【SPLENDID GOD GIRAFFE】ライヴレポート◆2025年4月29日 SHIBUYA REX◆SPLENDID GOD GIRAFFE、3周年という特別な空間で見せた進化論────「SGGがどれだけかっこよくなったかをみんなに見せつけていくので、しっかり受け取ってください」

SPLENDID GOD GIRAFFEが、3rd Anniversary Oneman Tour『麒麟三年搾り』のツアーファイナル公演を4月29日、SHIBUYA REXにて行った。
“周年”という節目の中でも、そのバンドにとって縁深い数字の折には一際思い入れが強くなるもの。SPLENDID GOD GIRAFFE (以下:SGG)にとっては、今回迎えた“3周年”がそれだった。
「僕の中で“3”という数字には強い縁があって、3年毎に何かがあったりしたの、僕らって。“3”という数字に思い入れがあって、我々3人でまたバンドを始めるってなったときに、まずは3周年をちゃんと祝おうと思ってたのね。自分が新しい人生を歩むっていうときに、まずは3年やらないとどうしようもない。続けることが大事って言ってきたけど、僕の中では濃厚な3年間でした」
ライブの終盤に秀人(Vo)が話していたことからも、“この3人で迎える3周年”というのが彼らにとっていかに特別であるかは明確であった。
もう、SGGを語る上でバンド結成に至るまでの経緯を枕詞のように添えることはナンセンスに思えるほど現状のスタイルが浸透しているわけだが、“3”という数字への思い入れに補足する意味も込めてあえて触れさせていただくと、前身バンドを経て秀人はドラムからボーカルへと転身する方法をとってもなお、3人は“一緒に音楽を続ける道”を選び、進んできた。
そんなことを思い返すあまり感傷的に浸るような3周年だったのかと言われれば、決してそうではない。
むしろ目を見張るほどにバンドとして進化してきたことを思わせるこの日のアクトは秀人の言う通り「どれだけかっこよくなったか」を見せつけるには十分な内容であったし、「このメンバーならいつまでもやれるかなと思ってます」という言葉が実に信憑性を持って受け取れたほどに、SGGのこの先へ大いなる期待を抱けるものであった。
そこで、ライブともなれば麒麟組(ファン)をはじめ、SPLENDIDドラマー(サポートドラマー)として今ツアーに参加した遠海准司(己龍)や、始動時にはじまりこのツアーファイナルでもサポートを務めた遼の力も加わり、SGGを中心として結ばれる人と人との縁は目に見える形で一気に広がる。
しかも今回のツアーでは、大阪・名古屋・福岡の各公演とツアーファイナル公演にオープニングアクトとしてアイドル・準子が出演。この日も観客の喉ならしをして本日の主役へとバトンタッチするべく、“準子は可愛い”というキラーフレーズがループする「狂気」を始めとした出し物(※本人談)と軽快なトークで会場を沸かしていた。
いよいよ幕を開けた3年間の集大成といえるステージは、早くも1曲目の「Till death do us part」から見事に圧倒されることとなった。
深淵から湧き上がってくるような秀人の厚みを増した歌声と、そこへ続く公佑(Gt)とTACC(Ba)が牽引するバンドインが迫力を持ち、ちょうど1年前に同曲から始まった2周年ライブを遥かに凌駕していた。
その要因のひとつは、楽曲が持つ世界観を丁寧にライブ空間へ描き出すこと以上に、その場の衝動を反映してこそ生まれる生命力に満ち溢れたバンド感。
「さぁ、はじめようか渋谷!」と叫びあげた秀人に応えるようにフロアにはヘッドバンキングが巻き起こった「Mr.“John Doe”」が引き金となり、「DIRTY HONEY」では“導火線に火を灯せ”というフレーズをなぞるようにオーディエンスを焚きつけていく。
さらに、ハンズクラップが起こる「FAKE SPIRIT」でハートフルな空気へとシフトしていくという、序盤のうちに振り幅の大きさを凝縮してみせた変幻自在な展開の中でメンバーの表情には笑顔が浮かんでいたこともまた、活動の充実度を物語っているようでもあった。
「ついにこの3周年ワンマンツアーもファイナルがやってきた! あっという間で、でもすごく濃厚な1ヵ月間だったんですけど、今日はこんなにたくさんの人が集まってくれてとても“うれすぃ”です、ありがとうございます!(※しばし公佑から“うれすぃ”をいじられる)今日は3周年、最高の日をみんなで過ごしたいと思います。僕らもSGGがどれだけかっこよくなったかをみんなに見せつけていくので、しっかり受け取ってください。今日は最高の日にするぞ! 誰1人残さず楽しい日にするぞ!」────秀人