【umbrella・唯 × メリー・ガラ】6月23日umbrella主催「路地裏サーチライト」大阪BIG CATに向けてヴォーカリスト対談実現!「ガンガン潰していくぐらいのライヴをする!…メリーを見習ってね(笑)。」

ヴォーカルってステージで歌うだけじゃなくて、人生観や説得力がないとやっていけないんだよね。
────今回<路地裏サーチライト>で共演するバンドの印象もお二人に伺いたいんですけど、まずガラさんにとってumbrellaは改めてどんな存在ですか?
ガラ:メロディも歌詞も素晴らしいし音楽的に優れているバンドっていうのは共通認識だと思うんだけど、うーん…今はライヴバンドだなって思う。メンバーみんながバンドに対して実はアツい気持ちを持ってるし、音源が良いからこそ音源だけじゃ語れないバンドかな。前回の<路地裏サーチライト>の打ち上げでもそれを感じたんだよね。柊くんが“バンドはヴォーカルの歌詞が全てですよ!”って熱弁してて。
唯:アイツ酔っぱらってたんちゃいます?(笑)。でも、柊くんもバンドにアツいもの持ってるんですよ。
ガラ:ヴォーカルじゃないパートの人と歌詞についてあんなに語りあったの初めてかも(笑)。彼はアツいね。バンドとしては16年目に突入してるけど、良い意味でまだまだこれからのバンドだなって思う。これまではどっちかって言うと先輩にくっついてるイメージがあったんだけど、最近は自分たちで引っ張っていこうって意志を感じるし、なんなら俺たち先輩のことを喰ってやろうってギラついた感じも良いよね。偉そうに聞こえたら申し訳ないんだけど。
唯:この15周年イヤーをキッカケに自分たちが中心としてもっとやるべきじゃない?と思うようになりましたね。
ガラ:メリーのことを貪欲って言ってくれたけど、いやいや貪欲なのはあなたたちでしょうよ、と(笑)。見習わなきゃと思います。
唯:いやいや、見習うのはこっちですって!

────譲り合わないでください!(笑)。さて、メトロノームについてはいかがでしょうか?
ガラ:古い付き合いで数少ない同期です。復活前から何度も対バンしてたけど、復活後の方がよりメトロノームだなって思うんだよね、自由に音楽をやってる気がして。正直さ、メトロノームって今が一番カッコいいと思わない?
唯:わかります!ウチの春が学生時代から好きで、僕は音源を聴かせてもらってたんですけど、元祖ピコピコサウンドって印象はありつつもサウンドも洗練されていて今が一番カッコいいバンドだと思います。
ガラ:そのピコピコサウンドのイメージが強いし、メンバーもフワっとした掴みどころのないキャラクターの印象じゃん?でもさ、復活後に対バンして思うのが、メトロノームってただのイケてるパンクバンドなんですよね。
唯:それもめっちゃわかります。強いんですよ。
ガラ:シャラクさんの歌い方も曲もやってることも、あれぞパンクバンド。あえてこう言わせてもらうけど、“ただのパンクバンド”だよ、メトロノームは。好きですね。
────続いてheidi.です。
ガラ:<FIRST CONTACT>をやるにあたっていろいろなバンドを観に行ってたんですけど、heidi.は逆に昔から全然変わってなかった。ずっとheidi.の音楽を確立してやり続けてるところが良いなって思った。時代に流されないバンドだよね。これがheidi.の曲です!ってものがある。
────メンバーさんが変わった方たちでユニークだという噂も伺ってます。
唯:あの人たちはねすごく変なんですけど…もうこれはBIG CATでその目でたしかめてください(笑)。昨年一緒にツーマンツアーを廻って思うのは、やっぱり各パートが研ぎ澄まされてるなってことです。みんなプレーヤーとしてクオリティが高い。個人的にはBIG CATに立つheidi.ってめちゃくちゃ脅威なんですよ。持っていく力がハンパないバンドだと思います。と言うのも、義彦が喉の不調でおらんかった、楽器隊だけのライヴを観たことがあるんですけど、ヴォーカル不在なのにその日の対バン全部掻っ攫ってたんですよ。そんなことあります?底力とポテンシャルの両方がある驚異的なバンドですね。あと歌ね。ピッチのブレが全くない。すごいヴォーカリストですよ。
ガラ:歌上手いよね~。
唯:当日、風邪引いてくれへんかな(笑)。
ガラ:あははははは!(笑)。
唯:それぐらい強力な相手です(笑)。努力を見せないし、やってやった感を出さずに飄々としたまま勝負に勝つバンドですからね。
ガラ:あの変わらなさってどう考えても努力の賜物なのにそういうの絶対見せないもんね。ガムシャラ感は見せないのもheidi.っぽいなって思う。
────umbrellaもそういうところは似てるんじゃないですか?
唯:もともとはそうですね。アーティストはクールであるべきって思ってましたし。でも、最近その考えが変わってました。いろいろな方と新しく関わるようになって、思っていることは言葉にして発信していかなあかんなと思ってます。マインドがだいぶ変わりましたね。それこそメリーを観に京都磔磔に行ったことあったじゃないですか?
