【アルルカン×VISUNAVI Japan ※独占写真掲載!】ライヴレポート<LIVE TOUR 2026「imagine」TOUR FINAL>9月6日(日)Zepp Haneda◆アルルカン、新章へ——夜明けのその先に思い描く未来

——当日、重大発表あり。そう事前に添えられたのは、2026年9月6日(日)霧雨が降り注ぐ東京・Zepp Hanedaで開催された、アルルカン LIVE TOUR 2026「imagine」のTOUR FINAL公演だ。同年3月にリリースされたアルバム『imagine』を引っ提げ、4月から約5ヶ月に渡って全国を駆け抜けた「imagine」ツアー。ファイナルとなる26公演目・Zepp Hanedaの舞台は、2021年11月に主催したイベント「束の世界-SONOSEKAI-」以来で、ワンマンライヴでは初となる。
今年で結成13周年を迎えるアルルカン。近年の彼らといえば、ジャンルを越境したイベントにも精力的に参加し、自分たちの音楽を提示してきた。その一方で、ヴィジュアル系というカテゴリーの中では、先述のイベント「束の世界-SONOSEKAI-」や「friend & fiend」を主催し、仲間へのリスペクトを大切にしながらシーンを牽引してきた存在でもある。そんな彼らが今回掲げた、“重大発表”の文字。この日、彼らが覚悟をもって手渡したかったものは何だったのか?アルルカンの歴史に残すべき1ページを、ここにしたためる。
多くのダメ人間(※ファンの呼称)が開演を今か今かを待ち侘びる中、定刻を9分ほど過ぎた頃、会場が暗転しSE「-insomnia-」が鳴ると、黒幕がゆっくりと開いた。ステージに掲げられたのは「imagine」の巨大なバックドロップ。來堵(Gt)、祥平(Ba)、奈緒(Gt)がステージに姿を現すと歓声が沸き起こり、続いて暁(Vo)が登場すると、その声はひときわ大きくなった。

この特別な一日の幕開けを飾ったのは、“夜明け”を意味する「DAWN」。ステージが濃いブルーに染まる中、暁の歌声がどこまでも伸びていく。その余韻に浸る間もなく、デジタルサウンドが響き渡り「いくぞ東京!かかってこい!」と投下された「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」「SP4RK」を発端に、ドクドクとした血がフロアの隅々まで通い出す。バンド初期から演奏され続けている「墓穴」では、さらに狂気を増し、色褪せないアルルカンの美を魅せた。


「最高のアルバムを持って、最高のツアーを回ってやってきました!ツアーファイナル!よく来たなお前ら!今日も思い切り確かめ合おうぜ!」と暁の言葉で突入したのは「AFTERMATH」。アルルカンらしい切なさを孕んだメロディラインでありつつ、楽器隊は限りなく洗練されている印象だ。従来であれば奈緒の華やかなギターソロが差し込まれそうな箇所が非常にシンプルなアプローチとなっているのだが、ここはライヴでオーディエンスの声をとことん聴くためのセクションだったのかと腑に落ちた。これは、“確かめ合う”ことを追求した一曲なのだろう。続く無彩色の世界で展開された「影法師」が描くのは、消えることのない弱さへの許しと受容。そしてそれが、オレンジ色の光に包まれた「消えていくオレンジの空へ」で歌われた希望の存在をより引き立てた。


暗闇でひとすじの光が暁を照らす中、ぽつりぽつりと語られたのは、このツアーで暁が得た“信じる心”だった。「僕らの音楽が君のところまで届いているとしたら、それは僕らが君を傷つけてしまえるくらい近くにいることなんだと僕は思っていて、救いにもなるしトラウマにもなる。ずっとそれが怖かったし、今も怖くなくなったわけじゃないんだけど……でも多分、信じるってことはそういうことなんだよなって、このツアーとアルバムを通して君と一緒にいて強くそう思いました。だから今日も僕らの音楽を届けます」——そう細い光に手をかざしながら始まったのは「触れるひかり」。スポットライトがメンバーそれぞれを照らし、優しいギターの音色がじんわりと広がる中、このツアーを通じて得てきた“信じること”を、一人ひとりに手渡していった手紙のような一曲であった。そこから間髪入れず「回る球体 幼気な子 救いはみえない」「ARTIST」が展開され、ここにいる全員がこの場所に美しい情景を描きあげる“アーティスト”となった。
その勢いのまま「お前ら全員の人生を狂わせにきた!」とラストスパートへ。奈緒のヘヴィなサウンドを合図に「顰-SHIKAMI-」へ突入すると、怒りも痛みも不安もすべてを吐き出すフロア。怒涛の逆ダイループでは、しゃがんでオーディエンスと目線を合わせ“来いよ!”と言わんばかりに煽る來堵と奈緒。お立ち台には、自由奔放に煽り立てる祥平の姿が。暁が「真ん中開けろ!3・2・1、行け!!」と叫ぶと、ウォール・オブ・デスが発生。この日一番のカオスの中「東京!終わりたくない!!」と、名残惜しそうに絶叫する。そこから息つく暇もなく、軽やかなカッティングからダンスチューン「Heaven or Hell〜艶派手〜」へ突入。続く「ラズルダズル」で歌った“守りたいモノを全て この手で守ると僕が そう決めたから。”という歌詞は、オーディエンスに贈られたメッセージのごとく響いた。この日のアルルカンには、終始どことなく余裕が漂っており、それは彼らの中に何かしらの固い決意があるからではないかと予感した。“変わらない為に変わっていく”——その歌詞もまるで、今の彼らを表現しているようであった。
「思いっきりダメでいい!その代わり、誰より自分らしく持ってきたものを全部ぶつけてくれ!」と、アルルカンのライヴに欠かせないヘヴィチューン「ダメ人間」でぶつかり合うと、「ラストいくぞ!好きなものも嫌いなものも、俺たちバラバラなままひとつになろう!」と彼らが差し出したのは、アルバムタイトルと同名の「imagine」。互いに求め合うように、手を伸ばす暁とオーディエンス。劇的なサウンドの中ヘドバンが巻き起こり、今日という日の“命の解”を全員で求めていく。“見上げるか、ぶち抜くか、描けるか”——投げかけられた問いそのものが、今後のアルルカンとファンたちがどんな未来を描いていくのかを示唆しているようだ。


