【VALHALLA】◆スペシャルインタビュー◆「最終的には実力で勝つ」KØU×MIOが語るVALHALLAの現在地

唯一無二の歌声をヴィジュアル系シーンに響かせてきたKØU(ex.CLØWD)。そして、実業家やYouTuberとしての顔も持つプロデューサー兼ギタリストのMIO。二人が立ち上げた新バンド・VALHALLAは、ほかのバンドとは一線を画す壮大な物語を描こうとしている。なぜMIOは楽器未経験からバンドを始めたのか。なぜKØUは再びステージに立ったのか。VALHALLAというバンドの目的とはなんなのか――。赤裸々に語った二人の初インタビューをぜひ熟読してほしい。
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「これでやっと、ちゃんと喜ばせてあげられるな」って(KØU)
────まずはバンド結成の経緯から教えてください。
MIO:僕はホストクラブを経営しているんですが、ヴィジュアル系バンドをやっていたミュージシャンが、バンド解散後にキャストとして所属することがよくあるんですよ。よくよく考えたら「うち(の店)にもいるやん!」ってKØUの存在に気づいて(笑)。僕自身がヴィジュアル系好きということもあって、僕から声をかけて始まった形ですね。
KØU:ちょうど僕が、MIOさんの経営するホストクラブに入店した2ヵ月後くらいに、そういう話が出ましたね。
MIO:前身のバンドが上手くいかなかった理由が何かしらあるんだろうから、僕が実際にバンドをやってその理由を探して、どうにか解明して、ある種のノウハウを作れたとしたら、それはミュージシャンが長生きできる手段になるのかなって思ったんです。だから僕の感覚では、一種の経営として挑戦している部分もありますね。
────ミュージシャンの救済策を探すための活動でもあると。
MIO:救済なんて偉いことは考えてないです。単純に、ミュージシャンは音楽をやったほうがいいじゃないですか。それに、KØUは明らかにレベルが違いますから。KØUらしくいてほしいし、それを応援したいんですよ。だから宝の持ち腐れにはしてほしくないなと思いました。
────KØUさんは、MIOさんからバンドに誘われた時、どう思いましたか?
KØU:正直「趣味程度なんだろうな」って思いました。でもバンドを始めた数ヵ月後に、MIOさんがバンドスタジオを一から作ったんですよ。それで、「あ、これは本気なんだな」って。これからガッツリ音楽をやっていくつもりなんだなっていうのが伝わってきましたね。もともと僕はバンドが好きだったし、長い間バンドをやってきたけど、いろいろな経緯があって、たまたまこの場所に行き着いたので。そういう意味では、MIOさんに本当に救われていますし、何かしら恩返しができたらいいなと思っています。あと、やっぱりずっと待っていてくれるファンの子もいたから、その子たちのことを思うと、「これでやっと、ちゃんと喜ばせてあげられるな」って思いましたね。

────MIOさんはもともと楽器経験が全くなかったということですが、プロデュースだけではなく、メンバーとしても参加しようと思ったのはなぜですか?
MIO:そうしないとバンドの本質を理解できないと思ったんです。ファンの気持ちはステージに立たないとわからないし、演者の気持ちもギターを弾かないとわからない。“何か指導する時は、自分ができるようになってから”というのが僕のルールなんです。そもそも仕組みを知ってないと、メンバーも含めみんなと距離が生まれちゃいますからね。あと、一番近くで見てやらないと、バンドを高めていくことは無理だなとも思いました。KØUにもキャリアブランクがあるし、僕にいたっては未経験。このチームでやるには、出資する人間が一番近くですべてを見ていないとダメだと思って、自分も頭数に加えることにしましたね。やっぱり一緒に揉めて一緒に苦労しないと。お金だけ渡して「これでやっておいで」じゃ何も生まれないんです。
────未経験からバンドをやることに対するプレッシャーはなかったんでしょうか。
MIO:未経験だからこそなかったです。ただ、始めて半年ぐらい経ったころ、「あ、まずいぞこれは」って思い始めましたね(笑)。色々な面で日に日にしんどくなってきました。
KØU:楽はさせないですよ(笑)。
────KØUさんは、MIOさんと一緒にバンドを組むことに対する不安は?
KØU:純粋に、「嬉しい」が一番でした。僕もまぁ歳なんで、今から新しくバンドを始めるにしてもメンバーを集めるのが難しいですし、バンドの方向性を再構築していくにもかなり時間がかかるんですよね。その点、MIOさんは僕がやりたいことを全面的に許容してくれるので、相性がいいんじゃないかなって思っていました。
────自分の意見を尊重してくれる人がメンバーにいるのは心強いですよね。
KØU:バンドって自我の衝突から解散の方向に行っちゃうことも多いんですよ。僕も人生で2回、バンドの解散を経験して、ものすごくしんどい思いをしました。それをもう二度と味わいたくなくて、なかなかバンドを組むことができなかった部分もあるんです。でもMIOさんはそもそも違う立ち位置にいてくれるから、そこは何も心配していないし、安心ですね。解散することも絶対ないですし。
────楽器経験の全くない人と組むという点に対する不安もなかったですか?
