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【XANVALA】ライヴレポート◆<XANVALA TOUR 2024-2025 "ArK"#5 GRAND FAINAL>2025年5月5日(月・祝)EX THEATER ROPPONGI

 2024年8月28日に3rdアルバム『BANQUET』をリリースし、9月に同作をフォローするツアーを行い、11月に開催された<XANVALA × NICOLAS 2MAN TOUR "AIM2">を経て、12月4日から<XANVALA TOUR 2024-2025"ArK">をスタートさせたXANVALA。同ツアーは異なるテーマのもと4回に亘って行われ、さらに各ツアーに合わせて音源をリリースするという充実ぶりが大きな注目を集めた。

 “休む間がない”という言葉が似つかわしい彼らの意欲的な動きからは、このタイミングでXANVALAをもうひとつ上のステージに引き上げたいというメンバー達の強い意志が感じ取れる。それは、メンバー達が同ツアーを通してトライ&エラーを繰り返し、XANVALAのライブにさらなる磨きをかけていったことからもうかがえる。“ライブが沢山できて嬉しい!”というような安易な姿勢ではなく、明確な目的意識を持って1本1本のライブに臨むことで彼らの最新形のライブは高い評価を得て、同ツアーは大盛況となった。

 そして、5ヵ月に及ぶロング・ツアーで得た成果を示すと共に、XANVALA史上最大キャパシティー・ライブへの挑戦の場となった<XANVALA TOUR 2024-2025 "ArK"#5 GRAND FAINAL>が、5月5日にEX THEATER ROPPONGIで開催された。ライブ当日は多くのリスナーが駆け付け、EX THEATER ROPPONGIの場内は開演前から華やかな空気に包まれていた。

 暗転した場内に翳りを帯びたオープニングSEが流れ、ステージ前面に降ろされた薄い紗幕にメンバー達のシルエットが浮かび上がる。客席から大歓声と拍手が湧き起る中、ステージを覆っていた紗幕が落ちてライブは「Ark」から始まった。ゆったりとたゆたうAメロから激しいBメロを経て、壮大に開けるサビに至るというメリハリの効いた構成をクリアに聴かせる辺りは実に見事。僅か2分30秒ほどでEX THEATER ROPPONGIの場内をXANVALAの世界へと染め上げたことに驚かされた。

 その後は、パワフルに疾走する「デスパレート」とハイ・ボルテージな「MY BLACK」を続けてプレイ。ミステリアスなオーラを放ちつつエモーショナルな歌声からファットなグロウルまで駆使して、多重人格者を思わせる表情豊かな歌声を聴かせる巽。内面の激しさを押し出したステージングとソリッドなギター・ワークの取り合わせが魅力的なYuhma。明るい雰囲気でステージを行き来して、テクニカルかつ独創的なプレイを決めまくる宗馬。バトル・アンドロイドを彷彿させるアグレッシブなヴィジュアルとステージング、そして重厚にウネるベース・サウンドで魅了する70.。ドラム・セットの後ろから強い存在感を発して、パワフルかつタイトなドラミングを紡いでいく知哉。異なる個性を備えた5人が並び立った姿は壮観だし、勢いと安定感を兼ね備えたサウンドも心地よさに溢れていて、終始目と耳を奪われた。


 3曲聴かせた後、巽のMCが入った。「XANVALAです、よろしくお願いします。ついに来たぜ、今日が。2025年5月5日。今日という日を、あなたの胸の奥深くに思いきり刻みつけるので、死ぬほど楽しんでいってください。よろしくお願いします」という言葉に続けて、「楽しみに来たんでしょう? EX THATERもっと聞かせろ、いいか! いいか! 死ぬ気でかかってこい!」という熱いアジテーションに続けて「左耳の悪魔」や「ビューティフル」「ジャノメ」といったハード・チューンが演奏された。

 こういった楽曲を聴くと、XANVALAがハードネスと洗練感を融合させることに長けていることがよく分かる。激しさを打ち出しながらそれだけで終わることなく、キャッチーなメロディーやメリハリを効かせたアレンジ、緻密かつ知的なギター・アプローチなどを用いて楽曲をスタイリッシュに仕上げる手腕はさすがの一言。XANVALAが多くのリスナーから篤い支持を得ているのは彼らの音楽性の高さが大きな要因になっていることを、あらためて実感させられた。