これまで見上げていたものを、描いた未来を、ぶち抜くときが来ているのではないだろうか。最後の曲に来てもなお限界突破するフロアを見ると、そう思わずにはいられなかった。「でかい声で歌ってくれ!」の暁の声に、特大のシンガロングが発生する。フロアを愛おしそうに見つめる、來堵、祥平、奈緒、そして「もっと聴きたい!もうちょっとだけ!」と叫ぶ暁。彼らの目には、この手一つひとつを掴んで永遠へ連れていく決意が滲んでいた気がした。光の中、ふっと一瞬落ちた照明が再びステージを照らすと、バックドロップの「imagine」の文字がぱっと浮かび上がり、大きな歓声が上がった。メンバーがステージを去ると、幕が閉まり切るのも待たずに即座にアンコールが沸き起こる。
数分後、照明が落ち、幕が開くとそこには大きなスクリーンがあった。オーディエンスが固唾を飲む中で投影されたのは、新衣装に身を包んだ奈緒、祥平、來堵、そして暁。メンバーそれぞれ足元、腕、顔……と、下から上へと新しいルックが映し出される演出だ。……と、そこへ、暁に続いてさらなる足元が映し出される。そこには黒いフードを被った男の姿が。フードを取って姿を現したのは、この約一年間アルルカンのサポートを務めてきたドラムの瞭。青い髪の彼の凛々しい顔が映し出された瞬間、大きな歓声が湧き上がり、その後、アルルカンの文字の下に並んだメンバーの名前の一番下には「瞭(Dr)」の文字が。その瞬間、悲鳴にも似た喜びの歓声がフロアから上がった。そう、この日の重大発表とは、2023年以降4人で活動してきたアルルカンが、新たなドラマーを迎えて5人体制で歩むことを決意したという発表だったのだ。
続いて新曲のMVスポットが流れた後、「Utopia」のSEとともに、Tシャツに着替えたメンバーが少し照れくさそうに再びステージに現れた。瞭がお立ち台に上がると、瞭の名前を呼ぶ声が会場いっぱいに響き渡る。これは、歓迎と祝福の証と捉えていいだろう。
暁がどんな言葉を発するか注目が集まる中「まず、これからの話をさせてください」と続いたのは「PICTURES」。曲中で「こいつだったらいいって思えるドラムが見つかるまでやらないと言ったこの曲を、今日やりたいって言ったのは瞭でした」と語られたこの曲が、長い時を経て久しぶりに演奏された瞬間だった。この日バージョンで披露されたリリックもとい、吐露された暁の本音をここに記すのは野暮だろう。あの言葉たちは、この日この場所を選んだ者だけの大切な宝物だから。
「自分が信じたいものを、自分が見てる光を、まっすぐ追いかける曲です」と続いたのは、先ほどMVスポットが披露された新曲「瞼の裏」。疾走感のある瞭のドラムと祥平のワイルドなベースが牽引し、ギターソロでは奈緒と來堵の音が絡み合い美しいハーモニーを織りなす。アルルカンの未来により期待感が高まる一曲だ。曲の最後には、5人の新生アルルカンとして「アルルカンです!よろしくお願いします!」と改めて名乗った。
続くMCでは「アルルカンのドラマーになりました、瞭です!」と、満を持して瞭が自分の言葉で加入を伝える。以前やっていたバンドを離れてから思うように上手くいかず、一人でスタジオ練習に入ることもドラムを叩き続けることも意味があるのかと考えていたときに、奈緒がアルルカンでサポートをしないかと声をかけてくれたのだという。「特別な気持ちがあるからこそ、ただドラムを叩きにきたわけじゃなく、新しい5人のアルルカンで一緒に未来をつくっていきたいと思ったから加入を決断しました」と、大舞台でしっかりと胸を張って自分の気持ちを伝えた。

