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【ユナイト】ライヴレポート<UNiTE. 13th Anniversary oneman live [U&U’s -DAYBREAK-]>2024年3月31日(日)Zepp Shinjuku◆新生ユナイトが持つポテンシャルを存分に発揮した活動を経て迎えた13周年のライブ。

出会いの奇跡、人生における数多の選択、そしてリアルタイムな視点で綴る未来への展望。

ユナイトは、節目の折にこうした“意味”を持つメッセージを示してきた。バンドにとって、ひいては人が生きていく上で大切なことだからこそ、何度も何度も……。繰り返すうちに表現したい、あるいは表現すべき言葉や音は進化という意味の元に変化し、バンドとして最善の在り方を追求しながら重ねてきた、毎年春に訪れる節目も今年で13回目。これまで“restart”と呼ぶ日はいくつもあった中で、昨年ボーカルに希を迎えた12周年もそれに相応しい日であったことは確かだ。しかし、あれから1年、新生ユナイトが持つポテンシャルを存分に発揮した活動を経て迎えた13周年のライブは、1年前のアノ日以上に“これからのこと”により鮮明な期待を抱かせるものだった。

ライブは、まるで明け方を思わせるしんとした静寂が漂う中メンバーが登場し、「4:19 A.M.」から幕を開けた。冒頭、一瞬気合いを入れる仕草を見せた希が紡ぐ歌と、グルーヴを存分に据えたロックサンドが織りなす空間は厳かでいて華やかでもあり、まさに本公演のタイトルを彷彿とさせる“夜明け”の高揚感を掻き立てた。そんな圧巻の空間が早くも物語っていた、これぞ最新で、最強のユナイトの姿であると。そして、5人が以心伝心のごとく中央へ向かい合ったのち、「今日というかけがえのない1日を素敵なものにするぞ!」という希の意気込みを合図に「starting over」へと勢いよく繋いだ。ユナイトの意思をずっと支えてきた楽曲をしっかりとU’s(ファン)へサインを送りながら歌い上げると、極めつけにアウトロを牽引する椎名未緒のまっすぐなギターフレーズが心に沁みる。こんなエモーショナルな展開の中、ニューカマーとして武器としてきたダンサブルな「-ハロミュジック-」を連ねるという、文句なしのオープニングだった。


「今日という日をみんなで作り上げていきましょう」と希が挨拶し、「めちゃくちゃ久々にやる曲みたいです」という前振りに起こった歓声が爆発力に直結した「提案」に続いて、「Past」では途中メンバーをコールする場面を挟みながらポップでハートフルな空気へシフトしたかと思えば、ダークかつ奇想天外な「DALA_MATIQ」へとテンションの波形を大きく描いていく。暗転を経て、リリックを映しながら届けた「液体の夜」は、作曲者である莎奈のキャラクターをレトリカルに反映させた演出で聴かせ、「マーブル」では個性を色に比喩しながら自分らしくあろうとする姿勢を力強いサウンドで表した。こうした幅広いアプローチは、メンバー全員が個性的なコンポーザーとして存在しているからこそ成せる業であり、メンバー各々にスポットが当たる楽曲がセレクトされていたようにも思う。ボーカルソロ楽曲「ロカンタン」やインストゥルメンタル曲「MiNOTA」では歌とバンドサウンドをそれぞれフィーチャーし、それが合致して琴線を震わせるほど崇高なアンサンブルで聴かせた「ポロメオノワ」「iScream」も見事だった。



