【DuelJewel・Shun(G)、祐弥(G)】New Album『Eclipse』リリースインタビュー第1弾◆DuelJewelが誇るギタリストコンビが新作を語り尽くす。マニアックなギタートークも炸裂!

────リフで楽曲を覚えてもらえるというのは、ギタリスト冥利に尽きますよね。それに、「鮮血噴き出すこの死の中で」はリフはもちろん、楽曲もギターもカッコいいです。この曲のギターは、ダウン・チューニングですよね?
Shun:“ドロップB”です。このアルバムは、全曲ドロップBじゃないかな。
────7弦ギターを使ったということでしょうか?
Shun:おっ? それ聞いちゃいます?(笑)
祐弥:めっちゃ嬉しそうじゃん(笑)。
Shun:だって、こういう話ができる機会は、中々ないから(笑)。実は、僕は今年になってからエレキギターを3本買ったんです。その内の1本がIbanezのダウン・チューニング用の7弦なんですけど、そのギターのチューニングを逆に上げているんです。7弦はそのままステイして、6~1弦を1音ずつ上げたチューニングにした状態で、今回はそれでほとんど録りました。
────えええっ! す、凄いことに、なっていますね。
Shun:なっています(笑)。
────チューニングを大胆に上げるという発想を得るギタリストは珍しくて、Shunさんならではといえます。
Shun:チューニングを上げると、いろいろな意味で大変ですからね。でも、このテンション感じゃなかったら、「鮮血噴き出すこの死の中で」のメイン・リフはきれいに発音し切らないというのはあると思います。

────やはりShunさんは一筋縄ではいきませんねぇ(笑)。それに、「鮮血噴き出すこの死の中で」は隼人さんが書かれた歌詞も見逃せません。
Shun:この曲は隼人に歌詞をオーダーする時に、隼人の言葉遣いで絶望と暴力を現してほしいと伝えたことを覚えています。隼人はそれを汲み取って、すごくいい歌詞を書いてくれました。
────ハードボイルドな歌詞や激しいボーカルなども注目です。続いて、祐弥さんが書かれた「SPEED LOOP」ですが、この曲はテクノ・テイストが活かされていて、“おおっ!”と思いました。
祐弥:すげぇっ! これね、僕はEDMと言っているんですけど、実はテクノなんです。それをわかっていたただけて、すごく嬉しいです。シンセの新しいプリセットを買った時に、これでなにかできないかなというところから始まって、テクノ/ニューウェイブの激しいバージョンみたいなところを目指しました。
────テクノをベースにしながらもテンポ・チェンジやシャウト・コーラスなどを採り入れて、単なる’80年代の焼き直しで終らせていないのはさすがです。
祐弥:自分的にも、結構ちゃんとやりたいことが纏まったな…という感覚がありますね。この曲は僕が影響を受けたいろいろなアーティストの要素が入っているんです。それこそ、ザ・プロディジーとか、m.c.A・Tさん、ザ・ウィークエンドさんとか。その中にラウド色も入っていて、自分の好きなものをごちゃ混ぜにして表現したら、こういうふうになったという感じですね。テンポ・チェンジもそうですし、ライブでヘドバンしてもらえるところを入れ込んだり、掛け合いは全部わかりやすく“Yeah,Yeah,Yeah”にしたりとか。いろんな要素を、うまく狙いどおりに纏まることができました。
Shun:「SPEED LOOP」は聴いた時に、自分には絶対に書けないと思いました。さっきも話しましたが、祐弥の作曲センスの変化というのがあって。昔の祐弥は暗くて、メロウで、雰囲気重視の曲しか書いてこなかったんですよ。でも、『Trigger』(2022年7月)に入っている「2020」辺りから、ぶっ飛び具合が凄いなと思って(笑)。
祐弥:アハハ(笑)。自分の曲に関しては“唯一無二”ということは、常に考えています。元々僕は訳のわからない曲を聴くのが好きだったりするんですよ(笑)。限界が計り知れない曲というのが好きなので、激しいものは裏切り、裏切りにしたいというか。聴いている人が“こうくるんでしょう?”と思っていたら、“あれ? 違うんだ”というふうにしたくて、そういうエッセンスがいっぱい入っている気はしますね。ただ、自由に曲を書き過ぎているというのもあると思いますけど、僕の曲は本当にシングルにならないですね(笑)。
Shun:ハハハッ!(笑)
祐弥:だって、「es」(2003年11月)以来なっていないもんね。
Shun:いいじゃん、「es」は名曲なんだから(笑)。俺はたぶん日本であの曲を1番評価している自信がある(笑)。
祐弥:本当に? それは、あり難い(笑)。
────お二人はもちろん、DuelJewelはコンポーザーとしてもスキルの高いメンバーが揃っていますよね。では、続いてShunさんが書かれた「Only Love」にいきましょう。
