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【ライヴレポート】バトルキマイラ~vol.5ヤミテラを調教しろ!~2026年1月20日 大塚Hearts+ ヤミテラを“調教”すべくZ CLEARとソラナキが集結した3DAYSの第二夜!

1月19日から21日まで大塚Hearts+にて3DAYSで開催された「バトルキマイラ」。
各日程ヘッドライナーバンドが、後輩バンドを迎え撃つラインナップとなっている。
DAY2はヤミテラをヘッドライナーにZ CLEARとソラナキが登場。
いずれのバンドもフックになるキャッチーさが共通項なだけに親和性は高いのだろうか…そんな予想の通りスイングした第二夜の模様をお届けする。



◆   ◆   ◆


ソラナキ



踏切の警報音が鳴り、それがやがてLINEの着信音のようなものに切り替わるSEは、のっけから不穏なムードを漂わせた。
ステージ後方には“見世物地獄”と書かれた掛け軸のような幕が配されている。
トップバッターは本シリーズ初登場のソラナキだ。
「調教してやるよ!」と挑発すると、わらべうたのような雰囲気をもつ「腐れ外道の福笑い」から始まった。


ソラナキは亡(Vo)の独特な高い声色を武器として携えているが、華奢なシルエットから想像もできないシャウトもぶちかます。
卓美(Ba)のジャジーなソロと炉亜(Gt)レトロなソロを爽やかな調べで包む「相靉傘」と、冒頭からソラナキの世界観に会場を染めあげた。
扇子が舞った「天邪鬼」、振付を用いた「片思い」と曲ごとに楽しませるギミックが用意されていることも印象深く、活動初期にステージ上の装飾をふんだんに使ってパフォーマンスしていた姿が思い起こされる。それと共にたしかな進化は明白で、無駄な力感がないのに出力と華があるあたりは、この日のヘッドライナーに通じる箇所もあるのかもしれない。

「ここまで飛んでこい!大塚!」と煽った「嘘×chu=リップ」では、跳ねるビートが力強く迫りくる。小気味いいサビもキャッチーで、亡の歌声の存在の強さを感じさせた。


ソラナキは各パートが、唄/電気高音弦/電子低音弦/太鼓…と割り振られているが、太鼓を担う八雲のパワーは並ではなく、リハーサルの時点でスティックが折れるほどだった。

「死ぬ気で全員かかってこい!」と好戦的に応じたラストの「恋は劇薬」まで全9曲を披露。


最後の一音まで名残惜しく、かき回しまで力を込めたソラナキ。八雲のスティックは砕け散り、その破片はステージに飛び散った。

和の要素を主軸に亡の声質を活かすスタイルはやはり特異で、解散が決定したことが惜しまれるが、最後の日まで駆け抜けてくれるだろう。

Z CLEAR



同シリーズで存在感を高めてきた、広島出身の4人組バンド=Z CLEARが今夜の2番手だ。
上京してまもなく2年を迎えるが、そのストイックな性格からも成長は著しく、昨夏にはXANVALA、ミスイが所属するPARAGUAS inc.への所属も発表された。

幕の向こうから威勢のいい掛け声が聞こえてくると、暗転し、ゆっくりと幕が上がる。

オープニングは最新曲「束孤」。AKIRA(Vo)がアコギを弾く「束孤」は冬の季節を嗅ぐわせる物憂げなナンバーだ。
バランスと抑揚をつけることで、サウンドがドラマティックに昇華される。目線や仕草のひとつひとつも楽曲の世界観を想起させるように情景的だ。はじめからいきなり奥行きを見せつけたが、ここからは一気に対決姿勢に転じる。


「やるぞ!やるぞ!しっかり楽しませてやるよ!」と叫んだ「JUNKIE」、ハードながらセンチメンタルな旋律が光る「ミサンガ」と畳みかけた。
シングル『Che.』収録の「Smoker」ではAKIRAがタバコを咥え、続いたハードロークチューン「Drinker」においては「まだまだ飲み足りねぇな!」とハイネケンの瓶を取り出す。


選曲も“タバコ”に“酒”と中盤ではサグなモードでも遊び心を感じさせた。
メンバー同士も密にアイコンタクトを取りながらグルーヴを高める、このあたりの茶目っ気は連戦を重ねたことによる、バンドの余裕ともいえるだろう。


「キマイラって限界を突破するイベントなんだよ!」と雪崩れ込んだ「ぶちROCK」、大暴れナンバー「八丁左回り」で終演…かと思えば、「まだ時間あるらしいぞ!やっちまおうぜ!」と同曲をなんと5回もプレイ。

