1. HOME
  2. NEWS
  3. 【ユナイト】ライヴレポート◆UNiTE. 2025 Oneman Live Tour「FANTASTIC NERDS」-TOUR FINAL-◆2025.9.21(日)渋谷WWW X◆アルバム『FANTASTiC』を引っ提げたワンマンツアー『FANTASTIC NERDS』で見せた“結束の証”。「このツアーで得たものは、俺らが絶対未来へ繋げていく」(希)

【ユナイト】ライヴレポート◆UNiTE. 2025 Oneman Live Tour「FANTASTIC NERDS」-TOUR FINAL-◆2025.9.21(日)渋谷WWW X◆アルバム『FANTASTiC』を引っ提げたワンマンツアー『FANTASTIC NERDS』で見せた“結束の証”。「このツアーで得たものは、俺らが絶対未来へ繋げていく」(希)

この夏、ユナイトは6月にリリースした渾身のアルバム『FANTASTiC』を携えて、Oneman Live Tour 『FANTASTIC NERDS』を開催した。ツアー初日には、アルバムを曲順通りに披露するという特別感のあるライヴを実施し、全20公演のうち延期となった4公演(※振替公演あり)と、10月18日・19日に予定されている〈裏FINAL〉の沖縄公演を控えているものの、9月21日に渋谷WWW Xで迎えたツアーファイナルのアクトは、また新たなユナイトの魅力を感じさせるものとなった。

作品を引っ提げてのライヴやツアーというのは、その作品の世界観を存分に楽しめるものになることは必至。今回のユナイトにおいては、ツアータイトル『FANTASTIC NERDS』(=素晴らしいオタクたち)とはまさしく、“ユナイトってどんなバンド?”という問いに端的に答えるワードであり、アルバム『FANTASTiC』のタイトルもそこから派生したものであることから、今回のライヴから感じ取れる主軸は「これが“今の”ユナイトだ」というアイデンティティそのものであった。

「『FANTASTiC』っていうアルバムは、20曲入りという、〈いっぱい曲があってスゲェ!〉みたいなアルバムなのかもしれんけど、もう一つ特徴がありまして。20曲すべてがこの5人になってからリリースした曲たちで、みんなの応援のおかげで『FANTASTiC』っていう、“結束の証”みたいなものを形にして、この世に産み落とすことができました」

ライヴのクライマックスで希(Vo)が語ったこの言葉には、思わず「それだ!」と頷かされる説得力があった。メンバー全員が作曲できる強みから生まれる豊富なバリエーションや音楽的ポテンシャルも、もちろん“ユナイトらしさ”の一つではあるが、その根本にあるものは紛れもなく“結束”という揺るぎない絆であることに、改めて気づかされる。さらに、その結束力こそが、希が口にした「ユナイトが、メッチャ居心地いい」とされる理由なのかもしれない。実際、ライヴの随所にもそれを象徴するシーンがいくつも見られた。

鮮やかに幕開けを飾った、“希望”を歌う『hananone.』がじわじわとエネルギーを生み出し、『4:19 A.M.』で一気に加速。「『FANTASTIC NERDS』、ツアーファイナルへようこそ!今日はとことん楽しもうぜ!」と希の一声でシームレスに繋いだ『empty mellow』では、一層バンド感を強めたことに加えてハク(Ba)もマイクに向かって先導し、“君の声を聴かせて!”という歌詞に呼応するように、割れんばかりの歓声が巻き起こった。ド頭からステージはキラキラとした眩しいオーラに満ちていて、それは5人の息がピタリと合っていることの表れでもあるのだが、メンバーそれぞれが持つ気持ちやテクニックに表れる“個”にスポットが当たっていたことが瑞々しさを放つ要因でもあったように思う。


ここで、“死者蘇生”(※既存曲を現メンバーで初めて披露すること)として登場したのが『Romantic☆Trampoline』。ポップからラウドへと変化する展開ゆえに、希曰く「ユナイトで一番意味不明な曲」というのも納得であるが、そんな彼が抜群のリズム感で歌い上げたことで、“ちょっと待って”という印象的なフレーズに合わせてホッピングする楽し気な空気が格段にアップしていたのも印象的。さらに、エレクトロ・ポップなテイストを引き継ぐように『酔性キャンディ』では、「ロキソニンちょうだい!」というコール・アンド・レスポンスも起こり、無機質なデジタル要素の中に、演奏や歓声といった臨場感という名の温度がプラスされた絶妙なバランス感もまた、ユナイトのなせる武器の1つであるとも感じた。そして、クリーンなギターフレーズを響かせた椎名未緒(Gt)が“人との出会い”に掛けた人生の選択を綴った『アンハッピータイムリーパー』に続いたのが、莎奈(Ba)がユナイト自体をモチーフに歌詞を綴ったというポップスナンバー『ないけど』だったことも、現体制のユナイトに至るまでのドラマを思うとなかなかに胸を打つ流れだった。

