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全公演SOLD OUTのKHIMAIRA 3DAYS最終日。2025.06.15池袋EDGE◆NICOLAS、CHAQLA.、まみれた、MAMA.、ヤミテラ、鮮血A子ちゃんが築いた最狂のブランニュー・アンダーグラウンド

6月13日・14日・15日に池袋EDGEにて開催されたVISUNAVI Japanの主催イベント『KHIMAIRA』。
全日ソールドアウトとなった狂乱の3日間を締めくくる最終日の『vol.9』には、CHAQLA. 、MAMA.、NICOLAS、ヤミテラ、まみれたと、『KHIMAIRA』に血肉を与えてきたバンドたちが集結。
さらに『バトルキマイラ』で鮮烈なインパクトを残した鮮血A子ちゃんをオープニングアクトに迎えた。
果たして、どんな異形の獣が生まれるのだろうか。

鮮血A子ちゃん



と思いきや、始まったのは『KHIMAIRA』ではなく『ライオン』だった。オープニングアクトを務める鮮血A子ちゃんの滅多刺しひろくん(Vo)は、ステージに登場するや否や「派手にやれ。お前ら、キマイラじゃねえよ!ライオンだよ!」と支離滅裂に投げかける。

▲滅多刺しひろくん

怨念をそのまま音塊に変えたようなリフは一曲目「凌遅あやめちゃん」。


スクールバッグを背負ってリボンのカチューシャを被ったひろくんは、絶叫とボイスチェンジされた歌声でATフィールド全開。誰の共感も許さないまま、殺意を撒き散らしていく。

フロアは熱狂する前方とドン引き気味の後方にセパレートされてしまっているが、逆説的に言えばその溝の深さこそが彼らの表現の鋭利さの証明だろう。

▲墓荒らしあさひ

▲千吊まるこ

▲硫酸風呂天命

「お前らもっと野蛮になれよ!」と煽ると、「3年5組の特異点」でフィニッシュ。とびきりポップなサビから、ブレイクダウンで地獄へと叩き落とす。


ああ、僕らの青春もきっとこうで、直視できないほどの眩しさとグロテスクさが同じ教室にぐるぐる渦巻いていた。鮮血A子ちゃんは、ノスタルジックだけどリアルだ。楽器隊が去った後、ひろくんは一枚、また一枚と服を脱ぎ捨てていったが、間一髪のところで幕が下ろされた。

ヤミテラ



ややカオスな空気に包まれた会場に登場したのは、5月21日に1stアルバム『玉砕メーデー』をリリースしたばかりのヤミテラ。


早速披露されたその表題曲「玉砕メーデー」は、ヘヴィなバンドアンサンブルの中、必殺技のように要所で繰り出されるエレクトロサウンドが効果覿面だ。続くは「PARADOX」。突き抜けるハイトーンボイスと獰猛なグロウルを操りながら自在に観客を指揮するRiNa(Vo)は実に頼もしく、オーディエンスも安心して身を委ねているようだ。艶やかにスウィングする「レビトランス」でのマイクスタンドさばきも目が離せなかった。

▲RiNa

後半はライヴ特化ナンバーで一気にボルテージを高めていく。「南無阿弥踊」は目まぐるしく展開していくが、その中でもバンドの体幹は決してブレない。

▲ShuKa

▲蘭樹

▲湊叶

▲じゅんじゅん

「反逆行進曲」では、RiNaの「俺が勝負してやるよ、かかってこい!」という言葉を合図に、辺り一面がヘドバン闘技場に。


どこまでも遊び尽くさせてくれるサービス精神旺盛なセットリストに、誰もが笑顔を隠せない。「バンギャとバンドで、目指すべきところを目指していきましょう」と、ラストは少年漫画的な王道バイブスの「わっしょい!!天界道中記」で全員をさらなるステージへと導いてくれた。

MAMA.



