【MAMA.】9月30日初ホールワンマンに向けて“第二期MAMA.”を解剖する対談企画スタート!第一弾は命依(Vo)&JiMYY(Gt) vs 櫻井有紀を敢行!

9月30日に自身初となるホールワンマン「私の命はあの暗い森に隠れている」を渋谷PLEASURE PLEASURE開催する運びとなったMAMA.に話を訊きたいと思った。
今のMAMA.がどこへ向かっているかを知りたかったからだ。
2024年は彼らにとって大きな分岐点となる出来事がとにかく多かった。
大規模主催ライヴ、恵比寿リキッドルームワンマン、MUCCとの対バンへの抜擢。一方でメンバーの脱退も経験した。
シーンのネクストブレイカー的ポジションを期待される立場に反して、彼らは常に冷静に現在地を分析していた。だからこそ、本対談中のJiMYYの発言にあるように今回のホールワンマンはソールドアウトさせることも目標の一つにあると言う。
ここに来て“第二期”を地固めするMAMA.の実像に迫るために、彼らを良く理解し、その強みも補うべきピースをも熟知している櫻井有紀に対談に参加してもらった。
櫻井もまた奇跡のカムバックから上昇気流に乗るなかで、MAMA.との縁が欠かせなかったからだ。
レジェンドと若手。
その字面を奥に芽生えた“戦友”としてのあるがままを記す。
◆ ◆ ◆
Raphaelの世界は共感するところがあります
────今回MAMA.が9月30日に大一番となるワンマンライヴを迎えるにあたって、MAMA.をよく知る人に話を伺っていこうという企画でもあるのですが、改めて両者が巡り合ったキッカケから振り返りましょうか。
JiMYY:キッカケは「KHIMAIRA」(※VISUNAVI Japan主催ライヴ)ですね。輸血子さんがプロデュースした最初の「KHIMAIRA」にMAMA.も出てたんですけど、そこにYUKIさんがスペシャルゲストとしてYUKI-Starring Raphael-名義で出演されていたのが初めての出会いです。僕自身もRaphaelをずっと聴いていたので、驚きもあったし嬉しかったですね。ほんと輸血子さんとVISUNAVI Japanに感謝してます。
YUKI:昨年の4月ですね。
JiMYY:お会いして初めてちゃんとライヴを拝見したんですけど、リアルタイムでは通ってなかったとはいえ、映像でずっと観ていた人なので感動しましたね。ヘヴィメタルの要素を取り入れていたけど、ちゃんと美しさがあるところが好きで10代の頃から聴いてたんです。
命依:MAMA.のファンでもRaphaelを好きな人がすごく多くて、以前から「命依さんもRaphaelを聴いてください」ってメッセージをもらったりしていたので不思議な感覚でした。YUKIさんって歌い方とか声の出し方が独特で、なんて言うんだろう…ただのロックヴォーカリストではなくて声楽的なんだけど、JiMYYさんも言ってる通りメタルサウンドとの融合にオリジナリティを感じました。あとは地球にいる一人の人間でもあるし、宇宙人っぽくもあって、唯一無二だなって思います。優しい人柄とか知れば知るほど。
────YUKIさんは当然若手のMAMA.の存在を当時は知らなかったわけですよね。
YUKI:知ったのは「KHIMAIRA」でご縁をいただいてからですね。僕は病気のこともあってシーンに低浮上の時間が長かったんで、あの日に共演した若いバンドからとっても刺激を受けました。MAMA.だけじゃなくNICOLASやグラビティからも。MAMA.は池袋EDGEがすごく狭く感じる堂々としたパフォーマンスだったし、この時代にもカッコいいバンドがちゃんといるんだなってリハからドキドキしましたね。
命依:嬉しいです。僕たちは“愛”って言葉をよく使うじゃないですか?それを全て持ってるのがYUKIさんです。やっぱり浮世離れしてる方だと思います。それはYUKI-Starring Raphael-のメイクが白塗りだったっていうのもあるんですけど、でも、内面から出てるものもマジで本物だと思ったし、人間臭さもある。不思議なオーラを纏った存在です。その後に交流が生まれたこともすごい光栄ですね。

▲命依
────現実感と非現実が相まってるんですね。その後、YUKIさんの方からMAMA.を対バンに誘うことで距離がグッと縮まりました。
YUKI:「KHIMAIRA」の時は楽屋のモニターを食い入るように観てたんですけど、ライヴもカッコ良かったし、だんだんもどかしくなってきて、楽屋の扉を開けて生の音を聴いちゃったんですよね(笑)。
命依:あはは(笑)!嬉しいです!
