【サークルライチ】◆スペシャルインタビュー◆ベロティカ、クララ・マグラ、VILLAINS HOUSE、クライセカイ、ギミック、セクトの代表者が語る、個性を表現できる居場所

今や“アイドル”と呼ばれる存在は、あらゆる憧れの対象というだけに留まらず、アイドル自らが持つ個性や主張をいかに自己表現へ昇華できるかによって存在価値を高めている。その一例として、“サブカル系アイドルグループ”を称するマーキュロの存在は大きい。そんなマーキュロが主宰するレーベルが“サークルライチ”であり、VISUNAVI Japanでは、表現ジャンルとしてヴィジュアル系に親和性の高いサークルライチを追究するスペシャルインタビューを2度にわたって企画した。
前回行われた同企画の座談会に続いて、第2弾となる今回は、怪造人間(ベロティカ)、青莇みけ(クララ・マグラ)、クレア・ココロ(VILLAINS HOUSE)、御伽ひめの(クライセカイ)、儚恋ノア(ギミック)、アルマ・ユウ(セクト)を招集。6グループの代表者たちによって語られたサークルライチの魅力と、そのなかで日夜繰り広げられている各々の自己表現に対する熱い思いをお届けしよう。
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────前回に引き続き、サークルライチの魅力に迫るインタビュー企画の第2弾ということで、6グループの代表者にお集まりいただきました。今回、グループとしてはセクトが初登場になりますので、まずはアルマ・ユウさんよりセクトについてご紹介いただきたいと思います。
アルマ・ユウ:はい。セクトは、“オカルト”をコンセプトに活動していて、日常に潜む普通ではないことをテーマに、超常現象や超能力といった科学では証明できないことをモチーフとした歌詞や楽曲を展開しています。
────それでは早速、皆さんはサークルライチのどんなところに惹かれて所属を決めたのかを順番に教えていただけますか?
怪造人間:ベロティカはサークルライチの二期生なので、マーキュロさんが先輩にあたります。もともとマーキュロさんのことは知っていて、他に類を見ないコンセプトで活動されているところに強いカリスマ性を感じていたので、「この人たちがお姉ちゃんにあたるレーベルだったら、自分たちもいいコンセプトで活動ができそうだな」と思ったことがきっかけでした。
────やはり、マーキュロの存在は大きいようですね。
怪造人間:もう、メチャクチャ大きいです!
御伽ひめの:私は、以前活動していたグループが解散することになったときに、「どうしよう?」と悩みながらもアイドルは続けたいと思っていて。そこで、もともとサークルライチのことは知っていて、マーキュロさんのデビューライヴも観ていたし、ベロティカさんやクララ・マグラさんも含めて「所属グループがすべて素敵だな」と思ったことがきっかけで所属を決めました。
クレア・ココロ:私も、前に活動していたグループが解散という形になったときに、お声がけいただいたことがサークルライチへ所属するきっかけでした。けれど最初は少し迷っていました。でも、マーキュロさんやベロティカさん、クララ・マグラさんを知って、「ここなら自分の好きなコンセプトでアイドル活動ができるんじゃないか」と思い、もう一回サークルライチで頑張ろうと所属を決めましたね。
────サークルライチの中で唯一、名古屋を拠点に活動しているのがギミックですね。儚恋ノアさんは、いかがですか?
儚恋ノア:実は私、誘っていただいたときに一度お断りしていて。メチャクチャ運動音痴でダンスもやったことがなかったから、「アイドルには向いていない」と思ってお断りしたのですが、“サークルライチに名古屋拠点のグループを作る”というのを聞いて、それならやってみようと思いました。もともと私は名古屋にいて、正直アイドル活動のために名古屋を出ることに不安もあったので、名古屋を拠点に活動できるのであれば家族や周りの人にも支えてもらいながらできるんじゃないかと思い、「やってみよう」と決意できたのは大きかったですね。

