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新世代名古屋系バンド・NETH PRIERE CAINフルメンバー独占インタビュー!11月28日 名古屋ボトムラインワンマン開催────「NETH PRIERE CAINは古の継承者です。」

名古屋を拠点に活動するNETH PRIERE CAIN。
そのクラシカルな音楽性はまさにヴィジュアル系ロックの根源を現世にタイムトリップさせたかに思える。
ニューシングル『堕ちる者、惡を纏う。』収録の3曲からもそれは顕著で、そのスタイルはシーンにおいて稀有なバンドとして、支持する者を拡大させている。
ただ、忘れてはならないのは彼らはとことんとっつきやすくユニークなキャラクターでもあることだ。
古の継承者を自負する彼らの全国ツアー開幕に向けた言葉を届けたいと思う。



◆     ◆     ◆

ヴィジュアル系以外は音楽じゃない



────NETH PRIERE CAIN独占インタビューはVISUNAVI Japanでは初になるものの、6月の<KHIMAIRA>でも大きなインパクトを残してくれました。まずは自己紹介からお願いします。

樹:NETH PRIERE CAINは古の継承者です。どこか古き良きヴィジュアル系を感じさせる楽曲をモットーに活動してます。2018年の末に始動ですね。

────拠点は名古屋なんですよね?

剣路:そうですね。ずっと名古屋を拠点にしてます。

珠璃:名古屋って日本の真ん中じゃないですか?東京にも大阪にも出やすいし良い場所だと思ってます。あと、なにより住みやすい(笑)。

樹:ちょうどいいんですよ、名古屋。

剣路:東京とか大阪に行くと人が多くてびっくりしちゃうんですよね。人酔いしちゃうよね?

樹:たしかに。あと、ヴィジュアル系といえば“名古屋系”って言葉があるくらいなんで、名古屋バンドであることに誇りを持ってます。上京とか一切考えたこともないですね。実際、名古屋バンドでも全然戦えてるんで。

────シーン全体で言うと同期に当たるのってどの辺のバンドなんですか?

樹:この前、活動休止しちゃったi.D.Aとか、結成時期は1年ぐらい違うけどゼラですかね。ゼラの方が後から出てきたんですけど、彼らも大阪を拠点に頑張ってるし、系統も近いし気持ち的には同期ですね。

────そんなゼラと色々な十字架との古3マン<NETH PRIERE CAIN主催公演「黒穴祈願」>も9月20日に決まりました。

樹:ゼラはよく対バンするけど、色々な十字架もずっと対バンしたかったんですよ。それこそ6月の<KHIMAIRA>で初めてぶつかれて、それでまた対バンしたいなと思って誘わせていただきました。めちゃくちゃ楽しみですね。

────そんな3マンの前日から全国ツアー<鬼葬天害>も始まるわけなんですが、そもそも古を継承しているってことは皆さんのルーツとしてはヴィジュアル系が根強いんでしょうか?

樹:ジーザス。

珠璃:「SHOXX」とか「Cure」を読み漁ってましたね。

樹:僕も「FOOL‘S MATE」とか毎回買ってました。Megaromaniaが好きだったんです。高校生の頃は友達と地元のE.L.Lに対バンをしょちゅう観に行ってましたねぇ。個人的にはワンマンよりいろいろなバンドを観れる対バンの方が好きで。当時の<森羅万象ツアー>だったんですけど、R指定、DuelJewel、BugLug、DOG inTheパラレルワールドオーケストラ、愛狂います。とか今にして思うとすごい先輩方ばっかり出てて豪華でした。E.L.Lが超満員で。なので僕はいろいろなバンドの影響を受けてますね。実家のCDラックとかすごいことになってますよ(笑)。ジーザス。

────でもネスプリからは今名前が挙がったバンドの毛色は感じないですよね。

樹:まぁスタートはやっぱりMALICE MIZERなんで。でもヴィジュアル系っていうだけで何でも聴いてました。

────いざ自分がバンドマンになって憧れてた人と対バンするのは新鮮ですよね。

樹:それこそ最近はNoGoDやRAZORと対バンできて、めちゃくちゃ嬉しかったです。

────珠璃さんは?

