【マーキュロ】★スペシャルインタビュー★進化を止めないサブカル界のダークヒロインのリアルと夢に迫る!

9月からスタートしている、“マーキュロ主催 単独巡業『絶望セカイ』”中のマーキュロをキャッチ。今ツアーの手応えや、ツアー中に行われたハロウィン公演についても掘り下げながら、メンバー全員にインタビューを実施した。2026年には、早々に“生バンド単独巡業『絶望セカイ暴動編』”が控えており、千秋楽となる3月5日の豊洲PIT公演にも期待が高まるところ。アイドルという枠に収まらず、唯一無二の存在であり続けるサブカル系アイドルグループ・マーキュロが目論む今後のヴィジョンについても語ってもらった。
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自分は元々声量が無かったので、不向きだと思っていた煽りを最近は任せてもらえるようになって、まだ不慣れなんですけどメンバーと一緒にどうやったらお客さんをもっと楽しませて盛り上げられるのか等、研究していきたいと思っています、最終的に自分個人でももっと成長していきたいです!(翠城ニア)
────現在マーキュロは、“マーキュロ主催 単独巡業『絶望セカイ』”の真っ只中ですね。この取材の時点では序盤の8公演を終えたところですけれども、今ツアーの手応えはいかがですか?
我執キル:「もう8本もやったのか!」っていうのが、正直な感想ですね。体感的には、まだ4~5本くらいなんですよ。もしかすると、沖縄や福岡は2Daysだったからかな?
────それもあるかもしれませんね。沖縄2Daysからのスタートでしたけれど、ライヴはもちろんのこと、沖縄の空気は満喫できました?
藍咲ユウリ:やっぱり沖縄の雰囲気にあてられたのか、みんな「はいさ~い!」みたいなテンションでしたね(笑)。ファンの方も現地の方だけではなくて、本州から観光がてら来てくれた方も多かったんです。だから、一緒に思い出を作っているような感じがして、楽しかったですね。ほのぼのとした沖縄でした。
我執キル:ちょっと“オフ会”みたいな感じだったよね。
雅楽代カミテ:うん。バカンスな感じもあって、初日からみんなで「イエーイ!」っていう感じで始まったツアーなんですけど、回数を重ねるごとにステージとフロアの一体感が増して、まとまりが出てきてると思います。ツアーのSEもその都度改良したり、ライヴ中の“企画コーナー”も終盤に差しかかったりしていて、どんどん盛り上がってきてるんじゃないかなと思っています。
紫月レンゲ:その“企画コーナー”で一番負けが多い人はスカイダイビングをするんですけど、今のところ一番負けが多いのは僕なんですよ……。実は、前回もそれでバンジージャンプをしたんですけど、いっぱい負けてしまって絶望です……(笑)。でも、ライヴは全部楽しいですよ!
────まさか『絶望セカイ』というツアータイトルにちなんで、本当に“絶望”が伴なっているとは……。
我執キル:僕個人としては、ツアータイトルにちなんで今まで絶望したことを振り返りながらライヴをしたりしています。
翠城ニア:初日から新曲も披露しているんですけど、新鮮ですね。個人的には、お客さんの中には毎ライヴ通ってくれている方もいらっしゃるので、同じライヴにならないように新しい歌い方を取り入れながら、毎回意識的に変えているところはあります。そうやって、ライヴを重ねながらメンバーと一緒にいい在り方をどんどん研究していきたいと思っているので、最終的にはもっと成長していきたいです!

────その一つの結果として、福岡公演は2Days、神戸・大阪公演も完売だったとか。
我執キル:福岡は、ステージの形がおもしろかったです。
紫月レンゲ:円形で“見世物小屋”みたいな感じだったのと、お客さんとの距離が近かったのもあって、すごく一体感があって楽しかったです!
────そして今、福島・郡山公演を終えた皆さんにリモートで取材をさせていただいているところなんですけれど、ズバリ今日のライヴはいかがでした?
藍咲ユウリ:楽しかったです! ツアーが始まってから誰かしら体調を崩しがちだったんですけど、今日はみんな全快で、フロアの調子もよかったので。
珖夜ゼラ:バリバリ盛り盛りで、盛り上がりました!
雅楽代カミテ:ライヴが終わったあとに、いつも音響を担当してくださっている方に「みんな、よくなったね。まだまだいけるよ!」って言ってもらえたのが、すごく嬉しかったですね!
(ハロウィンライヴは)ファンの子たちも仮装してきてくれて「一緒にイベントを楽しむのって、いいな」と思えた一日でした(珖夜ゼラ)
────さて、10月30日にはZepp Shinjukuでサークルライチ主催のハロウィンライヴも開催されましたけれど、こちらを振り返るといかがですか?
我執キル:去年と同じくZepp Shinjukuでハロウィンライヴをさせてもらって、本当に嬉しかったです。
珖夜ゼラ:その日は、ファンの子たちも仮装してきてくれて「一緒にイベントを楽しむのって、いいな」と思えた一日でした。

