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【SHAZNA】ライヴレポート<歌姫降臨 -Beautiful Halloween party->2024年10月19日(土)赤羽ReNY alpha◆ゴールデンボンバー、Psycho le Cémuを迎え開催!豪華セッションも!


 SHAZNAがインディーズ時代に主催/プロデュースしていたイベント「歌姫降臨」が、長い時を経て復活。Halloweenの季節となる10月19日に赤羽ReNY alphaで、『歌姫降臨 -Beautiful Halloween party-』と題して行われた。出演したのが、SHAZNA、ゴールデンボンバー、Psycho le Cémuの3バンド。場内は、身動きが取りにくいほどギュウギュウ状態。それだけ、このイベントに胸を躍らせている人たちが大勢いたという証拠。最後には、3バンドによる豪華なセッションも。当日の模様を、ここにお伝えしたい。


Psycho le Cému

イベントのトップを飾ったのが、Halloweenの季節がとくに似合う?!Psycho le Cému。雅な音色に乗せ、場内中にイントロダクションを告げる解説が流れる。語り部の紹介する言葉に乗せ、メンバーが一人一人ゆっくりと舞台へ姿を現した。キャラクター性を打ち出したそれぞれの姿から目が離せない。

 
ライブは、この世を浮かれた華やかな宴の場へ染め上げるように、モンスターたちが音を掻き鳴らし歌いあげる『君がいる世界』からスタート。ときに激しい様を見せながら、DAISHIの歌声へ燃えたぎる彩りを与えるように楽曲は進む。背景に映し出した映像も、感情的な歌声や演奏に華やかなドラマを与える。とても、胸をときめかす幕開けだ。ワクワクとした冒険の始まりに興奮を隠せない。終盤に生まれたDAISHIと観客たちによるシンガロングした景色も、胸を熱く騒がせた。

 止まることなく『摩天楼カオス』へ。彼らは激しくもダークに攻めた演奏で、観客たちから理性を奪い去る。カオスな音が渦巻く中、サビでDAISHIが歌いあげるたび、胸を打つメロディアスな歌に感情の琴線が嬉しく奮える。激しさと美しき高揚、2つのドラマの重なりあう展開が最高に刺激的だ。

  seekの煽りを合図に演奏をした『MOON PRISONER』では、場内中の人たちが拳を高く振りかざし、高らかに声を張り上げる。攻めに徹した激しい楽曲だ。でも、力強さの中へ包みこむような温かさを覚えるDAISHIの歌声を耳にするたび、ギラついた刺々しい音の中に隠れている愛を、伸ばした拳で引き出したくなる。ただバイオレンスに歌や演奏を突きつけるのではない。身体を切り刻む音の衝撃に痛さを覚えつつ、中から見えてくる優しさにも心地好く身を預けていたかった。

  「抱かれる覚悟で来たか!!」のDAISHIの言葉も印象的だ。ライブは、舞台の彩りを少し甘い色へ塗りかえるように『もう一度、くちづけを』へ。まるでDAISHIに口説かれ、唇を‥接吻を求められているような甘い気分を覚えていた。演奏が躍動しているからこそ、その上で相手を求めるように歌うDAISHIの声が、強気にアプローチする姿にも見えていた。曲が進むごとに弾む演奏、その上で「もう一度、くちづけを」と歌われるたび、身も心も5人に預けたくなる。

 次のブロックからは、メンバーみんな楽器を置いてステージの前へ横一列に。『ファイティング!』では、4人がDAISHIの歌に合わせ、手にしたサイリウムを振りながらダンシング!!気持ちを熱く沸き立て、興奮や高揚を呼び起こす歌に乗せ、フロア中の人たちが声を上げてはしゃげば、4人のモンスターたちも、ペンライトを使ってヲタ芸や、みんなで振りを合わせて踊り続ける。ときにコンビネーションプレイも見せながら、モンスターたちもこの宴を楽しんでいた。

 
立て続けに『激愛メリーゴーランド』を披露。この曲ではLidaとseekが演奏に加わるが、他の2人は、先と変わることなくDAISHIの歌を盛り立てるパフォーマーとして、綺麗に振りを揃えたコンビネーションダンスを見せていた。宴を華やかに彩るためならエンターテイメントに徹する。そこがPsycho le Cémuらしい。

