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【Z CLEAR】ライヴレポート<Z CLEAR 上京1周年ONEMAN「来てみんさい‼︎」>2025年2月28日(金)池袋EDGE◆2025年最注目バンドが体現した確かなスケール。“ヴィジュアル系が大好きじゃけえのぉ!!”

広島発の4人組バンドZ CLEARの上京1周年記念ワンマン「来てみんさい!!」が2月28日、池袋EDGEで開催された。
そのタイトルから明らかなとおり、彼らが決意の上京を果たしてから1年を記念するワンマンライヴである。
上京当初の彼らは東京の環境に馴染むのに時間を要したとも語っていたが、何より衝撃的だったのは東京シーンのバンドの実力だったと正直に認めてもいた。
故郷を“捨てた”のではなく、故郷を“背負って”戦うZ CLEAR。
最新シングルのタイトルは、ずばり「広島」である。
その“ぶち”アツいハートで挑んだ、2025年最注目バンドの現在地とは?

◆     ◆     ◆     ◆     ◆

「来てみんさい‼︎」の名の通り、無料チケットも用意されたこの夜。

恐らく初めてZ CLEARを観るであろう層も見受けられ、開演が近付くにつれ会場に続々とオーディエンスが集結していく。入場時にはフラッグも無料配布されたが、そこにあしらわれたバンドロゴはこれまで見慣れたものよりもソリッドなデザインで、新たなZ CLEARを予期させる。

ほぼ定刻通りに暗転すると、高揚感を煽るSE「ブチアゲ」と共にメンバーが登場。

と、ここでも驚きが。いわゆる女形としてバンドのアクセントになっていたベーシスト=こーちゃんが髪をバッサリ切り落としてスタイルチェンジを果たしていたのである。何かが起こる、そんな予感を抱かせ、やや緊張感のあるフロアにぶつけられたオープニングナンバーはここに来て彼らの代名詞的楽曲として君臨している「JUNKIE」。

“やっと来たな東京!勝負しようぜ!”と啖呵を切るAKIRA(Vo)の眼光はサングラス越しにもわかる鋭さで、タイトに刻むビートが否応なしにリビドーを刺激しオーディエンスものっけから“ぶち”アガった。

続いたのは“「落ち着け そしてよく狙え。お前はこれから一人の人間を殺すのだ」”とセリフを合図にプレイされたのは「Che.」。

そのタイトルからも革命を想起させるリリックからも明らかな、チェ・ゲバラを題材にしたものだが、同期とバンドサウンドが心地よくブラストしていく。ピックを咥えスラップで翻弄するこーちゃんのシルエットはこれまでの魅力を損ねぬままに新境地を開拓していて、彼のポテンシャルの高さを感じさせる。

▲こーちゃん(Ba)

そして、ダイナミックなリフと刹那系メロディが絡みつく甘酸っぱさが香る「ミサンガ」の導入ではみやこ(Gt)のアルペジオに寄り添いAKIRAが情感たっぷりに歌いあげる一幕も。進化が著しいトミー(Gt)のリフが加わると一気に狂暴さが増していくのも印象的だ。

Z CLEARは結成初期こそヴィジュアル系ではなかったものの、AKIRAのルーツにはX JAPANがあり、メタリックに疾走するプロダクトと重きおいたメロディラインは非常にキャッチーだ。昨今多様化してきたシーンの中で、楽曲の良さが中心軸にあることは意外なくらいに王道とも表現できる。

▲みやこ(Gt)

ここからは比較的初期曲が連なった。

“どこまでもいこうぜ”と囁くと「風船」へ。

“努力せず生きていけるなんてそんな甘い世界何処にもありゃしない”と歌うが、わずか4曲目にして早くもクライマックスかのような様相に。

“プライドなんて価値ないくらい自分の地位求めTry”とガナる「ペイント」ではみやことこーちゃんのコーラスワークも冴えわたった。

“すべき事は焦らずに したい事は諦めずに”とコロナ禍に誓った「ハーメルン」。

いずれのリリックも今に至るZ CLEARの道筋を示唆するものであることに胸がアツくなる。余談ではあるが、広島在住時のZ CLEARはヴィジュアル系バンドが地元にいなく、他ジャンルとの対バンが多かったそうだ。ただし、そんななか腐ることなく様々アプローチを磨いたことで今に繋がっている。まさしくストイックに諦めない想いをZ CLEARは変わらず歌い続け、発し続けている。そして体現しているのだ。