────皆さんの仮装も素敵でしたよね。改めて、それぞれのこだわりを教えていただきたいなと思います。
珖夜ゼラ:今回は、各々が自由にテーマを決めたんですよ。僕は“狼男”がテーマだったんですけど、一番暑がりなのに一番モコモコの衣装にしてしまって(笑)。めちゃくちゃ暑かったけど、すごく好評だったのでよかったです。あと、ケモ耳の衣装も初めてでした。マーキュロって、普段は耳のついた衣装は作らないので、この機会に耳をつけたいな、と。
藍咲ユウリ:結構僕らは、“こうあるべき”っていうマーキュロ内での役割に徹するじゃん? だから、ハロウィンならではのはっちゃけ衣装として、僕とゼラはケモ耳みたいな、普段では絶対に作らないような衣装にしましたね。
珖夜ゼラ:そうそう。僕が短パンで、ユウリが長ズボンっていうのもそうだね。特別衣装だからこそ、みたいな。
藍咲ユウリ:そこも、いつもとは逆だもんね。僕は“吸血鬼コウモリ”をイメージしたんですけど、長ズボンだとシンプルにかっこいい方向に全振りできるのと、自分的に最近ハマっているセンターパートの髪型をマーキュロでは初めてやってみたりして。新しい自分との邂逅(かいこう)を果たせたし、やっぱりこういうので幅が広がるよね。
一同:うんうん。
────マーキュロにとってハロウィンは、いつもやらないことができる貴重な機会でもあるということですね。
我執キル:それこそハロウィンの衣装って数回しか着ないから、僕も初めてショートパンツに挑戦してみたり、おなかとか肩を見せたりしてみました。“フランケンシュタイン”をイメージしたんですけど、袖が長いのも結構こだわりだったんです。あの衣装、本当に好きなんですよ。
紫月レンゲ:僕の衣装のテーマは、“メデューサ”です! 実際に“人外”に憧れがあって、今年に入ってからスプリットタンにしたんですよ。