珠璃:ルーツって言ったら氷室京介なんですよ。初めて観たライヴも親に連れていってもらった氷室さんで。小学生のときはヒムロックしか聴いてなかったです。それで中学に入ってからは友達の影響でメタルに走りました。SlipknotとかMETALLICAとか。あとはAvenged Sevenfoldってバンドが好きで、ツインギターですごいメロディを弾いてて、それがかっこよくてギターを始めたいと思ったんですよ。

────厳密にいうとそれまでヴィジュアル系は聴いてなかったんですね。

珠璃:いや、同時進行で聴いてました。友達から勧められたthe GazettEさんとかを。でもヴィジュアル系のなかでもメタル寄りのバンドが好きでしたね。DELUHIとかVersailles、あとうちのメンバーは全員好きなんですけど摩天楼オペラ。洋楽のシャウトたくさんのメタルも僕は大好きなのですが、Popsだったり日本は歌のメロディも重点的に聴かれる方が多い分、激しいメタルなのにメロディも歌ってるやん!って思わせてくれたのがヴィジュアル系ですね。

剣路:ルーツで言うと僕もお母さんの影響が大きくて、GLAY、L'Arc〜en〜Ciel、BOØWYを聴いて育ちました。お母さんがバンド好きだったんで。それで中学生になって自我が芽生えてからは、いわゆる“ネオ・ヴィジュアル系”を聴くようになるんです。シド、the GazettE、NIGHTMARE、アンティック-珈琲店-とか。中学生なんでメイクして奇抜な格好してるのなんて大好物じゃないですか?毎日YouTubeでヴィジュアル系バンドを調べまくりましたね。メジャーとかインディーズとか問わずになんでも。ヴィジュアル系以外は音楽じゃないって思ってました。クラスの女子とかが流行ってるバンド聴いてても、あれはヴィジュアル系じゃないから音楽じゃないなって拒絶してましたよ。

樹:怖っ!(笑)

剣路:だいぶこじらせてたんだよね(笑)。僕も完全にギャ男でした。初めて観たライヴもE.L.LでのR指定のワンマンですし。

────こうやって話を伺ってると会場名から名古屋が香ってくるのがいいですね。当たり前ですけど。

樹:でも、名古屋バンドで知り合いってほとんどいないんですよ。DEXCOREぐらいかな。

珠璃:同期とか近いバンドがいてもみんな解散しちゃうんですよね。その辺りは大阪のシーンと似てるような気がします。

樹:ネスプリが名古屋をもっと盛り上げていきたいんですよ。ジーザス。

▲樹(Vo)

────そしてそんなバンドとしては8月20日にシングル『堕ちる者、惡を纏う。』がリリースされました。「Gilles de Rais~惡への誘い~」、「IronMaiden~命混ざりの芸術~」、「「ベロニカ」」という3曲入りですが、かなりストーリー性の濃い作品に仕上がりましたね。これ表題曲の読み方は“ジルドレ”でいいんですか?

樹:はい。人の名前ですね。前作のリード曲「オルレアンの少女~la Pucelle d'Orleans~」の続編にあたる曲です。「オルレアン~」はメタル要素と聴きやすさの共存を大事にしたんですけど、「Gilles de Rais~惡への誘い~」はもっとダークな感じ。しゅりぞう(珠璃)がその辺をかなり機密に狙って作ったんだろうなと思います。どうなの?

珠璃:ミュージカル感はほしかった。私服で演奏してもまったく響かない曲にしたかったんだよね。そういう意味では解釈は合ってると思う。

樹:ジーザス。長年一緒にやってると解るんですよ。この曲はいい意味で違和感があるんです。それが僕らの新しい武器になってくれそうですね。僕らが出さないとこういう曲って今のシーンではほかに生まれないんじゃないかな。

珠璃:僕らがというよりかは、メイクしてないと映えない曲。ライヴもミュージカルみたいになるようなイメージを持ってますね。ミュージカル性でいうと「オルレアン~」にも共通はしてるんですけど。

────前作のテーマ“オルレアンの少女”はフランス革命のジャンヌ・ダルクのことですよね。

樹:そうですね。そしてフランス革命のもう一人の英雄がジルドレです。ジャンヌ・ダルクと一緒に戦ってた英雄なんですけど、ジャンヌの死をきっかけに闇堕ちして殺人鬼になるんですよ。その人物の物語になるのが今回の3曲なんです。

────前回の「オレルアン~」と併せて1つのストーリーになると。

樹:個人的に史実が好きなので、それをネスプリの世界観に落としこみました。

────なるほど。楽器隊のおふたり人はこういったリアルファンタジーみたいな世界観ってどう捉えてますか?