YUKI:照明が暗転するようなパフォーマンスの時は楽屋の扉が開いていると光が漏れちゃうから、演出の邪魔にならないように気をつけながらね(笑)。なんか月並みっちゃ月並みなんですけど、同じ発信者側ではあるものの、一ファンみたいな感じもあるかもしれない。全然違う世代からも自分も吸収したいし、MAMA.は1年後、5年、10年後と多くの人がリアルタイムで追っていきたくなるような存在だと思う。せっかく出会ったからには、こっちからお声がけしてもっと関わらせてもらうのが良いかなって思って僕の主催ライヴにお招きしました。
JiMYY:ガッツポーズですね。オファー来た瞬間に嬉しすぎてガッツポーズしました。僕たちでいいのかな?とはさすがに思いましたけど。
命依:さっきも言ったけど、僕は自分たちのファンが喜んでくれるなって気持ちになりました。ちょっと話が変わるんですけど、Raphaelの世界観って純潔なイメージがあるんです。でも、純潔でいたいのってこの世界が汚いことを知ってるからだと思っていて。その考えは僕とも近いと思うんです。
────命依さんは今の世の中は生きているだけで心が汚染されてしまうと感じてますか?
命依:いつの時代も変わらないと思いますよ。きっと昔も世界は汚かったんじゃないですか?
────でも新曲のタイトルはズバリ「僕は宇宙のゴミ」って言い切っていて、純潔とは真逆にも思えます。
命依:身体って菌が入ると熱出るじゃないですか?地球とか世界が汚れていくのはそういうネガティブや負の感情が集まってるからなのかなって思うと、この地球に生きている自分なんてゴミだなって。小っちゃいゴミ。そう歌ってるけど綺麗でいたいんです、本当は。Raphaelの世界は共感するところがありますね。違うところから同じものを見てるんじゃないかなって。
────命依さんはご自身で作詞作曲を手掛けるから、自分自身のことを歌い続けてはいるんだけど、どこか俯瞰しているような部分も感じます。一方で、YUKIさんはソロワークスであるaRaiseの歌詞って本当にご自身のことをつぶさに歌ってらっしゃいますよね?
YUKI:そうですね。Raphaelの作詞はすべてギターの華月だったので、僕はその翻訳機みたいな役割だと思って務めていたんです。それはYUKI-Starring Raphael-でも一緒。ただ、Raphaelが終わってriceになってからはRaphaelの時に走り抜けた青い時代を忘れないための備忘録的な想いも歌詞に込めてましたね。そこからいざソロになった時にやっといろいろなものから解放されて…変な話なんですけど、自分の後ろ姿が見えた気がしたんです。だから、自分の後ろ姿をずっと追いかけてレポートをとってるような感じです。当然、自分のことを歌っているからこそ時々、時空が歪んじゃう感覚もあるんですけどね。遺書みたいな詩を書いているような曲もあるし、逆にその先を生きていく歌詞もたくさんある。ちっぽけな恋愛観とかも。今までは大陸的で大きなテーマを歌うことが多かったんですけど、そのあたりはソロになってずいぶん変わりましたね。
────Raphaelとriceで役割が変わったように、バンドとソロでも異なるアプローチが生まれたんですね。
YUKI:さっき命依ちゃんが言ってたような“自分など宇宙のゴミなんじゃないか?”みたいな歌詞もriceには結構あったと思います。命依ちゃんの考えもかなり共感できるところがあるんだけど、ソロになってからは顕微鏡で自分を見るぐらいの歌詞を書いてます。ちっぽけなことを細胞単位で語れる曲をたくさん作っていきたいなって。
命依:JiMYYさんがYUKIさんのソロを観に行った後に“この曲良かったから聴いてよ”みたいにソロの曲を聴かせてくれるんですよ。
YUKI:嬉しいなぁ~。会ってない時間にも僕を話題にあげてもらってるんだ。光栄だね。
命依:ソロの楽曲は“生きてきた感”が滲み出てるし、言い回しとかも独特で素直に良い歌詞だなって思ってます。