────まさに“ヘビ”じゃないですか!
紫月レンゲ:そうなんです。今年は巳年だし、ヘビちゃんになりたくて。なので、今回のハロウィンは新鮮な感じの人外になりました。
雅楽代カミテ:私の衣装のテーマは、“カボチャさん”です。実は、前にオーラ診断をしてもらったら、カミテのオーラはオレンジだったんですよ。だから、「ピッタリだ!」と思ったし、カボチャの衣装を着たときのライヴも特典会でお客さんとお話したときも全部楽しかったので、「“カボチャ”にしてよかったな~」って思いました。
────すると、オーラ診断は間違ってなかったんですね。
雅楽代カミテ:はい。メイクもいつもしないような濃いめのメイクにしていただいて、カラコンもいつもは黒なんですけど、ハロウィンのときは緑にして、そこでも“カボチャ”を意識しました。いつもと違う自分に出会えて楽しかったですね! 今までしていたメイクより個人的に気に入っていたので、その後通常メイクでも取り入れられるところは取り入れちゃいました!
────11月1日の静岡公演、マーキュロは2ステージだったんですよね?
雅楽代カミテ:昼はサークルライチ主催のイベントでハロウィン衣装でライヴをやって、夜に『絶望セカイ』のツアー公演があったので、結構時間もタイトでしたけどメイクを変えたんです。ハロウィン衣装での公演は、全てメイクさんがいらっしゃらなかったので、メイクさんがアー写撮影の日にやってくださったのを見て全部自分たちでメイクしたのが難しかったです!
藍咲ユウリ:僕も、白塗りのハロウィンメイクから通常のツアー衣装のメイクにチェンジするのは大変だったんですけど、お客さんは楽しみに待ってくれているから、気合いで乗りきりました!
────そして今年のハロウィン公演、ニアさんは体調不良でお休みされたそうで。もう体調は大丈夫ですか?
翠城ニア はい、もう大丈夫です! もともとハロウィンのアー写を撮るときにプロデューサーさんから、「単なるコスプレではなくて、オリジナリティを出したい」というお話があったんです。そこで、自分は“ピエロ”をテーマにしているんですけど、実は最初は映画「アリス・イン・ワンダーランド」のマッドハッターが思い浮かんだんです。ただ、既存のキャラクターそのものよりも、もっとオリジナリティを出したほうがいいということで、“帽子”の要素は残しつつ、メイクや使用する柄とか形はピエロを意識して、両方を織り交ぜたヴィジュアルになりました。
────マーキュロのハロウィンは、“オリジナリティ”がテーマだったということですね。ただ、12月6日に控えている定期公演“アブノーマル★倶楽部”では衣装が“まだまだ終わらないハッピーハロウィン”ということなので、ここで6人揃ってハロウィンのリベンジといった感じになりそうですけれども。
藍咲ユウリ:そうですね。今度は6人揃ってハロウィンできるのが嬉しいです!
生バンドとフロアの“暴動区”に挟まれる形になるので、萎縮しないように「ウォー!」って盛り上がりたいですね(雅楽代カミテ)
────年が明けると、“生バンド単独巡業『絶望セカイ暴動編』”がスタートします。こちらは文字通り生バンド編成でのライヴになりますが、準備は着々と進んでいるんでしょうか?
藍咲ユウリ:そうですね。生バンド編成ということで、前回同様に僕らも楽器の演奏にチャレンジするので、その準備は始まっています。
珖夜ゼラ:今回はバックバンドさんの編成も少し変わって、また新しい音作りができるのかなっていう楽しみがありますね。
藍咲ユウリ:千秋楽の豊洲PIT(3月5日)までに新曲がまだまだ出る予定なんですけど、聴かせる系の楽曲もありつつ、やっぱりゴリゴリ系の楽曲が多いので、さらにカッコ良い生バンド編成のマーキュロを見せられると思います。
紫月レンゲ:自分たちで楽器を演奏するのは楽しみではあるんですけど、やっぱり難しいところもあるので「うまくできるのかな?」という焦りと、「ちゃんとできたら絶対にカッコ良い」という思いと、現時点ではどちらの感情もありますね。
翠城ニア:前回は「ぬいぐるみ。」をメンバーの演奏で披露したんですけど、今回演奏する予定の曲が20から120にハードルがアップしたぐらいレベルが違うので、すごく挑戦になると思っています。あとは、“暴動編”から衣装が変わるんですけど、“絶望セカイ”ツアーの11代目衣装は実は初めてメンバー個人で1から考えたもので、1人1人が自分なりの絶望を詰め込んだ衣装になっています。次の新しい12代目衣装はどんな感じになるのか楽しみです!
────前半戦とは違う、“暴動編”ならではの見どころもたくさんありそうです。
我執キル:“暴動編”なので、“暴動区エリア”ができるのかな? ほかにも“安全エリア”もあってフロアマップが通常のライヴとは異なるところもあると思うんですけど、フロアも思う存分暴れるのでお客さんの見え方も違うし、演奏も生の音なので楽しみですね。自分たちのバンド練習も頑張りたいし、新曲も今までのマーキュロにはない新しいテイストの曲もあっていろんな色が見せられたらいいなと思っています。千秋楽の豊洲PITは広い会場ということもあってお客さんも楽しみにしてくれていると思うので、期待に応えられるように頑張りたいです。
雅楽代カミテ:私たちは、生バンドとフロアの“暴動区”に挟まれる形になるので、萎縮しないように「ウォー!」って盛り上がりたいですね。それに、生バンド編成のライヴのときは楽器の皆さんが準備をしている間、私たちがMCで繋ぐことになるんですけど、そこも場を盛り上げられるように頑張りたいと思います。

翠城ニア:“暴動区”っていう、みんなが無規制になるライヴはフロアの盛り上がり方も変わってくるんですけど、エリアが分けられていてもみんなが平等に楽しめるような空間を作ることを意識していきたいです。最終地点は、ワンマンでは初となる豊洲PITという大きなステージになるので、ステージ構成も含めて楽しみですね。
僕らは、令和のサブカル史に名を残す存在になりたいと思うんです(藍咲ユウリ)
────今年だけでも、演劇を交えたライヴや生バンド編成で初の地方公演を行うなど、たくさんのことをやってきましたけれど、まだまだできることの可能性は大きいと思っていまして。そこで、今思っているマーキュロとサークルライチそれぞれで“やりたいこと”、もしくは“やってみたいこと”について皆さんでお話をしてみたいと思います。
珖夜ゼラ:僕個人としては、ずっと漫画家の伊藤潤二さんがすごく好きで、小学生の頃から漫画を読み漁っているんですけど、伊藤潤二さんとマーキュロの世界観がすごく合うと思っているので、何かしらでコラボするのが1つの夢ではありますね。
翠城ニア:自分がマーキュロでやりたい夢は、デコトラを走らせたい! アー写が並んでいて、音楽も流して。それで、サプライズでフリーライヴをするっていうのも新しいかな、と。
────ライヴハウスを飛び出してのアプローチですね。
翠城ニア:事前に告知せずに、急にライヴしたらどうなるんだろう?っていう、単純な興味もありますね。「〇〇をしたら人は集まるのか?」みたいな、YouTuberっぽい企画もやってみたいなとは思います。
雅楽代カミテ:私は、前までは結構あった“振り付け講座”を復活させたいですね。新しい曲もたくさん増えたので、振り付け講座があるとみんなも「この曲ではこういう振りをすればいいんだ!」ってわかると思うし、フロアの一体感にも繋がっていいんじゃないかなって思いました。
我執キル:衣装もすごく増えてきたので、衣装の展示会みたいなことをやってみたいですね。アイドルが好きな友だちから、「アイドルの衣装展示は結構嬉しい」っていう、オタク目線の言葉を聞いたときに思いついたんですよ。“マーキュロ美術館”みたいな感じで、マーキュロの歴史を振り返ることができるものをやったらいいんじゃないかなと思います。あとは単純に、僕はずっと言っていますけど、1日でも長くマーキュロの活動を続けたいと思うばかりです。