▲トミー(Gt)

“来たからにはどこまでも連れてっちゃるよ!”とライヴでも定番になっている「放射冷却」を早々に披露すると、続いたのは最新シングル「広島」収録の「枯れない華」。AKIRAがアコギを鳴らす心温まるナンバー。まさに“感謝の曲”にメンバーは照れ臭そうにはにかんだ。曲の締めくくりに向けてトミーの雄大でセンチメンタルなギターソロが鳴り響く。メロウでポップなナンバーにもスケール感が漂うところに彼らの可能性を感じる。ここまでの流れでも明白だがZ CLEARは闇雲な攻撃性も持たなければ、見当違いに媚びることもしない。メロディとリリックを中心に据え、様々なアプローチで立体的に構築していく様からもこのバンドが相当の手練れだとわかる。

ステージワーク、フレージング、アングルメイクを駆使して隙間を生かすけれど、隙はない。

▲AKIRA(Vo)

“俺たちZ CLEARは天下を獲るバンドじゃ!!”と誓ったアッパーな「豚の貯金箱」ではその言葉に呼応するように一気に風速が上がっていく。

“お前らヌルいわ!”と挑発するみやこに恐らく無料チケットで来場したであろう層も徐々に巻き込まれていくのが見受けられる。

アグレッシヴな姿勢はときに仇となる可能性も孕んでいるが、彼らのライヴにはその雑味が介在しない。ハッキリ言ってしまえば、決意や覚悟の曲を終始歌い続けているわけだが、そこに歪みや隔たりがないのがZ CLEARの卓越した要素で、それはひとえにこれまで歩んできた物語と人間性が為せるものでしかない。


もちろん飽きさせる暇も与えない。人間性は音に現れるとはよく言うが、流麗なツインリードを多用するみやことトミーの両ギタリストの武器は、実のところバッキングが無機質ではなくエモーショナルなところにある。

そんな2人がステージ中央で向かい合ってギターバトルを繰り広げて雪崩こんだ轟音ナンバーは「デュクシっ!」。ここでもこーちゃんのスラップがフックとなる「イカロスの翼」。バンドに艶めかしさをもたらした昨夏リリースの「KISS」と終盤に向けてさらに加速していく。

“東京に広島を教えてやるよ!”と中指を立てた「LUCKY DAY」。

ビートが疾走する「イナズマ」の落ちサビをAKIRAとみやこが歌う姿は、おそらく集結したオーディエンスにとっても感慨が溢れるものだったのではないか。

オーディエンスの振りがお馴染みの爽快なキラーチューン「ビッグ・マウス」の底抜けのポップネスもまたZ CLEAR の魅力を凝縮したもので幸福な空気が充満していく。ここでもギターソロのハモりは純真で強固な決意を奏であげてみせた。

中心に密になって集結する4人の姿はこの夜のハイライトだ。

“ファンと一緒になってやっと一つの音楽ができるんだなって教えてもらったよ、東京に。”

“俺たちZ CLEAR はどこまでも行くよ。Zeppだろうが、武道館じゃろうが…東京ドームじゃろうが、どこだって行くよ。でも、現実的に考えてまず連れていきたい場所があります。それは…ぶちクソいいところよ。…広島のクラブクアトロでワンマンがしたい。いつか必ずあんたと一緒に広島に行きたい。広島に還りたい。そこで最高のライヴしようぜ?なぁ東京!導いていやるよ、あんたの明日を。俺たちZ CLEAR が照らしてやるよ。俺たちはそのために音楽やっとる!あんたと一緒に!明日を生きるために音楽やってる。ヴィジュアル系が大好きじゃけえのぉ!!”