珠璃:テーマがあると想像して曲を作りやすいなとは思ってます。でも、面白いんですけど、僕が先に曲を作っていて、逆にその曲に合うような世界観をあとから作るっていうこともあるんですよ。そのあたりの駆け引きはバンドならではだなと思って楽しんでます。

▲珠璃(Gt)

剣路:なんやろ…ドラムって一番最初にレコーディングするから、録り終わった後にタイトルとか世界観が固まると、録り直したくなったりはしますね。というか録り直すんですけど、世界観をより表現するドラムにしたいなって気持ちは常にあります。物語の場面が動くようなところでは、ドラムも次のセクションに移行した方が似合うかなとか考えますし。やっぱり曲の世界観が大事なんで、一番最初に作ったものが完成じゃないぞって気持ちはあるかもしれないですね。

珠璃:一緒に世界を眺めようぜって気持ちで寄り添うような作りあげ方が多いよね。もちろんなかには勢いだけで突っ走るような曲もあるんですけど。やっぱり自分たち自身も曲に相応しいキャラクターになることを大切にしてます。最近だったら、背中にゼンマイがついてる人形の衣装のときはステージングもカタカタと人形のように振る舞うとか、魅せ方も含めての表現だとは思ってますね。

樹:表情とかもね。ネスプリのライヴはキャラクターの感情が大事だから、それを表す表情や仕草っていうのはしゅりぞうと同意見です。細かいことを言うと煽り方や話し方も曲によって変わりますしね。ジーザス。

剣路:逆に僕は一番後ろからバンドを見ている立場なので、力強く押し出すイメージ。もちろん曲のニュアンスに適したドラミングはするんですけど、気持ちとしてはそういう側面が強いかも。

珠璃:ちなみに世界観が繋がってるって話でいうと、実は曲ができた順番は今回の「Gilles de Rais~惡への誘い~」が先で、その後で新しく作ったのが「オレルアン~」だったんです。

樹:これまでリリースしてきた楽曲と並べたときに次の作品が「Gilles de Rais~惡への誘い~」だと新しさが伝わりにくいかなと思って。別の曲を挟みたかったっていう経緯もあるんですけど、結果それがうまくハマったと思います。

珠璃:ちょっと前だとピコピコしたEDM要素やダブステップが流行ってたと思うんですけど、一周廻って最近はそういう楽曲が少し減ってきた印象があったのであえて取り入れましたね。

────あと、サビ裏でもギターが主張してくる感じとかが、古の感じもありますよね。

珠璃:はいはい、そうですね。

樹:そういうドラマティックな要素があるので、史実を題材にしてるんですけど、歌詞もそれ以上にジルドレの感情を抽出してるんですよね。2番の歌詞に“一人二人と数えて微笑んだ”ってあるんですけど、あれって1人2人とどんどん殺してくっていう意味なんです。あと時計の音が聴こえるイメージがあったので“tick tock,tick tock”って入れたり、曲から受けたイメージで物語を膨らませていきました。

────2番だと“sick sick,sick sick”変わったり遊び心もあって。

剣路:ネスプリでありそうでなかった曲ですよね。ただビートを刻むだけじゃ表現できない曲なので太鼓類がメインなんだけど、ちゃんと金物を鳴らしてニュアンスをつけたりアレンジに関しては難しかったです。僕の引き出しであんまりなかったタイプですね、今回は。

▲剣路(Dr)

────続いて2曲目が「IronMaiden~命混ざりの芸術~」。このタイトルですが決してゴリゴリのメタルではないんですよね(笑)。

樹:ジーザス。そっちのアイアン・メイデンじゃないですね(笑)。拷問器具のアイアンメイデンです。ジルドレの嗜好的な殺戮を芸術にしたかったんですよね。

────史実上のジルドレが実際にアイアンメイデンで拷問してたわけじゃないんですよね?

