【ν[NEU]】ライヴレポート<ν[NEU] 3部制フリーライブ「スプラッシュ!」>2024年7月15日(月・祝)池袋・サンシャインシティ 噴水広場◆ν[NEU]、池袋・サンシャインシティ噴水広場を1日ジャック!3部制フリーライブ&CD発売記念イベントは大盛況!
7月15日、池袋における“イベントの聖地(メッカ)”とも名高いサンシャインシティの噴水広場を1日ジャックしたν[NEU]。ファンはもちろん、サンシャインシティに訪れた多くの人々の注目が集まる中、3部制にてフリーライブとラスト・メジャーアルバム『N.ever』の発売記念イベントを行った。
当日は三連休最終日ということもあり、複合商業施設であるサンシャインシティには午前中から多くの人の流れを感じられた。
施設の中心に位置し、さらに1階から最上階まで吹き抜けとなっている噴水広場は、いつだって注目の的。その舞台がこの日は丸1日、ν[NEU]だけのものとなった。
1部の開演よりも少し早めに到着すると、メンバーがサウンドチェックも兼ねて1曲演奏し、準備が整ったところでmitsu(Vo)は「僕ら、ν[NEU]っていいます。この後ここでフリーライブします。よかったら観ていってください」と丁寧に挨拶。偶然通りかかった人々の中には「ヴィジュアル系?」と気になる様子で足を止める人もおり、こうした不特定多数の人々が集まる場で“ヴィジュアル系バンド”が堂々とパフォーマンスする姿を見てもらえることがとても嬉しく、そして誇らしさもあった。
〈1部〉は、本日のライブタイトルに合わせて『スプラッシュ!』からスタートした。
“噴水広場”というだけあって、曲に合わせて勢いよく吹き上げる水の演出も非常にマッチ。手を振るメンバーに応えるように小さな子どもたちが手を振ったり、広場の後方にはママになったνフリーク(ファン)と思しき人々がベビーカーを押してステージに注目していたり、普段のライブハウスとは違ったハートフルな空気に包まれていた。
それでも、mitsuが「νフリーク、声出して俺ららしくいきましょう!」と言った通り、ライブ自体はν[NEU]らしさを全開にしてみせ、その中でもここぞとばかりに楽しませるベクトルの強みを存分に発揮。『YES≒NO』や、「僕らの代名詞といえる曲をこんなショッピングモールでやるとは思ってませんでした!」と『ピンクマーブル』でパラパラを模した振り付けをもって一体感を見せつける様子は、もしかすると一般の方にしてみれば異様な光景に映ったかもしれないが、これぞヴィジュアル系ならではのエンターテイメントだと言わんばかりのデモンストレーションだったとも言える。
そして、『The 25th Century Love』で持ち物を高らかに上げてといった、誰でも参加できる形で晴れやかに1部を締め括った。また、1部のライブとその後の撮影会(CD発売記念イベント)で着用した衣装は、歴代のアーティスト写真がプリントされた生地を使用し、ν[NEU]立ち上げ時のコンセプトカラーである緑を使用したもの。実はこの日がライブでは初お披露目となり、特別感のある衣装でフリーライブに臨んでいたところからも、メンバーの意気込みを感じられた。
装いを新たに登場した〈2部〉は、『starting over』から拳をあげるロックバンドらしい表情を見せながら、『スプラッシュ!』『YES≒NO』『ピンクマーブル』といったν[NEU]の中でもマニアックな振り付けが多い曲をメインにセットリストが組まれていた。
時刻も昼下がりだったため観客も1部に比べて格段に増えている中で、mitsuから簡潔にバンド紹介を求められたヒィロ(Ba)は「僕らは10年前に解散をして、大人になって仲直りをして復活しましたが、また解散します」と実にわかりやすい紹介で笑いを誘った。一応“仲直り”について言及すると、解散理由はメンバー不仲ではないまでも、10年前よりもいい関係性を築けた状態で復活して今に至るということは事実である。
さらに、「こんな格好しているけど、子持ちです!お子さんのいる方、気持ちすごくわかります!」と話すヴィジュアル系ベーシストは後にも先にもヒィロだけだろう。
そして6月にTV出演した際に披露したことを紹介しながら演奏した『妄想接吻』は、恒例の「妄想する?」のコール・アンド・レスポンスもしっかりと挟んで、親しみを込めながらν[NEU]独自の音楽テイストで観客を沸かせていた。
「楽しい時間はあっという間」と各回でmitsuが話していた通り、早くもサンシャインシティ1日ジャックもクライマックスへとさしかかる。