 終盤、ふたたび場内を熱狂の様へ染め上げるように、Psycho le Cémuは観客たちを螺子の壊れた人形へ変えてしまうように『Murderer・Death・Kill』を演奏。攻めに徹した激しい演奏や、seekのデスボの効いた煽りを受け、場内中の人たちが激しく頭を振り乱す。その様を見ながら、力強い声で歌い煽るDAISHI。いつしか場内はサウナのような熱気に包まれていた。そして‥。

 Psycho le Cémuは最後に、みんなで気持ちを一つに声を張り上げ、共に胸を揺さぶる歌を分かちあえる『アカツキ』を演奏。感情を解き放つ歌に合わせ、一緒に未来へ向かって飛び跳ねたい。心躍る気持ちに染め上げてくれたことが、とても嬉しかった。 

  ほんと、一瞬だった。気がついたら汗を振り乱し、笑顔ではしゃいでいた。そんな素敵な宴の場を、Psycho le Cémuはここに作り上げていた。


ゴールデンボンバー

 2番手を飾ったのが、ゴールデンボンバー。ライブは、メンバーたちがローラースケートで滑るような様でTOKIOの『LOVE YOU ONLY』を歌いながら登場し、幕を開けた。今宵は、4人ともコスプレ姿。歌いながら一人一人が仮装した人の歌真似や物真似をしていく様に、場内中の人たちが大興奮。サビでは、観客たちも一緒に歌っていた。

 その楽しさへ勢いを付けるように、飛びだしたのが『綺麗になりたくて』。4人の歌や煽り声に合わせ、フロア中から「Oi!Oi!」と熱い声が張り上がる。メンバーらと観客たちが共に声を張り上げて盛りあがる様を味わうたびに,ドキドキする。今宵はHalloween Partyということで、先にも触れたように、みんなしっかり奇抜な??コスプレ姿をしていたのも嬉しい。さすが、この場の楽しみ方をわかっていらっしゃる。

 鬼龍院翔が鉄腕アト<ムを。喜矢武豊が美輪宏を。歌広場淳が藤静香を。樽美酒研二がヤキバン仮装して自己紹介。その後、喜矢武豊が「料理が得意」という前振りを。さらに 樽美酒研二が「焼きそばは健康にいい」と話しだす。そのうえで届けたのが『抱きしめてシュヴァルツ』。


 「抱きしめて離さないで」と歌いだしたとたん、場内中の人たちがペンライトや手を左右に振りながら、一緒に甘いロマンチックな??世界へ寄り添い、うっとりと酔いしれる。間奏では、喜矢武豊がギターの裏に付けたまな板の上でキャベツの千切りを始めれば、樽美酒研二が焼きそばの麺を鉄板で炒め始め、更には千切りしたキャベツを鉄板の上へ投入。いきなり、焼きそばを作りだした。作りあげた焼きそばを頬張るメンバーたち。このノリがゴールデンボンバーらしい!!!!


 ライブでヘドバンをすると首が痛くなる。その苦悩を歌にした『首が痛い』では、フロア中の人たちが思いきりヘドバンに興じていた。「拳」の煽りを受け、場内中の人たちが拳を高く突き上げて熱狂。たとえ首が痛くなろうと、限界まで身体を駆使して騒いでこそのライブ。4人が振りを一つに躍る様も魅力だ。むしろ、この首の痛さが心地よい。

 続く『まさし』でも、ときに頭を思いきり振りながらクールに激しく、ときに「まさし!」と全力でシャウトする声に合わせて、フロア中の人たちが手を振り上げて祭り盛り上がっていた。流れる汗も気にすることなく、一緒に手を左右に振りあげ騒ぎ続けていたい。最後の最後まで続く「まさし」コールのかけあいも、胸を熱くした。

  『かまってちょうだい///』では、メンバーらが「下手!下手! 上手!上手!」と声を張り上げ左右に走るたび、観客たちも‥身動き取れないぶん、気持ちの上で身体を左右に走らせていた。4人と一緒に手を振り上げて盛り上がる、この楽しさが堪らない。喜矢武豊のギターソロ??に合わせてファンが咲く様も胸アツだ。この曲では終始、メンバーらが歌いながら左右に移動し続けていた。