樹:そこはネスプリの物語の中の話ですね。殺人症というか、人の命を奪うことによって完成する芸術みたいなテーマ。

珠璃:これも樹がよく解ってくれてるなと思うんですけど、曲を作る時のイメージがコロシアムだったんです。ただの殺し合いじゃなくてギャンブル性のあるもの。弄ぶように人の命を奪うことを表現してくれてるのはイメージ通り。

────観衆が周りで叫びながら見世物のように命を奪い合う闘技場の儚さみたいなものもあって。

珠璃:「ムシキング」みたいなイメージですよね(笑)。

────急にポップになっちゃいましたけど(笑)。あとは特徴としては王道のシャッフルですよね。

珠璃:シャッフル調の曲が今までなかったんで作ってみたかったんですよね。アイアンメイデンの拷問とか闘技場のギャンブル性とか、そういうスリリングなイメージにはシャッフルが合うなと。うまいことリンクして歌詞作ってくれたなあっていう感じではあります。歌詞読んでウフフとはなりました。

樹:いいよ、やめろよ!なんか恥ずかしいですね(笑)。でも、求めてるものが見えやすくはありました。

────剣路さんはまた苦労が多い曲だったんじゃないですか?

剣路:今回の3曲は全部個性があって、全部雰囲気が違う曲調でこれまでで一番大変でしたね。ゆったりめな三連でちょっと跳ねた感じの曲はあったんですけど、「IronMaiden~命混ざりの芸術~」のようなザ・シャッフル調は初めてだったのでいろいろ考えました。リズム隊でグルーヴを作っていくなかで、フレーズとかもだいぶいつもと変わるんでそのあたりは苦労した記憶があります。

樹:それでいうと僕もだいぶ苦戦しましたね。

────それはリズムの部分?

樹:そうですね、今までまやってない系統だったんで、今回の3曲の中で一番苦戦したんじゃないかなと思いますね。あと追加で歌詞を入れた部分もめっちゃ多くて。なんかもう一つ必要な要素があるはずなんだけど、それがなんなのかってことをずっと摸索していたので、プリプロの時間はこの曲がこれまでで一番長かった気がしますね。

────ちなみに追加したのはどの部分ですか?

樹:サビ終わりの英詩の部分ですね。

────そうなんですね。むしろこの曲の大きなフックになっていて一番耳に残る印象だったので意外です。

樹:メロは浮かんでたんですけど、そこにハマる歌詞がなかなかなくて。

珠璃:最初カリフラワーやったもんね。

樹:そうそう(笑)。

剣路:メロにハメたらぴったり合って。カリフラワーって言葉がメロにハマり過ぎてたから正解を見つけるのに逆に苦労しました。カリフラワーの呪縛がすごかったです(笑)。

────そしてジルドレの物語を締めくくるのが次の「「ベロニカ」」。

樹:ネスプリはもともと華に纏わるタイトルの曲をずっと出してたんですよ。ただ、『エイルの丘』収録の「「ヒルガオ」」以降2年くらい出していなかったので、久々の華シリーズですね。

────バンドとしても、華コンセプトは一つ大切にしているものでもあるんですね。それが今回のジルドレの最後に登場すると。ちなみにこれまでの華シリーズはそれぞれにリンクしているんですか?

樹:あぁなるほど。えーっとですね、遊び心で実は少しリンクさせてあるんですよ。そのあたりはコアなファンの方は気がついているかなと思います。今回の「「ベロニカ」」のテーマは“後悔”で。ジャンヌ・ダルクの死があって闇堕ちをして殺人鬼になるんですけど、最後の最後で本当に後悔をするんですよ。今まで何をしてしまったんだって。