おもむろにノスタルジックなSEが流れ始めると同時に楽器隊がステージを後にすると、ヴォーカルソロ曲『somewhere not here.』を圧巻の歌唱で披露し、希の表現力の高い歌に没入できる贅沢な時間を堪能させた。再びメンバー全員がステージに揃うと、『プレゼント』がアカペラからスタート。少し早めのクリスマスムードに包み込んだが、ハートウォーミングな部分もまた、今のユナイトにはしっくりくるところでもある。暗転を機に一旦落ち着いた空気へとシフトし、自分の在り方を肯定してくれる優しいメッセージがおしゃれな演奏に乗せて届けられた『good night』も美しかったが、やはり凄まじい引力を放っていたのが『balloon flower』だ。曲のラストに、儚げにメンバーのシルエットが浮かび上がった瞬間には思わず震えが上がったが、正直、他に何か特別な演出があったかと言われればそうではない。むしろ、歌と演奏というシンプルなパーツのみで、アッパーにもシリアスにも聴く人の心を揺さぶっていくユナイトは、ただただ強かった。


後半戦には、言わば“ライヴらしい”セクションが待っていた。アウトレイジな『菟』ではLiN(Gt)と椎名未緒が多彩なギターアプローチを見せ、『レヴ』へと続くと一斉にフロント陣が最前線へ躍り出た勢いも手伝って、音と言葉の重みがグッと高まっていく。また、莎奈がお得意のドラムフレーズにアレンジを効かせた直後、希がフレーズの節々に力を込めるといった、演奏の中に起こる高揚感の連鎖によってグルーヴを増していくところもアツい。“バグ感”満載な『ぜったいれいど』、まさに唯一無二なシニカルな雰囲気漂う『灰色の心象へ胡乱の詩に軽い音』で沸き立つフロアに、「まだたりないよ!まだいけるって俺、知ってる!」と『ice』を叩きこむ。さらに、ヘッドバンギングの嵐が巻き起こった『sheeple repliQo』とフロアの盛り上がりはピークに達したが、こうした場面で希が魅せる妖艶さやある種の狂気ぶりもまた、ユナイトのライヴの熱量を高める要因でもある。

いよいよラストスパートに突入し、「僕らの思いをより強固にしてくれた曲です」と紹介して披露されたのは『[about us]』。曲のタイトル通り、今のユナイトをストレートに表した曲でもあるわけだが、そういった曲が4人の音から一気にバンドインするところに感慨深さを感じていたところへ追い打ちをかけるように、“今ならきっと終らない”を強めて歌った希。ここを起点にするように、「さぁ、さらに行こうよ、俺たちの思いの先へ! 全員ついてこい!」と、バンドとファンの関係性を描いた『イオ』が爆発的な勢いを持って突き抜けていった。


「俺は、この音とこの声がメッチャ好きや! 俺たちは、俺たちのすべてを使ってみんなの人生を幸せにしたいと思ってる。もちろん、完全には無理なことは重々承知。でも、一人ひとりの人生がユナイトのライヴや音楽で、ちょっとでも明るく前に進めるように願ってます。そんな音楽、ライヴをこの『FANTASTIC NERDS』ツアーで作ってきたつもりです。俺たちは、一人ひとりに寄り添えるような、そんなバンドで在り続けます」――希

こうして『ファンタスティック』で締めくくられた、アルバムと同じ曲数(20曲)のラインナップ。ただしこの日は、アルバムの新曲たちと、耳にする度に現在進行形で進化していく既存曲が相乗効果を見せる最強のセットリストでもあった。『ファンタスティック』を聴きながら、運命の中にある出会いや奇跡、そして何よりも想像し得ないこの先を見に行くというバンドの原点にも改めて立ち返りながら、また新たな可能性に触れることができたエンディングとなった。

この日、新たな発表こそなかったが、10月1日に行われる生配信『FANTASTIC NOTICE』にて「重大発表で、“いい”大切なお知らせがある」とのこと。「このツアーで得たものは、俺らが絶対未来へ繋げていく」と希もはっきりと伝えていた通り、“これまで”を肯定できる強さをもって、想像以上を見に行こうと前進するユナイトに注目していたい。




Photo◎白石達也
Report◎平井綾子

SET LIST

1. hananone.
2. 4:19 A.M.
3. empty mellow
4. Romantic☆Trampoline
5. 酔性キャンディ
6. アンハッピータイムリーパー
7. ないけど
8. somewhere not here.
9. プレゼント
10. good night
11. balloon flower
12. 菟
13. レヴ
14. ぜったいれいど
15. 灰色の心象へ胡乱の詩に軽い音
16. ice
17. sheeple repliQo
18. [about us]
19. イオ
20. ファンタスティック

配信情報

■「FANTASTIC NOTICE」
【配信日時】 2025年10月1日(水) 21:00~22:30(予定)
【出演】メンバー全員
【配信URL】https://twitcasting.tv/official_unite
【料金】無料
※配信内にて告知事項あり

