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【ライヴレポート】THE_PiTY.始動主催イベント「東京初期衝動」2026年1月25日赤羽ReNY alpha ユナイト、直、グラビティ、ヤミテラとゆかりのあるバンドに囲まれた記念すべき初陣!

THE_PiTY.による始動主催イベントが1月25日に赤羽ReNY alphaで開催された。
昨年3月に惜しまれながら活動を休止したi.D.Aのリゼ(Gt)とレン(Dr)が、その魂を引き継ぐことを誓って始動することが発表されたのは、昨年11月のことだ。
ゆう(Vo)と八火(Ba)を迎えての新たな一歩がどのようになるのか温かく見守る…そんな悠長なことも言わせないほどに、その初陣は鮮烈なものだった。
ユナイトと直がゲストとして、さらにグラビティとヤミテラも出演するとあって、実に豪勢なグッドラインナップとなった公演の模様をお届けする。



◆   ◆   ◆


ヤミテラ



トップバッターとして登場したのはヤミテラ。

レトロでフォーキーなメロディが映える「夕闇」から開幕したステージは、近年育てあげた「玉砕メーデー」、「レビトランス」と続けざまにアッパーな楽曲に彩られた。


抜けのいいドラムが牽引するシャッフル曲「レビトランス」では、RiNa(Vo)のマイクスタンド捌きとそのアダルティックな音色も相まってバンドの奥行を感じさせる。


MCではTHE_PiTY.のリゼとの関係を語りながら、“THEって読むの?読まないの?”と問いかけ笑いを取る場面も。

3月から始まるTHE_PiTY.による初主催東名阪ツアーにも全箇所参戦することが決まっているヤミテラ。始動ライヴのトッパーを任されたことに誇りと自信だけでなく、とにかく会場を温めるという役目を全うする姿勢が見受けられた。


そんな仲間の初舞台に花を添えるべく。後半は“こんなときにうってつけの曲があるんだよ!”と早くもキラーチューン「前線敬礼歌」を投入。

クールなのにその演奏と表情管理でフロアを手玉にとる楽器隊の存在感と、RiNaの熱血な発言と厚みのある歌唱のギャップはヤミテラのお家芸ともいえる。


キャッチーさとストレートなロックで訴求するバンド力は伊達じゃない歴史を感じさせるとともに、やはり楽曲の幅が広いのも特筆すべき点だ。

“俺らも9年やってるけど…長くバンドやれよ!2年とか3年で解散すんなよ!!”と叫んで雪崩れ込んだラストの「わっしょい!!天界道中記」まで、実直な想いをフロアだけでなく、バックステージで待機する仲間にまで届けて、ヤミテラはステージを去った。





2番手はゲストアクトの直だ。
DaizyStripperの上手ギタリストとしてダイナモ的な役割を担っている印象の強い直だが、ソロワークスも積極的で、この日も彼の後輩にあたるTHE_PiTY.のリゼと八火の熱いオファーに応える形での熱演となった。


お馴染みとなっている、ゲーミングミュージック調のSEの招かれてステージに上がったのは、威吹(Gt/ダウト)、メイ(Ba/DOG inThePWO)、Saya (Mnp/MELON SODA STUDIO)、うらら(Dr/電脳ヒメカ)。
最後に直が登場し、プレイされたのは「belief」。直のソロ楽曲はインスト的な要素が強く、ギタリストらしいテクニカルな早弾きも披露されるのだが、決してテクニック偏重ではない。あくまで楽曲の持つメッセージを届けることに注力している様が印象的であると共に、それが熱いパッションを持つ彼らしさでもある。


また、インスト的なプロダクトらしからぬ盛り上がりを生むのも印象的で、“全員で飛べるかい!”と煽った「相克と成長と螺旋」では直のシャウトに応じるように会場が揺れ、ヘッドバンギングも巻き起こる。

“みんなの鼓膜じゃなくて、魂に音楽を届けるからな!”と告げたとおり、聴くものではなく感じるのが直の音楽。

いくつものギターソロはサビの役割を果たしていて、そこに言葉がなくとも、情景や心象が浮かび上がるものとなっている。
終盤、サポートベーシストという役割に収まらないメイとツインヴォーカルをとる「黒と白=悪魔と天使」でアゲていくと、最後はギターを置いてハンドマイク1本でパンキッシュな「NOT ENDed YET」を届けた。


様々なミュージシャンとのコラボレーションでソロワークスを謳歌する直。余談だが、THE_PiTY.の八火もまた直のサポート経験がある1人でもある。
彼が放った“人生はまだまだ旅の途中”という言葉はこの日の主役だけでなく、誰しもに当てはまる。普遍的なメッセージを丁寧に紡ぎ、直は終始、情熱を迸らせた。



グラビティ



ゆっくりと幕が開くと後方のLEDビジョンには緑の煙にまみれたバンドロゴが投影される。
3番手はグラビティだ。これまでと一転してドープなムードが会場に蔓延する。
血塗れの白いウェディングベールのような衣装を纏った六(Vo)の“はじめようか東京!”と共に始まったのは「C4NDY」。後方の映像も幾何学的なものに切り替わると、会場の一体感もグッと高まる。


