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【トリカブト・八坂詩音(Gt)】◆独占インタビュー◆V系Z世代激突<KHIMAIRA vol.4>、業界最年少ギタリスト=トリカブト八坂詩音「MERRYさんと対バンするのは夢です」
V系Z世代が激突するVISUNAVI Japan主催ライヴシリーズ<KHIMAIRA vol.4>
今年4月に始動したばかりの<トリカブト>はその中でも最新鋭の存在と言える。
注目は業界最年少ギタリストでもある八坂詩音。小学2年時にはMERRYを溺愛し、ステージデビューを果たしているサラブレッドだ。ヴィジュアル系バンドを組みたい一心で上京するも、同世代が皆無な現状に頭を抱え続けた日々もあった。
8月18日、東京は池袋EDGE。
陽のあたらない地下闘技場で行われる5バンドの激戦。これは洗礼ではなく歓迎。
ようやく訪れたスタート。空っぽになるまで吐き出す夜に寄せて、純真な言葉をお届けする。
小学校1年生の時からMERRYのネロさんがずっと好きだったんです
────詩音さんはインタビュー初めてですか?
詩音:初めてですね。よろしくお願いします。
────最年少ヴィジュアル系ギタリストで現在20歳ということですが、トリカブトが初めてのバンドなんですか?
詩音:ヴィジュアル系はそうですね。普通のバンドは別にやってはいましたけど。
────それまではどんな活動してたんですか?
詩音:小学校1年生の時からMERRYのネロさんがずっと好きだったんですけど、憧れてドラムを数年やって、それからドラムでライヴにも出さしてもらったりしてたんですけど…
────え、その年齢で?
詩音:はい(笑)セッションイベントとかでライヴハウスに出てました。
────ヴィジュアル系のエリートじゃないですか。本当にお好きだったんですね。
詩音:でも高校生になるくらいの時にはもう楽器を触ってない状態だったんです。けれど、高校1年生の時にメリーの健一さんが脱退するっていうニュースを知って、駆られる気持ちでやっぱり楽器をやりたいと思ってギター始めたんです。それが高校1年生の終わりの方でした。そこから2年生の夏にどうしてもヴィジュアル系バンドを組みたいってなって、本当にギターだけ持って上京してきました。
────ご出身はどちらなんですか?
詩音:広島です。ただ、中学生の時は東京に住んでて、進学の都合で広島に戻ったりと転々としてました。
────最近上京してきたZ CLEAR、HOWLとKiDの真宵さん、Ashmaze.の諒さんと最近広島出身のヴィジュアル系バンドマンの活躍が目覚ましいですけど…
詩音:全然交流ないんで…仲良くしてください(笑)
────実はお姉さまからは昨年僕の個人メールフォームに連絡いただいたんですよ。“私にはヴィジュアル系を大好きな弟がいます。でも、同世代が全くいなくてバンドが組めない実情があるってことを知って下さい。”ってとても丁寧な文章で。その時から詩音さんの存在を認識していたので、今回トリカブトに加入したっていう報を知った時点で<KHIMAIRA>で一緒に闘っていくってことは無条件に決まってたんですよ、僕の中では。
詩音:姉から山内さんに連絡を差し上げたとはなんとなく聞いていたんですけど、そんな内容だったんですね。
────そんな経緯もあったからこそ、お聞きしたいのですが、詩音さんの年齢だともう今のヴィジュアル系シーンでメンバー探すのって大変でした?
詩音:めちゃめちゃ大変です。僕ぐらいの年齢だと知ってる範囲で3人か4人しかいません。ヴィジュアル系で活動しているのは。
────人口の少ない理由はなんだと思いますか?
詩音:特殊なシーンだからハードルが高い…ですかね。邦ロックだったらバンド人口も多いと思うんですよ。
────邦ロックってフェスいっぱいやってるじゃないですか。ヴィジュアル系もそういうフェスとかがあったら、もっと違うのになるのにって思います?