 モダンなスピード感と力感を湛えたボーカルをマッチさせた新曲の「ヴァジュラ」(同曲は<Ark TOUR #5で、会場限定販売された)を聴かせた後、ライブ中盤ではダークな歌中と光を感じさせるサビのコントラストが印象的な「僕の神様」やレトロが香る「ヒトリ舞台」、抒情的なスロー・チューンの「東京」、アーバンなダンス・テイストをフィーチュアした「アーティスト」などが届けられた。幅広い世界観を鮮やかに描いていく演奏力の高さは特筆もので、今回のツアーを経て彼らのバンドとしての表現力は一層高まったことは間違いない。MCを入れずに効果的なSEで楽曲をつないでいく手法も奏功して、XANVALAの世界に深く惹き込まれずにいられなかった。


 導入にコール&レスポンスを配した「XANADU」で華やかな盛り上がりを見せた後、ファットにドライブする「CULTURE」からライブは後半へ。ここではアグレッシブな「明日、虫になっても」やエモーショナルかつ哲学的な「縷々」、スタイリッシュな「鮮やかな猛毒」などが相次いで演奏された。暴力的にいき上げるパターンとは一味異なり、ライブ後半でもオーディエンスの様々な感情を突いてくる流れが実にいい。場内は熱気と一体感が混ざり合った楽園のような情景を描き、本編のラストを飾った「終幕」を聴かせてメンバーがステージから去ると同時に客席からはアンコールを求める熱烈な声と手拍子が湧き起った。

 アンコールではメンバー全員のコメントに続いてラウドな「独善」や激しさとキャッチーさを融合させた「エンジェル・ドロップ」、インダストリアルな味わいの「本能」などを畳みかけるようにプレイ。広いステージ全体を使ってメンバー達が織りなすフィジカルなパフォーマンスと爽快感を放つ爆音の応酬にオーディエンスも熱いリアクションを見せる。場内のボルテージはどんどん高まっていき、「NIX」でライブが幕を降ろし、エンディングSEが流れても、オーディエンスのさらなるアンコールを求める声はやむことがない。それに応えて三度ステージに立ったXANVALAは“暴れ曲”の「CREEPER」をプレイ。場内は膨大なエネルギーが渦を巻く空間と化し、ロング・ツアーの大団円にふさわしい怒涛の盛り上がりを見せた。



 挑戦の場と位置づけたEX THEATER ROPPONGIで、期待を上回る上質なライブを披露してみせたXANVALA。ツアーの成果が随所に反映されることでより魅力を増したことを実感できると共に、EX THEATER ROPPONGIを狭く感じさせるスケール感を放っていることも心に残った。そんな彼らだけに、今後さらなる飛躍を遂げることは確実といえる。

 最後に今回の公演でメンバー達が語った言葉を記しておく。

「<Ark TOUR>、“箱舟”という名前のツアーをここまでまわってきました。去年の12月から、全国津々浦々まわってまいりました。無事にファイナルを迎えることができて、本当に嬉しく思っています。ありがとうございます。
 “舟を作って、いろんな思いを乗せて1番高いところに行こうぜ”という、そういうツアーになりました。その箱舟というものが人間だとしたら、楽しい、嬉しい、ハッピーな気持ちだけじゃないじゃん? 生きていく中では苦しいこととか、悲しいことも沢山あると思います。このツアーは楽しいことも、嬉しいことも、死ぬほど苦しいこともあったツアーでした。俺にとって人生みたいなツアーだなと心から思いました。
でも、そんな中で、あなたが目の前でいろんなものを背負わせてくれた。俺が勝手に背負ったものもあるだろうけど、そういうものも全部背負っているからこそ、ここに来ないといけないなと、ちゃんとここに立たないといけないなと思うことができました。
 そして、俺はまだまだ高いところを目指し、いろんな思いを背負って、全部連れていって、いい景色を見せたがっている。それを背負ったからには、俺はいろんな人の思いを背負って生きなきゃいけないんだと思うようになったツアーでした。そういうものを全部ひっくるめて、楽しかったなと思っています。あなたのお陰です。ありがとうございます」(巽)

