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【ライヴレポート】バトルキマイラvol.3~まみれたを倒せ!~@大塚Hearts+、ティンカーベル初野、Z CLEAR、泥眼がまみれたに牙を剥いた激戦!茶封筒・らすてぃー、イトウリョウのサプライズ参戦も。

2025年11月14日(金)に大塚Hearts+でVISUNAVI Japan主催ライヴシリーズ「バトルキマイラ」の第3弾が開催された。
「KHIMAIRA」レギュラーバンドがヘッドライナーを務める対決スタイルの本ライヴ。
ヘッドライナーとして登場するまみれたを“倒したい”バンドをSNS公募したところ、名乗りをあげたZ CLEAR、泥眼に加えティンカーベル初野を加えて合計4組による熱戦が繰り広げられた。

泥眼



トップバッターはキマイラシリーズ初登場となる泥眼。


2025年の躍進で一層注目を浴びるようになったバンドに対する期待値は高く、早くも会場は満員状態に。
序曲に据えた「夢視ル泥人形」から、ゴシカルなムードを醸し出し安直なラウド性とは一線を画す。
累(Vo)のヴォーカリゼイションは引き込むような深さがあり、サウンドのなかを泳ぐように広がる。バンドとしてもクラシカルな要素も感じさせながら、さりげなくフックになるフレージングを散りばめることで奥行を生む。

▲累(Vo)

鞭のようにしなやかなAyuto(Dr)のプレイが目を惹く「心中」でも感じられたことだが、上手のRYON(Gt)と下手の天(Gt)はそれぞれにアグレッシブさと艶やかさの個性を別つことでバンドの妖しさも担っている。

▲Ayuto(Dr)

▲RYON(Gt)

▲天(Gt)

「生きてるなら声だせ!そんなんでまみれた倒せんのか!」

挑発した後半は天のエキセントリックなフレーズと絡みつくRYONのリフと悲哀を感じさせるメロが立つ「Paraiso」から一気にまくしたてた。
とにかく一筋縄でいかないのが泥眼の個性で、その声質が特徴的な累のシルエットも相まって魅力へと浄化していく。

▲椿(Support Ba)

激しくも、ノスタルジックでアングラ。ワンマンかと思わせる十二分なインパクトと大いなるポテンシャルを見せつけて泥眼はステージを去った。


Z CLEAR



2番手はZ CLEAR。
メンバー全員が広島出身という同郷バンドの彼らがどんなステージで立ち向かうのか…そんなことを考えているとステージから聞こえてきたのはまさかのノック音。意表をつく、まみれたの「お邪魔します」カヴァーを導入に、暴れ曲「八丁左回り」軽快な「JUNKIE」、「KISS」とリードナンバーで攻めたてる。

▲AKIRA(Vo)

▲みやこ(Gt)

▲トミー(Gt)

▲こーちゃん(Ba)

フロントマン=AKIRAが持つ天賦のスター性は擦れることなく、一層磨かれ続けている印象だ。
アイコンタクトを取ることでメンバーに笑顔が伝染し、その好意的な攻撃性がフロアにも伝わった「DINER」では拡声器を取り出して、グラマラスな側面も見せつけた。

「まみれた!!……死ねーーー!!」と叫ぶAKIRAの表情はその言葉に似つかわしくないほどにピュアな瑞々しい顔つきだった。


大いなるリスペクトがあるから、吐くべき言葉を間違えない。

刹那に疾走することでセンチメンタルさが胸を打つ「放射冷却」に入る前に「どんだけ冷たい夜だって、寂しい夜だってアンタは独りじゃない。…Z CLEARやまみれたがいるだろ?しっかりついてこい!」と吼えた。


連戦が続くなかで決してベストコンディションではなかったが、そんなときこそバンドの根源で立ち向かう様は、まさしく次代を担うに相応しい存在感と言えるだろう。

ティンカーベル初野


▲ティンカーベル初野

3番手として登場したティンカーベル初野は正直めちゃくちゃだった。


前回に続く出演となった初野。バンド枠ではない本イベント唯一の出演者らしく、アリアナ亭グランデと名乗ったかと思えば、前回同様に茶封筒・らすてぃーをサプライズで呼び込んでの「初恋サイダー」(Buono!カヴァー)に「喧嘩 feat.らすてぃー」とやりたい放題となった。

▲らすてぃー(茶舞踏)


色々な十字架以上に歯止めの効かない詩世界は崩壊していて、オーディエンスからの「有名人~!」の黄色い歓声も相まって、後方で様子見状態だった層をも着実に巻き込んでいく。

「音楽に入り込み過ぎて前がわからなくなった」と語り、あさっての方向に向けてパフォームした「コンビニなのに100万円くらい買い物するババア」や、テイラー・スウィフトの「We Are Never Ever Getting Back Together」のサビを歌う場面もあったレア曲「私たちは絶対に絶対に席を譲ったりしない」とハイライトの応酬となった。

「システムがわからないジジイとババア」ではレザージャケットでキメたイトウリョウもまさかの乱入!狂喜乱舞と化したことは言うまでもない。

▲イトウリョウ


「こういうイベントを開催できて嬉しかったです。またお越しください」と謎の主催者的視点で静かに語ったらすてぃーも他ジャンルながらこの「バトルキマイラ」を象徴する存在になっていることが興味深い。

ラスト、Xジャンプも飛び出す「祖父母の家行くとすたみな太郎くらいメシ出てくる」で会場をさらにカオスに盛り上げる。
初野がまみれたをリスペクトしているからこそ、めちゃくちゃに荒らすことを使命として全うした。


