【vistlip】7月30日発売のNew Single『BET』と18周年を迎える“七夕”へ向けて、リアルタイムなバンドの熱量を智&Tohyaが語る。「“君は僕に賭ける?”っていう問いを投げかけてからがスタートだから」

メンバーに引っ張られて自分も変われてるんだなって思えた
────実は、「THESEUS」を経て今回の「BET」で割と確信したところもあるんですけれど、昨今の智さんの歌詞は、ある種達観した目線で見ている部分があって、相手に選択を委ねるといったところに智さんの強さを感じられたり我々にも強さを求められたりしている節を大いに感じられるところがある気がしていて。それゆえに言葉のニュアンスが強くなっている印象もありますし、智さんが強いリーダー的存在にもなっていると思うんです。それには、心情やヴォーカリストとしての在り方に対する変化もあったのでは?と感じているんですけれど……。
智:それはもうね、前よりは強くなれたんじゃないかなと自分でも思ってるし、俯瞰で見てるっていうのも、まさしくその通りで。すごく自分のことも、自分たちのことも遠くから見るし、周りの人々に関してもそう思うし。それは、本当に今の癖かもしれない。
────それは、「BET」の歌詞にもある“このままが良いのか、このままじゃダメなのかを今迫ろう。”っていうところにもかかってくると思うんですよ。実際に今日センターラインのお2人に伺いたかったのが、今のvistlipを主にライヴ空間で見ていてどんなことを感じているか、ということなんです。
Tohya:シンプルに、完全によくなっているとしか思えないんですよね。それは、関わってくれるスタッフの人たちが変わったことが要因でもあるし、そのおかげでもあって。正直、最初は新しい変化のアプローチになれない部分もあったけど、さすがに10何年もやってるので上手く新しい要素を取り入れながらすぐに昇華できた感じもありましたけどね。これは昔から言ってるんですけど、後ろから見ていてやっぱり「コイツらかっけぇな」って思うし、僕ら主催の[Party On]でメンバーが対バン相手と一緒に演奏したり歌ったりしている姿を見ていても、やっぱり1つ上のステージというか、大人の余裕をすごく感じたんです。vistlipはガチャガチャしてる方が魅力的だったのかなと思う反面、そういう部分と大人の余裕みたいなものがいい感じに混ざり合っているのが今で、これがどんどんスキルアップしていけば、もっとよくなっていくんだろうなっていうのを感じてますね。
────大人の余裕、それは的確な表現かもしれないです。
Tohya:それがこの間、大間違いをしまして(笑)。僕が「NEXT」で一拍失ってしまうミスをしたんですけど、智だけは「あ、Tohya間違えてんな」みたいな感じでリズムがズレまくってるのに、なぜか歌い続けてくれたんですよ。俺はもう、「ごめん!」の顔しかしてなかったけど、楽器隊で顔を見合わせてテンポを落として調節したら、なぜか元に戻ってて。「これは18年やってきた積み重ねだな~」と。……いや、申し訳ありませんでした!
────(笑)。しかし智さん、よく歌い続けましたね。さすが!
智:いや、もう自力で(笑)。俺もファンには「(Tohya)やってんね」っていう顔してたけど、前を向いて歌い続けた感じ。なんか、そういうトラブルすらも楽しんでっていう気持ちだったかな。
────それこそ智さんはセンターに立っていて、今のvistlipのライヴを通してバンドに対してどんなことを思っています?
智:そうだなぁ……これまでずっと事務所にいて、良くも悪くも「vistlipの思う通りにやりなよ」っていう信頼感でやってきたバンドだったと思うんですよ。でも、環境が変わってライヴに対するスペシャリストなチームがついてくれたからこそ、本当に説教くらいの勢いで助言をもらってるメンバーたちを見ていると、「いやいや、コイツら言ったって聞かないっしょ? そんな意見、呑むか?」って、思ってたのね。でも実際は、みんなそれを聞き入れながら自分が輝くために必死で、それってすごく素敵だなと思ってて。だからこそ、演奏もどんどんよくなってるんですよ。まあ、さっきのTohyaの話みたいなおもしろいミスもたまにあるけど(笑)。
Tohya:すいませんっ!!!!