Shun:これは、ぶっちゃけ今回持っていった曲の中で、1番適当に作った曲です(笑)。モロに手癖なんですよ。モロ手癖で、昔僕が作った中で評判良かった曲のパンク・バージョンを作ろうということだけで作りました。本当に、制作に1~2時間くらいしかかかっていない。ただ、この曲に僕が歌詞を書いてしまうと前のと一緒になってしまうから隼人にお願いしようとか、いろいろ考えながら作りました。あと、もう1つのテーマとして、シンセを使わないというのもありましたね。僕らはライブで同期を使うので、いつもばる(dr)はクリックを聴きながらドラムを叩いていて、それから開放してあげたいというテーマがありました。
────「Only Love」は少し肩の力が抜けていて、それがいい方向に出たような印象を受けます。そして、爽快感に溢れたサウンドと“愛を抱きしめたい”と歌っている歌詞のマッチングも絶妙です。
Shun:この曲の歌詞に関しては、僕は隼人に指定は特にしなかったんです。そうしたら、思いがけない素敵なものを書いてくれて、すごく満足しています。
祐弥:僕の中では、これも“Shun節”ですね。Shunはギタリストの時はめちゃくちゃギター重視で、リフ先で、ギターのフレーズをサビみたいに書いてくる人ですけど、こういう歌物でメロディーが際立っているものを書く時は、本当にギターは1つのエッセンスとしてしか考えずに、ちゃんと悪目立ちしないようにしていく。「Only Love」は、Shunのそういうところが色濃く出ている曲という印象です。
────たしかにギターは主張していませんが、2番のAメロで“ミョンミョン”いっているギターなどはいいフックになっていますし、テクニカルなギター・ソロも注目です。
Shun:ミョンミョンいっているギターは、曲に呼ばれて弾いた感じですね。頭の中で鳴ったものを入れただけです。ギター・ソロは、実は今回の中で1番難しい。速い6連フレーズを弾いたりしているので。
────6連フレーズの連続からワーミーを使った後半に移る流れもカッコいいです。
Shun:ワーミーは祐弥のアイディアです。あれは、面白かったですね。
祐弥:ワーミーを提案したのは僕も同じ機材を持っているんですけど、ボタン式のワーミーがあるんですよ。普通のワーミーはペダルを踏んでギターの音程を変えるけど、それはボタンを押すと音程が2オクターブ上がるんです。それを2人とも持っているから、この曲で使おうよと言いました。
────アイディアのやり取りも積極的にされていることが分かります。そして、お二人が書かれた曲ではありませんが、美麗な和感を活かした「待宵月-MATSUYOINOTSUKI-」も注目の1曲です。
Shun:これは隼人が持ってきた曲で、実は前回のアルバムの候補曲だったんですけど、ばるが「和を感じるから、和の要素を足したらいいんじゃないかなと思う」という意見を出したところで止まってしまったんです。それを今回形にすることになって、隼人の曲は基本的に彼のデモを僕が形にして出すので、和楽器のシンセを買って、ああでもないこうでもないといろいろ試して叩き台を作って、皆に投げました。元々はリードギターで押す歌物にしていたのを祐弥のアイディアで、祐弥が弾ける二胡という楽器でリードギターのメロディーを弾くことになったんです。
祐弥:二胡はイントロとアウトロと、あと中間のベース・ソロの裏にも入っていますね。Shunが曲の頭に和楽器の音をガッツリ入れていて、そこからバンド・インした時にギターでもいいけど、もったいないなと思ったんです。ギターだといい意味では開けるけど、悪い意味では和感が消えてしまうんですよね。バンド・インしてからもオリエンタルな雰囲気がほしいなというところで、ちょっと二胡でやってみようと思って入れてみたらいい感じになりました。
────二胡も弾ける辺り、祐弥さんは奥深いですね。さて、お二人にお話をうかがった曲に限らず『Eclipse』は上質な楽曲が揃った必聴の一作に仕上がりました。そして、アルバムのリリースに加えて、9月から始まる全国ツアーも楽しみです。
Shun:ツアーは当然『Eclipse』を携えたツアーになるわけですが、“これ、ライブでできるのかな?”という曲が多いんですよ(笑)。
祐弥:そう(笑)。
Shun:今回はライブでお客さんを動かすことを考えたアレンジが多いなという印象があるんですね。たとえば、「鮮血噴き出すこの死の中で」のメイン・リフを弾く場所では、僕としてはお客さんにジャンプしてほしい。でも、それを示唆するには、僕も祐弥もあのリフを弾きながら跳ばなきゃいけない。それ、できる?…という(笑)。
祐弥:ハハハッ!(笑) いや、跳ぶのはいいけど、シャウトだよね。シャウトが自分の中に溶け込むまで、時間がかかる気がする。
Shun:かかるね、きっと。今回はシャウトが多いアルバムになってしまったから。このツアー中に僕と祐弥がシャウトの歌詞を覚え切れるかどうかというところに注目していただきたいです(笑)。
────が、がんばってください(笑)。ツアー全体としては、どういうツアーにしたいと思われていますか?