ガラ:うん、来てくれたよね。
唯:ああいうことも一切するタイプじゃなかったんですけど、より積極的になったと思います。
ガラ:なんかさ、唯くんのインスタとか見てても、ちゃんと自分の視点で感じたことを発信するようになったなって思う。ヴォーカルってステージで歌うだけじゃなくて、人生観や説得力がないとやっていけないんだよね。
唯:言葉って諸刃なんで正解があるわけじゃないけど、リスクを冒しても伝えなきゃいけないなって思います。
ガラ:それこそ柊くんが言ってたようにね。
唯:彼はお酒飲まないとそんな喋らないんですけどね(笑)。まぁ柊くんも小説とか好きなんでね。
────そして最後は唯一の後輩バンド。色々な十字架です。
唯:僕の昔聴いてた音楽、90年代のヴィジュアル系を踏襲してリスペクトしつつプラスアルファの要素があるバンドですね。歌詞については今言ってたことを全撤回せざるを得ないくらいヒドいもんですけど(笑)。あのとんでもない歌詞と、高い演奏力と、90年代の少し粗い感じを見事にミックスしたハイブリッドバンドだと思います。あのミスマッチさが売りだけど、知識の豊富さでは正直勝てないです。歴では後輩ですけど知識量では先輩だと思ってるんで、全く油断できないバンドですね。
────「知識」という曲もあるので読者の方は聴いていただきたいところです。
唯:あのバンドも全部持っていくバンドじゃないですか?ズルいです。本当に今回誘いたくなかった(笑)。それぐらい良いバンドです。ガラさん、色々な十字架にはほんま気をつけてくださいね!
ガラ:俺は面識がないので、今回対バンが決まってからYouTubeとか見させてもらったけど…すごいね。
────ガラさんは色々な十字架というバンドの存在はご存知でしたか?
ガラ:存在は知ってましたけど、想像以上にとんでもないバンドで…umbrellaよく<路地裏サーチライト>に入れてきたなと思いましたね。あのさ、これで出順どうするの?
唯:それなんですよ!何が正解か判らない!
ガラ:プレッシャーかけるわけじゃないけど、これだけ個性強いバンド集まったからこそ、出順でイベントの出来が決まると思うよ?
唯:ですよね。全部持っていくバンドばっかりなんで。最初が十字架やったら、好き放題ぐちゃぐちゃにしてバトンが繋がる気がしないし…。
────余談ですけど、umbrellaも出る6月の筆者主催の<KHIMAIRA>は色々な十字架がトリなんですよ。彼らが一番不得手なところを担うことで真価を発揮してくれるんじゃないかと思って。
唯:あれはよう考えましたよね。
ガラ:前回はさ、NoGoDから始まってみんなでumbrellaにバトンを渡してる感じがあったけど今回これどうなるの?って思う。バトンを渡しても受け取ってもらえないこともありそうだし(笑)。
唯:前回は先輩方が僕らのためにバトンを繋いでくださって、それがイベントのアツさになってたけど、今回は違う色になるでしょうね。そんなことを気にせず各バンドの個性を出してめちゃくちゃにしてほしいです。僕らもそれを覚悟の上で頑張ろうかなと思います。まだメリーの出番も決まってないですけど、全部ぶっ飛ばすようなライヴをお願いしたいですね。『The Last Scene』という作品を纏ったメリーの全てで。
ガラ:OK!俺らも良いツアーを回れてるんで、期待しててほしいです。
────そういえば話はだいぶ逸れるんですけど、6月の<KHIMAIRA>3DAYSはumbrellaが2日目、メリーは初日にご出演いただくんですが、巷で噂の“メリーとumbrellaと共演することが夢”のハタチの少年がついにメリーと対バンするんですよ。
唯:出た!“アイツ”や(笑)。
ガラ:ね!俺も自分から話かけるタイプじゃないから当日どんな感じになるんだろう。
唯:トリカブトの八坂くん、めちゃくちゃ礼儀正しすぎるピュアな子ですよね。umbrellaは同じ日じゃないけどすごい応援してるから精一杯頑張ってほしいなぁ。
────小学1年生でメリーを好きになってバンド始めた子ですからね。ガラさんを目の前にしたら泣いちゃいそうですけど(笑)。でも、夢が叶って喜ぶだけじゃなくてちゃんとメリーをぶっ飛ばしに行け!とは檄を飛ばしてます。
ガラ:なんかさ、俺らはそうやって目標であり続けるためにバンドを続けていかなきゃいけないよね。<路地裏サーチライト>も俺らが頑張って、若い子が目指すイベントになるといいな。
唯:僕らがメリーの背中を見て今でもそう思うように、僕ら自身もそうなりたいですね。見習いつつ、見習ってもらえるように。
ガラ:時代の流れを感じるよね。トリカブトの子の話を聞くと。