KØU:全然なかったですね。技術は後から身につくものだし、実際MIOさんは成長スピードがエグいんですよ。ライヴはまだ20本しかやってないんですけど、最初よりかなり腕が上がってきて、ギターソロとかちゃんと弾けるようになってきてるし。そのあたりは今も全く心配していないですね。
MIO:20本“しか”なの!? 今年何本やることになるん?(笑)最初は、月に1回ライヴをやれればいいと思ってたんですけど、今はもらった仕事は全部やるようにしてるので、週1でライヴしてますね。
────かなりハードなスケジュールですね。
MIO:KØUとは、寝る時間をどうやって割くかっていう話をよくしてます(笑)。
KØU:MIOさんはほかの経営の仕事もやってるし、YouTubeもやってるし、どこで練習して、いつ寝てるのかわかんないですよ(笑)。
MIO:今は海外にいるんですけど、ギター持ってきてちゃんと練習してますからね。昨日の夜も3時間くらいは練習したかな。
────海外からインタビュー受けてくれてるんですか!
MIO:そうですね。僕は基本的に家にいないので。海外から繋ぐのはデフォルトです(笑)。
思ったよりヴィジュアル系の世界は優しかった(MIO)
────そんな多忙を極めた生活を送る中ですが、バンドの現在としては、昨年12月に本格始動して3ヵ月ほど経過した段階です。活動の手応えはいかがですか?
MIO:いやー、僕のファンが順調にKØUに流れてますね(笑)。
KØU:あはは!
MIO:まぁでも、順調にやりたいことはやれてるよね。
KØU:そうですね。去年の12月にやった始動ライヴも、当時は音源もMVもほとんど出してなかったのに、Ikebukuro EDGEがソールドアウトしたんですよ。傍から見たらかなり順調だと思います。これからシビアに見てくれるファンも徐々に増えるだろうから、僕らメンバーがそれぞれしっかりスキルアップしなきゃなっていうくらいですね。
────ヴィジュアル系も他ジャンルも含めて、対バンイベントにもよく出演されていますが、反応はどうですか?
MIO:思ったよりヴィジュアル系の世界は優しかったですね。文化や風習に倣わず出てきた者には厳しいイメージがあったので、僕らみたいなのは腫れものみたいに扱われたり、総叩きにあうんだろうなって思っていたんですよ(笑)。でもいざやってみたら、対バンする人みんな優しいし、別に変なことも言われないし、ビックリするくらいイメージと違いました。

KØU:結局、音楽性と人間性が良ければジャンルは関係ないなって感じましたね。ありがたいことに最近は男性ファンも増えてきたんですが、もともとロックバンドが好きで、ヴィジュアル系は全然知らなかったっていう人も多いんですよ。
MIO:ジャンルは関係ないっていうのは、僕も同意見ですね。まぁヴィジュアル系とそれ以外というより、ライヴハウスに来るお客さんとそうじゃないお客さんで、応援の仕方にレイヤーができてるなって感じます。だから今は、ライヴハウスではライヴハウスのVALHALLAを、動画では動画でのVALHALLAをって感じで、顔をきちんと使い分けていこうと思っています。ライヴハウスの動員だけ考えればいいわけでもないので、どういった形でバンドを成り立たせるのか。人間関係、動員、財政、見栄えなど全部含めて、どの辺から整えていくかを考えています。
────ライヴハウスで見せるVALHALLAの顔とはどんなものでしょう。
MIO:まぁ、うちはヴォーカルがカッコ良いんでね。僕はニコニコしてやりたいようにやろうかなと(笑)。やっぱりKØUが歌えば、どんな曲でもVALHALLAになるのが強みだと思っているので、あとはやりたいようにやるのが一番です。あと、意識して考えているのはファンとの距離ですね。近づきすぎてもよくないし、遠すぎて入れ込めなくてもダメ。
KØU:今はメンバー各自がカッコ良いと思うものをひたすら提示している状態なので、これがVALHALLAのライヴですっていうものは正直ないかもしれないですね。でも、ワンマンとかは本当に自由で和やかな雰囲気です。もちろんがっつりカッコ良いところを見せるフェーズもありますが、MCは和やかだったり。まぁ、僕らも正直どこまでやっていいのか模索している段階ですね。なんにせよ雰囲気はすごくいいと思います。
MIO:うん、ワンマンは本当に“我が家”って感じの空気ですね。初めての人でも居心地は悪くないと思うし、よくDMで「ライヴで友達できたから今度一緒に行きます」って2ショットの写真が送られてきたりしますよ。
────どうしてもVALHALLA=怖そうなイメージが抜けなかったんですが、実際はアットホームな雰囲気なんですね。
KØU:よく言われます(笑)。
MIO:全然そんなことないです!