詩音:それはあると思います。ヴィジュアル系のフェスってバグサミやKANSAI ROCK SUMMITくらいじゃないですか?もっと大きいフェスやサーキットがあったら変わってくるとは思います。
ステージ慣れしてない新参者なんで可愛いやつだなと思って温かく観てもらえたら嬉しいですね。
────そんな詩音さんが今回めでたくバンド結成に至ったきっかけは覚えてますか?
詩音:僕ちょうど1年くらい前はゼツメイのスタッフをやってたんですよ。その時にヴォーカルの月白さんから、御幸さんが組む新しいバンドでギタリストを探しているって伺って、そこで連絡をいただいて加入することになりました。
────メンバーとはいえ、キャリア的には先輩方とバンドを組んでいると思うんですけど、バンドを始めてみていかがですか?
詩音:最初の方はプレッシャーがすごかったです(笑)みんな実績あるメンバーじゃないですか。僕が足手まといになってるんだろうなって落ち込む日々だったんですけど、うちのメンバーはみんなすごい親身で。ライヴ終わった後のミーティングも“もっとこうしたらいいかもね。”とか、“お客さんのことを考えて、こうやって動いたらいいかもね。”みたいに的確に優しくアドバイスしてくれてます。本当に素敵なメンバーで、トリカブトに入って良かったなって思ってます。
────みんな良いお兄ちゃんたちで。話は変わって、そんな駆け出しの八坂詩音としては今、目指しているものとかってあります。
詩音:僕、もともと音楽を始めたきっかけがすごいちっちゃい時で、幼稚園くらいの時には、ステージに立ってるバンドの先輩たちの映像見て、こういう風に格好良くなりたいなってずっと思ってたんです。それから小学校、中学校っていう多感でナイーヴな時期にヴィジュアル系の音楽聴いて活力をもらったんで、そういう何か…今つらい人とか苦しい人を、僕が表現していく音楽とスタイルで救えたらいいなっていうのをずっとずっと思ってます。これから僕っていう存在を知ってくれる人に何か夢とか希望を、少しでも活力を与えていきたい。それが目指してる僕の理想像ですね。
────しっかりしてるんですね…。嬉しい、すごい嬉しいです。こういう若者がいてくれて。
詩音:さっき言った普通のバンドやってたって話の続きになるんですけど、その当時ヴィジュアル系やってくれるメンバーが見つからなくてセッションバンドでギターやってたんですけど、ギターとかステージについて悩んでた時があったんです。その時に鴉-カラス-のメンバーさんと仲良くさせてもらって、ギターの幽多さんとたまたま2人きりでギター弾いてる…っていうかギターと教えてもらってるときに“音楽向いてないと思うんで辞めようかな”って話をしたことあるんですけど、“どんなバンドマンにもそういう時期はあるし、今はまだ下手でも自分のできる選択肢増やしていったらいいよ”って言ってもらえて、そのおかげで今こうしてを音楽を続けられてます。
────先輩の言葉は大きいですよね。というわけで、トリカブトのギタリストとして<KHIMAIRA vol.4>に出演が決まりました。
詩音:vol.1の時からRaphaelのYUKIさんが出たり、その後もRoyzさんやDaizyStripperさんが出てたり、他のイベントではあり得ないラインナップでずっと気になってたイベントです。ヴィジュアル系好きなら胸が熱くなると思います。
────しかし、今回のvol.4はあえて新世代のバンドだけなんですけどその辺りは率直にどう思われました?