青莇みけ:私はサークルライチに誘われる前から派手髪で、ずっと髪色が青なんです。でも、自分が知っているアイドルは黒髪や茶髪が主流でした。派手髪のアイドルはあまりいないというか存在を知らなくて、そこでサークルライチからお声がけいただいてマーキュロさんの存在を知ったときに、「こんなに個性的な姿でもアイドルをしていいんだ」と心を打たれて「やってみたい!」と思ったんですよね。
サークルライチは女の子のプラスの部分だけじゃなくて、闇の部分というか、マイナスな部分も音楽を通して表現しているのがカッコ良いと思うんです。(アルマ・ユウ)
────これまでのお話を踏まえても、サークルライチ所属のグループが持つ影響力や、個性を活かして活動できるというところが魅力であるということは明らかですね。
アルマ・ユウ:やっぱりアイドルって清楚なイメージが主流だと思うんですけど、時代は変わるじゃないですか。実際に今の時代は、マーキュロさんのようなサブカル系のアイドルは人気があるし、サークルライチに所属しているのはそれぞれコンセプトがしっかりしているグループばかりなので、「ここなら自分のやりたいこともできるし、楽しそうだな」と思ったんですよ。
────ユウさんも、そこが決め手だったんですね。
アルマ・ユウ:はい。それこそ、アイドルってキラキラしている部分に目が行きがちだけど、サークルライチは女の子のプラスの部分だけじゃなくて、闇の部分というか、マイナスな部分も音楽を通して表現しているのがカッコ良いと思うんです。

────たしかに、そうですね。今、皆さんが話してくださった特徴のあるサークルライチのなかで、それぞれの強みをどのように活かしながら活動しているのか、もう少し詳しく聞いていきたいと思います。
青莇みけ:まず、“声が大きい”っていうのは、私自身の強みでもありクララ・マグラの強みでもあると思うんですよ。
────クララ・マグラは、まさに“叫び”がコンセプトでもありますもんね。
青莇みけ:はい。クララ・マグラは歌に被せがないんです。それは一人ひとりの声が大きいからこそできることなのかなとも思いますし、そういうところを見て「本気でライヴしている感じがいい」と言ってもらえることも多いんです。自分は煽りを担当することもあって、結構声が通りやすく打ち消されないのが強みだと思っています。小・中学生のときに応援団をやっていたぐらい声が大きくて、喉が強いところは自分の特徴でもあるし、アイドル活動でも活かせているところですね。
儚恋ノア:ギミックは“病める少女”がコンセプトで、わりと自分自身もメンヘラなところがあるので、グループのコンセプトにも合っていて共感できる部分は多いですね。私はピンク色担当で声もフワフワしているから、“かわいらしさ”っていう部分はグループの中で自分が出せる強みかな、と思います。
────ちなみに、ノアさん自身、心が病んでしまったときにメンタルを回復させる秘訣があれば教えていただきたいのですが……。
儚恋ノア:そうですねぇ……いっぱい寝る! あと、美味しいご飯を食べることが大事です。私は甘いものが好きだから、心が病んでしまったときは甘いものを沢山食べて、元気を出しています!
怪造人間:ベロティカのコンセプトは“エロティシズム”なんですけど、私の性格やキャラ的にエロティシズムが似合うタイプではなかったので、はじめは「大人のお姉さんでいないといけないのかな? キャラ変したほうがいいのかな?」って迷いながら活動していました。でも、ベロティカはみんな性格がバラバラで、個性が溢れているんですね。そのなかで私の武器は声質でもあるので、“妖艶さや儚さが出せる唯一のちびっこキャラ”というのが、自分が出せるエロティシズムの強みだと思って活動しています。
────怪造人間さんのなかにあるエロティシズムの象徴というと、どんな人物像を思い浮かべますか?
怪造人間:まさに、ウチのグループにいる星月夜あむちゃんですね。もう、エロいしギャルだし、最高なんですよ! ベロティカには必要不可欠な存在で、私たちが困ったときや迷ったときに助けになってくれるのはあむなので、「いつもありがとうございます!」と(笑)。
御伽ひめの:クライセカイは、かわいい曲もカッコ良い曲も揃っていて、まさにかわいさだけじゃないところが強みだと思いますね。アイドルなのにデスヴォイスを出すところも、サークルライチらしくていいなと思っています。
────クライセカイのコンセプトとしては、“地雷系”ということですけれども。
御伽ひめの:私自身、地雷系のファッションや見た目が好きなんです。単純に、クライセカイの衣装は可愛い! そんな風に自分が好きなヴィジュアルでアイドル活動ができるところも、すごくいいなと思います。
クレア・ココロ:私も、VILLAINS HOUSEのゴシックな世界観やロックな曲が多いところは、自分の好みにピッタリなんですよね。VILLAINS HOUSEは“お化け屋敷”とか“洋風ホラー”をテーマに活動しているんですけど、“ヴィラン”っていうなかでも私は少しお姫様みたいな立ち位置にいて、そこは自分の強みなんじゃないかなと思っています。

