【NICOLAS・SAKU×CHAQLA.・ANNIE A×VISUNAVI Japan・山内秀一】「KHIMAIRA EDGE 5 DAYS」振り返り鼎談!ヴィジュアル系はまだ終わっていない。「KHIMAIRA」という怪物が証明するもの

やりたいことを他人の評価関係なく発信する必要がある
────「KHIMAIRA」って、三者三様のヴィジュアル系に懸ける思いが込められたイベントだとも思うんです。でも、そもそもなぜ今ヴィジュアル系なんでしょう? 本音を言えば、報われないシーンでもあるじゃないですか。
ANNIE A やっぱり俺にとっては青春だし、シンプルに好きで恋焦がれたジャンルだからじゃないですかね。しかも、こんなに自由なカルチャーはないですよね。化粧して、写真で表現して、音楽という作品に対してアートできるところが武器だと思ってます。俺らみたいなバンドがいても許されるのがヴィジュアル系で、もう癖になっちゃってやめられないですね。
山内 アニィは当時、どんな曲を聴いてたの?
ANNIE A X JAPANのHIDEさんとDIR EN GREYですね。ちなみに、DIR EN GREYは『浦安鉄筋家族』のOPの『-I’ll-』から入りました。アニメを観てると、OP映像にちらっとメンバーが映るじゃないですか。そこから「何これ?」って自分で調べて、周りが誰も知らなかったから中学で布教してましたね。
山内 へぇ~! 『浦安鉄筋家族』から入るのはおもろいね(笑)。
────SAKUさんはいかがですか?
SAKU 最初に好きになった理由は、コアだからですかね。表現とか、当時流行っていた音楽とは全く別物というか。自分だけが知っている喜びだったり、自分だけが見つけたものに対する愛情だったり、それがものすごく自分を突き動かしたのを覚えてます。きっかけはLUNA SEAで、その後に黒夢やROUAGEを見つけて、どっぷりハマっていきましたね。
────コアなシーンだからこそ、自分だけが見つけたバンドへの愛着が深くなる気持ちはものすごくわかる気がします。山内さんはなぜVISUNAVI Japanのプロデューサーという形でこのシーンに?
山内 俺は2人とは違って、ひょんなきっかけでコロナ禍に芸能事務所を辞め、食っていけなくなった時にこの仕事をもらっただけなんです。だから、「ヴィジュアル系じゃないといけない」という強い思いがあるわけではないんですよ。目の前のやるべきことを一生懸命やるっていう性分なだけで、明日HIPHOPの業界に行けと言われたら、多分それも一生懸命やると思います。だけど、本当のことを言うと多感な時期に自殺することばかり考えていた自分が、今こんなに元気で、何なら最近お腹もぽっこり出てきたっていうのは、確実にヴィジュアル系があったからですね。あの時、大好きだった蜉蝣やムック、メリーを聴いて救われたんです。だから、仕事だと割り切っている反面、もう自分の中にそうじゃない芯の部分があるなということにも気づいちゃってます。

