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【SHAZNA】ライヴレポート<七夕ライブ2days~天の川の下で合いましょう~>2025年7月5日(土)、6日(日)国立音楽院 KMAパラダイスホール

これからも永遠の恋人どうしでいる約束を交わしあった、甘いKISSのような「織姫Day」だった。

織姫と彦星が、年に一度だけ天の川を渡って出会うことを許される「七夕伝説」。切なくもロマンチックな恋物語を、織姫、彦星それぞれの視点で逢瀬の物語を綴ろうと、SHAZNAは7月5日(土)と6日(日)に、「SHAZNA 七夕ライブ2days~天の川の下で合いましょう」をKMA Paradise Hallで催した。7月5日を「織姫全員集合 Night」と題し、"女装スタイル"のドレスコードで。6日に「彦星全員集合 Night」と名付け、" 男装スタイル"のドレスコードで実施。今回は、事前にいくつかの曲を伏せた形でセットリストを発表。織姫(LOVERS)と彦星(SHAZNA)が織りなした素敵な逢瀬の様を、ここにお伝えしたい。まずは、「織姫全員集合 Night」の模様をお届けしよう。



◆     ◆     ◆


●織姫Day



 「織姫Day」のライブの幕開けは、天の川を渡って、この場に集まった大勢のLOVERSと愛に満ちたひとときを過ごそうと甘いKISSを交わすように『Raspberry Time』から幕を開けた。軽やかに駆けだした楽曲に乗せて、フロア中の人たちが心地好く身体を揺らしだす。濃密な甘い歌声を届けるIZAM。彼が左右に大きく手を振るたびに、場内中の人たちが同じ動きを真似てゆく。A・O・Iもステージの最前でギターを掻き鳴らせば、NIYも前に踊り出てLOVERSを煽っていた。途中でベースの音が出なくなるトラブルもご愛嬌。ハプニングさえ甘すぎる今宵の逢瀬には嬉しい、少し苦い刺激だ。
熱情した互いの関係をもっと深く、熱い思いの絆で結びあおうと、SHAZNAは『I miss you…』を演奏。愛しい人への思いを情熱的な歌声にしてIZAMが伝えるたび、フロア中からその歌声をつかもうと、数多くの手が伸び、優しく揺らめいていた。さらに強く強く求めあうように、SHAZNAは『隣人ラブストーリー』を熱唱し、演奏。歌う内容が少しずつ刺激的な大人の恋模様へと成長していくところも、嬉しい。最近でこそ逢える頻度の高くなった関係とはいえ、これまでなかなか天の川を渡ることの出来なかった彦星(SHAZNA)と織姫(LOVERS)にとって、想いをつのらせ深め続けてきた、日々の心の成長を感じさせる流れだ。

MCでは、少しお姉言葉になったIZAMが、織姫姿になったメンバーたちをいじっていた。普段は男らしいNIYにも、この日は「かわいい」の声が飛び交っていた。


むせぶような想いを込めた、A・O・Iのクリーンなギターの音が高らかに鳴り響く。LOVERSを淡い時の中へ誘い込むように、『無果花』を演奏。もどかしい気持ちを解きほぐし、想いをまっすぐに届けるように歌い奏でるメンバーたち。クールな演奏が描き出す世界の中へ、情熱的な想いを込めた歌声が絡み合う。そのコントラストに、心が惹かれる。いくら年齢や経験を重ねようと、眩しさを感じていた恋心はずっと心の中で輝きを放ち続ける。続いて奏でた、ミドルメロウな『コイノテンポ』を通してIZAMは、愛しい人への想いを何度も「好き」という言葉に乗せて朗々と歌いあげていた。
  今宵のライブは、恋に恋していた頃のピュアな恋心を揺り戻してゆく内容だ。言葉の一つ,一つを大切に、深く想いを込めて歌い奏でる『初恋』に触れながら、あふれだす好きの気持ちに心が張り裂けそうになれば、あの頃の記憶が甦っていた。曲が進むごとに、SHAZNAはいろんな恋心を抱いた物語を目の前に描きだす。「めぐりあった恋が ほら」と歌いだした『Pink』でも、涙色の花びらが舞い散る想いも含め、恋する喜びと嬉しさを、甘く優しく響く歌声と演奏に乗せて彼らは伝えてくれた。


