1. HOME
  2. NEWS
  3. 【MUCC】ライヴレポート<LuV Together 2026>9月6日(日)水戸市民会館グロービスホール◆「LOVE TOGETHER」という言葉のもとに、愛に溢れた、刺激もたっぷりの宴<2日目レポ>

【MUCC】ライヴレポート<LuV Together 2026>9月6日(日)水戸市民会館グロービスホール◆「LOVE TOGETHER」という言葉のもとに、愛に溢れた、刺激もたっぷりの宴<2日目レポ>

2026年9月6日=「“逆”ムックの日」。地元・茨城県の水戸市民会館グロービスホールで開催されているMUCC主催イベント「LuV Together」が、
第3回にして初の「2日目」を迎えた。2日間開催となっても、このイベントの濃度が薄まることはない。
むしろ2日目には、過去一番幅広いキャリアのラインナップが揃っている。必然的に客層の幅も広がるのだろうが、
ひとたび会場の扉をくぐれば、そこにいるのはディープな音楽を愛する仲間たち。
ステージのバックドロップに掲げられた「LOVE TOGETHER」という言葉のもとに、愛に溢れた、刺激もたっぷりの宴が始まろうとしていた。




◆   ◆   ◆

Azavana



本日のトップバッターは、過去の出演者の中でもっとも若手に当たるAzavana。活動を開始した2024年9月2日という記念日が、
2024年9月16日に開催された第1回「LuV Together 2024」とほぼ同じというところに不思議な縁を感じる。
幕があがるとすでに準備万端の5人がヘヴィなサウンドで出迎えるという演出に、一瞬も無駄にしないという気合がみなぎっていた。
1曲目の「Hysteria」から、遼のハイトーンボイスや諒平&詩結のツインギターソロが冴え渡り、がっちりオーディエンスの耳を奪ってみせる。


スラップベースで魅せるЯyuと地盤を支えるS1TKを始め、5人5様の存在感が艶やか。結成から2年とは言え、経験値を持つメンバーが集まったバンドの実力は確かなものだ。
遼は、かつてテレビでMUCCが「リブラ」を演奏しているのを見て音源を集めたという思い出を明かし、「LuV Together」初出演への喜びを噛み締める。
同時に「ヴィジュアル系シーンの若手もやるじゃんって思ってもらえるような時間したい」と決意を滲ませた。
初日に出演したXANVALAとAzavanaは、同世代としてシーンの最前線でしのぎを削る仲。
2020年代を生きる新たなエネルギーが、「LuV Together」の起爆剤となって未来を作っていくのかもしれない。
MCの声には少し緊張感が漂っていたが、「かかってこい!」と「獄詩」が始まると豹変。緻密なアンサンブルの中で表現豊かに歌い上げ、Azavanaの世界へ観客を誘っていく。


力強いビートを叩きつける「ホオズキ」では、怪しげなムードと一糸乱れぬ観客のヘッドバンギングがまるで儀式のようだ。
どんどん密度を高め、アカペラで始まった「灰色の海を泳ぐホタル」の“救いのない痣も引き連れて”とバンドの核とも言える切実なメッセージが心に響く。
そのまま遼の歌声が狂おしい願いを描くバラード「心音」へ。「受け取ってくれるか!」と全身全霊で届け、その想いに応えた観客の声が会場を揺らした。
宣言どおり、初見のオーディエンスにもしっかりと存在を焼き付ける熱演だった。


lynch.