全ての曲をタイトル曲にするつもりで取り掛かるのがVALHALLAの共通認識(KØU)
────では楽曲のお話も聞いていきたいと思います。曲は基本的に、メインコンポーザーのKØUさんが作っている形ですか?
MIO:一応RAY(メインサポートギタリスト)も含め、みんなで持ち寄ってはいるんですけど、さっきKØUが言っていたように、基本的にはヴォーカルのやりたいことを最優先するようにはしてます。ヴォーカルのやりたいことができる曲であることと、バンドとして作った曲であることの両方が混ざっている状態が理想だと思っているので、選曲はそのバランス感を大事にしていますね。
KØU:でも、僕は本当に何でも歌いたいと思ってるんですよ。振りがあるアイドルみたいな曲もやりたいし、血まみれのメイクでTHE・ヴィジュアル系みたいな曲もやってみたいし。「俺はこうでなきゃダメ」みたいな感覚がないんですよ。もちろん音楽性は大事にしなきゃいけないんですけど、楽曲のジャンルに関してはなんでもやっていきたいです。
MIO:歌いやすくて気持ちが乗りやすいようにするための修正もKØUの意見を優先するので、みんなで持ち寄った楽曲をKØUがカッコ良く仕上げているっていうイメージですかね。だから僕らとKØUとのキャッチボールを楽しんでいる感覚です。
────ライヴで特に手応えを感じた曲はありますか?
KØU:「loser」ですね。乗りやすいのはもちろんあるんですけど、反発精神で書いた歌詞が意外と刺さったみたいですね。あと、ヴィジュアル系が好きな子たちに刺さるサウンドやギターのフレーズを詰め込んでいるのもあると思います。
MIO:暴れられるようにしつつ、女の子受けしすぎないように作ったのがポイントでしたね。でも、そのあとめちゃくちゃ女の子向けの「溺溺」って曲を作ったら、こっちもみんな喜んでくれたんだよね。わかんないもんだよね、本当に(笑)。
────ちなみに女の子受けしすぎないというのは、具体的にはどう意識したんでしょうか。
KØU:あんまり女々しいのが好きじゃないので、「俺について来いや!」みたいなオラオラした感じが全面的に出ちゃったなとは思います。
MIO:そしたらMな子にハマる曲になったんですよね(笑)。
────新曲の「synchro」はKØUさん作詞、MIOさん作曲の楽曲です。MIOさんは作曲も初挑戦とのことですが、独学で覚えたんですか?
MIO:作曲は歌メロとコードを作るところから始まるので、コード進行をいくつか打ち込んでテンプレ化しておいて、あとは日常で出てきたフレーズをボイスメモに取り溜めておき、そこからアレンジに入る……って感じで作っています。だから独学っていうか、“そういうもんだよね”っていう感じですね。ただ、キーがわかっていないので、「synchro」も最初に出したものはKØUのキーと合ってなくて(笑)。でも、KØUが合わせてくれたおかげでバシッとハマって、サビとギターのリードが全部噛み合ったので、タイトルを「synchro」にしたんです。制作も含めて初めてシンクロできたなっていう思い入れのある曲になりました。
KØU:キーに関しては僕がちゃんと調整できればなんでもいいんで、MIOさんにはたくさん曲を作ってもらいたいですね。人の曲に対して「使えない」って判断するの、僕は好きじゃないんですよ。出来あがった曲がちょっと違ったとしても、どうアレンジを加えればカッコ良くなるかを考えればいいだけの話じゃないですか。だから、全ての曲をタイトル曲にするつもりで取り掛かるのがVALHALLAの共通認識ですね。「これはカップリングだな」じゃなくて、「これをタイトル曲にするためにはどうすればいいのか」を話し合う。そんな感じで、いろいろな人の力を借りて形になったのが「synchro」でした。
最終的には実力で勝つ(MIO)
────5月には初めてのワンマンツアーが開催されます。VALHALLAとしてどんな姿を見せたいですか?
