【SHAZNA】ライヴレポート<SHAZNA Presents『歌姫降臨』~Beautiful Halloween PartyⅢ in OSAKA>w / 甘い暴力◆10月23日(金)大阪・ESAKA MUSE

SHAZNAが、デビュー29周年を記念した対バンライブ「SHAZNA Presents『歌姫降臨』~Beautiful Halloween PartyⅢ in OSAKA」を10月23日(金)に大阪・ESAKA MUSEで開催。「歌姫降臨」はSHAZAがインディーズ時代から主催してきた対バンイベントで、2023年の活動再開に合わせて本イベントも再開。今年はデビュー30周年へのカウントダウンに向け、7月から6か月連続でデジタルシングルをリリース。8月からはワンマンライブや「歌姫降臨」イベントを、さらに11~12月には2マンライブ「VERSUS」シリーズを控えるなど、多彩な展開を繰り広げている。
今回、「歌姫降臨」シリーズ念願の大阪公演を開催。関西を中心に活動する甘い暴力をゲストに迎えた。チケットは瞬く間に即完し、ハロウィンを間近に控える週末の夜、会場には500人を超える大勢の観客が詰めかけた。
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甘い暴力
トップバッターは、今年で結成10周年を迎える甘い暴力。ステージに文(Gt)、義(Ba)の2人が登場し、ハロウィンイベントらしく客席へお菓子を配り歩くも、咲(Vo)の姿だけが見えない。そこにフロア後方から黄色い歓声が起こる。ギューギュー詰めの満員のフロア後方から、咲ひとりだけがサプライズで登場。選挙演説やプロレス入場よろしく「甘い暴力と申します~」と挨拶を交わしながら“甘い”お菓子を配りながらステージにたどり着くと、またまた黄色い歓声が沸き起こる。この日の3人の衣装&メイクはSHAZNAのデビュー曲「Melty Love」の当時の衣装を彷彿とさせる赤髪ツインテール。咲は赤いリボンやチェックのスカートなど衣装も細部まで再現しているように見えるが、SHAZNAのファン“LOVERS”への配慮からか、本人いわく「IZAMコスではなく、あくまでもIZAM“概念”」と語る。

ライブ開始前からしっかりとフロアを盛り上げたところで、「このハロウィンイベント、約束してほしい。声だけはたくさん出してもらってもいいかな!」と盛大に煽り「蝶王」から勢いあるサウンドをぶつけていく。義のタフなベースラインに、文の煌びやかなメロ、緩急をつけた展開に咲が気持ちよさそうに声を上げる。「もっとかっ飛ばして!声ちょうだい!」「足りないよ~、もっと来いよ!」、煽るたびに観客は豪華なヘドバンで応えていく。おねだり&ハートポーズで可愛くアピールする「おねだり! ろまんちっく」では、身動きできないほど満員のフロアを見渡し「こんなにチケット売ってどうすんねん! …これがライブハウスです!」とニヤリ。ご機嫌に唸るベースに合わせ、フロアも激しく揺れていく。懐メロを織り交ぜたキャッチ―なサビには“LOVERS”たちも瞬時に反応。ハイテンションな関西弁のリリックで盛り上げる「調子がイイね!」では“イイね”サインでお祭り騒ぎを巻き起こすなど、息ぴったりのフリにメンバーも満足げな表情を見せている。
文も義も赤髪ツインテール×黒ジャケットを決め込んでいるが、義はトレードマークのリーゼントはそのまま。真っ赤なリーゼントのてっぺんを見せつけ“明太子”モノマネをしたりと、関西人らしい“笑い”も忘れない。ライブ中盤は「イかせて欲しい」「スウィート・ペイン・ロックンロール」などアグレッシブなサウンドで、特大のヘドバンの波を生み出していく。咲は見事な背筋をアピールするように大きくのけぞりながら豪快に叫びをあげ、「やっちまいな!」の煽りを合図に、文と義もさらに攻めたプレイを見せる。