そして、「LuV Together」皆勤賞のlynch.が今年も水戸に帰ってきた。
葉月の喉の不調により前々日のライヴを中止するという状況の中、ひときわ熱い歓声に迎えられてステージに並び立つ5人。
最後に登場した葉月は、心配を吹き飛ばすように、いきなり「A.C.H.E.」で強烈なシャウトを轟かせた。
皆勤賞だからこそ、去年の自分たちを超えるべく挑むのがlynch.のスタイル。
今年7月にリリースしたニューアルバム『CLIMAX』から、攻撃に全振りしたファストチューン「PARASITIC E.D.E.N」を繰り出していく。
昨年、東京ガーデンシアターのワンマンで20周年アニバーサリーを華々しく終えたというのに、やはり彼らはまだまだアグレッシブに突き進むのだ。
「期待の新星・Azavana、誰もが憧れる大先輩KIRITOさん。そして、ライバルと言っていいですか?! MUCC! 
素晴らしいメンツが揃っているなかで、一番カッコいいlynch.になっちゃおうかなと思っています」と言ってのける葉月を中心に、全員がギラついたオーラを放っている。
鍛え抜かれた音はもちろん、前のめりな姿勢でい続けるlynch.だからこそ、MUCCも絶大な信頼を置いて毎回声をかけているのだろう。
後半も、軸になったのは『CLIMAX』の楽曲群。「GERO」では、鉄壁のツインギター・玲央と悠介がヴォーカルを担うパートが強烈なインパクトだ。
明徳のドライヴ感溢れるベースが牽引するロックンロール「SILENCE」、晁直が叩く3連符のリズムが不思議なグルーヴを生む「ZEALOT」など、激しさだけではない色とりどりのヘヴィネスを食らった。
勢いを緩めずに走ってきたところで、「思っていたより声がヤバイんですが……」と葉月がマイクを取る。
しかし、そこは百戦錬磨の彼。「ここで終わるつもりはないので」と断言し、「お願いがあります、力を貸してもらっていいですか!!」とまっすぐ客席を見据えて投げかけた。
本音でぶつかれるのは、オーディエンスとの確固たる絆があればこそ。「任せていいか?」と向けられたマイクに、当然のごとく大歓声が応えた。
待ち構えていたのは、「GALLOWS」「MIRROR」「pulse_」と、毎回ライヴでシンガロングが湧くキラーチューンの連打だった。
愛情に満ちた大合唱を浴びながら、いつも以上に盤石な音で支える4人と、文字どおり喉を振り絞って叫ぶ葉月。
ラストの「ADORE」で一体感がピークに達するまで、ネガティブな空気は少しも感じられなかった。
悔しさもあったはずだが、逆境も含めてこの日この場所にしか生まれない熱狂は、「LuV Together」の歴史の1ページとして残り続けるに違いない。
葉月は、「みんなのおかげで声戻ったわ!」と笑顔でステージをあとにした。

KIRITO



2日間に亘る「LuV Together」もついに終盤戦。MUCCを残して最後に登場するのは、「LuV Together」初出演のKIRITOだ。
MUCCとは、サポートドラマーが同じだった縁で実現した2023年の「Allen birthday presents KIRITO vs MUCC」以来の共演となる。
遡れば両者の歴史は長く、初共演は20年以上前、KIRITOが当時PIERROTとして出演したイベント「Kingdom Rock Show」だった。
その後、Angeloの主催イベントにMUCCが出演するなど、KIRITO流に言えばさまざまな「世界線」で交叉してきた。
初めて「MUCCに招かれた」ステージで、彼はどんなライヴを繰り広げるのだろうか。
長らくサポートを務めるJOHN(G)、Chiyu(B)に加え、NOCTURNAL BLOODLUSTのYu-taro(G)、Natsu(Dr)という強靱なメンバーをバックに、ゆっくりとKIRITOが姿を現す。
今年4月にリリースされた最新アルバム『SHIFT』から、「PARADIGM SHIFT」でスタートした。
Yu-taroの鋭いリフを皮切りに重いグルーヴが渦巻いたあと、晴れやかなメロディに展開していく。
激しいシャウトとクリーンな歌声を使い分けるKIRITOは、ボーダーのモヘアニットにエナメルパンツというパンクなスタイリング。
挑発的に会場を見渡す目線も鋭く、攻めの姿勢が窺える。
センチメンタルな感情に包まれる「SIGNAL」、一転してメタリックな「SOUCE CODE」と『SHIFT』からの楽曲を畳みかけ、示すのは最新型のKIRITO。