ラストナンバーは彼らの始まりの曲「リアル」だった。

夢として掲げる東京ドーム3DAYSを前に“リアル”な目標を吐露し、溢れる感情をあるがままにぶつけ、感慨深げにメンバーを見渡すAKIRAの横顔が印象深いシーンだった。

新旧を問わないレパートリーの中から全16曲をプレイし、本編終えたが、ほどなくしてかかるアンコール…ならぬ“来てみんさい!!”コールの中、スクリーンには聴き慣れぬ楽曲のリリックビデオが投影され、4月1日福岡から始まるツアーの最終公演である4月27日池袋Black Holeでは、今しがた流れた新曲が無料配布されることも発表された。

アンコールでは早速この新曲を披露。

“馬鹿になっていいじゃない”と歌われるロケンローにうねるこの曲のタイトルは「ぶちROCK」。彼らの根源にあるスピリットと郷土愛がクロスオーバーするゴキゲンなアッパーチューンだった。

これまでのZ CLEAR らしさを踏襲しながら、よりソリッドになった印象だ。配布されたフラッグがはためく光景は、次なるツアーでどう育っていくかも実に楽しみにさせる。

そしてラストは「広島」。

上京1周年を記念したライヴだからこそ、最後まで温存された彼らのブランニューアンセムだ。

そのラウドで獰猛なサウンドと艶っぽさも兼ね備えたAKIRAの声質がマッチするキャッチーな1曲はまさにZ CLEAR の超王道。

途中、AKIRAのアカペラの歌唱に呼応するように合唱も巻き起こった。

先に彼が挙げた数々の大会場で披露される日を待ち遠しくさせる渾身のプレイはまさに完全燃焼といえる。

最後まで弛まぬ情熱を迸らせこの夜は想像を遥かに超える熱狂の中、幕を下ろした。

2025年、明らかにシーン最注目バンドと言って差し支えないスケールの大きさと、何よりその実直さは、まさしく人間が鳴るアンサンブルだった。

その真っ直ぐな瞳で何を睨み、何を見つけていくのだろうか。

現在進行形の物語は、これから先も果てなく続いていくだろう。

Text:山内 秀一
Photo:ナカムラタクヤ

SET LIST

SE.ブチアゲ
1.JUNKIE
2.Che.
3.ミサンガ
4.風船
5.ペイント
6.ハーメルン
7.放射冷却
8.枯れない華
9.豚の貯金箱
10.デュクシっ!
11.イカロスの翼
12.KISS
13.LUCKY DAY
14.イナズマ
15.ビッグ・マウス
16.リアル

EN1.ぶちROCK(新曲)
EN2.広島

■Z CLEAR 5大都市 ONEMAN TOUR「ぶちたいぎいのぉ」

…………………………………………

2025/04/01 (Tue)
福岡graf
開場 17:00 / 開演 17:30
TICKET
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500

Z CLEAR
OPENING GUEST : KIRA
3月1日(土) 10:00~ e+発売開始

…………………………………………

2025/04/02 (Wed)
広島SECOND CRUTCH
開場 17:00 / 開演 17:30
TICKET
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500

3月2日(日) 10:00~ e+発売開始

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2025/04/16 (Wed)
心斎橋CLAPPER
開場 17:00 / 開演 17:30
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500

Z CLEAR
OPENING GUEST : NETH PRIERE CAIN
3月16日(日) 10:00~ e+発売開始

…………………………………………

2025/04/17 (Thu)
HOLIDAY NEXT NAGOYA
開場 17:00 / 開演 17:30
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500

Z CLEAR
OPENING GUEST : NETH PRIERE CAIN
3月17日(月) 10:00~ e+発売開始

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2025/04/27 (Sun)
池袋BlackHole
開場 17:00 / 開演 17:30
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500

3月27日(木) 10:00~ e+発売開始

関連リンク

◆Z CLEAR OFFICIAL SITE
https://zclear.ryzm.jp
◆Z CLEAR OFFICIAL X
https://x.com/Z_C_OFFICIAL

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★AKIRA 出演回★
●#035 諒平(Azavana)× AKIRA(Z CLEAR)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=4Nk6Yc4TySw

●#036 諒平(Azavana)× AKIRA(Z CLEAR)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=BPoi7uap8sU

●ポッドキャストまとめページ
https://www.visunavi.com/2024-11-06/5661/
●ニコニコびじゅなびちゃんねる
https://ch.nicovideo.jp/visunavi/video

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