“マーキングしていいかな?”とフロアと自身にフレグランスを振り撒いた「プワゾン」では“また最初だけ誰かに愛されるの”と歌う。その歌詞からもサウンドからも焦燥感を駆り立てられるが、続く社会風刺的なメッセージで迫りくるミドルナンバー「笑う街」ではさらに退廃的なムードに浸らせた。


“今日、始動する友達にとって最高な日にしましょう!!”と手短かつ真摯に伝えると、ここからはラウドな音像でファストに畳みかける「D for U」、六の咆哮と厚みを増した歌唱が印象的だった「人生カワタニエン」とキラーチューンの応酬で走り抜けた。


グラビティにとって2025年はバンドの変革期であったことは周知のとおりである。
自身の体現すべき音楽性とこれまでの道のりとの間で葛藤した結果、導かれたステージは説得力を増した。それは端的な変化ではなく、アートワークの細部に至るまでこだわり抜いた姿勢が浸透してきたからともいえる。誤解を恐れず言えば、この夜に登場した5バンドのなかで、グラビティは最もダークネスな存在だった。
結成初期からの歴史を紐解けば意外とも思えるが、これは事実だ。


ラストは投影されたMVのなかで披露された「黒」。
激情的な展開で美しいメロディが揺れる。呼応するオーディエンスの合唱に包まれながら、グラビティはイベントに大きな余韻を残した。



ユナイト



トリ前を任されたのはユナイト。
この夜、2組目のゲストアクトということもあって、詰めかけたオーディエンスの期待値も高まる。
颯爽と登場とするなり“THE_PiTY.のお誕生日お祝いをしにきたユナイトです!”と希(Vo)が告げると、「灰色の心象へ胡乱の詩に軽い音」から軽快にスタート。そのメロディセンスと各パートのアンサンブルは絶品で、音の隙間までが味わい深く昇華される。


レアな選曲に歓声があがった「small world order」、チルな「液体の夜」と続くステージは、横に広い特殊な形状のフロアを余すところなく満たしていく。フロアの隅まで取りこぼさないといったメンタリティは、他バンドのオーディエンスをかっさらってやろうといった気概というより、THE_PiTY.へ少しでも良好なムードを繋いであげたいバンドの優しい気遣いが感じられた。


“穴が空いてる僕を夜で満たして”と歌う「液体の夜」に続くのが“心に開いた穴取り覗除きたい”と歌う「ノゾキアナ?」なのも憎いシナリオだ。

もはや新ヴォーカルという肩書も不要な存在である、バンド急上昇のキーマン=希はその芳醇な歌声が魅力だが、ハードナンバーになると、その愛らしいルックスからは想像もできないグロウルをも操ってみせるから手の付けようがない。


“血沸き肉躍るライヴはたまんねえなぁ~!”とノリノリで叫ぶと、ここからはアルプス一万尺の振付と裏拍で揺らす「sheeple cirQus」、「ice」、「イオ」とキラーチューンを連打。


“はじまりがあったら終わりがあるっていうけど、俺は…今日から未来に向かってバーッって羽ばたいていくTHE_PiTY.が、これからも今日来てくれたみんなとずっとずっと末永く一緒に音楽、ライヴを楽しめることを願ってます。終わらないっていうテーマを持ったバンドなんですよ、ユナイトって!そんな僕たちユナイトから最後に、またどこかで会えるように!って、この曲を届けて帰ります!”

そう叫んだラストは「ファンタスティック」。
ユナイトの結束と絆を体現した名曲は“そんな未来が訪れるって想像すらできないだろう?”と問いかけてくれる。
その想いとメッセージにラッピングされた煌びやかなメロディは、THE_PiTY.にとっても最高の贈り物になったに違いない。

THE_PiTY.



トリを務めるのはTHE_PiTY.だ。
デジタル色の強いSEに導かれて楽器隊のリゼ(Gt)、八火(Ba)、レン(Dr)が登場すると、このときを待ち侘びていたフロアのボルテージがまた一段と上がるのが伝わる。


シークレット出演を除けば彼らにとって初陣であるが、ここまで会場を温めてきたヤミテラ、直、グラビティ、ユナイトが4者4様のスタイルと言葉で、彼らへの期待を伝えていた好循環もあっただろう。能動的な空気のなか、最後にゆう(Vo)が登場するなり“THE_PiTY.はじめようか!手拍子は頭の上だ!楽しんでいこうな!”とEP『継接激情パレット』の序曲「自分“色”世改」を叩きつける。

とにかくキャッチーでストレート。前のめりなプレイは始動主催に相応しいもので、様子見であった層のオーディエンスも一気に巻き込んでいく。バンドの決意表明的な1曲は今後も名刺代わりになるだろう。
このステージでライヴができることが、とにかく嬉しくてたまらないことが伝わってくることも刺激的だ。


小気味良さとパッションが同居する「哀愁ブルゥーナイツ」でも、レンと八火のリズム隊が牽引するタイトなビートと、音色の主張が際立ったリゼのフレージングは冴え渡り、お世辞抜きでこれが初ライヴとは到底思えないクオリティである。
リゼとレンは昨年活動休止したi.D.AのDNAを継ぐ意味でも、中心的メンバーであることは前提として、華のある八火はリゼと対照的にクールさも見せつけながら一翼を担う。