ラウドな楽曲を軸としながら、指先の動きひとつで聴き手の心をくすぐる表現力や、センターに立つ者としての説得力を以て、彼にしか作れない世界が広がっていった。
「水戸、狂ってるか?!」といつものように声をかけつつ、「はじめまして、KIRITOと言います。誤解をうけやすいキャラクターですが、実際はとても可愛らしくて、平和主義でやっています」と恭しく挨拶。
「今日はMUCC主催“水戸ネバネバ祭り”にお呼びいただいてありがとうございます」と笑いのツボをしっかり押さえるところも、さすがの手腕だ。
優しさをアピールする一方、当然ライヴは容赦なし。ダイナミックなビートで突き進む「CROSS OVER THE WORLD LINE」、
インダスリアルテイストの「KINGDOM OF THE NEW SEEDS」など、ミドルテンポの曲で放つ音圧が凄まじい。
そこに彼のカリスマ性と示唆的な歌詞が加わり、否応なく心と身体を支配された。
同時に、『SHIFT』からの叙情的なバラード「蒼く浮かぶ月」や、「瓦礫の花」のキャッチーなメロディで魅せるポップセンスも、KIRITOの音楽の大きな魅力だ。
「BALANCE」「NEOSPIRAL」とアグレッシブなナンバーで熱狂を高めたあと、ライヴを締め括ったのは、ポジティブに「今」を肯定する「GEARS OF FATE」。
“この世界を君から愛して 世界は君を愛しているから”というメッセージが、KIRITOの歌声に乗って凛と響く。客席からたくさんの手が差し伸べられ、美しい光景を作り上げた。
中盤のMCで「僕がまた水戸に来たいと思うか、水戸をすっ飛ばして宇都宮に行くようになるか、今日が分岐点になる」と冗談めかして語っていたKIRITOだったが、
最後には満足げな表情で「近いうちに水戸にまた帰ってきます!」としっかり宣言。
記念すべき「LuV Together」のステージから分岐した未来で、またMUCCと交わる日が来ることを期待したい。


MUCC



ついに、2日間の大トリを飾るMUCCのステージが始まる。3組の熱演で十分温まった会場に神秘的なコーラスのSEが響き、「睡蓮」で厳かに幕を開けた。
轟音が解き放たれると、音圧とともに激情が溢れ出す。ミヤとYUKKEがステージを行き来して暴れ回る中、中央で渾身のシャウトと歌声に魂を込める逹瑯。
主催者としての気合か、7組の仲間から受け取った愛のバトンの重みか、気迫に圧倒された。
「水戸ネバネバ祭り! ネバネバに愛しあおうぜ!」とKIRITOのMCを逹瑯がちゃっかり引用し、
「ENDER ENDER」「G.G.」と、エレクトロサウンドを盛り込んだヘヴィチューンを連投。
準備運動は要らないだろうと言わんばかりのセットリストで、オーディエンスは歌い踊り、頭を振っての狂騒状態だ。
「大嫌い」でパンキッシュに始まった初日とはまったく違うムードに、MUCCの楽曲の幅広さを実感する。
サポートキーボード・吉田トオルが操る変幻自在のサウンドも、今や欠かせない武器。
サポートドラマー・庄村聡泰を含めて5人編成ならではの厚みのあるアンサンブルが会場を揺らしていた。
続く「愛の唄」は、タイトルだけを見ると「LuV Together」にぴったりだが、この曲でMUCCが描くのはドロドロの愛憎劇。
妖しげな笑みを浮かべて歌い上げる逹瑯の歌声に、YUKKEの骨太なベースが絡みつき、グルーヴがじっとりと湿度を孕む。
ミヤが逹瑯の足元に身体を預けてギターソロを奏でたり、逹瑯が膝をついてうずくまったりと、耽美な世界に入り込んだ表現で魅了した。


愛とは決して、美しいだけのものではない。
その後も、80s風味のシティポップ「LIP STICK」、楽器陣が向き合ってたっぷりフリーセッションを聞かせた「不死鳥」など、キャリアを重ねたからこその柔軟なスキルを堪能。
今日はオトナなMUCCで魅せるのだな、と心地好く身を委ねていたところ、その予想は「自己嫌惡」で完全に覆された。
乾いたブルージーなサウンドに乗せ、さきほどまでとは打って変わってステージでジタバタしながら荒々しく歌う逹瑯。
キケンなテンションが高まった挙げ句、歌詞をなぞるように間奏でギターを振りかざし、逹瑯、YUKKEと順番に刺して回るミヤ! 倒れ込む逹瑯とYUKKE! 