実は、この日のイベントのためにカラースプレーで髪を染めたという3人。義のツインテール×リーゼントには「カワイイ」コールも起きるも、咲が「ト〇ロのめいちゃんにしか見えない」と突っ込む場面も。咲にいたっては10年以上黒髪だったが、JILUKAのRickoがXにアップしていたIZAMコスのクオリティの高さに驚き、本気で挑むことを決めたという。しかも肋骨を骨折中で、コルセットを巻いてのステージということも告白(コルセットも黒革×ハートで抜かりなし!)。そこから、ライブ定番のシュールな茶番に突入。女装した義、白衣を着た文の2人がお医者さんごっこで恋の悩みを相談。“愛しくて夜も眠れないんですよ~”のセリフを決めれば、もちろん続いて披露するのはSHAZNA「Melty Love」のカバーだ。咲はスカートをひらめかせながら、いつも以上にスイートなハイトーンボイスを響かせ、文と義はリスペクトを込めて原曲に忠実なサウンドを鳴らす。“LOVERS”に倣い、“拗らせ女子(甘い暴力ファンネーム)”もオリジナルのフリでライブに参加。メロディの秀逸さを改めて知るだけでなく、バンドの垣根を超えたステージが続いていく。


ライブ後半、「フロアのテンションを一変するように、咲が大きく息を吸い込み「噛み痕」から甘い暴力のターンへ突入。艶っぽい歌唱、緻密に作りこんだバンドサウンドに観客はただ静かに聞き入っている。その後は「堕天」「ヒス症」でエモーショナルなステージを展開。「まだまだ畳めーー!」「今日だけ人間辞めてみろよ!ハロウィンなんだろ?バケモンみたいに腐っちまえよ!」と、咲はさらに猛々しく煽っていく。

最終曲の前、咲は改めてSHAZNAとの対バンに懸ける思いを語った。SHAZNAのデビュー時から姉弟で楽曲を聴いていたこと、IZAMは女形の存在をV系だけでなくJ-POPシーンにまで広めた立役者であることなどを語りながらも、この日のステージは先輩の胸を借りるのではなく、その座を奪わんとする全力のステージを誓った3人。ラスト「勝て」、「“歌姫”の歴史、ここで塗り替えんぞ!」と、フルスイングのパフォーマンスで全11曲を駆け抜けた。
SHAZNA
この日のSHAZNAはハロウィンイベントらしく、IZAM(Vo)はクラシカルレッドのロリータ、NIY(Ba)は骸骨男、A・O・I(Gt)は軍服姿の幽霊兵で登場。IZAMが「行こうか!」と荒々しく声を上げ、1曲目に披露したのは甘い暴力の「暴動」だ。本家顔負けのA・O・I、NIYのアグレッシブでタフなバンドサウンドに、フロア後方の“拗らせ女子”たちも瞬時に反応。IZAMがフロウを披露する姿もレアだし、A・O・I&NIYのコーラスもいつも以上にエネルギッシュで、うれしいサプライズにフロアの熱が一気に高まっていく。「暴動、そしてオレとお前のMelty Love♪」と続いて披露したのは、メジャーデビュー曲「Melty Love」だ。甘い暴力への“返し”は先輩として完璧で、前曲とは一転、IZAMは可憐な笑顔を振りまきながら甘酸っぱいラブソングを届ける。A・O・Iのキャッチ―なメロ、軽快なNIYのベースライン、どれをとってもキラキラしている。サビのシンガロングでは、世代を超えて“拗らせ女子”たちもこぞって参加。普遍的な魅力を持つキラーチューンということもあって、誰もが歌詞がなくても余裕で歌えちゃうし、IZAMも観客の反応に、可愛く“OKサイン”を出すところまで完璧すぎるステージが続いていく。



「甘暴ファンも暴れられる曲です」と続いて披露したのは、同じく初期曲の「das Spiel」。「Melty Love」とは対照的な、ヘヴィなギターサウンドで耽美な世界観を綴る楽曲に、IZAMは太くしなやかな歌声を響かせる。“LOVERS”たちに倣い、“拗らせ女子”たちも豪快なヘドバンでしっかり応酬。



