幕張メッセも同じ。何も変わらないって最初からわかってるんだよ。でも、そもそも嫌でしょ? 幕張メッセに立ったからって急に変わるバンドなんて。
────たしかに(笑)。DEZERTはそんなバンドじゃないですもんね。
千秋:変わろうとすると、変わらなくていいものまで変わっちゃうときがあるから。でも、渋公ソールドして武道館発表するときのワクワク感を超える経験はまだなくて。だから幕張に挑戦するし、まだまだ上を目指していくんじゃない?
────“DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL 「僕らの音楽について」”。このタイトルの発案は誰からですか?
千秋:47都道府県ツアーで「僕等の夜について」って曲をお客さんと一緒に育ててきたこともあって、SORAくんからの提案だったと思う。漢字とひらがなの細かい表記はSacchanと相談しながら決めました。でも、タイトルは発表する直前まで悩んだな。あと、このタイトルにすることによって、実はある1曲が完成するんだよね。それは新しい曲なんだけど、その曲を俺は絶対に3月20日に幕張メッセで歌うんだって気持ちですよ。
────正直、武道館以上に今回の幕張メッセが楽しみなんですよ。武道館は13年の歴史を包括した、言うなれば、グレイテスト・ヒッツ・DEZERTだったけれど、今回は最新形のベスト・オブ・DEZERTを提示することになるじゃないですか。みなさんは現状、どんな日になると考えていますか?
Sacchan:幕張メッセはもちろん規模も大きいし、そういう会場ならではの魅せ方になると思います。ただ、あえて個人的な話をさせてもらうと、武道館でやりきれなかった部分というのももちろんあるので、そこを突き詰めたいですね。ライヴって本質はどれも同じだと言いつつも、キャパ感によって見える景色とかやるべきことも変わるし、物理的な距離感も異なるので、もっと表現力を高めたいっていう固い意志があります。
────武道館の次に何を課題にしていくのかなとは思ってたんですよ。ちょっと抽象的な言い方になっちゃいますけど。
Sacchan:武道館よりも良いライヴにするっていう目標と向き合いたいと思ってますよ、これは精神論とかではなく。2025年にリリースした曲も含めて、ツアーで全国を回ってやってきたことが間違いなく出る日になると思います。もちろん向かうなかでツラいこともあるけど、素敵な日にしたいですね。
SORA:まず等身大の姿を見せたいですね。等身大っていうか、背伸びせずに今の自分がやるべきことをちゃんと音で表現して、幕張メッセでしっかりSORAのドラムの音を鳴らしたいと思ってます。大きなことを言うと、来てくれた人にとって何かしらの活力になるきっかけを作れたら本望だな、と。自分もしんどいときに好きなバンドを聴いてパワーをもらってるんで、僕らがそれをファンの皆様一人ひとりに届けられたらいいなと思いながら頑張りたいという所存でございます。
────余談ですけど、DEZERTのSORAは武道館に立っても変わらなかったって仰ってましたけど、武道館に立つことを夢見続けた少年時代の“大川くん”は喜んでましたか?
SORA:あぁ……なるほどね。まぁ、大川少年的に言うと、色々な人に再会するきっかけになって、生き方を考え直す機会にもなったのかも。
────お母様と幼少期以来に再会するきっかけになったのが武道館だったんですよね。
SORA:そうそう。だからこそ、日の丸の下に立たせてもらったファンの皆様、メンバー、会社やスタッフに感謝ですね。色々な人のおかげで叶ったことだから、本当に感謝してる。もう感謝っていう言葉しか出てこないな。
Miyako:ライヴを終えてステージから下りたときに、メンバー4人が“幕張やってよかったよね”って思えるライヴにしたいよね。それができていればお客さんにも間違いなく届いてると思う。まぁ俺らのことだから、どんな良いライヴだろうと手放しで良かったよねみたいな感想にはならないんだけど(笑)。今は薄暗くてまだ綺麗には見えてないんだけど、この日の先に自分たちが進む道が見えてくるのかなとは思ってます。バンドが大きくなってきたからこそしがらみも増えてくるし、多少のジレンマはあるけど、だからこそ今は俺ら4人が満足できるステージにしたいです。
────バンドとしてはこの先に15周年も控えていますが、千秋さんは3月20日の幕張メッセをどんな日にしたいですか?
千秋:何度も言ってるけど、“音楽の力で人を救えるんだ”っていう気持ちでやる。俺らの世代って若かりし頃にテレビとかで華やかな世界を観て育ってきてるから、そういう光景を夢見てきたけど、今の時代は絶対に違うのね。DEZERTができることって言ったら、内面の生々しさを曝け出すこと。生々しさってちょっと汚いところもあると思うけど、それも全部ひっくるめて俺たちはステージですべてを出す。これは武道館と圧倒的に違うところ。それは決して新しいDEZERTではなく、変わらないDEZERT。そういう姿を見せていく時代なんだと俺は思ってる。そしてそれでいてカッコ良くリアリティを持ったバンドでいれるかのチャレンジの日になる。もがいている姿を観に来てくれよって気持ちです。ずっと生々しいバンドではあるんだけど、これからもそれは変わらないだろうね。
取材・文 山内秀一
写真 Megumi Iritani

DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL 「僕らの音楽について」
2026年3月20日(金・祝)
幕張メッセ イベントホール
OPEN 16:00 / START 17:00
【チケット料金】
■全席指定 ¥7,000(税込)
■ファミリー席 大人 ¥7,000(税込)・子供 ¥5,000(税込)
※スタンド席
※ファミリー席の子供料金は、公演日時点で3歳以上・15歳以下のお子様が対象となります。当日は年齢が確認できる身分証お持ちください。
■海外用チケット ¥7,000(税込)
※クレジットカード決済受付のみ
※チケットは当日会場にて引換
<ローソンチケット>
https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=280229
<イープラス>
https://eplus.jp/sf/detail/1016560001?P6=001&P1=0402&P59=1
<チケットぴあ>
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2543181
<ticket board>
https://ticket.tickebo.jp/show/event.html?info=14809
<livepocket>
https://t.livepocket.jp/e/dezert47final/
■海外用受付
受付券種:全席指定のみ
受付期間:2025年11月11日(火)12:00~3月19日(木)23:59※日本時間
受付URL:https://l-tike.com/st1/dezert47final-en
※1申し込みにつき4枚まで
※海外在住者は現地でWEB決済(海外発行のカードのみ使用可)
※受付&決済のみで、チケットは当日会場にて身分証明書(パスポート)提示で引換(主催者対応)
※営利目的の転売禁止
※3歳未満入場不可(3歳以上要チケット)