そのまま客席に降りてミヤが大暴走!ーーと、リリース当初恒例だった「自己嫌惡劇場」がパワーアップして「LuV Together」で再演されてしまった。
客席はもちろん大盛り上がり。主催者としての頼もしさと裏腹に、こうしたハチャメチャな側面もMUCCには欠かせない要素だ。
暴れ倒して「疲れた…」とぼやきつつ、「(今日の出演者は)みなさん全然毛色が違って、でもシンパシーを感じるのは不思議だなあと思います。
たぶん同じことを感じている人がここに集まってくれてるんだと思う。ありがとうございます! これからたくさんの場所でお会いできたらいいなと思ってます」と逹瑯。
そして贈られた「Never Evergreen」のメロディが切なく響き、宴の終わりが近いことを悟る。
こみ上げる感傷的な想いを、昨日に引き続き「ハイデ」の雄大なサウンドスケープが包み込んだ。


さらに「最大限の愛を込めて」と披露されたのは、11月17日リリースの新曲「ラブレター」。
優しさとともに底知れない深みがある不思議な温度のミドルナンバーで、過去のどの曲にも似ていないように感じた。
このラブレターにどんな想いが綴られているのか、手元に届いて封を開ける時が楽しみだ。
終わってしまう寂しさを吹き飛ばすべく、「蘭鋳」でラストスパート。
間奏では、「絶対絶対絶対、また遊びましょう! 次の約束を交わして、君たちをヤッてしまいたいと思います。全員死刑ーー!!」と逹瑯の叫びがこだました。
全員が最後の力を出し切り、「TONIGHT」で大団円。本編を締め括ったのは“今 心からの愛を込めて”という一節だった。

最後に待っているのは、恒例のセッションだ。「ラブをトゥギャザーしてもらっていいですか?」という逹瑯の呼びかけで、lynch.の悠介とAzavanaの遼と詩結とЯyuが登場。
天邪鬼なMUCCが「LuV Together」のラストに選んだのは、昨年同様、やはり「大嫌い」なのだった。
緊張を隠しきれないAzavanaの遼をイジる逹瑯や、息の合ったツインギターを披露するミヤと悠介、途中から乱入したlynch.の玲央と笑顔で肩を組む逹瑯、
向かい合わせで絡むYUKKEと悠介ーー等々、今日もそこかしこでレアなツーショットが発生。
たくさんの笑顔と歓声に包まれ、2日間に亘る「LuV Together」は終演を迎えた。


今回の2日間開催を通して、MUCCが種を蒔いてきた「LuV Together」は“水戸のイベント”として花開いたと言えるだろう。
水戸市民会館グロービスホールのすぐ近くにある水戸LIGHT HOUSEで、MUCCが初のワンマンライヴを開催してから約27年。
MUCCがこの場所で打ち上げた大きな花火が、また次の火種となるに違いない。
来年は結成30周年アニバーサリーイヤーに突入する彼らが、どんなことを目論むのか。
2日間の余韻に浸りながら、期待して待っているとしよう。



写真:冨田味我
文:後藤寛子

SET LIST

MUCC主催イベント「LuV Together 2026」Day2
2026年9月6日(日)水戸市民会館グロービスホール
SETLIST

1.Azavana
01. Hysteria
02. 空っぽな唄
03. 獄詩
04. Erica
05. ホオズキ
06. 灰色の海を泳ぐホタル
07. 心音

2.lynch.
01. A.C.H.E.
02. PARASITIC E.D.E.N
03. CREATURE
04. DAMNED
05. GERO
06. SILENCE
07. IDOL
08. PHANTOM
09. ZEALOT
10. CLIMAX
11. GALLOWS
12. MIRRORS
13. PULSE_
14. ADORE

3.KIRITO
01. PARADIGM SHIFT
02. SIGNAL
03. SOURCE CODE
04. CROSS OVER THE WORLD LINE
05. Golgotha
06. KINGDOM OF THE NEW SEEDS
07. 蒼く浮かぶ月
08. 瓦礫の花
09. BALANCE
10. NEOSPIRAL
11. GEARS OF FATE

4.MUCC
01. 睡蓮
02. ENDER ENDER
03. G.G.
04. 愛の唄
05. スイミン
06. LIP STICK
07. 不死鳥
08. 自己嫌惡
09. Never Evergreen
10. ハイデ
11. ラブレター
12. 蘭鋳
13. TONIGHT
En. 大嫌い ver. LuV Together 2026

関連リンク

Azavana オフィシャルサイト https://www.azavana-official.com/
lynch.  オフィシャルサイト https://pc.lynch.jp/
KIRITO オフィシャルサイト https://kiritoweb.com/
MUCC オフィシャルサイト https://55-69.com/

関連キーワードでチェック

この記事をSNSでシェアする