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「DEZERT PARTY Vol.18」2月27日 東京キネマ俱楽部開催前にDEZERT・千秋、Royz・昴、甘い暴力・咲による13000字ボーカリスト鼎談実現!___「俺たちは悩める3バンドだと思う」


マジでここを抜け出そうぜっていう気持ち



────さっきもチラっと話がでましたけど、千秋さんと昴さんが意気投合した時期の話も訊かせてください。

昴:コロナ禍が明けたぐらいに再会したんですよ。お互いにそれなりにこのシーンにいるから、昔から知ってはいたんだけど、ひょんなタイミングでバッタリ。そのときのDEZERTは大きい会場でもバンバンやってて、バンドマンからしたら、最も勢いあるバンドっていうのはみんな共通の認識だったんです。自分のバンドは、そんなに上昇気流に乗っているわけでもなくて、“このままでいいんかな?”って思ってて。そんなタイミングで久々に千秋と話をしているなかで、当然バンドの話題にもなるでしょ?それで、バンドの話になった途端に、くだらない話をしているときとは違って…本人がいるとこで言うのもアレやけど、すごくかっこよく見えてしまったんだよね。同じ4人バンドで年齢もそんなに変わらないのに、こいつらにできて俺らにできひんことあるかって、自分にムカついて。そこからふつふつとした感情が沸き上がったことが、自分が変わっていくきっかけにもなった。

────もともとあった感情に着火される刺激があったんですね。

昴:それからちょこちょこ誘ってくれることが増えて。野心が芽生えたよね。俺ってそんなタマか?Royzのボーカル昴やぞ?もっとできるやろ!ってスイッチが入った。俺は何を燻っとんねんと。

────親友として千秋さんから見て、昴さんひいてはRoyzってどう変わっていったような印象あります?


千秋:バンドと音楽性自体は変わってない。わかりやすい劇的な変化とかじゃなくて“やるんだ!”っていう気持ちの部分かな。これが一番難しい。やるべきことをやるっていうことの難しさって、年数を重ねるほど痛感するわけですよ。好きで応援してくれているファンもいるし、どんどん保守的になるだろうしね。でも、つまるところ、なんでライヴしてんねやろ?っていう理由が大切で。今のファンを喜ばせるだけなら、いくらでもできるけど、ライヴってそういうことじゃないから。

────SNSでのバズりとか、広告も話題になったけど、なによりメンタリティに変化を感じたんですね。

千秋:Royzは昔からいいバンドやったけど、“じゃあどうなりたいん?”っていう部分がなかった気がしてて。それは対バンが少なかった環境もあるんだと思うけど、昴とよく飲むようになってから、どんどんRoyzとしてどうなりたいかって像が明確になっていったんだよね。それはさっき言った“やるんだ!”っていう一番難しい部分と、昴がしっかり向き合ったからだと思う。どうなりたいかっていうものができて、覚悟が決まったんじゃないかな。

────千秋さんはやたらめったら交友関係が広いタイプではないじゃないですか?そこで昴さんと意気投合したのは何故だったんでしょう?

千秋:それは同じ時代を戦ってきたから。そういう自覚がある、俺たちは。DEZERTが池袋Black Holeでやってる頃に、Royzはすでに赤坂BLITZをやってたりと、ずっと意識はしてましたよ。今のバンド歴だけでいうと、甘い暴力が一番短いけど、その前もバンドをやってただろうし、この世代ってめっちゃムズいなって思う。

────ムズい?

千秋:ヴィジュアル系って、もしかしてカッコ悪いものなの?っていう時代を生きてきてしまっている世代やと思ってて。俺らが思い描いてたものとは全然違うというか。アイドルっぽい存在になってきている時代を生きてきたんです。でも、俺ら、ちゃうよね?って話で。咲くんが言ってたみたいに、良い曲書いて、良いライヴする。そのためにバンドをやってるわけやから。そんな葛藤の時代を生きてきてるなかで、なんだろうな…上から目線になっちゃうかもしれないけど、やっぱり頑張ってほしい。昴に関しては、ずっと前から武道館を実現するって決意してたし、甘い暴力の内情はわからないけど、もうそういう実力はある。だから、それぞれ頑張ってほしいわけよ。

咲:ほんま頑張ります。

千秋:だからさ、ダークホースっていうのももうやめようぜって、俺思うの。人気も実力もめちゃくちゃあるの、もうバレてるから。そのスタイルでやってきたのは知ってるのよ。でも、もうそろそろいいんじゃない?最先端走ってますって顔でバンドやって。俺らも人のこと言ってる場合じゃないし、このままじゃあかんと思ってずっと活動してるし。みんな似てるよな、DEZERTもRoyzも甘い暴力も。俺たちは悩める3バンドだと思う。

────羨まれる存在である一方で、先頭で向かい風をダイレクトに浴びながら走っているからこそ、感じることもあるように思います。

千秋:後輩からしたら、そんなことないって思うんやろうけど、俺らが一番悩んでるんちゃうかな。人気バンドだとか言われても全然ピンとこうやん。いやいや、全然全然こんなもんちゃうし、もっと上にいくにはどうしたらええんやろって悩みが付き纏ってる。それが一番色濃く出てるのがRoyzと甘い暴力だと思う。だから俺は心の底からRoyzの武道館も成功してほしいし、甘い暴力もさっさと武道館やったらいいと思う。武道館じゃなくて、いきなり横浜アリーナでもいいし。俺たちもっと上に行きたいよな。マジでここを抜け出そうぜっていう気持ち。

