【KHIMAIRA EDGE 5DAYS】DAY3・ライヴレポート<「KHIMAIRA vol.12」- EDGE5DAYS- day3>2026年6月12日(金)池袋EDGE◆超激戦必至!えんそく、mitsu、まみれたの3者が証明した“異端ゆえの共鳴”

“『KHIMAIRA』が5DAYSで開催される”との一報が舞い込んできたときのこと。5日分のラインナップを順に追っていると、ある日の欄にふと目が留まった。そう、【DAY3】だ。えんそく、mitsu、まみれた――この並びを見た瞬間、「待ってました!」という妙な納得感と、「そう来たか」と思わせる意外性とが一気に押し寄せてきて、思わず口元が緩んでしまったほどだった。
VISUNAVI Japan主催イベント『KHIMAIRA』は、2024年の初演以来ヴィジュアル系シーンの看板イベントの1つとして確かな存在感を築き上げ、今年は本拠地・池袋EDGEにて、ナンバリングシリーズでは過去最多となる5DAYSで開催するに至った。全日程を通して、『KHIMAIRA』を象徴するエース級のバンドからニューフェイスまで世代を超えた全19バンドが集結。その中でも、やはり【DAY3】のメンツは群を抜いて“濃い”! ゆえに期待は高まるばかりであったが、その予感は幕が開いた瞬間から確信へと変わっていくことになる。
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mitsu
先陣を切ったmitsu。夢時(Gt)とのアコースティックスタイルで臨んだ彼のステージが、【DAY3】ならではの特別感を色濃くしていたことは言うまでもないだろう。

ラウンジさながらの空気に包まれる中、激情迸る「水深」からの幕開けに息を飲んだ。そう感じさせるのは、他でもないmitsuの熱のこもった“歌”そのものの迫力だ。普段のバンドスタイルでも身体から絞り出すように歌唱しているが、この日はアコースティックという形態上、より静と動のコントラストが浮かび上がるのもまたドラマチック。続いた「Live Your Life」でも、まるでアンビエントミュージックのように心地よい音色と歌声が響き、観客は釘付けになる。

さらに特筆すべきは、“mitsuなりのアコースティック”を提示していたことだ。ν[NEU]時代の楽曲からセレクトされた「The 25th Century Love」や「YES≒NO」では、“アコースティックは一緒に作る”というモットーから手拍子が湧き始める。ステージから放たれる活き活きとした歌と音に呼応するフロアと共に作り出したのは、ある種アコースティックらしからぬ熱気。ループステーションを駆使しながら、夢時がその場で重ねていく音だけで構成されたアンサンブルも秀逸で、「It's So Easy」や「Into DEEP」では“アコースティックで騒ぐ”という独特な情景が広がっていた。

序盤のMCでmitsuは「音楽は愛だと思うんです」と語っていたのだが、これが単なる楽観的な思考から出た観点ではないことを裏付けたのが、ラストに披露された「For Myself」。mitsu自身が生きるうえで立ち行かない不自由を経験し、“遺書”だと思って書いた曲だ。葛藤や孤独を経験してきた彼だからこそ伝えられる愛の形があり、「楽しい」と語れるようになった今がある。思いきり呼吸をしながら歌われるのは、生きている言葉。そこには人生が反映されていて、ソウルフルな歌と言葉は確実に人の心を震わせることができると証明してみせたのだった。

まみれた
登場するや否や「全員“床下”に堕とせるか!? 堕とせるかじゃねぇ、堕すぞ!」と伐(Vo)の一声を合図に轟音を浴びせ、日常を猟奇的な視点で切り取る“まみれたワールド”へトリップした。初っ端から「もしもし」や「指名手配が指名手配」で“君”への異常なまでの執着を見せたかと思えば、「“無視”することは人を殺すことと同じだ」と唱えた「死因:無視」、続けて「猫になりきれなかった犬」でも無関心に対して牙を剥く。このゾクゾクする空気を助長させるのは、隆世(Gt)の奏でるヒリつくギターや、かる。(Ba)の振動が伝わるほどに歪みを効かせたベース、そして後方から異様なオーラを放ちながらグルーヴを前へと押し出す森田(Dr)のドラムだ。音が鳴り出したが最後、まみれたの音には一切の隙がない。