────いいアイデアがたくさん出てきましたね! そこはやはり、スタンダードなアイドルの活動に留まらないマーキュロの強みかな、とも思います。
紫月レンゲ:ライヴでもいろいろやってきましたけど、前にやった“芝居構成単独公演 残酷劇「赤マント」”のようなライヴもまたやりたいです。
藍咲ユウリ:ちょうどこの間レンゲとゼラとも話していたんですけど、芝居構成公演は本当にまたやりたいと思っていて、実際にプロデューサーさんにも「血沸き肉躍るような残虐な公演をやりたい」って伝えたんですよ。そうしたら、実現可能な会場を探してみるとのことだったので、実現させたいですね。
────すでに動きだしていることもあるとは!
藍咲ユウリ:僕らは、令和のサブカル史に名を残す存在になりたいと思うんです。サークルライチも、“サブカルアングラ系アイドル”という界隈作りができていると思うんですよ。今後、例えばサブカル系やアングラ系の方を集めて大型サーキットイベントを大きな会場で組めるくらいに力をつけていきたいですし、レーベルとしてもサークルライチが先陣を切って令和のサブカルを盛り上げていきたいですね!

珖夜ゼラ:僕も、「サークルライチとして何か楽しいことができないかな?」って考えていたんですけど、所属人数もすごく多くなってきたので、サークルライチの全員で一つのステージにボン!って立ったら、おもしろい化学反応が起きるんじゃないかなと思ったんですよ。そこで何をするかは、今パッと思いつかないんですけど……。
我執キル:全グループでメンバーシャッフルのユニットを作ったり、楽曲交換したりっていうのはおもしろそうですね。ちょっと無謀に思えるほど人数が多いんですけど、そういうことがあればメンバー同士も関われると思うのでいいんじゃないかなっていう感じがします。
雅楽代カミテ:確かに、メンバーシャッフルはやりたいなと思いました。サークルライチ全員、ごちゃ混ぜで!
紫月レンゲ:普段、妹たちとあんまり関わる機会がないので、交流もかねて運動会とかしたい! そういう、ライヴ以外の催しものもありですね。もっと仲良くなりたいなと思っているので。
翠城ニア:自分は後輩に仲がいい子が結構多いんですけど、みんなで修学旅行とかしたいな~って思いました。普段はライヴで関わるくらいしかないから、もっとプライベートに近い形で話をすることも大事かなと思うし、新しい子もどんどん入ってきてるので、もっと親睦を深めたいっていう意味でも、単純に“みんなで遊ぶ”みたいなことをしてみたいかもしれないです。
────これからもマーキュロとしての活動はもちろん、サークルライチのお姉さんとしても期待しています!
藍咲ユウリ:今、マーキュロは指導したての勢いだけでいける期間も過ぎ、4年目っていうのは正念場でもあると思うんです。それをメンバー間でも実感しつつ、みんなで「もっとこうしよう」って言い合えていることが嬉しい部分でもあるんですよね。追いかけてくれているファンのみんなにも成長を実感してもらえるように、みんなで頑張っていきたいというのは、現在の“絶望セカイ”のツアーを通してすごく思っています。来年もすでに発表されているものだけでもスケジュールがたくさん決まっていますし、今年は6人揃って年を越せて、来年も6人でいられるのがただただ嬉しいし「幸せだな」って思います!
一同:僕もー!/私もー!
取材・文 平井綾子
写真 横山あきお
INFORMATION
LIVE
■マーキュロ主催 単独巡業『絶望セカイ』
12/13(土)仙台ROCKATERIA(仙台)
12/21(日)ZephyrHall(愛知県)
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■マーキュロ主催 生バンド単独巡業『絶望セカイ、暴動編』
2026年
1/11(日)NAGOYA ReNY limited(愛知)
1/13(火)VeatsSHIBUYA(東京)
1/17(土)バナナホール(大阪)
1/24(土)DRUM LOGOS(福岡)
3/05(木)豊洲PIT(東京)
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