智:でも、それさえも全員が楽しめるというか、それぐらい余裕を持ってライヴに臨んでいると思うしね。それにみんな、「俺がここで一番輝く」みたいな気持ちでステージに立ってる気はする。しかも、「ここでは智を輝かせる」みたいな気概を感じる部分もあって、そうすると俺はやっぱりいい歌を歌いたくなってくるんですよ。
────メンバーの期待に応えるのもそうですし、楽器隊のレベルアップ具合に負けまいと。
智:そうだね。「もっといい歌を歌いたいな」って思う。いい歌っていうのは、ただ単純に上手いっていうだけじゃなくて、“より気持ちを込めて歌う”っていう部分で。メンバーが「かっこいいね」「気持ちがいいな」って思ってくれるような歌を歌いたいと思っていたら、実際に瑠伊が「最近、マジでいいと思う」みたいなことを言ってくれて。そういうときに、メンバーに引っ張られて自分も変われてるんだなって思えたことが嬉しかったし、「それがバンドだよね」っていうのは改めて思ったかな。俺は減らず口をいっぱい叩くけど、ずっとメンバーを信頼していて。だからこそ俯瞰で見れるようにもなったと思うし、だから「THESEUS」も「BET」もメンバーに委ねるっていう行為をしたんだと思う。それは、俺一人じゃなくて、vistlipを見ようとしているっていうことでもあるのかなと。それは、楽曲制作っていうバンドの一番肝となる部分に関しては、特にそう思ってるんですよね。そうやって俯瞰してみていることが結局自分の内面にも作用してるんだなっていうことはすごく感じていて、それが嬉しくもあったかな。でも、変わるきっかけってそういうものなんだと思う。
────それに、変わるきっかけを得るのに遅いも早いもないと思うんですよね。
智:だって、18年やってきて変わるタイミングとか、自分がOKだと思えるタイミングが、俺はそんなになかったからさ。それを今思えたっていうのは、すごく嬉しいですよ。ついでに未来の話もしちゃうと、後輩とか今俺らに関わっている人たちが「やっぱりvistlipにはデカいところでやってほしい」「デカいところが似合う。デカいところが一番輝く」みたいなことを言ってくれるのね。「じゃあ、頑張んないとな」って思うんですよ。
────その意見には、私も一票加勢したいところです。こういった状況下で智さんは“いい歌を歌いたい”ということでしたけれど、Tohyaさんはドラムに対して、もしくはバンドの動向において、重んじていることはどんなことでしょうか?
Tohya:これ、すごく恥ずかしい話なんですけど、今メチャクチャ練習してるんですよ。今日もこのインタビューの前にスタジオに入ってて、とにかく空いた時間があればスタジオに入ってるんです。これは別の媒体さんでの話で申し訳ないんですけど、過去に僕、“ドラマーを捨てた”っていう発言をしたことがあったんですよ。本当に、それを撤回したぐらいドラマー・Tohyaとしても、コンポーザー・Tohyaとしても輝いていたいというのが、今年に入ってより強くなったんですよね。
────そうなるきっかけは、何かあったんですか?
Tohya:大きなきっけかけとしては、今までずっと断ったり避けてきたりしたサポート案件を受けたっていうのはあると思います。それがCHIYUさんのサポートなんですけど、もともとセッションで一緒にやったことが何回かあって、そのときに「やっぱりTohyaのドラムはやりやすい」みたいなことを言ってくれたんですよね。それこそ、今の制作の人にも「Tohyaさん、どんどんドラムよくなってますね」って褒められたりもして、やっぱり時間を使えば使うだけ自分でも成長できるんだなっていうのを実感しているんですよ。もともと作曲にはすごく自信を持っていたんですけど、ドラムに関しては表に発信できるような自信がなかったのが正直なところで。でもそれが徐々に変わってきていて今が一番ノリに乗っているので、20周年ぐらいにはドラマーとしてより輝ける未来があるんじゃないかなと! なので、僕がドラマーとして輝ける未来にオールインでお願いします!(笑)
────“BET”にかけて、上手いことをおっしゃる!(笑)
Tohya:やっぱり、一番大きく変化したのは向き合い方ですね。ずっと自信がなかったっていうか、ガムシャラな時期もあったし、逆に自分を過信していた時期もあって。今はちょうど、「努力すれば変われる」っていう一番いいところにいるような気がしていて、「そんなことはこの十何年もやってて分かってたことじゃないか」みたいなことがようやくドラムにも繋がったと思うんです。まあ、遅すぎるんですけどね。