────樹さん的にジルドレっていう人間を描いてる中で、最後に手を差し伸べてあげたくなっていったっていうことなんですかね。

樹:そうです。ジルドレの後悔を綴った内容なんですけど、少しだけ現実とファンタジーが交わるんですよ。「「ベロニカ」」は同じ歌詞のループが一切ないんです。

────それこそ遺書みたいで。

樹:物語の結末ですね。

珠璃:この曲ってすごくノスタルジックに仕上がってて。ジブリ映画を観た時に感じるようなものというか、懐かしさと幻想的な光景の両方を感じてほしいんでよね。

────メロディも美しいし、映画のエンドクレジットと共に流れそうな曲ですよね。

珠璃:終戦後みたいな…なんて言うんだろう、哀しみは終わったし、完結したんだけど絶望感が残る感じ。

────冒頭の“「最期の寄り道、逃げてばかり。」”や“「強がり続けた意思は脆く。」”が際立ちますよね。

樹:さっき言った現実の部分ですね。この曲は今のネスプリとも通ずる内容だし、ジルドレの物語の結末と同時に自分たちのことも書いているんです。メンバーが減っても強がっていたこととか、そのときの葛藤も歌詞に込めてますね。

────歌詞は“過去を巡る、現在を生きる。”と一見ポジティブに締めくくられますが、実際ジルドレはどういう結末を迎えるんですか?

樹:ジルドレ自身は後悔しながら消滅します。MVのラストシーンでもそれを表現してますね。でも、史実がベースとはいえ自分で描いてみて何とも言えない気持ちになるんですよ。絶対的な悪じゃない気がして。

NETH PRIERE CAIN「Gilles de Rais~惡への誘い~」MV

────そのあたりの解釈はツアーを経て変わる部分もあるかもしれないですね。

樹:そうですね。

珠璃:物語は繋がっているんですけど、結果として「「ベロニカ」」も含めてネスプリの新たな引き出しを開いた3曲になったと思いますね。今までのうちらではできなかったことだと思うんで、むしろこれからもっと引き出しが開くんじゃないかなって自分たちに期待しているところはあります。

剣路:「オルレアン~」から光も闇もあるネスプリの武器が増えたと思います。でも個人的には闇の要素が強い方がうちらっぽいのかなって、ジルドレの3曲を作った今は思うかな。

樹:でも、共通するのはちゃんと自分の好きなヴィジュアル系だってことなんですよね。それは「オルレアン~」もですし、「Gilles de Rais~惡への誘い~」なんて特に“こういうの待ってました!”って自分自身が思えるんです。古の継承者らしいものがしっかり出せたんじゃないですかね。継承するって安直にコピーをすることじゃないと思っていて。しっかりとした自分たちの色を持つことが大事なんですよね。「Gilles de Rais~惡への誘い~」と「IronMaiden~命混ざりの芸術~」はありそうでなかったものがようやく提示できたし、「オルレアン~」で歌い始めるまでギターが1分ぐらいあるのもクラシカルですごい良いものになったと思う。しゅりぞう本人も言ってるんですけど、“こんな激クサメタル今の時代ねえぜ”みたいな(笑)。でもそれが良いんですよ。

────名前を出してしまうとRaphaelチックな様式美と現代的なエッセンスが丁寧に調合されてますよね。

樹:僕、Raphaelも通ってますからね。「夢より素敵な」とか好きだし、一回だけ櫻井有紀さんお会いしたことあるんです。

剣路:へぇー。

樹:ソロでHOLIDAY NEXTに来ていたんですけど、その時がちょうどご病気で有紀さんの声が出なかったんです。でも、声が出ない代わりにメロディをオカリナで吹いてたんですよ。あぁすごいなこの人って思いました。

珠璃:だからオカリナ買ったったんや(笑)。

樹:あぁ、そうそう。そのライヴ観た日に通販ですぐオカリナ買いました(笑)。

珠璃:影響されて(笑)。

────今や劇的な復活をされてますけど、きっと有紀さんも嬉しいと思いますよ。ちゃんと音楽からもリスペクトある継承を感じるし。ちなみに古で言うと、樹さんはシャウトのスタイルも独特ですよね。

樹:“サイッ!”とか“イヤォ!”とかもう今いないんすよ。でも僕が知ってるシャウトってあれなんです。

────すごく共感します。

樹:今はブレスを吸って出すデスボイスが主流ですけど、僕はブレスを吐いたシャウトです。古の継承者としてそこは絶対に譲れないですね。

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