CHAQLA.主催<開眼万博2025>開催を記念しての対談4弾は鷹乃助とXANVALA・70.によるベーシスト談義に花が咲いた。互いに異なるからこそ認めあえるこの先の未来。「70.さんは大谷翔平です!」(鷹乃助)、「鷹乃助はロベルト・バッジョ」(70.)

XANVALAはヴィジュアル系ダークサイドの王道を受け継ぐ確固たる存在だ。
継承することは歴史を守ることでもある。
一方、異端を極めるCHAQLA.は歴史の変革者として飛躍を期待されている。言うなれば「CULTURE」を武器に攻めたる者だ。
だが、王道あっての異端。
だからこそCHAQLA.はXANVALAの実力に敬意を表するし、XANVALAもまたCHAQLA.の魅力を人一倍熟知している。
異なる参道を通りながら頂を目指す両者にしか理解できない、これからのストーリー。
10月11日に浅草花劇場で自身初の劇場単独公演「芸達者」を開催するCHAQLA.と5月5日にEX THEATER ROPPONGIでのワンマンを成功させたXANVALA。
踏襲する者と継承する者。
新世代を担う両バンドから鷹乃助と70.に互いの在り方について語りあってもらった。
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目指してるところが近い
────CHAQLA.の主催<開眼万博2025-浪速編->で共演するCHAQLA.とXANVALAからベーシストのおふたりに集まっていただいたのですがYouTube企画の<【#開眼TV】CHAQLA.の自由研究>は70.さんもチェック済とのことで。
70.:3回ぐらい見ました。
鷹乃助:え~嬉しい!めっちゃ見てくれてる!
────70.さんの「鷹乃助の顔を見ると酒を飲みたくなる」という名言も明かされました。
70.:なんでなんすかね?なぜだか鷹乃助のファーストインプレッションが“酒”だったんですよ(笑)。
鷹乃助:70.さんとはじめてちゃんと話したのがお酒の席だったからですかね?でも、最初に2マンやったときは飲んでないんですよね。
70.:あのときはちょこっと話をした程度だもんね。
────昨年8月の2マン<CHANVALA.>ですね。
鷹乃助:そうです。それまでそんなに交流はなくて、今年3月の<KHIMAIRA>が終わった後にようやく朝まで飲んだんです。それで気がついたら見知らぬ駅にいて(笑)。
70.:昔からの友人が鷹乃助とよくライヴをやっていて、いいベーシストだってのはずっと聞いてたんだけど、ちゃんと話すようになったのはほんとここ1年ぐらいですね。
鷹乃助:でも、俺も昔から70.さんのことは知っていてFIXERの頃のメイクとか真似してましたよ!
70.:マジ?
鷹乃助:FIXERのアー写の感じとかも好きだったんですよ。このメイクいいな~って。
70.:ってことはその時期は鷹乃助もCHAQLA.になる前だもんね。
鷹乃助:そうですね。
────<CHANVALA.>の話も出たので訊きたいんですけど、実際に昨夏に2マンをしてみてどんな印象を受けました?
70.:もともと巧いと思ってたんでリハからまじまじと見たんですけど、巧いだけじゃなくてプレイスタイルもいいなって思いましたね。俺、鷹乃助が使ってる竿が好きなんですよ。
鷹乃助:スティングレイですね。
70.:スティングレイに無理やりザグリ入れてて。
鷹乃助:そうなんですよ。無理やりピックアップ1個増やしてます。
70.:スティングレイであんなことやってる人初めて見たからサイコーだなって思いましたね。これはロックだなって。
鷹乃助:70.さんが使ってるアトリエもキレッキレな音が出るようなベースで、俺も一時期すげー欲しかったんですよ。
────アトリエはどんな特色があるんですか?
鷹乃助:スラッパーが結構使ってるイメージあるっすね。自分でも使ってみたいけど、憧れを遡るとやっぱりスティングレイになっちゃうんですよ。
70.:鷹乃助が使ってるスティングレイもスラッパーがよく使ってると思うんですよ。だからなんて言うんだろ、アトリエもスティングレイも派生は全然違うけど共にスラッパーの愛機ってイメージ。音とかは全然違うんだけど、スタイル的には目指してるところが近いのかもね。
鷹乃助:めちゃくちゃ分かるっす。攻めてるベーシスト同士だなっていうのはすげえ感じます。
────ベーシストっていう繋ぎも担うポジションにおいてプレイヤーとしての良さっておふたりはどこで判断してます?
70.:俺はグルーヴっすね。ヒビキ(Bikky)と鷹乃助って他のバンドには真似できないグルーヴ感があって、そこが俺のCHAQLA.の好きなポイント。
鷹乃助:ありがとうございます!
70.:巧いっていうのはフレージングとか要素はいっぱいあるんですけど、その時々の感情を音で表せられる人はいいなって思いますね。鷹乃助は高い演奏技術の中でそれができるベーシスト。
鷹乃助:ヒビキとは2人で個人練に入るんですけど、例えば曲の中で大きなリズムのときは「ちょっとここは後ノリで弾くからヒビキも後ノリで叩いてみてくんない?」みたいなやり取りはあります。

70.:だよね。そういうのやってるよね、絶対ね。
鷹乃助:ヒビキが一番最後のフィルとかで結構走る癖があるから、そこも合わせるようにしてますね。ヒビキのリズムって独特で、彼が持ってる個性をなるべく活かしたいなと思って合わせにいってる部分はあります。
────走ってるところを修正せずに合わせることによって、それが独特のグルーヴになるっていう考えだと。
70.:そういう感じ伝わりますよね。いいコンビネーションのリズム隊だと思う。
鷹乃助:俺はベーシストの巧さってリズムのキープ力は大前提として、あとは右手での出音のコントロールだと思うんですよ。例えばバラードでガシガシ弾いたら曲に合うわけないし、右手が表現の要だと思ってるのでそういうところは気になります。音量と音色のコントロールですよね。リズム隊ってことでいうとXANVALAも70.さんと知哉さんのグルーヴがバシッとしてるから、ライヴを観てて安心感がハンパない。
────XANVALAは縦のラインがキマってるから音が壁のように襲ってくる印象がありますよね。ところでシンセベースってCHAQLA.になってから使ってるんですか?
鷹乃助:そうですね。ずっと使ってみたかったんですよ。ヒップホップとかって生ドラムじゃなくてエレクトロなサウンドが多いじゃないですか?それをバンドサウンドにうまく落とし込めないかなって思ってた時に、真っ先に思い出浮かんだのがヒビキが叩いてるサンプラーで。サンプラーからエレクトロな音を流してそこに重ねていくって考えると、エレキベースよりもシンベの方が音色的に合うんじゃないかと思いました。
70.:あれいいよね。個性にもなるし、一発で鷹乃助だってわかる。誰もやってないよね。スタンドとかも全部作ってるじゃん。
鷹乃助:ああいう秘密基地みたいなの作るのがすごい好きなんです。
70.:お立ち台兼スタンドみたいな魅せ方もめちゃくちゃ好きですね。
鷹乃助:こんな褒めてもらえて嬉しい。どうしましょうね(笑)。やっぱりアニィ(ANNIE A)のラップもどういったサウンドのなかで活きるのかって考えるし、バンドがインしたタイミングでエレキベースと生ドラムに切り替わる瞬間にも音としてのドラマが生まれると思ってます。