────いや、これに関しても遅すぎるなんてことはないと思いますよ。そうなれないことよりも、ずっと素敵なことだと思います。
Tohya:でも、自分のvistlipという人生を考えると、すごく大事なところだなと思うんですよね。だから今は、「すごくドラムを叩きたい」っていう気持ちがあるんですよ。本当にあのとき……10年前ぐらいかな、“あんなこと”を言ってたことがアホらしくなるぐらい。きっとそれも、対バンの機会がたくさんある中で刺激を受けたことも大きくて。かっこいいドラマーがたくさんいる中で「自分たちは最前線でいたい」っていうか、それこそさっき智が話していた後輩の話じゃないですけど、「後輩よりダメなドラム叩いてちゃダメだろう」っていうことも強く意識している部分でもあって。だから、なんと言われようが自分自身が高みを目指していることをしっかり意識しているっていうところでも、今までとは全然違うんですよね。
────最近のTohyaさんを見ていると、地に足のついたドラムの存在感を感じられるところもありますし、そこに昨今は瑠伊さんの存在も相まって、リズム隊としての土台が非常に要になっているのもしっかりと感じています。
Tohya:それは、やっぱり瑠伊さんと僕が仲良くなったっていうのは大きいかもしれないです(笑)。今まで仲が悪かったとかではないんですけど、最近楽屋でも笑顔で話せるようになって。瑠伊に「キックの音、聞いて!」みたいなこともあるし、ライヴ中も意識するようになったし、実際に自分のモニターには瑠伊の音も大きく返してるんですよ。どっちかがブレるとどっちも転ぶ、逆にガチガチにハマるとすごく勢いがつくみたいな感じですね。そういう感覚がありました、最近も。

────ある意味、一心同体的なポジションでもありますよね。そういった中で迎える18周年ということになりますけれども、お祝いはもちろんのこと、vistlipにとってまた起点となる大切なライヴにもなるんじゃないかなと思っています。
智:メンバー的には、いい意味で緊張しなくなったと思うんですよね。まあ、Tohyaは緊張するタイプですけど……。
Tohya:ホント、すいませんっ!!!!(笑)
智:でも、「見てくれ!」っていう気持ちは前よりも強い気はするから、そこも今までとは全然違うんですよね。やっぱり七夕って妙に緊張感があるんで、それがうまく取り払えるのかなと期待している部分はあるから、上手くいけば今までよりもいいライヴができるはず。変な緊張をせず、今の実力を発揮できれば絶対に大丈夫だし、しかもその実力を発揮できることに、すごく期待している自分がいるんですよ。
────実力を発揮してくるメンバーに、智さん自身も引っ張られるものがあると思いますし。
智:なんか今はね、メンバーがいいときは自分もすごくよくなるみたいな、自分が高められる気がしてるから、それは自分でも楽しみ。単純に歌いやすいとかじゃなくて、妙にくすぐられて高まることがあるんですよ。そういう感覚は、実際に何度も味わってるから。あとは当日何か起きて変な緊張をしなければ……ほら、基本ネガティブなバンドなんでね(笑)。
────その辺りは繊細ですもんねぇ。
智:たぶん、後輩にこんな話聞かせたらビックリすると思うけどね(笑)。なんかね、後輩から見たvistlipってすごく強いイメージらしいんですよ。それぞれが自分の世界を持っていて強そうだし、なんなら怖そうだしみたいな。でも、そういうところでも“自分”っていうものを思い出させてもらえたところもあったんですよ。「俺って、本当はみんなにはこう映ってるはずだよね」みたいなことを思い返せたことも大きかったんじゃないかな。だから、後輩にはメッチャ感謝してますね。
────後輩や周りの人からの“vistlipの智はこういう人”っていう、パブリックイメージを見つめ直した感じですかね。
智:そうそう、だって一番近いファンなんだもん。そういう人たちの話を延々と聞ける、メチャクチャ貴重な時間ではあった。俺だけじゃなくて、メンバーみんな力になったんじゃないかな? それに、大きなイベントに出させてもらったりすると自分たちの想像を超えてくるようなバンドもいて、「じゃあ、俺らもここまで行こう」っていう風になれたっていう意味でも、独立してからの対バンのオンパレードがすごく力になってるとは思うんですよね。
Tohya:今、いろんな話があった中で、昔はもうちょっと砕けてたところがあったとおもうんですよ。でも、最近はどうにもこうにもガチガチだったんで、これは予言じゃないですけど、さっき話したようなトラブルが起爆剤になることもあって、そこから爆発的にいいライヴをするんじゃないかっていう……もちろん、ワザとはやらないですよ!?