「今日は皆さんに、ご報告がありまして。ドラム・セット作りました! たしか、去年の正月にマイ・ドラムを作るという目標を掲げて、早1年半経ってしまいましたが。やっぱり、この広いステージにはね、これくらいのセットがないと…ということで、1年半がんばって働いて(笑)、貯金を全部注ぎ込んで、このセットを作りました。ツアーの成果です。みんなのお陰です。ありがとうございます! 以上、ご報告でした(笑)」(知哉)

「XANVALAは、まだまだです。まだまだ行けます。今日ライブをして、今までの最高人数を大幅に更新しています。それは、マジであり難い。本当に、ありがとうございます。だけど、まだまだ力が足りません。世間的には、まだまだインディーズ・バンドということです(笑)。XANVALAの名前をもっともっと広めていきたいので、皆さんまた力を貸してください! よろしくお願いします! 俺達がんばります! これからもXANVALA、よろしくお願いします!」(宗馬)

「今日、また夢が1つ叶いました。ありがとうございます。皆さんのお陰です。バンドを続けて本当に良かったなと思います。ただ、EX THATER ROPPOMGIでライブをして、“いや、こんなのまだまだ通過点だよ”と思った。俺らはね、もっともっと上を目指しているんです。俺らは、欲張りだから。俺らも欲張りだし、みんなももっと俺らに対してハングリーというか、欲張りになっていい。もっと大きな夢というか、会場を目指しているわけですから。今年の周年の時に、「これからXANVALAは悲しいお知らせ、残念なお知らせはないから。約束するから」と言ったんですよね。なぜなら普通はバンドのスケジュールというのは1年単位とかだけど、俺らは数年先までスケジュールを組んでいるから。だから、みんな心配せずに、安心して今後も俺らに着いてきてほしいです。これからも、よろしくお願いします」(Yuhma)

「<Ark TOUR>というタイトルを思いついたのは<Culture TOUR>の途中くらいで、“でっけぇ箱舟を作りてぇな”と思ったんです。俺らの作る文化を運ぶ箱舟です。で、今日のこのステージ・セット、カッコいいでしょう? コンセプトは造船所です。“Ark”という箱舟を作る造船所。そして、今日5月5日、Arkが完成しました。でけぇ船だな。この舟に乗って、まだまだ高いところへ行きたいなと思っています。めちゃくちゃ強く思っています。
このセットを作るにあたって、50人近くのスタッフさんが命がけでこのセットを作ってくれました。本当に、ありがとうございます。このステージを50人ものスタッフさんが作ってくれて、そのスタッフさんを雇えるというのは本当に皆さんのお陰です。本当に感謝しています。ありがとうございます。
みんなを、どこまでも高いところに連れていくから。なんの心配もいらないので、俺達を見ていてください。これからも、よろしくお願いします」(70.)


photo by @kawado_photo
https://x.com/kawado_photo
ライブレポート:村上孝之

SET LIST

《チケット最速先行受付中!》

XANVALA PRESENTS “VASALA FEST.2025”
9月1日(月)Spotify O-EAST
eplus.jp/vasala-fest/
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XANVALA TOUR 2025 “INDRA”

9月6日(土)福岡INSA
9月7日(日)福岡INSA
9月12日(金)西川口Hearts
9月13日(土)川崎Serbian Night
9月19日(金)札幌PLANT
9月20日(土)札幌PLANT
9月26日(金)大阪 Yogibo HOLY MOUNTAIN
9月27日(土)名古屋ell.FITS ALL

TOUR FINAL
10月5日(日)渋谷WWW X
eplus.jp/xanvala

関連リンク

■オフィシャルサイト
http://www.xanvala.com

■X
XANVALA @XANVALA
https://x.com/xanvala

■Instagram
https://www.instagram.com/xanvala/

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