LIVE

■UNiTE. 2025 Oneman Live Tour 「FANTASTIC NERDS」
<ツアー裏ファイナル>
・2025.10.18(土) 桜坂セントラル
・2025.10.19(日) 桜坂セントラル

【チケット】前売¥5,000(税込・D代別) ※当日無料チケットあり(18歳以下限定)
・イープラス:https://eplus.jp/unite/
・ローソンチケット:https://l-tike.com/unite
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/unite-2025onemanlivetour/

--------------------------------------
ユナイト主催イベント「DNA」
2025.11.01(土)渋谷ストリームホール
【出演】 ユナイト / [ kei ] / 直
[ kei ] Support Members:Ba.高松浩史(The Novembers/Petit Brabancon) / Dr.植木 建象 / Piano.クロサキヒロミ / Sax.鬼塚康輔
直 Support Members:Gu. ひヵる(ダウト) / Ba. メイ(DOG inThePWO) / Dr.響(摩天楼オペラ)

【チケット】 一般 ¥6,500(税込・全自由)
発売日:2025/10/5(日)12:00~
受付URLhttps://l-tike.com/unite/

---------------------------------------
■ZEAL LiNkun TOUR 2025-26
・2025.11.15(土) 札幌PLANT
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / mitsu / アンフィル / XANVALA

・2025.11.16(日) 札幌PLANT
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / mitsu / アンフィル / XANVALA

・2025.11.22(土) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / mitsu / XANVALA / HERO / Chanty

・2025.11.30(日) 長野CLUB JUNK BOX
【出演】 ユナイト / アンフィル / XANVALA / HERO / Chanty / 電脳ヒメカ

・2025.12.06(土) KYOTO MUSE
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / アンフィル / 電脳ヒメカ / RAZOR

・2025.12.12(金) 福岡DRUM Be-1
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / アンフィル / 電脳ヒメカ / RAZOR / THE MADNA

・2025.12.13(土) 福岡DRUM Be-1
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / アンフィル / 電脳ヒメカ / RAZOR / THE MADNA

・2025.12.19(金) 渋谷ストリームホール
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / mitsu / XANVALA / RAZOR / ダウト / 寿司かも新米

・2026.01.10(土) 名古屋BOTTOM LINE
【出演】 ユナイト / アンフィル / HERO / 電脳ヒメカ / THE MADNA / ダウト

・2026.01.17(土) 金沢AZ
【出演】 ユナイト / アンフィル / HERO / 電脳ヒメカ / THE MADNA

・2026.01.31(土) 大阪 Yogibo META VALLEY
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / mitsu / 電脳ヒメカ / ダウト / グラビティ

・2026.02.07(土) 浜松窓枠
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / アンフィル / HERO / THE MADNA / グラビティ

・2026.02.14(土) 仙台Rensa
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / mitsu / RAZOR / THE MADNA / グラビティ

・2026.02.21(土) 渋谷ストリームホール 〈FINAL Day1〉
【出演】 ユナイト / mitsu / XANVALA / HERO / THE MADNA / グラビティ / 寿司かも新米

・2026.02.22(日) 渋谷ストリームホール 〈FINAL Day2〉
【出演】 ユナイト / DOG inThePWO / アンフィル / 電脳ヒメカ / ダウト / ザアザア / 寿司かも新米

【チケット】 前売¥5,500(税込・全自由)
・オフィシャル先行受付(抽選)
2月公演:受付期間:2025/10/1(水)12:00~10/19(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/unite/
※整理番号A

・一般発売日
11月・12月公演:2025/11/1(土)12:00~
1月・2月公演:2025/12/1(月)12:00~
※整理番号B
---------------------------------
■椎名未緒フィーチャーイベント「神輿」
2025.11.23(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!

■希フィーチャーイベント「hananone. Vol.2」
2025.12.14(日)福岡DRUM SON

■莎奈フィーチャーイベント「対象a」
2026.02.01(日)大阪 Yogibo HOLY MOUNTAIN

■LiNフィーチャーイベント「90 minutes」
2026.02.15(日)仙台MACANA

【チケット】 前売¥5,000(税込・全自由) ※当日無料チケットあり(18歳以下限定)
・mobile FC [elite U's]先行受付(抽選)
11月12月公演:受付期間:2025/9/21(日)21:00~10/5(日)23:59
2月公演:受付期間:2025/11/23(日)12:00~11/30(日)23:59
受付URL:https://sp.unite-mobile.com
※整理番号A

・一般発売日
11月12月公演:2025/11/1(土)12:00~
2月公演:2025/12/14(日)12:00~
※整理番号B

関連リンク

[ユナイト オフィシャルサイト]http://www.unite-jp.com/
[ユナイト オフィシャル X]https://twitter.com/official_unite

関連キーワードでチェック

この記事をSNSでシェアする