Shun:元々DuelJewelは歌物とかが強いバンドだねという評価だったのを、ここ何枚かで覆しているところがあって。意外と激しいんだなとか、DuelJewelのライブはこんなに楽しいんだ…といった声をちらほら聞くようになって、それを受けての今回の『Eclipse』なので。だから、DuelJewelというものを、ここで1回ちゃんと証明したいという気持ちがあるんです。正直この年齢になってやる音楽じゃねぇなと思いつつも、その美学を感じてほしいし、自分達みたいなキャリアのバンドがまだこんなに凄いことをやりながら、こんなに凄いパフォーマンスをしているんだということを見せつけたい。そのための作品だし、それをファンと共有してDuelJewelの新たなカッコいいライブの形を、このツアーで作りあげていきたいですね。
祐弥:『Eclipse』は全体を通して、お客さんの動きを示唆した部分が、かなりあるんです。最近出した作品はライブ映えするものが多くて、それを踏まえて、そういうところを沢山盛り込んだ。なので、そこでお客さんが迷うことなくガッツリ動くようになった時が、その曲の完成だと思うんですよ。今度のツアーは、いかに1本でも早く曲を完成させるかというのはありますね。新曲は、初めはスタジオで演奏しているみたいになってしまうんです。お客さんも“ここはヘドバンなの? どこなの?”みたいな感じだし。そこから完成に至るスパンが年々早くなってきているので、今回はそれをどれだけ早くできるかということが鍵だと思います。早く完成させて、新規のお客さんとかも安心して楽しめるような空間を毎回作り出すツアーにしたいなと思っています。
取材・文:村上 孝之
RELEASE
New Album
2025年9月17日発売
『Eclipse(エクリプス)』 Moon Ver.
(CD+DVD) / DRDJ-39 / 3,800円(税抜)
CD 収録曲
1.待宵月-MATSUYOINOTSUKI
2.DISTINATION
3.Last train
4.感情六号線
5.死と死と
6.SPEED LOOP
7.鮮血噴き出すこの死の中で
8.人に非
9.Moon Struck~LIVE edition~
10.Only Love
DVD収録曲
待宵月-MATSUYOINOTSUKI MV
待宵月-MATSUYOINOTSUKI making movie
…………………………………………
『 Eclipse(エクリプス)』 Sun Ver.
(CD+DVD) / DRDJ-40 / 3,800円(税抜)
CD 収録曲
1.Rotten Sun
2.DISTINATION
3.Last train
4.感情六号線
5.死と死と
6.SPEED LOOP
7.鮮血噴き出すこの死の中で
8.人に非
9.Moon Struck~LIVE edition~
10.Only Love
DVD収録曲
Rotten Sun MV
Rotten Sun making movie
LIVE

DuelJewel Tour 2025「腐敗した太陽、望まれた月」決定!!
9月20日(土)EDGE Ikebukuro 17:00/17:30
9月28日(日)浦和ナルシス17:00/17:30
10月3日(金)福岡INSA 18:30/19:00
10月4日(土)福岡INSA 16:00/16:30
10月12日(日)名古屋ell.FITS ALL 17:00/17:30
10月13日(月・祝)浜松FORCE 17:00/17:30
10月18日(土)阿倍野ROCKTOWN 17:00/17:30
10月19日(日)神戸VARIT. 17:00/17:30
11月1日(土)柏PALOOZA 17:00/17:30
11月3日(月・祝)新横浜NEW SIDE BEACH!! 17:00/17:30
11月15日(土)札幌Crazy Monkey 17:00/17:30
11月16日(日)札幌Crazy Monkey 15:00/15:30
11月29日(土)仙台space Zero 17:00/17:30
11月30日(日)郡山♯9 17:00/17:30
TOUR FINAL
12月14日(日)Shibuya STREAM Hall 17:00/17:30
▼オフィシャル先行(抽選)
受付期間:7月11日(金)12:00~7月22日(火)23:59
https://eplus.jp/dueljewel/
▼オフィシャル二次先行(抽選)
受付期間:7月31日(木)12:00~8月7日(木)23:59
https://eplus.jp/dueljewel/
▼一般発売(先着)
8月23日(土)10:00
https://eplus.jp/dueljewel/
〈全公演共通〉
オールスタンディング:6,500円(税込/ドリンク代別)
■一般発売(先着)
8月24日(土)10:00
https://eplus.jp/dueljewel2024/
※3歳以上チケット必要
※公演中止・延期以外の払い戻しは原則行いません
総合問:サイレンエンタープライズ03-3447-8822
関連リンク
【DuelJewel OFFICIAL SITE 】http://dueljewel.jp/
【DuelJewel OFFICIAL X】https://twitter.com/DuelJewel_info
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