────ええ、決して振りではなく(笑)。
Tohya:でも、去年とか一昨年なんかはメンバーもファンもオープニングから緊張しまくってて、お祝いムードというよりも、かっこいいライヴを完成させるみたいな方向に力が入ってたところもあって。まあ、そこで全く想定してなかったようなトラブルが起きて、緊張が解けた部分もあったんですけど。かっこいいライヴを完成させることも大事なことなんだけど、七夕は根本的にもっと大事な、「お祝いしようよ」っていう雰囲気でライヴができればいいなと。
────とはいえ、vistlipの結成記念日という大事な日ですから、どうしても力が入ってしまうでしょうけれど。それを上手く活かせることを祈って!
Tohya:まあ、メンバーの緊張はやっぱりファンのみんなにも伝わっちゃうものなので、直前の楽屋とかでおもしろトラブルとかがあれば、にこやかに始まれるかもしれない。……って、これが予言になって変なことにならないようにしないと(笑)。何はともあれ当日は、お祝いムードな素晴らしい空間を作りたいですね。
取材・文:平井 綾子

vistlip 18th Anniversary LIVE[Bet On The Ouroboros]
日程:2025年07月07日(月)
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
会場:Zepp DiverCity
[チケット代金]
◆スタンディング(1F前方) / 指定席(1F後方)
前売:7,700円(税込)・ドリンク代別途
当日:8,800円(税込)・ドリンク代別途
◆ファミリー席(1F最後方)
前売:大人 7,700円(税込)、お子様 770円・ドリンク代別途
<ファミリーチケットについて>
小学生(6歳~12歳 *中学生は除く)のお子様連れのお客様のために設ける指定席限定チケットになります。
・未就学児童はご入場出来ません。また、中学生以上は対象外となります。
・ファミリーチケットは大人のみ、お子様のみでのご購入・ご入場はできません。
・お一人様 2枚〜4枚までお申込みいただけます。1枚のみの購入はできません。
お子様も1名様につきチケット1枚が必要です。
・お申込者様・同行者様は全員同時にご入場いただきます。
別々でのご入場はできませんのでお気をつけください。
・ご入場時にお子様の年齢確認を行います。必ずお子様の年齢が確認出来る身分証をご持参ください。
確認ができない場合、大人チケット料金との差額をお支払いいただくか、入場をお断りする場合がございます。
★身分証 ⇒健康保険証・パスポート・マイナンバーカード等の公の機関が発行した証明書(コピー・スクショ不可)
・お子様は大人の膝上での鑑賞はできません。必ずお子様分のチケットをご購入ください。
・安全確保のため、お子様を座席の上に立たせる行為はおやめください。
・入場後、他エリア(スタンディング/通常指定席)への移動はできません。
・ファミリーチケットエリアでのモッシュ行為は禁止いたします。
※上記事項について、当日スタッフの注意や指示に従っていただけない場合や、
お子様や他のお客様の安全確保ができないと判断した場合はご退席いただくことがございます。あらかじめご了承ください。
チケットURL
https://eplus.jp/vistlip

「BET」完全生産限定盤(CD+Blu-ray)
2025.07.30
DCCA-1150/1151
¥11,000(税込)
2025年7月7日開催 vistlip 18th Anniversary LIVE[Bet On The Ouroboros]会場にて先行発売!
※会場販売分に各種特典の付属はございません。
<CD>
01.BET
02.OUROBOROS
<Blu-ray>
「THESEUS」from vistlip ONE MAN TOUR[Ship of Theseus]@Zepp Shinjuku
01.Port Dorothy(Instrumental)
02.Mary Celeste
03.Dolly
04.Candy Sculpture
05.Fairy God Mother
06.Matrioshka
07.Fafrotzkies
08.Ceremony
09.B.N.S. [THESEUS ver.]
10.Parallax Pancakes
【完全生産限定盤 購入ページ】
https://www.vistlip.com/posts/ltd
〇V.I.P. LiST会員 通販購入者特典
vistlip ONE MAN TOUR[Ship of Theseus]@Zepp Shinjuku レプリカパス
〇MEMBERS LiST会員 通販購入者特典
vistlip ONE MAN TOUR[Ship of Theseus]@Zepp Shinjuku ライブショットポストカード6枚組

「BET」vister(CD+DVD)
2025.07.30
DCCA-1152/1153
¥3,300(税込)
<CD>
01.BET
02.OUROBOROS
<DVD>
・「BET」Music Video
・「BET」MV Making Video
〇初回特典
・トレーディングカード(全10種ランダム)

「BET」lipper(CD)
2025.07.30
DCCA-1154
¥2,200(税込)
<CD>
01.BET
02.OUROBOROS
03.アメフラシ
〇初回特典
・トレーディングカード(全10種ランダム)
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