ただし、正直なところ序盤は単なるデモンストレーションに過ぎなかったように思う。共演者に謙遜しながらも「じゃあ、まみれたはどうやって戦うの? 今まで通り、鋭利な刃物でぶっ刺すしかねぇだろ、おい!」と伐が一層ギラつきを見せてからが、本領発揮だった。周りがどうであろうと関係ない、“俺らが何をしたいか”。単純だけれど彼らにとって一番大切なことを真っ向から叩きつけてきたのだ。
「今、ヴィジュアル系に思ってる“退屈さ”を歌にしました」と、歯に衣着せぬ思いをギターヴォーカル形態で披露した「死因:あくび」。一方「四畳半のバビロン」では、共演者への闘争心をむき出しにしながら、この日が“退屈”ではないことも提示。そして、「お邪魔します」は見事にキラーチューンぶりを発揮しただけでなく、追随を許さない独壇場を作り上げるワンシーンとなっていた。
まみれたに対して、異質で破天荒なバンドという印象を持っている人も少なくないだろう。無論、そこが彼らの特色であることは間違いない。しかし昨今は、どこか巧妙に自分たちの独占領域である“床下”へ引きずり込む瞬間がふいに登場するのだ。それが、「死因:暮らし」で伐が「俺についてこい。一緒に飛び降りよう!」と自らお立ち台からステージへダイブしたときのような、照準を定めて観る者にダイレクトに働きかける瞬間だ。しかも、命をかけて。最後は「時間になったら幕、閉めてください」と宣言し、案の定、曲の途中で強制終了を迎えるまで「終日終わり」でカオスを生み出していた。

お世辞にも、綺麗とは言えない。半ば横暴なやり方に、時に賛否両論が起こることもある。でも、誰もが持ち合わせている“不器用ながらも必死に生きる”ことを誇張しているまみれたに、今日も、まんまと胸を打たれてしまったのだった。

えんそく
濃厚な1日の総仕上げを託された、えんそく。板付きで姿を見せたとたんに話し始めたぶう(Vo)は、「裏はすごい熱量のあるバンドマンたちが、みんなバッキバキなの! 負けるなよ、バンギャルども! 普通じゃ全然つまらない。今日も新しい何かを探して、共に参りましょう」と気合いを露わにした。1曲目から『KHIMAIRA』に掛けた「新未来工場キメラ21」を持ってくるあたりもさすがだが、“がっちゃん がっちゃんこ!”の掛け声と同時に揺れに揺れるフロアのフルスロットルぶりは圧巻。

目の前にある“楽しい”へ躊躇なくダイブしていく時間は痛快で、「象男ダダ・フィフィ」では、スキルフルな演奏の中で象男のポーズで制止するシュールさはやっぱり唯一無二。「こんなね、わけのわからないバンドばかり集めたイベントに来る皆さんは何を求めに来てるんですか? 代わりに応えてあげますよ、学校や会社ではなれない自分になりに来てる。そうでしょう!?」とぶうが言うことにも全力で頷ける、ライヴハウスにしかない非日常を一瞬たりとも無駄にしない、それがえんそくである。


この日のセットリストには、心なしかハードテイストな楽曲が多く用意されていたのも印象的だった。ただその中にも、ユニークな愛情表現や少しセンチな気分にさせられる要素を内包しているのだからズルい。ヘッドバンキングの嵐が巻き起こる「ゴリラの丘」ではゴリラ並みの握力で手を放さないと歌ってくれるし、非日常を呼び起こす儀式を行う無邪気さが詰まっている「U.F.Oが来るまで」や、「イルキメラ・キッド」ではヒップホップな軽快さで楽しさを合成するレシピを教えてくれる。



さらに、当日が“金曜日”だったことに準えて「金曜日のチェンソー」では日常をぶっ壊し、「トイレの代理人〜密室であそびましょ〜」ではまさしくここにしかない、ぶうがよく口にする“アッパラパー”になれる空間を生み出していた。