詩音:個人的な交流があるバンドはいないんですけど、これから2025年にシーンの中心に躍り出てきそうなバンドばかりで楽しみです。トリカブトもそういう存在だと認識されていることが嬉しいですし、なんか僕的にはメンバーをフォーカスしてお客さんに観てもらいたいと思ってて。
────はい。
詩音:【唄】の<四月一日御幸>は他のヴォーカリストの方々からもピッチが安定しててパフォーマンスが良いと言われるんですけど、歌唱力はもちろんのこと初見の方は惹きつけられる衝撃があると思ってます。パフォーマンスも。
────小道具やセットでも魅せる世界観ですもんね。確かに初めて観てすぐ記憶に残るバンドですよね。
詩音:【五弦】の慾骸美弥もベーシストとしての歴が長いから、曲のノリの合わせ方とか、自由自在なステージングなんですけど、それをフロアから観れるお客さんが羨ましいです。
────詩音さんも観てみたい?(笑)
詩音:はい!かっこいいです(笑)後から映像を見返すとすごく勉強になります。
────【太鼓】の神楽いくさんはどんな魅力がありますか?
詩音:ドラマーってすごいドラム好きな人じゃないと、あんまり注目しないと思うんですけど、いくさんは力強いドラミングの中にもしっかりテクニックがあって。音源とは違うアレンジも加えているので目でも耳でも楽しめると思います。ドラム経験ある方ならおっ!ってなります。あと、演奏中にニコニコしているのも素敵だなって。
────メンバーさんの魅力を丁寧に教えて下さりありがとうございます。詩音さんの律儀な性格がわかったところで、トリカブトにはギタリストもいますよね?そのギタリストの魅力も教えて下さい。
詩音:あー、そうなりますよね(笑)えっと、そうですね。トリカブトのギタリストはそうですね……ステージ慣れしてない新参者なんで可愛いやつだなと思って温かく観てもらえたら嬉しいですね。
────なるほど(笑)ステージワークは決して健一さんっぽくはないですよね。
詩音:そうかも知れないです。音楽的にはMERRYさん、蜉蝣さん、MUCCさん、Plastic Treeさん、清春さん…と言い切れないぐらいあるんですけど。ギタリストとして凄い尊敬というか、目指してる理想像とは元baroqueの[ kei ]さんやvistlipの海さんです。
────そう聞くと匂い経つものはあるような気がします。
詩音:本当ですか?嬉しいです。
ヴィジュアル系がすごかった今から10数年前を誇るのではなく、今自分の目の前にあるシーンを大切にしたい
────ヴィジュアル系愛が深い詩音さんからしても、対バンしたい相手ってどんな方が浮かびますか?
詩音:umbrellaさんや、元Develop One's Facultiesのyuyaさんソロである私は浮かびながら沈むとはいつか対バンしたいです。あとはやっぱりMERRYさんと対バンするのは夢です。僕が小学生の時にMERRYのガラさんがメールでしたかね…ファンに返信するっていう企画があって、その時に“いつか対バンしよう”っていただいたのが凄く嬉しくて、この夢はいつか必ず叶えたいです。
────業界最年少ギタリストという意味でもすごく注目されると言いますか、期待のかかる存在だと思うんです。8月18日のKHIMAIRA、そしてこれからに向けて進んで行く方向を教えて下さい。
詩音:以前、「#V系って知ってる?」武道館の時に、DEZERTの千秋さんが“過去の栄光を掲げることじゃなく、後世につなげていくことが必要“っておっしゃったと思うんですけど、僕もその言葉に重きをおいてます。ヴィジュアル系がすごかった今から10数年前を誇るのではなく、今自分の目の前にあるヴィジュアル系シーンを大切にしたいです。そして僕が30代、40代と大人になった時に、今の僕みたいな若いバンドマンが増えていることが夢です。KHIMAIRA、トリカブトに期待していて下さい!
取材・文:山内 秀一
KHIMAIRA vol.4
日程:8月18日(日)
時間:OPEN16:30 / START17:00
会場:池袋EDGE
<出演>
トリカブト
201号室
RAN
KIRA
裏切り者には制裁を
【チケット料金】
前売り:\4,800(税込)/当日券:\5,500(税込)
※オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要
※未就学児入場不可・営利目的の転売禁止
※チケットはスマチケのみ
<イープラス>
https://eplus.jp/sf/detail/4131230001-P0030001
<一般発売7月20日(土)10:00~>
関連リンク
◆八坂詩音 X ◆トリカブト HP