  最後にゴールデンボンバーは『女々しくて』を歌唱。歌うメンバーの動きに合わせてフロア中の人たちも身体を揺らせば、サビでは一緒に腕を振り上げて盛り上がる。騒ぎ祭ったこの熱狂、ホント楽しいよ。鬼龍院翔の歌に合わせ、一緒に参加しないでこの場にいれますかと言わんばかりに、会場中の人たちが必死に飛び跳ねる。途中には、4人が黄色いポンポンを手に踊る場面も登場。終始、熱狂を加速し続け、彼らは「飛べ!飛べ!飛べ!飛べ!」と満員の観客たちを煽りながら騒ぎ続けていった。


SHAZNA

 イベント「歌姫降臨」の最後を彩ったのが、主役のSHAZNA。この日のライブは、最新アルバム『参華三釼』に収録した曲たち中心に構成していた。

  闇に包まれた場内に、Halloween Partyへと誘う妖しげな。でも胸踊らせるSEが流れだす。優しい歌声へ導かれるようにメンバーらが姿を現した。ライブは、互いに熱と愛を求めあうように、SHAZNA流のロックンロールナンバー『キスのカタチ』からスタート。胸や身体を揺らす演奏に乗って、場内中の人たちが高く上げた手を大きく揺らし、ときには両手でハートマークを作りながら、この場に似合う熱い接吻を交わしあう。けっして甘いフレンチキスでも、ねっとり絡み合うディープなキスでもない。つかず離れずで、互いの思いをおしはかる様も、SHAZNAのライブの幕開けに似合う景色だ。

 
でも、やっぱし僕らや私たちには熱い接吻が必要だ。ライブではすっかりお馴染み、『一角獣 -モノケロス-』の演奏が飛び出すのにあわせ、メンバーと満員の観客たちが互いの心の距離をグッと近づけ、強く求めあう。今宵はHalloween Party、白血球に扮したA・O・Iの格好良さに惹かれつつも、ミニヨンズに扮したNIYの姿には思わずクスッとしまう。メンバーらのおメチャさも感じつつ、この曲では、互いのハートとハートをギュッと一つに重ねあっていた。

 


ノンストップで熱狂を重ね続けるライブは、『隣人ラヴストーリー』へ。心地好い緊張感を持った演奏の上で、物語を語るようにIZAMが甘い声で歌っていた。スリリングなのに、その演奏に心躍るのは、SHAZNA流の温かな熱狂への招き方が冴えているからだ。A・O・Iのギターが優雅な旋律を奏でれば、その音に乗っかり、手をくるくると回しながらIZAMが誘いかける。だからその誘いへ、素直に甘えたかった。

 イベント「歌姫降臨」は、なんと28年振りの開催。ここでは、「歌姫降臨」への思いも語っていた。さらに、互いの衣装について語る場面も。IZAMも、女型だからこそという理由から胸にパットを入れていたことを告白していた。

 IZAMの歌かち始まった『ICE CREAM GOOD-BYE』でも、SHAZNAは甘い衝撃を叩きつける。親しみ覚えるメロディアスな歌に乗せて、IZAMが思いを温かな声で響かせる。でも、曲に触れていると身体中に熱を覚えるのは、何時だって演奏陣がとろけそうな甘さの中へビターな刺激を与えているからだ。それは、,IZAM・A・O・I・NIYとの関係性にも重なり、見えてくる。この曲でも突き刺すような音を鳴らし、攻撃的な姿勢を示しながら。でも、IZAMのハートウォームな歌声に包まれていると、裸で抱かれているような気分になれる。ときにチクチクとした刺も見せつつ、終始温かくもおおらかに歌いあげるIZAMの歌声が、たまらなく美味しい。


A・O・Iのギターの音が高らかに響きだした。そこへ絡む躍動したリズム隊の演奏。心地好い音の風を吹かせるように『無花果』が流れだす。IZAMも、言葉のひと言ひと言へ思いを込め、秘めた思いを解き放つように美しい声を張り上げ、高らかに歌っていた。突き刺すような音の刺激と温かい歌、この絶妙なバランスが、SHAZNAらしい。だから舞台の上から吹く曲に身を任せ、風に乗って揺れる花のように誰もが心地好く身体を揺らしていた。