余談だが、「私たちは絶対に絶対に席を譲ったりしない」の照明要望書には「テイラー・スウィフトっぽく。テラスハウスみたいなイメージで」と謎の言葉が記されていた。


まみれた



まみれたは登場するだけでその場の空気をすべて変えてみせた。
会場やイベントによって彼らのやることに変わりはない。ひたすらにまみれたをやる。それこそが彼らが標榜する“床下”への入り口だ。


半狂乱になりながら「殺してみろよ!」とのたまう伐(Vo)は創られた暴力性ではなく、すぐ隣に潜む狂気を感じさせる。ノイジーでラウドな音像をひたすらに叩きつけるが、それが通り一辺倒ではなく、照準を合わせ急所を突くようなものだからこそ、不思議と心地よくもある。

この会場との相性の良さも顕著で、よりドープになった印象すらある「もしもし」、さらには「泥眼、Z CLEAR、ティンカーベル初野観に来たんヤツ、殺しにきたんだろ?死ぬのがこわいか?かかってこい!殺してみろ!!」と襲い掛かった「だるまさん」、「指名手配が指名手配」ともはや手がつけられない状態に。

▲伐(Vo)

▲隆世(Gt)

▲かる。(Ba)

▲森田(Dr)

途中、客席後方で観覧する初野とコミュニケートし「いつか俺とティンカーベル初野さんで漫才やるんで!」と、ここではひととき戦友の絆を見せたものの、それ以降は最後まで容赦ない轟音と強烈な叫びの応酬で完膚なきまみれたを叩きつけた。

「歯向かってきたバンド殺してやるからな!」
「楽屋でスパスパ煙草吸ってんじゃーねよ!殺すぞ!」

と吐き続けると「これが本気で世の中嫌ってるヤツの音楽だ!わかるか?それがすなわちヴィジュアル系だ!」と叫んでバンドの意志を体現する。
そして、勢いのまま雪崩れ込んだ「お邪魔します」、ラストの「隣の席の卑猥ちゃん」で圧巻のフィニッシュを迎えた。


シリーズ第3弾を終えた「バトルキマイラ」。
この日に全勢力をぶつけてくるバンドの熱量、そして負けたら失うものが大きすぎるヘッドライナーの意地が交錯し、一層独特のイベントとして熟してきた。
とりわけ、まみれたは破壊者体質でありながら、根絶やしにすることに終始せず意志の共鳴を促した。それはネクストフェーズに突入したことの証でもある。
本イベントの今後も楽しみにしていてほしい。

そんな「バトルキマイラ」シリーズは拠点となる大塚Hearts+にて1月19日・20日・21日の3夜に渡って開催される。
それぞれ、KAKUMAY、ヤミテラ、CHAQLA.がヘッドライナーを務めることがアナウンスされているが、どのような下剋上が起きるのか注視することを強くおススメしておこう。

Photo:ナカムラタクヤ
Text:山内 秀一

SET LIST

<泥眼>

夢視ル泥人形
教典
心中
Paraiso
零れた蜜
ユビキリ
僕なんて


<Z CLEAR>


お邪魔します(まみれた cover)
八丁左回り
JUNKIE
KISS
ミサンガ
ぶちROCK
DINER
放射冷却
八丁左回り


<ティンカーベル初野>

挨拶
裸なのです
コンビニなのに100万円くらい買い物するババァ
私たちは絶対に絶対に席を譲ったりしない
初恋サイダー(Buono!カヴァー) feat.らすてぃー
喧嘩 feat.らすてぃー
システムがわからないジジイとババア feat.イトウリョウ
祖父母が家行くとすたみな太郎くらいメシ出てくる


<まみれた>

猫になりきれなかった犬
死因:無視
もしもし
だるまさん
指名手配が指名手配
死因:暮らし
死因:被害妄想
お邪魔します
隣の席の卑猥ちゃん

バトルキマイラvol.4~KAKUMAYをぶっ殺せ!~

2026年1月19日(月) 大塚Hearts+
OPEN18:00 / START18:30

KAKUMAY
黑猫
鮮血A子ちゃん

バトルキマイラvol.5~ヤミテラを調教しろ!~

2026年1月20日(火) 大塚Hearts+
OPEN18:00 / START18:30

ヤミテラ
Z CLEAR
ソラナキ

バトルキマイラvol.6~CHAQLA.を脅かせ!~

2026年1月21日(水) 大塚Hearts+
OPEN17:30 / START18:00

CHAQLA.
BLAZE
赤い幽霊 and more…!!

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<全公演共通>

前売り(税込);一般 ¥4,500、未成年(18歳未満) ¥500 / 当日券(税込): ¥5,000 
・オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要 

2次先行抽選
受付期間:12月6日(土)12:00〜12月14日(日)23:59
https://eplus.jp/battlekhimaira/
※一般発売
12月27日(土)10:00~

関連リンク

◆まみれた Official Web Site https://mamireta.ryzm.jp/
◆まみれた Official X https://x.com/mamire_official
◆ティンカーベル初野 Official X https://x.com/josinohimitsu
◆Z CLEAR Official Web Site https://zclear.ryzm.jp/
◆Z CLEAR Official X https://x.com/Z_C_OFFICIAL
◆泥眼 Official Web Site https://deigan.jp/
◆泥眼 Official X https://x.com/deigan_official

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