こうしてラストは、息の合ったバンドインで披露した「狂ったセカイと時計仕掛けの神様」。「誰が勝つか? それは誰よりも楽しんだ奴だよ! オマエたちが勝ってみせろ!」と、最後までオーディエンスに勝ちを委ねてくれた。まさしく、破壊と創造を繰り返しながら“狂ったセカイ”を生きるえんそくの生き様を象徴するような一曲。“わけがわからない”なんて難しく考えなくていい。楽しければ、それでいいじゃないか。そんなシンプルで力強いメッセージを、えんそくはこの日も音楽に乗せて届けてくれた。

◆ ◆ ◆
複数の“個”がドッキングしたときに起こる化学反応を楽しむ『KHIMAIRA』というイベントにおいて、対バン相手の共通点を探ろうなどナンセンスかもしれない。ただ、この日集結した3バンドにおいては、1つだけそれが見えた気がする。それはバンドのカラーとかスタイルといった“側”の話ではなく、“誰と何をやるか”。言い換えれば、“このメンバーと楽しいこと=音楽をやる”という、彼らがバンドをやる核たる部分だった。しかも、結束の強さから生み出されるものには、見聞きした人の心に何かしらの感情を呼び起こす不思議な力があるということも含めて。
mitsuの歌の力に圧倒されて、まみれたの我武者羅さに熱くなって、えんそくの最高なエンタメでたくさん笑って……会場の出口に向かう階段を一段ずつ上がりながら「あぁ、やっぱりバンドっていいな」と、ただただそんなことを思っていた。
取材・文:平井綾子
LIVE PHOTO:Megumi Iritani
SET LIST
<「KHIMAIRA vol.10」- EDGE5DAYS- day3>
2026年6月12日(金) @池袋EDGE
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⚫︎mitsu
水深
Live Your Life
The 25th Century Love
YES≒NO
It‘s So Easy
Into DEEP
For Myself
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⚫︎まみれた
もしもし
指名手配が指名手配
死因:無視
猫になりきれなかった犬
死因:あくび
四畳半のバビロン
お邪魔します
死因:暮らし
終日終わり
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⚫︎えんそく
新未来工場キメラ21
象男ダダ・フィフィ
ゴリラの丘
U.F.Oが来るまで
イルキメラ・キッド
金曜日のチェンソー
トイレの代理人~密室であそびましょ~
狂ったセカイと時計仕掛けの神様

「バトルキマイラvol.7~umbrellaを困らせろ!~」
7月28日(火)大塚Hearts +
OPEN 18:00 / START 18:30
前売り¥4,500 / 未成年 ¥500
umbrella
夜光蟲
鮮血A子ちゃん
一般発売中!
http://eplus.jp/battlekhimaira/
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「バトルキマイラvol.8~有名人を倒せ!~」
7月29日(水)大塚Hearts +
OPEN 18:00 / START 18:30
前売り¥4,500 / 未成年 ¥500
ティンカーベル初野
東亰浪漫
Z CLEAR
一般発売中!
http://eplus.jp/battlekhimaira/

バトルキマイラ~晩秋のCHAQLA.2DAYS編~
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DAY1 2026年10月20日(火)
大塚Hearts+ OPEN18:00 / START 18:30
CHAQLA.
DAMNED
DazzlingBAD
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DAY2 2026年10月21日(水)
大塚Hearts+ OPEN18:00 / START 18:30
CHAQLA.
Z CLEAR
鮮血A子ちゃん
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一般¥4500、未成年¥500
最速先行抽選期間
6月14日(日)21:00~6月30日(火)23:59
http://eplus.jp/battlekhimaira/
※一般発売は7月25日(土)10:00~上記URLにて受付開始

バトルキマイラ~真冬のまみれた2DAYS編~
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DAY1 2026年12月15日(火)
大塚Hearts+ OPEN18:00 / START 18:30
まみれた
鮮血A子ちゃん
DAMNED
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DAY2 2026年12月16日(水)
大塚Hearts+ OPEN18:00 / START 18:30
まみれた
Z CLEAR
おいでよ!幽霊ズ
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一般¥4500、未成年¥500
最速先行抽選期間
6月14日(日)21:00~6月30日(火)23:59
http://eplus.jp/battlekhimaira/
※一般発売は8月2日(土)10:00~上記URLにて受付開始
関連リンク
◆mitsu Official X https://x.com/mitsu_official
◆まみれた Official X https://x.com/mamire_official
◆えんそく Official X https://x.com/ensokuchan