KØU:とにかく僕らの元気な姿を見せたいですね。ツアーってどうしても疲弊するんですよね。移動も大変だし、ライヴも立て続けになるし。でも、メンバーの疲れた顔を見るとファンの子は不安になるじゃないですか。だから心配させないよう、とにかく僕らが元気でいることが一番大切だと思っています。
MIO:まぁ、僕は毎日がツアーみたいな生活なので、そこらへんは大丈夫ですかね。
KØU:ははは、確かに(笑)。
MIO:僕が意識しているのは交流です。ファンの子って、ただ僕らについてくるだけではないと思うんですよ。まずは直接会うきっかけができて、さらに共通の好きなものを持つ人同士でコミュニティが出来ていく。“僕らとファン”も大事なんですけど、“ファンとファン”の繋がりもちゃんと作れるようにしたいです。音楽って、最終的には人生の居場所だと思っていて。心には音楽が住んでいて、生活には僕らとファンの子たちが住んでいる。そういうところまで作ってこそ、VALHALLAが活動する意味があると言えるのかな。じゃなきゃ、曲だけ出してればいいって僕は思うので。そこをどうメイキングできるかが、今回のツアーの課題ですね。そのための施策も用意しているんですよ。
────どんな施策が待っているのでしょう。
MIO:札幌はみんなで打ち上げやります!
KØU:やっちゃいますか!
MIO:ファン同士を繋ぐための架け橋になる企画を作ることで、さらにコミュニティとしての居場所が出来あがるので、最終的にはYouTubeも使って何かそういう場所を作れないかな、なんてことも考えています。今の規模だからできるんですけど、将来的にどこまで大きくできるかも楽しみですね。
────そして6月には赤羽ReNY alphaでツアーファイナルを迎えるわけですが、この日も何か特別なことが用意されていたり?
MIO:花道とか特効(※特殊効果)とか色々考えたんですけど、あまりごちゃごちゃ入れすぎないようにするつもりです。あ、でも全員の顔はしっかり見たいので、お見送りは必ずやります。ファンはちゃんと認知していきたいので、そこだけは徹底しようねというのがVALHALLAのワンマンのルールです。お見送りのときに手紙とか渡してくれたら嬉しいです。
────今後のライヴで、「自分のこういう姿を見せたい」という思いはありますか?
KØU:うーん……ちょっと変かもしれないんですが、そういう願望ってファンへの押し売りな感じがしちゃうんですよ。押し売りしなくても、出会うべき人とは出会うと思うので、会ったらよろしくねってくらいですかね。そもそも自分に魅力があれば勝手に見てくれると思ってるんで、自分をとにかく磨くしかないと思ってる所存です!
MIO:セコいことは全部僕にやらせておけばいいんですよ(笑)。
KØU:ははは(笑)。まぁ、こういう僕に足りない部分をMIOさんは全部持っているので、そこも相性が良いんですよ。
MIO:僕は汚れ役でもなんでもやります。ただ、僕の中でも「ここまではやってやるよ」って決めているものがちゃんとあるんで。
────ちなみにどんなことですか?
MIO:「最終的には実力で勝つ」がVALHALLAのコンセプトなんですよ。僕は一応YouTuberでもあるので、“超絶ギターテク”の動画で100万再生を目指してみたいと思ってます。ギターのテクニックを磨いて、さらに自分なりの解釈が入った弾き方を見つけて、それを動画にしていきたいなと。やっぱりギターで注目を集められなきゃギタリストじゃないと思うので。今の僕はまだそこじゃない。立ち位置としては、プロデューサーであり、出資者でもありますけど、ギタリストとして注目を集められないと、ステージに立つ資格はないと思っています。だから、最終的にそこの折り合いをどうつけるのかは、自分の頭の中で明確なイメージをつけてますね。
────今後、VALHALLAとしての目標はありますか?
KØU:誰もこの状況を真似できないという点では、すでに唯一無二感が出ていると思っているので、あとはシンプルに中身を磨くだけかなと僕は思っています。集中して良い音楽作って、良い歌詞を書いて、良いライヴをしていきたいです。あとは、今、正式メンバーが2人しかいないので、今後4人にするなり、5人にするなり。少しずつでもバンドを形にしっかりしていきたいです。
MIO:僕は音楽に力を入れたいですね。音楽って半永久的に残るものじゃないですか。だから、自分が80歳になってもちゃんとカッコ良いと思えるような楽曲を残したいです。さっき言ったように、ファンの生活の一部になるような曲を作って、ちゃんと売り続けていきたいなと。そのためにも、とにかくやれることはなんでもやるつもりです。ゼロから作っていくこととか、正解を探すことを楽しんでいる部分もあるので、今はもうなんでもやりたいんですよ。だからこそ、ファンの方にも「これやって!」「あれやって!」ってガンガン願望をぶつけてもらえたら嬉しいです。
取材・文:南 明歩
RELEASE
デジタルシングル「synchro」
2026年3月25日リリース
LIVE
2026年3月26日(木)
赤羽ReNY alpha
VALHALLA 2nd ONEMAN -RISE-
OPEN/START 17:30/18:00
チケット
https://livepocket.jp/valhalla2ndoneman
関連リンク
◆Official Website https://valhalla-tokyo.com/
◆Official X https://x.com/VALHALLA_77777