────ココロさんのなかには、“自分はこうありたい”という理想像がしっかりとあるんですね。
クレア・ココロ:はい。ヴィランとは違うと思うんですけど、私はミュージカル「エリザベート」が好きで、エリザベートの美しさを求めるというところに共感できるので、それを活かしている感じですね。わりとみんながダーク寄りなヴィジュアルをしているなかで、私は黒髪ストレートで、少し薄めのメイクなので。
アルマ・ユウ:私は、「ライヴの見せ方や表情管理がいい」とか「愛嬌がある」とファンの方に言ってもらえることがよくあるんです。感情が表に出やすいタイプなので、ライヴが楽しいときに自然と出てくる笑顔や、ライヴの楽しさがダイレクトに伝わるところが自分の強みなのかなって思います。
────セクトの“オカルト”というコンセプトについては、いかがですか?
アルマ・ユウ:やっぱり、科学では証明できないことという部分では、表現する上で難しさはありますね。でも、メンバーそれぞれにキャラクターがあって、一人ひとりの役割に合わせて衣装も個性があって、そういったところでしっかり世界観を表現できているのかなとは思います。
「僕たちの歌を聴いて一緒に頑張ろうよ」みたいな曲も沢山あるので、そういうところもグループに照らし合わせて聴いてみてほしいです。(青莇みけ)
────先ほど、“サークルライチは女の子のプラスの部分だけじゃなく、マイナスな部分も表現しているのがカッコ良い”というお話もありましたけれど、皆さんも活動を通してそういったところに共感できる感性も大いにあるかと思うのですが、いかがでしょうか?
クレア・ココロ:VILLAINS HOUSEに「give me love」っていう曲があって、“毎日脳裏であなたをチラつかせ足りない愛”というサビが、女の子ならば共感できる部分だと思うんです。「私だけでいいじゃん」みたいな。そこは自分でも聞いていて共感できる部分ですね。
怪造人間:ベロティカは「サヨナラ」という曲があって、まさに恋愛の“サヨナラ”に関する曲なんですよ。ベロティカには女の子が振られてしまう曲が結構多いんですけど、なかでも「サヨナラ」は特に縋っていて、「どこにも行かないでほしい」とか「私のことだけを好きでいてほしい」という気持ちに共感できない女の子はいないでしょ!と、思いますね。もしかすると、女の子だけじゃなくて男の子も共感できる曲かもしれないです。
青莇みけ:クララ・マグラの「feel the end」っていう曲は、個人的な解釈としては“終わりが見えかけていても光を目指して頑張る”みたいなメッセージがあると思っているんです。クララ・マグラはメンバーチェンジがあったりして、結構不安定な時期を乗り越えてきたからこそ「feel the end」の歌詞はとてもグループにマッチしていると思いますね。結構クララ・マグラには明るくて前向きな曲が多くて、「DEATH AND RAMEN」のような“僕たちの歌を聴いて一緒に頑張ろうよ”みたいな曲も沢山あるので、そういうところもグループに照らし合わせて聴いてみてほしいです。

アルマ・ユウ:セクトの曲で、よくいろいろな人から「いいね」って言ってもらえる曲が「ヒトリアソビ」という曲です。この曲は“生まれてきたことに対する後悔”の部分が歌詞になっていて、人間ってやっぱり生きることが一番だと思うし、生きているからこそいろんなことができるじゃないですか。そのなかで自分の気持ちがマイナスになったときに、寄り添えるような楽曲なのかなとは思います。
御伽ひめの:クライセカイの曲で「So ぴえん My Life」っていう曲があって、サビでは“辛辣な世間で辛い。だけど、適当にやっていこうよ”ということを歌っていて、自分も生きるのが大変だと思うときもあるし、完璧主義だからちゃんとできないと嫌になるときが多いけど、“適当にやったほうが楽だよ”っていう考え方は素敵だなと思います。そういう考え方をファンの皆さんに曲を通じて伝えられることもいいことだなと思いました。