 「逢いたくて逢いたくて 愛しすぎて」。今のSHAZNAらしい魅力を届けたあとに、長年ファンの心を魅了し続けてきた『Dear Love』を演奏。IZAMの振りにあわせ、場内中の人たちも同じ振りをしながら愛しい思いを重ねあう。何時だってSHAZNAは、LOVERSたちのハートとLOVEのチューニングをあわせ、とろけそうな甘い熱狂のひとときを届けてくれる。気づいたらIZAMの振りを真似ながら、愛しい恋物語の中で一緒に微睡んでいた。

 ここに集まった人たちのハートをチェックメイトしようか。3人はワイルドなモードに感情を染め上げ、『CHECKMATE』を通して満員の観客たちを熱狂の園へと招き入れた。クールでスリリングな演奏や凛々しさを見せる歌声など、一手一手へ印象深い表情を巧みに描きながら攻めるたびに、その魅力に嬉しく気持ちが追い詰められる。その魔法で、もっともっとハートを追い詰め、落としてくれ。

  流れたのが、『Melty Love』だ。IZAMが「Melty Love×3」と歌うたびに、フロア中の人たちが、高く掲げた両手を花咲かせ、大きく揺らしだす。Aメロへ入って以降も、みんなリズムにあわせて身体を揺らし、甘い恋のひとときへ思いきり浸っていた。いつしかIZAMは甘い熱狂を描きだす指揮者となり、この場へ、無限に続けたくなる「Melty Love×3」の温かい合唱を作りあげていた。 その心、けっして離さない。いや、離れられなくなった人たちが、ここへたくさん集い、一緒に歌いながら、思いきり熱情した花を咲かせていた。

 この場へ過ぎ去った夏を取り戻すように、最後にSHAZNAは『夏彩マジック』を演奏。とても開放的な、でも夏の太陽の陽差し以上に突き刺す刺激を持った演奏だ。この曲に触れ、身体が騒ぎだす。駆ける演奏に乗せて作りあげた爽やかな歌の風が、気持ちをカラッと解き放つ。IZAMと一緒に身体を軽やかに揺らし、胸をスカッとする夏の魔法の虜になっていたい。『夏彩マジック』、SHAZNAらしい、でも、これまでのSHAZNAにはなかった、眩しい思い出の中で一緒に無邪気な少年や少女に戻れる楽曲だ。


セッション

アンコールは,SHAZNA・ゴールデンボンバー・Psycho le Cémuのメンバーが舞台に集結。

全員でセッションしたのが、SHAZNAの『Melty Love』。IZAMの歌にあわせ、場内中の人たちが高く掲げた両手を花咲かせ、「Melty Love×3」と声を交わしあう。セッションでは、IZAMがリードし、そこへ鬼龍院翔が絡み、ふたたびIZAMへ。そのうえでマイクのバトンはDAISHIへと、巧みにリレーしていた。サビでは、ステージ上のメンバーたちと満員の観客たちが、一斉に咲かせた手の花を揺らし、恋に焦がれる思いを、愛おしさたっぷりに歌いあげていた。A・O・Iの優しいギターの演奏に乗せて、会場中の人たちが何度も何度も「Melty Love×3」と合唱。この曲が流れると、間違いなく一つに溶けあえる。ほんと、素敵なイベントだ。ぜひ、この『歌姫降臨』をふたたびシリーズ化してもらいたい。


TEXT:長澤智典

SET LIST

Psycho le Cému
『君がいる世界』
『摩天楼カオス』
『MOOM PRISONER』
『もう一度、くちづけを』
『ファイティング!』
『激愛メリーゴーランド』
『MIueder Death Kill』
『アカツキ』

ゴールデンボンバー
TOKIOの『LOVE YOU ONLY』
『綺麗になりたくて』
『抱きしめてシュヴァルツ』
『首が痛い』
『まさし』
『かまってちょうだい///』
『女々しくて』

SHAZNA
『キスのカタチ』
『一角獣 -モノケロス-』
『隣人ラヴストーリー』
『ICE CREAM GOOD-BYE』
『無花果』
『Dear Love』
『CHECKMATE』
『Melty Love』
『夏彩マジック』

セッション
『Melty Love』

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