その後、メンバーの一人ひとりが今ツアーの感想を語ったが、中でも祥平は今回の加入への思いも人一倍だったようで「数年間リズム隊の相棒がいなかったから……たくさんの選択肢の中からアルルカンと、リズム隊の相棒として俺を選んでくれたことが嬉しいです。彼が来てくれて可能性が広がりました」と、思わず感極まって声を震わせる場面も。

暁はしみじみと会場を見渡しながら少しの沈黙を挟んで「Zeppをやってよかった。またここにもワンマンで帰ってくるし、武道館も行きましょう。でも武道館のために生きてるわけじゃないから、そのときやりたいことやって、今日みたいな勝負の日を何回でもやって、口だけの夢じゃなくて一歩一歩、近づいていくところまで一緒に楽しんでもらえたらなと思っています」と、静かな口調で語った。
そうして「5人になってもう1曲やっときたいやつがあるんだけど、やってみてもいい?」と始まったのは、本編でも演奏された「ダメ人間」。“新生ダメ人間”を祝福するかのように、全員が一体となる。スポットライトを浴びながらドラムソロを炸裂させる瞭の姿がやけに眩しい。ラストは「満ちる時も欠ける時も共にいこう!」と、2014年リリースの1stシングル「Eclipse」を全員で歌い、未来を誓い合った。

最後に音を鳴らす中、自然と瞭を囲む形で集まった奈緒、祥平、來堵。すると、瞭がお立ち台にいる暁を手招きしてドラム台に呼び、固い握手が交わされた。他のメンバーが捌けたあと、最後にひとりお立ち台に残った瞭。名前を呼ぶ大きな声に包まれる中、口元に人差し指を立て「しーっ」という仕草を見せたあと、すうっと大きく息を吸い「よろしくお願いします!!」と、深くおじぎをして、爽やかにステージを駆けていった。

この日、アルルカンが手渡してくれたものは《未来》だった。暁が語った「バラバラなままひとつになる」ということは、このライヴで何度も発せられた“信じる”ということの先で、実現するものだ。平坦ではなかった道でも、歩みを止めることのなかった奈緒、祥平、來堵、暁の4人。そして、そんな4人を信じてこれまでついてきたダメ人間と、この先の未来を賭けた瞭。今の彼らにもう迷いはない。見ているのは、未来だけだ。
今後のアルルカンの重大トピックとしては、年明け2027年1〜2月に東名阪FREE LIVE「NEW DAWN」を開催し、5人体制のアルルカンで多くの人に出会いに行く。今回のライヴで「5人でここにいることが答えなんで、これからの僕たちを見ていてください」と暁が、「ここからはアルルカンの時代をつくります」と奈緒が語ったように、“新たな夜明け”はすぐそこだ。共に行こう、アルルカンの新章へ——。
取材・文:Miyu
写真:川島彩水
SET LIST
1.DAWN
2.血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。
3.SP4RK
4.墓穴
5.AFTERMATH
6.影法師
7.消えていくオレンジの空へ
8.触れるひかり
9.回る球体 幼気な子 救いはみえない
10.ARTIST
11.顰-SHIKAMI-
12.Heaven or Hell〜艶派手〜
13.ラズルダズル
14.ダメ人間
15.imagine
EN1.PICTURES
EN2.瞼の裏
EN3.ダメ人間
EN4.Eclipse
LIVE
アルルカン 東名阪FREE LIVE「NEW DAWN」
1月9日(土) 梅田 BananaHall
開場 16:00 / 開演 17:00
1月31日(日) 名古屋 Electric Lady Land
開場 16:00 / 開演 17:00
2月5日(金) Spotify O-EAST
開場 18:00 / 開演 19:00
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「Anthology:Chapter II」
- ニア・イコール -
11月15日(日) 高田馬場CLUB PHASE
開場 16:30 / 開演 17:00
- Utopia -
11月28日(土) 渋谷REX
開場 16:30 / 開演 17:00
- MONSTER &δυσ-τόπος ~Dystopia~ -
12月25日(金) 池袋EDGE
開場 18:00 / 開演 18:30
- The laughing man -
12月27日(日) 池袋BlackHole
開場 16:30 / 開演 17:00
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アルルカン Presents「束の世界-SONOSEKAI-2027」
■日程/会場
3月13日(土) EX THEATER ROPPONGI
■開場/開演
開場 14:30 / 開演 15:30
■出演者
アルルカン / Plastic Tree / lynch. / DEZERT / Royz / 甘い暴力
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