咲:めちゃくちゃわかります。めちゃくちゃ悩むし。

千秋:悩むよね。

咲:僕らも最初は色物みたいに見られてたけど、それはどうでもいいんです。こっちがちゃんとした音楽やってかっこよかったらええことなんで。あと、媚びれないっていうか、媚びることが嫌いなんですよ。売れてる人とか先輩と仲良くなってイベントに誘ってもらおうみたいな処世術ができないタイプやから、ひたすら音楽をやるしかないんですよ。上手くてかっこよかったら、バンドに付加価値をつける必要もないし、“あのバンドヤバいらしいで”って評判が勝手に広まっていくのが正しいと思う。そういう状態にずっとなりたかったんです。


────だからこそ、今回声をかけられたことに意義がある。

咲:DEZERTとRoyzみたいなラインナップに何かしらのラッキーで入り込めても、結局ライヴで打ち負かされて終わるだけですから。こんなライヴに出ましたっていう肩書きと思い出だけが残っても、そんなの恥ずかしいだけなんで、それ以上のものを当たり前に残さないと出る意味がないなって思ってます。こっちから2マンやりましょうってお誘いすることもあるかもしれないですけど、まずは先輩方から、甘い暴力はなんぼのもんか見してくれへんか?って言われたいって気持ちがずっとあったんですよね。

昴:それは俺もDEZERTとかキズに対してずっと思ってたことかな。なんなら甘い暴力に対しても。上を見上げては、俺らはまだその世界観に入れてもらってないんや、悔しいなってずっと感じてた。

咲:結局、やっぱり現場でものを言わすのが一番なんですよ。…って、性格悪いことばっか言ってるんですけど(笑)。

千秋:認めてるやん(笑)。でも、わかってるの。“おいDEZERT、甘い暴力をナメなんよ?”って感じでくることは。

咲:そんなことないです。ただ、昔よくあった仲良しこよし2マンとか3マンみたいなイベントはほんまに嫌なんですよ。身内だけでやってるような。

昴:わかる。今もあると思うで。

咲:今も全然ある。そういうのがほんまに嫌で。バンドや人としてリスペクトしてても、それでヌルい空気になるのは違う。やっぱりお互いのライヴで語り合うのが一番早いんで、そこかなって思いますね。

────それこそ、昨年末のRoyzと甘い暴力の2マンツアーは、お互いに迎合しないことで、それぞれのスタイルの芯が通っている印象が強かったですよね。本数は4本でしたけど、一緒に周ってみてあらためて感じたことってありました?

昴:頭がいい人やなってことは、もともと重々理解してたんやけど、思ってたそれ以上に強力なバンドだなって印象になったかな。一緒にやる数日前から、ライヴに向かって気合いとピリピリ感が俺だけじゃなくてうちのメンバーからも漂ってたもん。

咲:それはうちもやで。本人たちのことは大好きなんですけど、やっぱりこっちもピキピキしてました。

昴:それぐらい負けられない緊張感のあるバンドだったな。驕ってるつもりなんてなかったけど、武道館を発表してどこか甘えてたんやろうなって、自分たちの帯を締めなおせる感覚があった。

咲:ステージで一緒に歌うとかはあったんですけど、見世物として“俺たち仲良くなった”みたいなことはしたくなかったというか。僕はRoyzのライヴも前々から観てたので、歴史が長いのに胡坐をかいてないがむしゃらなライヴをしてくるってわかってたから、マジで気ぃ抜かれへんって気持ちもありましたね。何カ月も前からそこに向けて入念にコンディショニングとかもめっちゃやってました。ここまで練習を重ねたうえで、動員ではなくライヴとしての評価がもし負けるんだったら、それが今の自分やって思えるところまで追い込みましたね。

昴:俺も、対バン相手のお客さん奪うってことを15年以上繰り返してRoyzは今ここまできたんやなってことを、再確認させてもらえる機会になりましたね。忙しすぎてそんなに会話はできなかったけど、どんなことを考えてライヴに挑んでるかは伝わってきたし、やっぱり間違いないバンドだなと。


────そういう感覚は久々なんじゃないですか?

昴:そうやね。あと、俺らのファンにとっても刺激的だったんじゃないかな?Royzはもともと対バンが多いバンドじゃないからこそ、去年はDEZERTとも甘い暴力とも2マンがあって、感じることがあったと思う。

────2022年11月にDEZERTと初めて2マンしたときも、そう感じたっていう話がありましたね。

昴:負けられない刺激もあったし、うちはファンと一緒に悔しさも共有してきましたね。あ、そういえば、あの2マンも東京キネマ倶楽部か。

────たしかに。そう考えると歴史が生まれてますね。

昴:凌ぎを削ってきた結果として、そうなれた。Royzってどこかしらチャラい印象を持ってる人もいるみたいなんやけど、ライヴバンドとしてどれだけのことをやってきたかが形になってる自信がある。でも、甘い暴力との2マンはしんどかったなぁ。

咲:しんどかったですね。

昴:さっき言ってくれたように、バンドのカラーは混ざらなかったけど、信念は一緒だなって確かめ合えた。まぁ、ハードな闘いすぎて、またすぐやろうって思わんけどなぁ(笑)。

咲:またすぐやりましょ。

昴:やろうか?でも、あのしんどいぐらいの刺激は、DEZERTにとっても喰らうところがあると思うで?DEZERTとも甘い暴力とも2マンした側やから、そういう立場で観れるのも俺らしかおらんと思ってるし、そこも今回の楽しみの一つでもある。

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