ここで、希が自身の加入とボーカリストとして活動を始めてからの1年間を「あっという間だった」と振り返り、「早いですね」と返した莎奈は「この日を迎えられて本当に嬉しく思います」と続け、話のバトンを渡されたハクは「13年、ユナイトの歴史の一部になってくれてありがとう。そんな皆さんの一部にも僕らがなれてると思う」と感謝を伝えた。和気藹々とした会話の中で「今日、メチャクチャ楽しい!」と希が言えば、莎奈と椎名未緒からは「入ってくれてありがとう」と感謝が飛び交うシーンもあり、「1年と思えぬくらい、仲良しになった気がします」と希の言うことにも頷ける。こうして、「思い出が詰まった曲」と紹介して届けた「星躔」では、着実に両足を地につけて歌う希が確実にバンドの手綱を握る片鱗が伺えた。星空の映像をバックにプレイする様子がユナイトの持つ広大な世界観にもリンクし、序盤に披露した「starting over」をアップデートしたような、もしくはそれを上回る威力を放っていたといっても過言ではない。こんなにも希望や願望に溢れた言葉が説得力を持って伝わってくる……これを体感させてくれたのは、紛れもなく希の存在があってのことだ。そして、「“メチャクチャ”になろう」と曲タイトルに準えた導入から「Eyes_Tea_Bitter_Brown」へ突入。LiNが上手の椎名未緒の元へと歩み寄ってツインギターのソロを決めた後、椎名未緒が突き出した拳をLiNは照れ笑いを浮かべながら手で包み込むように受け止めていた。こうした、一見何気ないシーンですらもドラマチックなものに映る結束力が、今のユナイトにはある。


久々に登場した楽曲として「鳥籠好餌責務-TRIKAGO like obligation-」もラインナップされていたが、単に懐かしいという回顧心からの盛り上がりだけではなく、新体制バージョンとして聴ける嬉しさが勝っていた。いよいよ「パラサイタル」を境にラストスパートに差し掛かると、「暴れ足りない!遊び足りない!」と「sheeple cirQus」のエキセントリックな畳みかけが決まり、盛大なモッシュの波を起こした「ノゾキアナ?」に続いて「ice」のフェティッシュぶりが相変わらずのキラーチューンぶりを発揮。ロジカルなVJに合わせてハクのベースやラップセクションがアンダーグラウンドに誘った「cogito天才の」、さらに「small world order」「イオ」へとノンストップでボルテージを高めていく。


「今日1日、一緒に作ってきました。いよいよ仕上げの時間です。今日を心に刻む準備、できてますか? 刻むよ、今日を一緒に刻みましょう」――希

この日聴いた「Eniver」は、実に鮮やかで多幸感に満ちていた。いつの日かぶりに会場に響いたシンガロングもあり、ユナイトにとってスタートの曲を共に歌った後、希はこう挟んだ。「この1年を通してユナイト13年の歴史は、僕の中にも刻み込まれました。だから安心して、これからも一緒に付いてきてほしい!」と。これを揺るぎないものとしたクライマックスでの出来事を、出来る限り忠実に書き残しておきたい。


希が発した「新体制ユナイト、良いなと思ってもらえたらすごく嬉しい」という言葉には、お伺いではなく自信が漲っていた。しかも、「みんなのことをドキドキワクワクさせられるバンドにならねばならない」と既に先を見据えながら切り出し、1年の間に今まで経験がない程たくさんのまっすぐな感謝の言葉をもらったことに対して「嬉しすぎて、この1年、生きてて楽しかったです。本当にありがとう」と続けた。そして、「みんなが僕の声や存在に価値を与えてくれてる――みんながいるから、僕たちがいるんです。ユナイトの椎名未緒に、LiNに、ハクに、莎奈にしてくれて“ありがとう”って、みんな思ってるなってこの1年で痛いほどわかりました。ボーカルがいなくなったバンドを支えてくれた皆さまがいるおかげで、13年という門出の日を迎えることができました。本当にありがとうございます!」と、バンドのボーカルとしての指針を明確にしたのである。

「ユナイトさん、ちょっと大集合してください」と半ば突飛な呼びかけに笑いが起こるも、ステージ中央に集めたメンバーへ「改めてこのバンドに入れて良かったなと思って――本当に1年、楽しかったです。いっぱい育ててくれてありがとうございます」と涙交じりに等身大の気持ちも露わにしていた。そんな彼が今度は力強い口調で「この4人を、みんなを引っ張っていくボーカルになると宣言したので。これからも末永く、よろしく! これから先、誰がなんと言おうと僕たち5人がユナイトですね!」と笑顔を見せ、「さあ、皆さんに感謝の気持ちを届けましょう! 行くぞ……行くぞ、ユナイト!!」と、新体制でのスタートの曲「花晨」でライブを締めくくったのだった。