最後は時間いっぱいで、強制的に幕が閉まることになったが、瑞々しいパッションのもと進化を続けるバンドの現在地を知らしめるには、十二分なステージだったように思う。


同郷のメンバーを中心に結成されたことにシンパシーを感じたというヤミテラに対し、敬意を持ってバトンを繋いでみせた。


ヤミテラ



昨年8月に結成8周年ワンマンを恵比寿リキッドルームで開催したヤミテラ。
先述したZ CLEARのAKIRAの発言のとおり、同郷を中心に結成されたバンドは、一度のメンバーチェンジも挟むことなく、ここまで走り続けている。
とりわけ昨年は精力的で、新たなカラーをみせたフルアルバム『玉砕メーデー』をリリース後も、シングル『調教カルティズム』を放った。

そんなヤミテラの2026年を占う一戦は「PARADOX」からスタート。


登場のSEの時点で歓声の音量がグッと高まったが、RiNa(Vo)の芳醇な歌声の厚みと扇動力はそれをさらに加速させていく。
「玉砕メーデー」ではアンチテーゼを発しながら、それだけではなく背中を押すメッセージを届け、前傾姿勢でこれでもかと煽り倒す。


「やるぞ!声出せクソ野郎ども!」と挑発した「BLACK OUT」ではShuKa(Gt)のタッピングも冴え渡った。RiNaは以前、「BLACK OUT」はギャンブル用語をもとにした詩世界をメッセージに落とし込んでいると語っていたが、“選び抜く2択 掴み取る美学”と真っ直ぐに問うてくる様は、実にヤミテラらしい。


「調教カルティズム」もこれまでになかった毛色の一曲だ。各パートのバランス感覚が抜群で、じゅんじゅん(Dr)が操る抜けのいいビートに、エロティックなリリックをなぞるようにスリリングな蘭樹(Gt)のソロや湊叶(Ba)のスラップもフックとなる。


「ライヴを重ねていくうちに、どんな言葉を君たちにかけるべきか考えるようになったんだよ。全部忘れてこの時間だけ楽しもうぜ!…って、一見良い言葉に思えるけど、すごく残酷で。この時間が終わったら、忘れてたものが蘇ってくるじゃない?それって音楽を作るアーティストとして違うと思ってて。現実から逃げた先に幸せはないと思ってるんだ。現実と向き合ったその先に幸せはある。だからこそ、おかれてる現実と向き合って、それを乗り越えられるようなライヴ、時間をあなたと過ごしたいと思ってます!」

RiNaが想いの丈を伝えたのは「金木犀」。ShuKaのリードから入る展開も、この思いを受け取ったうえで聴くと一層ドラマティックだ。

情熱的なRiNaの言葉を届けるために、楽器隊は驚くほどクールに振る舞う。各々が持ち場を相互理解し、信頼し合うことで成立するステージは一朝一夕で成し遂げられるものではない。彼らのライヴには質実剛健という言葉が似合う。


リリース当初は意外性に驚かされた「わっしょい!!天界道中記」は、バンドの意志を体現する爆上げパーティーチューンとして押しも押されぬ存在になっているし、音楽は数学のように明快な方程式があるもではないと教えてくれる。

まさに“限界突破修羅の果て”の如く、盛り上げると「帰りたくねーよ!また、いくらでも受けて立つからよろしくな!」と後輩たちへのメッセージも伝え、「前線敬礼歌」で観客を笑顔にさせてライヴを終えた。

それぞれのバンドがそれぞれの立場でこの日に刻むべきことを刻んだDAY2。
振り返ると、ライヴは楽しいもので、ライヴハウスはそういう想いが集まる場所だということを再確認させてくれた。
限られた一期一会の時間に、何を持ち寄るかで味が変わる。前夜とは趣向が異なることでシーンの多様性も感じられる3時間だった。

Text:山内 秀一
Photo:近藤 晴香

SET LIST

⚫︎ソラナキ

腐れ外道の福笑い
相靉傘
天邪鬼
片思い
天誅やばみちゃん
指切り
嘘×chu=リップ
御呪い
恋は劇薬

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⚫︎Z CLEAR

束孤
JUNKIE
ミサンガ
Smoker
Drinker
ぶちROCK
八丁左回り
八丁左回り
八丁左回り
八丁左回り
八丁左回り

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⚫︎ヤミテラ

PARADOX
玉砕メーデー
BLACK OUT
調教カルティズム
金木犀
夕闇
くだらね世界
わっしょい!!天界道中記
前線敬礼歌

関連リンク

◆ヤミテラ Official X https://x.com/yamitera_
◆Z CLEAR Official X https://x.com/Z_C_OFFICIAL
◆ソラナキ Official X https://x.com/Soranaki_off

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