そしてフロントマン=ゆうは堂々とした振舞いで、THE_PiTY.が何たるかを見せつけた。振付を導入する「モザイクフィルム」でも顕著だったが、その物怖じのなさだけでなく、ボーカリストとして聴き馴染みのいい高音と安定した歌唱は目を張るものがある。
始動準備期間のなかで劇的に歌唱力が向上したとのことだが、クセになる中毒性と訴求力の高い歌声はバンドの看板だ。
一見しただけであるが、感情豊かなレン、クールな八火、笑顔全開で謳歌するリゼの楽器隊はその個性が抜群。ゆうの立ち振る舞いからはポジティブなやんちゃっぷりも感じるが、曲中に早々に感極まり涙ぐんだりと、愛すべき悪ガキ感も溢れる。このあたりはキャラクター性をこれから噛み砕いていく必要があるとともに、またほかの機会に話を訊いてみたいところだ。

いずれにせよ、ふてぶてしくも笑顔溢れるステージとキャッチーな楽曲の応酬はそれだけ見応え抜群であったし、始動ライヴらしさと同じくらいの貫禄とポテンシャルも感じさせてくれた。


オレンジとブラックのチェックを基調にしたコスチュームしかり、スタイリッシュさも印象的で、ここからどう転がっていくのかに期待したい。

MCで、ここまで至った感謝を告げると後半戦に突入。
この時点で察することができたが、今宵のステージはEP『継接激情パレット』の曲順に沿う形で構成されている。
続いたのは「green syrup」。のっけから炸裂するセンチメンタルさと刹那的メロディに加え、ワイルドなリフをブリッジに用いる展開も明快で、このアプローチ力と勘の良さには正直なところ舌を巻いた。


“おら!全部よこせ!”とアジった「限界突破フラストレーション」では、リラックスした表情も見せる。1曲演奏するごとにイメージしていたものを確信に変えているあたりは、早くも大化けの予感だ。今夜の対バン相手のステージを思い起こせば思い起こすほどに、THE_PiTY.が秘めている可能性を感じさせられる。


昨今のシーンにおいてはいくたのバンドが生まれては、姿を消していく。
その代謝もいつしかバランスを崩し、解散を目にする機会が増えた。理想に現実が及ばないこともあれば、逆もまた然りだろう。
もちろんTHE_PiTY.の未来が安泰なんて保証もまったくない。ただ、この夜に4人がステージで確かめ合ったものは「東京初期衝動」というイベントタイトルに相応しいピュアなものだった。

ラストの「wonder×wonder」で、ゆうはすべてを振り絞るように歌いつくしたし、開けたポップな楽曲に寄り添うバンドサウンドは雄弁だ。


ゆうはとうとう歌唱に支障をきたすほど、嗚咽する場面もあったし、これに気がついたリゼがニヤつく表情も、この日に至るまで彼らが積み上げてきたものと、築いてきた関係値を感じさせる。
まだ、始まったばかりのバンドだからこそ、これから切り拓いていく道のり次第でどこまでも羽ばたいていけるだろう。素直にそう感じた。抜群のポテンシャルとパッションを随所に感じさせて、拍手のなかTHE_PiTY.の初陣は幕を降ろした。

THE_PiTY.の始動主催に胸を貸した4バンドと、その恩恵を享受することに留まらなかった主役。
各々のやり方でこの日を大切にし、紡ぎ繋いでいたことが印象深かった。

実にナイスなラインナップである一方で、これが打算めいたものではなく、あくまで信頼関係に忠実だったことも忘れ難い。

群雄割拠、野性のサファリに2026年最注目バンドが放たれた。

取材・文:山内 秀一
写真:折田 琢矢

SET LIST

⚫︎ヤミテラ

夕闇
玉砕メーデー
レビトランス
前線敬礼歌
くだらね世界
わっしょい!!天界道中記

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⚫︎直

belief
相克と成長と螺旋
Cream SO-DA
胸に宿すのは「不安」じゃなくて「勇気」だろ
ペンギンルーム
終わりは始まり、絶望のすぐ隣には必ず希望がある。
「黒と白=悪魔と天使」
NOT ENDed YET

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⚫︎グラビティ

C4NDY
プワゾン
笑う街
D for You
人生カワタニエン


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⚫︎ユナイト

灰色の心象へ胡乱の詩に軽い音
small world order
液体の夜
ノゾキアナ?
sheeple cirQus
Ice
イオ
ファンタスティック

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⚫︎THE_PiTY.

自分“色”世改
哀愁ブルゥーナイツ
モザイクフィルム
green syrup
限界突破フラストレーション
wonder×wonder

関連リンク

◆THE_PiTY. Official X https://x.com/the_pity_
◆ユナイト Official X https://x.com/official_unite
◆グラビティ Official X https://x.com/official_gravi
◆直 Official X https://x.com/_nao_official_
◆ヤミテラ Official X https://x.com/yamitera_

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