1部と2部では“ν[NEU]というバンドの紹介”といった具合に、ライブでも盛り上がることが必至な楽曲が並んでいたが、ラストの3部ではより深く、バンドが伝えるべき真髄に迫る内容となっていたのも印象的だった。
その証拠に、1曲目に『RED EMOTION~希望~』でν[NEU]のテーマともなる“希望”をしっかりと届けることからはじめ、この曲のテーマカラーでもある情熱を表す赤いライトを受けた噴水の演出や、まさに吹き抜けの会場を突き抜ける歌と演奏が非常にエモーショナル。
そして、1~3部を通して演奏してきた『YES≒NO』『ピンクマーブル』と、間には『妄想接吻』も加えて、各曲における象徴的かつ誰でも参加できる振り付けで大に盛り上がった。
こうして、1日の最初と最後を飾るようにラストに届けたのは『スプラッシュ!』。1部のときはこれからはじまる高揚感を感じたのに、3部で聴いた『スプラッシュ!』はどこかセンチメンタルに感じられたのだから不思議だ。拳を突き上げて歌い切ったmitsuは「やり遂げた」といった感じで、「最高の1日でした」という言葉と共にメンバー全員が満足気な表情を浮かべながらのエンディングとなった。
ライブの合間に噴水広場を覗くと、撮影会やサイン・握手会でファンと交流する様子も覗くことができた。
1日中、お祭り感覚で参加したν[NEU]のフリーライブだったが、イレギュラーな環境で目にする彼らのライブからは“楽しい”といった感情のほかにも得るものがたくさんあった。その中の1つとして、あの日ν[NEU]を目にした人にとってあらゆる“きっかけ”にもなったのではないだろうか。
例えば、小さな子どもたちならば“バンド”というものを目にするのが初めてだったかもしれないし、他にも“ヴィジュアル系”という広い表現力を持ったジャンルのステージを初めて見る人もいたかもしれない。そして、そこに何か感想を持っていただけたらと願うばかりだ。
ν[NEU]というバンドを知ってもらうきっかけでもあった1日は、このようにもっと大きな意味を含んでいたようにも思う。小さな影響を与えるきっかけが、大きな波となることもある。こういったあらゆるモーションを続け、2025年1月4日の渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)にて迎える“完全完結”の最後の一瞬まで、予想できないスピードで進化をしていくはずだ。
文◎平井綾子
SET LIST
[1部]
⒈スプラッシュ / 2.恋模様 / ⒊YES≒NO / 4.ピンクマーブル / 5.The 25th Century Love
[2部]
1.starting over / 2.スプラッシュ! / 3.YES≒NO / 4.妄想接吻 / 5.ピンクマーブル
[3部]
1.RED EMOTION〜希望〜 / 2.YES≒NO / 3.妄想接吻 / 4.ピンクマーブル / 5.スプラッシュ!
LIVE
2025.1.4(土)渋谷公会堂
since2009〜2025 ν[NEU] FINAL LIVE
『エンドロール 〜何よりも大切な君へ〜』
開場17:15 / 開演18:00
前売券¥5,800(全指定席)
ラストワンマンツアー全公演チケット受付URL:https://l-tike.com/neu/
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ν[NEU] LAST ONEMAN tour『N.ever』 7月7日(日)渋谷REX【15th Anniversary ファン感謝祭】 7月21日(日)神戸VARIT 8月4日(日)広島SECOND CRUTCH 8月17日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!! 9月14日(土)札幌cube garden 9月15日(日)札幌cube garden 9月28日(土)名古屋ELL【ReI バースデー】 10月12日(土)金沢AZ 10月19日(土)仙台MACANA 11月3日(日)福岡Be-1 11月10日(日)大阪MUSE【mitsu バースデー】 12月1日(日)渋谷REX【ヒィロ&タクミバースデー】
since2009〜2025 ν[NEU] FINAL LIVE『エンドロール〜何よりも大事な君へ〜』
2025年1月4日(土) 渋谷公会堂
関連リンク
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