儚恋ノア:ギミックには「アンチテーゼ」という曲があります。タイトルは“対立する主張”という意味で、歌詞のなかにはいろんな主張が沢山でてきて、振り付けもカッコ良い曲になっています。アンチテーゼでは自分がラストのサビ前に“劣等”と叫ぶところがあるんです。メンバーを代表して人間の劣等感を主張している感じがして、思いを込めながら歌えるところはすごくカッコ良いなと思います。曲の中に出てくる沢山の主張にすごく共感できるところも「いいな」と思います。
衝動を感じる部分もあって、生バンドならではの良さはメチャクチャあると思います。(怪造人間)
────では最後に、皆さんは今後、サークルライチでどんなアイドルを目指していきたいかという展望を聞かせていただけますか?
青莇みけ:クララ・マグラは、老若男女、全員が楽しめるライヴを大事にしているので、今後もそこを大事にしていけるグループになっていきたいですね。もともとかわいい系の曲が多かったなかに最近ではカッコ良い曲が増えてきたので、カッコ良い曲をいかにカッコ良く見せるかという表現の切り替えを目標にしていきたいです。クララ・マグラは、2周年記念のワンマンライヴが11月18日にEX THEATER ROPPONGIで開催されます。このライヴは生バンドセットでのライヴになるので、まずはここを埋められるように頑張ります。
アルマ・ユウ:セクトはまだデビューしたばかりなので課題は沢山あるんですけど、まずはグループを大きくしていきたいです。それに、セクトのライヴを通して観た人の感情を動かしたいというのがあるので、ライヴを大事にしていきたいです。あとはタイムリーな話になっちゃうんですけど、今メンバーが一人お休み中で。他にも喉の不調で歌えない子をカバーするときもあるんです。そこは一人ひとりのレベルを上げていきながら、「このグループはトラブルがあってもちゃんとライヴをやりこなせる」って思ってもらえるように力を入れていきたいですね。まずは、セクト初の大きなワンマンとして半周期ワンマンが12月8日に渋谷WOMBで開催されるので、頑張りたいです!
怪造人間:ベロティカはサークルライチの二期生としてお姉さん的存在でもあるので、かわいい後輩たちから目標にしてもらえたり頼ってもらえたりするようなお姉さんでありたいですね。もちろんファンの人も、もっと魅了できるようなライヴパフォーマンスを見せていきたいので、みんなから見て「魅力的なお姉さんだな」と思ってもらえるようなグループになりたいです。

クレア・ココロ:VILLAINS HOUSEのライヴは、「芸術みたい」と言ってもらえることが多いので、今後も舞台芸術的な良さを大切にしながら、みんなに熱を届けられるようなライヴをしていきたいですね。2026年1月から2月にかけて東名阪ワンマンツアーが始まります。2月16日のSpotify O-EASTで行うツアーファイナルではミュージカル構成のライヴをさせていただくことになっていて。より舞台芸術に繋がるようなライヴを見せられると思うので、楽しみにしていてほしいです。
儚恋ノア:ギミックは、メンバーそれぞれが個性豊かなので、まずはそれぞれの色を表現することを大事にしていきたいです。今まではワチャワチャ系の曲とか楽しい方向に振り切った曲が多かったけど、最近はカッコ良い曲や歌詞の意味が深い曲も増えてきました。なので、そういった曲のときには、カッコ良さやしっかりと感情を込めることを大切にしながら歌っていきたいなと思います。
御伽ひめの:クライセカイとしては、楽しい曲はもっと盛り上げていけるようになりたいです。また、カッコ良い曲は歌詞がすごくいいと思っているので、一回のライヴで、楽しさもみんなの気持ちに寄り添えるような曲も届けられるようになりたいなと思っています。もともと自分もアイドルが好きで、マーキュロさんはもちろん、悲撃のヒロイン症候群さんやGILTY x GILTYさんのような、ちょっとダークめなグループが好きで、自分が辛いときにそういうアイドルさんたちを見て「頑張ろう」と思えた経験があるので、自分もそういう存在になれるように頑張ります。
────クライセカイ、VILLAINS HOUSE、ギミックの四期生合同3マンとして11月5日に恵比寿LIQUIDROOMにて生バンドセットのライヴが控えていますけれど、アイドルながらも生バンドとの融合を積極的に取り入れているのも、サークルライチの特徴でもありますよね。
怪造人間:はい。やっぱり生バンドになると激しい曲はよりロックになるし、逆にピコピコ系の曲は体感的にいつもよりスピードが速く感じたりして、いつもと全く違う印象の曲になります。衝動を感じる部分もあって、生バンドならではの良さはとてもあると思います。11月17日にKT Zepp Yokohamaで行うベロティカの2周年記念ワンマンも生バンドセットなので、ぜひみんなに来てほしいです!
取材・文:平井綾子
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