さぁ、ときめいた音の風の中、これからも永遠の恋人どうしでいる約束を交わそうか。とろけそうに甘いA・O・Iのギターの旋律に触れ、瞬時に恋に落ちてしまった。愛しい人の姿を遠くに見つめながら歌うIZAMの声に触れ、心がざわついた。『恋人』に触れるたび、あの頃の情熱的な恋心が甦る。いや、あのときのような「好き」の気持ちや純粋無垢だった青春が甦る。だからLOVERSは、目の前で煌めく彦星たちへ眩しい憧れの視線を向けていた。ときめく想いが、どんどん華やかに色づくようだ。軽やかに駆ける『Shelly』でも、3人の演奏に合わせ、場内中の人たちが心地好く身体を揺らし、みずからの心も鮮やかに彩っていた。
なんて、甘いひとときばかりを届けてくれるの?!キラキラと輝く音色を響かせて、彼らは『PURENESS』を通して、お互いの心の距離をグッと目の前5cmの距離まで縮めてきた。フロア中の人たちも、うっとりとした恋に落ちた眼差しで、ステージの上に想いを寄り添えていた。まさに、輝く瞬間瞬間が目の前に次々と描きだされる。いや、3人が一人一人の心のカンバスへ、ときめきの絵筆で甘い恋の物語を描くたびに、それぞれのHeartの中で物語がきらめきだす。そんな魅せられゆく素敵なひときときを『PIECE OF LOVE』が。このブロックに歌い奏でた曲たちが作りあげていた。


ライブも、最後のブロックへ。A・O・Iの奏でるロングトーンの音色に乗せて、IZAMが「逢いたくて 逢いたくて 愛しすぎて」と『Dear LOVE』を歌いだした。今宵は、なんて恋する想いを募らせる夜だろう。天の川以上に煌めいた恋心を胸に、愛しい人の胸の中へ飛び込んでいきたい気分。フロアとステージという、目には見えない境界線があるのがもどかしい。でも、超えられないその一線があるから、より愛しい想いが募ってゆくのも事実だ。
荒々しいロックンロールの演奏が炸裂。心地好く跳ねるビートの上で、3人は胸を弾ませ『キスのカタチ』を歌い演奏。少し強引な姿彼らの勢に触れ、場内中の人たちも高く掲げた両手を3人へ捧げながら、その想いを受け止めていた。「大好き」の歌に合わせ、フロアでハートマークを作る人たちがいたのも印象的に見えていた。そこへ彼らが突きつけたのが、『Virgin』だもの。3人と一緒に身体を揺らしながら、「愛してる」の気持ちを分かち合わずにいれない。「好きだから 好きだから そばにいて」と熱唱するIZAMに向けて「そばにいるー」と言いたくなるこの曲では、A・O・IとNIYが寄り添う場面や、NIYがセンターでベースを弾く姿も登場。熱狂というよりも、甘い恋のひとときに、ハートがずっとジリジリと焼けるような想いを感じていた。終盤に生まれた「In the Sky」と歌声を交わすやりとりも、気持ちを熱く奮わせた。
最後にSHAZNAは『夏彩マジック』を奏で、夏のライブに相応しい、止まない高揚と興奮と「I LOVE YOU」の魔法をかけてくれた。3人の姿が、どこか陽炎のように揺らめいていたのは、熱に浮かされた視線でずっと彼らを見つめていたから?!

 アンコール前には、お馴染み『Melty Love』の一節をみんなで大合唱。ふたたび、この場に熱情した景色を描きだそうと、アンコールの最初に届けたのが、この日唯一彦星寄りの曲として選んだ、メンバーいわく「七夕の夜が雨だったときの彦星の怒りの曲」の『das Spiel』。NIYの躍動した野太いベースの音が気持ちを熱く揺さぶる。歪むA・O・Iのギターの音が感情を掻き立てる。切れ味い鋭いドラムのビートに乗せ、IZAMが観客たちを煽る。まさに、ライブハウスという空間の中、互いの身体を寄せ合って騒ぐに相応しい楽曲だ。織姫たちも気持ちを振り乱し、高く掲げた腕を回しながら熱狂し続けていた。
最後にSHAZNAは『Melty Love』を演奏。冒頭からIZAMとLOVERSが「Melty Love×3」と歌声を交わしあう。この曲では、A・O・IとNIYもIZAMへ身を寄り添い演奏。3人の彦星が、甘いけど刺激を盛り込んだ演奏を通して迫り、互いの心を0距離にしてゆく。IZAMが「Melty Love 離さない 離さない」と歌う声に、フロア中から数多くの手が3人に向けて捧げられる。終盤には、お馴染み「Melty Love×3」の合唱も誕生。彦星と織姫たちによる愛しい恋が成就したような様を見せていった。

 愛しさに満ちたこの想いは、翌日の「彦星day」へと手渡された。




PHOTO: インテツ
TEXT:長澤智典

SET LIST

セットリスト
SE
『Raspberry Time』
『I miss you…』
『隣人ラブストーリー』
MC
『無果花』
『コイノテンポ』
『初恋』
『Pink』
MC
『恋人』
『Shelly』
『PURENESS』
『PIECE OF LOVE』
MC
『Dear LOVE』
『キスのカタチ』
『Virgin』
『夏彩マジック』
-ENCORE-
『das Spiel』
『Melty Love』

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