MAMA.のライヴはトラップメタル的な重みあるグルーヴが印象的な「WITCH??」「BLACK DOG.」からスタート。自然に、しかし自在に形を変える令和型ミクスチャーロックであっという間に激しくも哀しいMAMA.色の空気が会場を支配した。


ガバキックやグリッチも交えた多彩なビートから壮大なクワイアへと繋がっていく「僕は宇宙のゴミ」で、徐々に熱量が満ちていく。
「罪×罰」は、同期音+マイク一本のパフォーマンスと生演奏を交互に応酬。そのコントラストが、個の思いを増幅させるバンドという装置のパワーを痛烈に実感させてくれる。

▲真

▲JiMYY

▲かごめ

「曲を聴いて、あなたとの共通点みたいなものを見つけて、心の中に僕を入れることで何かを解決してください。MAMA.にはそういう力があります。辛い夜を乗り越えていきましょう」

曲中のあらゆるサウンドを泳ぐ姿に反して、命依(Vo)のMCはやや不器用な語り口だったが、それ故に嘘のない優しさが滲んでいた。

▲命依

その言葉は、ネイキッドな叫びと歌声を響かせる繊細なロックバラード「PINK MOON.」の浸透性をこの上なく引き上げる。現実から目を逸らして逃げるな。弱さを隠さない命依が発するからこそ意味を持つメッセージが、確かに心の奥に残った。


まみれた



内省的なMAMA.に対して、徹底的な戦闘モードを貫いたのがまみれただ。
あやしい緑のピンスポットライトが踊る会場、幕が開くと奇妙な笑みを浮かべて佇む森田(Dr)。
その森田の、スラミングデスメタルの如く乾いたスネアと鋭いキックが楽曲を牽引していく。

▲伐

「死因:暮らし」「ゴミ漁り純恋歌」とアグレッシブでメタリックなナンバーを連打すると、オーディエンスは折り畳み&ヘドバンで応答するが、伐(Vo)はまだまだ不満げ。


「教えて」で一度酩酊しつつ、「下半身中毒者」では「命削れ!命よこせ!」と物騒にアジテーションする。しかし、MCでは一転してギャップを見せる姿も。
「普段は社会に馴染むため、礼儀・モラル・義理人情を人一倍重んじて生きております。このステージだけが、本当の俺を解き放てる場所なんで」。
伐がバンドマンになってくれてよかった、と思わず胸を撫で下ろしたくなった。
「最高にポップなラブソングをお届けします」と紹介された「もしもし」と、続く「死因:わからん」では、光線銃のような隆世(Gt)のトーンがユニークだ。

▲隆世

▲かる。

▲森田

正攻法からトリッキーまで、様々な殺しのバリエーションを披露したステージは、「隣の席の卑猥ちゃん」で幕引き。


伐がフロアを闊歩し、異様な余韻とフィードバックノイズの中で4人は去った。



CHAQLA.



サウンドチェックでLimp Bizkit「Break Stuff」のリフを響かせていたCHAQLA.は、まさしく00年代ニューメタルへの憧憬を今日のヴィジュアル系に昇華させるバンドだ。
ヒップホップやレゲエの要素を織り交ぜたヘヴィなグルーヴ上で、ラップやKorn風のデススキャットも繰り出しつつ笑顔を絶やさないANNIE A(Vo)が陽性のムードを伝染させていく。

▲ANNIE A

うねりまくりのベースラインを奏でながらシンセベースも操り、シャウトコーラスもこなす鷹乃助(Ba)の貢献度には目を見張った。オーディエンスを座らせての強烈なブレイクダウンを繰り出したミクスチャーチューン「リーインカーネーション」、メロウな音色で一面にハンドウェーブを巻き起こした「この世の終わり」と、豊富なサウンドバリエーションが池袋の地下をカラフルに彩る。

▲kai

▲鷹乃助

▲Bikky

ライヴ中盤にはANNIE Aがフリースタイルラップを披露。出演バンドたちの名前をなぞりつつ、「今日一日『KHIMAIRA』 /出会えて良かったお前ら」と粋なライミングで特別な一夜をさらに盛り上げる。