何のために、どう歌うのか――大切なのは言葉や音に思いを馳せ、気持ちを込めて歌うことであり、これは言うほど簡単なことではない。ただし、希は歌うことを作業にしなかったからこそ、それを聴いた人々は「ありがとう」という言葉をかけたのではないだろうか。少なくとも、筆者はそうだ。冒頭にも触れた通り、“意味”を持つ楽曲を生み出してきたバンドだからこそ、それを歌ってくれたのがアナタで良かった。“希望”を司るボーカリストとの巡り合わせ。ユナイトというバンドを終わらせない道を選び、進み続けたからこそ望める景色は、まさしく彼らの手で切り開き、つかみ取った“結果”だ。去り際に椎名未緒が「希に見せたい景色がある」という言葉で伝えた、“もう一度”と奮起した決意。希に向けられたたくさんの感謝の言葉は、彼が人の心を動かすことができる人間であることの証拠だと感じている。13回目の記念日、危うさなど微塵もない、ここから始まる好奇心に満ちた言わば新鮮な気持ちに包まれた日を見せてくれたユナイトに、最大級のエールを込めた心からの「ありがとう」を……!

文:平井綾子

SET LIST

UNiTE. 13th Anniversary oneman live [U&U's -DAYBREAK- ]
2024.03.31(SUN) Zepp Shinjuku(TOKYO)
<SET LIST>
1.4:19 A.M.
2. starting over
3. -ハロミュジック-
4. 提案
5. Past
6. DALA_MATIQ
7. 液体の夜
8. マーブル
9. ロカンタン
10. MiNOTA
11. ポロメオノワ
12. iScream
13. 星躔
14. Eyes_Tea_Bitter_Brown
15. 鳥籠好餌責務 -TORIKAGO like obigation-
16. パラサイタル
17. sheeple cirQus
18. ノゾキアナ?
19. ice
20. cogito天才の
21. small world order
22. イオ
23. Eniver
24. 花晨

LIVE

■UNiTE. 2024 Oneman Live Tour 「シニカルアバウト」
・6/21(金) Veats SHIBUYA
・6/22(土) Veats SHIBUYA
・6/30(日) 金沢AZ
・7/01(月) 金沢AZ
・7/05(金) 静岡UMBER
・7/06(土) 静岡UMBER
・7/14(日) 福岡DRUM SON
・7/15(月・祝) 福岡DRUM SON
・7/20(土) 名古屋ell. FITS ALL
・7/21(日) 名古屋ell. FITS ALL
・7/28(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
・7/29(月) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
・8/10(土) 仙台MACANA
・8/11(日) 仙台MACANA
・8/17(土) OSAKA MUSE
・8/18(日) OSAKA MUSE
・8/24(土) 札幌PLANT
・8/25(日) 札幌PLANT

<TOUR FINAL>
・9/01(日) 渋谷ストリームホール

<裏FINAL>
・9/14(土) 桜坂セントラル
・9/15(日) 桜坂セントラル

【チケット】前売チケット ¥5,000(税込・D代別)

▼先行販売
〈mobile FC [elite U's]抽選先行〉 https://sp.unite-mobile.com/
〈ユナイト オフィシャルサイト抽選先行〉 https://ticket.deli-a.jp/
・6月7月公演 [受付期間]:3/31(日) 21:00 ~ 4/14(日) 23:59
・8月9月公演 [受付期間]:5/1(水) 10:00 ~ 5/12(日) 23:59

▼一般発売
・6月7月公演:5/1(水) 10:00~
・8月9月公演:5/31(金) 10:00~

RELEASE

★1st Best Album「HOPES #1」
https://UNiTE.lnk.to/HOPES1
【収録曲】01. Eniver / 02. starting over / 03. イオ / 04. small world order / 05. アイ -hope- / 06. ice
07. マーブル / 08. ジュピタ / 09. Rely. / 10. -ハロミュジック- / 11. ビリブオアノ / 12. シトラス / 13. ふわり

★16th Single 「4:19 A.M.」 
https://UNiTE.lnk.to/419AM
【収録曲】01.4:19 A.M. / 02.パラサイタル / 03.ユニコーン / 04.krake / 05.MiNOTA / 06.天狗
07.4:19 A.M.(off vo.) / 08.パラサイタル(off vo.)

関連リンク

【ユナイト OFFICIAL】
◆Official SiteOfficial X

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