MCでは「こんばんは。“恋の暴力”ことSHAZNAです♪」と、まずは挨拶。今回のイベントについてIZAMがSNSで「大阪でも開催したい」とポストしたところ、甘い暴力が公式SNSからすぐさま反応し、大阪公演が実現したという。「良い子たちねぇ♪」と感激しつつも、それまでSHAZNAと甘い暴力の接点は皆無。今年初めに開催されたMUCC・逹瑯主催の「ヴィジュアル系ボーカル会」に参加したことで、咲と邂逅したという。レジェンドボーカルの名前がずらりと上がるトークに盛り上がりつつ、そこで出会った咲の印象について「イケメンで大きい目をした人」と語るIZAM。咲も緊張した面持ちで挨拶をしつつ、最後にはLINE交換までこぎつけることができたという。Youtube動画などで、激しく煽り続ける甘い暴力のライブ映像などを見ていたIZAMは、咲についても怖い印象を持っていたというが、驚くほど控えめな態度から「めっちゃ可愛いの♪」と惚れ惚れ。ライブ当日も、義や文が丁寧な挨拶をしてくれたことに「良い子ですなぁ♪ めっちゃ好きになったわ」と感激していると、NIYが隣でニヤつきながら「姉さん、どの子が好みなのかな?」と尋ねると「ふざけんな!」と一括。IZAMを“ババア”呼びするNIYとのワチャワチャしたトークに笑いが止まらない。
さらに、甘い暴力の「Melty Love」のカバーに「一番完璧に近かった!」と絶賛。咲の歌唱について“拗らせ女子が歌う「Melty Love」”と、歌い手によって印象が変わることが印象深かったと語った。終始、甘い暴力を“可愛い”と褒めるIZAMは「安心してください、食べませんので♪」とファンに配慮?するシーンも。また、「暴動」カバーはメンバーにはもちろん、スタッフにも秘密にしていたという。サプライズがバレないように楽屋でコソコソと動くレジェンドバンドの姿を想像すると、なんとも愛おしい。

「久しぶりの大阪だと喋っちゃうようね♪」と、ロングMCもひと段落。ライブ中盤は「激しい曲はないので、ここ安らかにみてください♪」と、初期の王道ラブソングの「恋人」「Sweet Heart Memory」や、今年7月から続く6か月連続配信リリース曲「愛飢エテ尚、キミヲ想フ。」「飴色サマーライダー」を織り交ぜて披露。新旧の楽曲陣から見えるのは、今なお最新型のバンドとして活動する彼らの強い意志と、確固たる演奏力。“心安らに”なんてセリフもあったけれど、キャッチ―なメロに合わせるサウンドは煽情的だし、緻密なアンサンブルはどれも秀逸なものばかり。特にメロウなサウンド展開はバンドの神髄。「LOVE BANQUIET」ではダンサブルなサウンドに、高低を行きかう艶のある歌声を重ね、確固たる姿を誇示していく。

来年でメジャーデビュー30周年を迎える彼ら。「大阪のみんななら、当たり前に反応できるだろうという曲を…新曲です♪」と、ライブ後半は11月11日(水)にリリースされる最新曲「桃玉-Tougyoku-」を披露。おなじみの「参れますか!」「参るー!」のやりとりで気分を高めると、IZAMの歌声はより色香を帯び、A・O・Iのサウンドが色濃く広がっていく。バンドの十八番でもあるキャッチ―なサビはそのままに、“拗らせ女子”も即座に反応したくなる、NIYのタフなベースラインで会場が大きく揺れる。その後も「一角獣-モノケロス-」「夏彩マジック」と、色褪せないバンドの世界観をたっぷりと見せつけ、本編は終了。

「『歌姫降臨』、楽しめました? なかなかない組み合わせ、楽しんでくれてたらこれ幸い♪」と、ラストはSHAZNAと甘い暴力のセッションへ。今年1月に出会ってから1年と経たずに対バンが実現したこと、そして互いに3人編成のバンドであることに、IZAMは「甘暴ちゃんにシンパシーを感じている」と告白。さらに甘い暴力が12月16日(水)に開催される、東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でのライブに触れ、「渋公には魔物がいるから気をつけて!」と、V系シーンの歴代アーティストから引き継がれる“怖い話”を披露。
「参れますかー!」、“Loves”と“拗らせ女子”たちを盛大に煽り、10月に配信リリースされた「Beautiful Halloween Night」へ。先輩後輩の垣根を超え、ツインギター&ベースをご機嫌に鳴らすA・O・I&文、NIY&義。IZAMは咲の頬にキスする場面にはフロアから黄色い歓声も♪ 最後はSHAZNA流にメンバー全員が手を繋ぎ、集まった観客へ感謝の言葉を送り、イベントは終幕。
メジャーデビュー30周年に向け、SHAZNAの活動はまだまだ勢いは止まらない。11月11日には新曲「桃玉-Tougyoku-」をリリースし、2マンライブシリーズ「VERSUS」がスタート。甘い暴力は12月2日(水)に0th mini AL『死ぬまで騙してあげる』をリリースし、同月16日(水)には、結成10周年を記念したライブ「十年目の招待」を東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催する。それぞれの情報をぜひ追い続けてほしい。


取材:黒田 奈保子
撮影:山口 渚
関連リンク
◆SHAZNA Official X https://x.com/shazna_official
◆甘い暴力 Official X https://x.com/sweetviolencejp