続く「ミスキャスト」では、「『KHIMAIRA』で俺らが初めてじゃねえか!?」とはしゃぎながら、サークルモッシュを発生させた。


パンキッシュにツービートで駆け抜ける「未知への旅路」まで縦横無尽に音楽で遊んだANNIE Aは、「最高に楽しかった!」と屈託の無い言葉とともにステージを降りた。

NICOLAS



さて、いよいよ大トリの登場だ。その大役を務め上げたのは、昨年4月の第一回『KHIMAIRA』初日のトップバッターだったNICOLAS。

「曼珠沙華」の荒涼としたアルペジオから幕を開けると、SAKU(Vo)のシャウトを合図にさながらヘドバンの万華鏡が広がる。


その光景は圧巻で、幻想的ですらある。
「PERFECT FALL」ではイントロから一斉にハンドクラップが起こり、盛り上がりは最高潮に。
そして「怒濤ノ羊」と、とことんラウドな3曲で3日間のラストにふさわしい迫力を叩き付ける。

▲SAKU

一切の馴れ合いを許さないストイックなパフォーマンスと、わかりやすく煽らずとも付いてくるオーディエンス。そこからは、彼らが築き上げてきた確かな信頼関係が伺えた。

▲AKANE

▲SATSUKI

セットリストを折り返すと、ここからはシリアスなだけではないバンドの多様な側面を見せる。ダンサブルな四つ打ち楽曲「真昼の蜃気楼」「ブリリアントワールド」で、七色の照明がステージを、そして集まった一人一人をまばゆく輝かせる。

▲ZERO

▲HAYATE


巻き起こったモッシュが、会場を今日一番の一体感に包んだ。最後の曲は「遮断」。フロアを左右にわけたウォールオブデスで極まったカオスは、感動的なシーンよりもずっと、『KHIMAIRA』らしいクライマックスだったのではないだろうか。


長丁場であったことを忘れさせるほどに、刺激の満ちた6組がバトンを繋いだ『KHIMAIRA vol.9』。どのバンドも口を揃えて『KHIMAIRA』への賛辞とシーンの未来への期待を語っていたのが印象的だった。
恥を忍ばずに言えば、門外漢である筆者が「V系ってこんなに面白いのか!」と驚かされたのが、何より『KHIMAIRA』にとっての一つの成功なのではないかと、烏滸がましくも感じている。
本拠地・池袋EDGEからどこまでこの余波が広がっていくのか? まずは9月23日の『KHIMAIRA-the beautiful scum-』で、新たな怪物の誕生を目撃したい。



Text:サイトウマサヒロ
Photo:A.Kawasaki


KHIMAIRA-the beautiful scum-
2025年9 月23日(火・祝)
OPEN 15:15 / START 16:00
恵比寿リキッドルーム

【出演】
Verde/(SPECIAL GUEST) / mitsu(SPECIAL GUEST)
Azavana / KAKUMAY / CHAQLA. / MAMA. / まみれた

前売り ¥6,000(税込) / 未成年(18歳未満)¥500(税込) オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要 
▼2次プレオーダー受付 7/6(日) 23:59まで
【受付URL】https://eplus.jp/sf/detail/4166030001
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・枚数制限:お一人様4枚まで
・未就学児入場不可・営利目的の転売禁止
・複数購入の場合の同行者登録は不要
・公式リセールは不実施。分配可

関連リンク

◆NICOLAS OFFICIAL SITE https://nicolas-psycho.com/
◆NICOLAS OFFICIAL X https://twitter.com/NICOLAS_PSYCHO
◆CHAQLA. OFFICIAL SITE https://www.chaqla.com/
◆CHAQLA. OFFICIAL X https://x.com/CHAQLA_offi
◆まみれた OFFICIAL SITE https://mamireta.ryzm.jp/
◆まみれた OFFICIAL X https://x.com/mamire_official
◆MAMA. OFFICIAL SITE http://mama-visual.com/
◆MAMA. OFFICIAL X https://twitter.com/_MAMA_OFFICIAL
◆ヤミテラ OFFICIAL SITE https://yamitera.net/
◆ヤミテラ OFFICIAL X https://twitter.com/yamitera_
◆鮮血A子ちゃん OFFICIAL X https://x.com/senketsu37564

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