────SNSでも「ヴィジュアル系で救える命があるなら、全力で届けにいく」と発信されていましたが、それは幼き日の山内さんのことでもあるんですね。
山内 そうですね。俺はよく「ヴィジュアル系は流行らなくてもいい」なんて逆張りを言いますが、本音ではまた流行ってほしいし、流行らせたい。でも、そんなに甘い世界じゃないことも知っています。このシーンは特殊で、弱い人間へ向けた音楽だと思っていて。バズって、網をかけて何万人を掬うのではなく、目の前の1人、2人を救っていけたら、その結果が流行るってことなのかもしれないな、と。
SAKU 山内さんのそのスタンスはすごく共感できる部分で、ちゃんと受け取ってくれる人たちに届けることが本当の拡散力だと思うんです。もちろんライヴの規模感だったり、動員だったりは大事なものだと思うけど、それ以上に自分たちの音楽とか、やりたいことを他人の評価関係なく発信する必要があるんじゃないか、と。動員が増えないバンドがいてはいけないのか、絶対に上に行かないといけないのか、そこは寛容な世界であってほしい。
ANNIE A 俺たちは初期衝動でバンドをやっていて、今もそこに命を懸けている。明らかに少数派なのに、そこについてきてくれるお客さんって本当にカッコ良くないですか? しかも、どのジャンルよりも大きい声を上げて、イベントを盛り上げてくれて。そういう意味で、俺はヴィジュアル系を誇りに感じているし、このシーンは全然終わってないと思う。むしろ最高の始まりを更新し続けているんじゃないですか。山内さんみたいな熱い男もいるしね。
────山内さん、シーンに対するお2人の熱量を受けて、これからもっと「KHIMAIRA」を進化させていかなきゃならないですね。
山内 この答えは去年くらいから変わっていないのですが、イベントの規模感をどんどん大きくしていきたい一方で、それと同じくらいキャパを下げていきたい気持ちがあります。「KHIMAIRA」というタイトルには何者にもなれない人間が、何者かになるためのチャンスの意味も込めています。NICOLASやCHAQLA.から見たら「コイツら、気合い入ってねぇ!」と思うバンドでも、チャンスがないと本当に終わってしまうと思うから。リハに遅れてくる、忘れ物はする、連絡も返さない、そんなヤツらにだって、1回はチャンスを与えたい。だから、イベントがどんどん盛り上がってキャパを上げていくと同時に、下げることも絶対に忘れたくないです。キャパ30人規模のライヴだって、必要だと思っています。
────これから「KHIMAIRA」がどんな道を突き進んでいくのか、とても楽しみです。さて、「KHIMAIRA」以外にも、それぞれのバンドが今後予定しているライヴについて教えてください。NICOLASは、7月10日に渋谷WWW Xでワンマンツアー「DEBRIS」のファイナルを控えていますよね。
SAKU 去年、『無明』という曲をリリースして、それを軸に回っているツアーのファイナルです。曲の中に「無明の闇」という言葉が出てくるんですが、これはゴシップ(NICOLASの前身バンド)時代に制作したアルバム『漆黒ノ闇』の世界を引き継ぐイメージで書いた歌詞なんです。だから、少しずつ漆黒の闇に飲み込まれていくNICOLASを魅せたいな、と。過去の『漆黒ノ闇』に収録していた楽曲たちも少しずつセットリストの中に混ぜていて、そんな闇に侵蝕されていく様を見てほしいですね。
────ゴシップ時代からの地続きの世界観が見られるツアーということですね。そして、8月からはまみれたとの2マンツアーも発表されています。
SAKU まみれたは、1日1日に重きを置いて生きていて、全てのライヴに100%を懸けている、なかなかいないバンドです。だから、NICOLASとしても我が身を振り返らないとなっていう刺激を受けていますね。Vo.の伐と俺は、正直真逆の人間なので、仲良く2マンを回りましょうっていうテンションではなくて、どちらかが死ぬまで戦って、必ず勝敗が決するようなライヴになると思っています。この2マンツアーで、一つの結果が出ると思うので、それを見届けてほしいですね。
────全力でお互いのファンを奪いにいくような熱いライヴになりそうですね。続いてCHAQLA.は、8月2日に東京キネマ倶楽部でのワンマンライヴ「超音波」が決定しています。
ANNIE A 俺らの強みはクリエイトすることだと思っているので、もちろんライヴそのものや音楽にも自信があるんですけど、今回は芸術面にチャレンジしてみようかなと思っています。これだけは言えるのが、一人のアーティストとコラボすることになっています。作品を出してもらって、俺たちもそこから連想してアートに近い作品を作りたい。あとは、東京キネマ倶楽部ってデカいじゃないですか。前回のワンマンライヴとは違ってメンバーが1人いなくなっているので、4人であのステージをどう華やかにできるか、ということは考えていますね。今の俺たちの中での最高到達点を目指したいと思っています。
────さらに、10月20日と21日に「バトルキマイラ~晩秋のCHAQLA.2DAYS編~」が開催されることも発表されました。
ANNIE A DAMNED やDazzlingBADはまだ会ったことがないから楽しみですね。だけど、勝ちは譲らないです。
山内 チャレンジャーバンドは本当に手ごわいと思うよ。気合いが入ってるし、動員面でもヘッドライナーを本気で喰いにいくような、勢いのあるライヴをしてくるはず。だからここだけの話、もう一度出たいっていうヘッドライナーのバンドも多いんです。
────EDGE 5DAYSが終わった後も、熱いライヴがまだまだ待っていますね。
山内 そうですね。NICOLASのツアーファイナルと、CHAQLA.の東京キネマ倶楽部は、これを見なかったら何を見るんだろうってくらい期待大のライヴだと思います。チケットを取っている人は本当に素敵な時間が待っているんだろうな、と。
────本当にそうですね! では皆さん、最後にVISUNAVI Japanの読者へ伝えておきたいことはありますか?
ANNIE A あ、最後に言いたいことあった!
山内 何、どうしたの?
ANNIE A 山内さん、THE ORAL CIGARETTESのボーカルの方にめっちゃ似てるよね。
山内 それ、誰かにも言われたけど(笑)。はいはい、じゃアニィは練習頑張ってください。SAKUさんもありがとうございました。皆でディズニーランドに行ける日を楽しみにしてますね!
SAKU いや、それは行かないです!
取材・文:井田愛莉寿
LIVE PHPTO:Megumi Iritani

NICOLAS ONEMAN TOUR「DEBRIS」TOUR FINAL
2026年07月10日(金)渋谷WWW X
開場 18:00
開演 18:30
前売 ¥5,500-(税込)
当日 ¥6,000-(税込)
https://eplus.jp/sf/detail/3166890001-P0030009P021001?P1=1221

CHAQLA. ONEMAN LIVE 超音波
2026年8月2日(日)
東京キネマ倶楽部
OPEN 16:45 / START 17:30
前売(税込)5,000円 / 当日券(税込)6,000円 スタンディング
※入場時ドリンク代別途必要
一般発売7月4日(土)10:00~
受付URL:https://eplus.jp/chaqla/hp/

バトルキマイラ~晩秋のCHAQLA.2DAYS編~
DAY1 2026年10月20日(火)
大塚Hearts+ OPEN18:00 / START 18:30
CHAQLA.
DAMNED
DazzlingBAD
DAY2 2026年10月21日(水)
大塚Hearts+ OPEN18:00 / START 18:30
CHAQLA.
Z CLEAR
鮮血A子ちゃん
一般¥4500、未成年¥500
最速先行抽選期間
6月14日(日)21:00~6月30日(火)23:59
http://eplus.jp/battlekhimaira/
※一般発売は7月25日(土)10:00~上記URLにて受付開始
関連リンク
◆CHAQLA. Official X https://x.com/CHAQLA_offi
◆CHAQLA. Official Web Site https://www.chaqla.com/
◆NICOLAS Official X https://x.com/NICOLAS_PSYCHO
◆NICOLAS Official Web Site https://nicolas-psycho.com/


