【umbrella・春(B)× メリー・ガラ(Vo)】先輩後輩の垣根を超えたふたりの語らいと、ガラからの語りかけにより生まれた“とても冴えた名案”とは……!

良き先輩後輩の間柄ではありつつ、理想的な好敵手同士でもあるということだろう。今年で<路地裏サーチライト>3回目の出演となるメリーは、今ちょうど25周年の節目を迎えた中となるが、その強い存在感はもはやこのイベントに欠かせない存在と言っていい。「ただの後輩じゃなく、本当にちゃんと噛みついてくるんで油断もできない。出るからには“かまさなきゃ!”って思うわけです」と不敵に笑うガラに対し、「主催をするからには、主催者が一番いいライヴをしないとダメ」と真摯に語る春。そして、なんとこの日の対談では、ガラからイベントの新たな可能性を切り拓く“とても冴えた名案”まで飛び出すことに。さて、その中身やいかに――。
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「なんか一緒にやれたらいいね」みたいに言ってもらえたのがすごく嬉しかった(春)
────来たる6月23日にumbrella主催のイベント<umbrella presents 路地裏サーチライト>が大阪・BIGCATにて開催されることになっておりますが、このたびはオーガナイザー側であるumbrellaの春さんと、当日出演されるメリーからガラさんにご登場をいただきました。メリーは一昨年、昨年と引き続いて3回目の参加ということで、もはや常連ということになりそうです。
ガラ なかば皆勤賞ですね。
春 最初に<路地裏サーチライト>が始まったのが12年前なんで厳密には皆勤賞っていうわけではないんですけれども。コロナ禍後は、毎回出ていただいてます。
ガラ 判定が厳しいな。皆勤賞でいいじゃん(笑)。
────ちなみに、ガラさんとumbrellaとのコネクションはどのように生まれたものだったのでしょう。今さらではあるのですが、ぜひ教えてください。
ガラ もちろん、umbrellaの存在は前から知ってたんですよ。うちのベースのテツさんが春くんと面識があって、音楽性の面でメリーと合うんじゃないかっていうところから、京都の磔磔で<魑魅魍魎2>(2023年7月22日開催)っていうツーマンライヴをやった時にumbrellaを呼んだんですけど、僕が春くんと初めてちゃんといろんな話をしたのはその時でした。でも、その前に春くんはうちのライヴに来てくれたことあったよね?
春 なんばの紅鶴でメリーがアコースティックライブをされた時に、初めてガラさんに挨拶をさせていただきました。名前は知ってくださってて、その時にもう「なんか一緒にやれたらいいね」みたいに言ってもらえたのがすごく嬉しかったです。

ガラ それでまずはうちのツーマンに出てもらって、そのあとに<路地裏サーチライト>(2024年10月24日・味園ユニバース開催)に誘われたっていう流れでした。
────なお、春さんとテツさんの間に面識があったというのはベーシスト同士でいらっしゃるというところからですか?
春 僕はMUCCのYUKKEさんに以前からとても良くしていただいてまして、これまでにはいろんなベーシストの方を紹介していただいてるんですけど、テツさんもその中のおひとりだったんです。
────なるほど。春さんからすると、もともとメリーというバンドに対してはどのようなご印象をお持ちでしたか。
春 僕、メリー好きやったんで、学生の頃にはCDを買ったりしてました。なんせインパクトがすごく強いバンドじゃないですか。LPサイズの音源とかも積極的に出されてて、ああいうのってやっぱりコレクター心をくすぐるんですよ。丸尾末広先生の作品をジャケットで使っていたりとか。曲もすごくいいし、たとえば『モダンギャルド』(2004年発売の2ndアルバム)で直接的に“戦争”っていう言葉を歌詞にしていたところなんかも、ヴィジュアル系ではけっこう珍しかったんじゃないかと思いますね。あと、個人的に僕は清春さんのことが大好きなんで、『現代ストイック』(2003年発売の1stアルバム)をFULLFACE RECORDS(清春氏の主宰するインディーズレーベル)からリリースしたことにも「やっぱりすげぇ!」ってなりました。
ガラ それ、初めて会って話した時に言ってたねぇ。
────ガラさんも以前からumbrellaの存在は認識されていたとのことですが、どのようなイメージで捉えていらっしゃったのでしょう。
ガラ テツさんから話を聞くまでは、アー写くらいしか見てなくて。でも、そのアー写を見た時から「こんな感じの音楽なのかな」っていうのが想像できるバンドでしたね。そして、そのあと春くんから音源をもらって聴いたり、実際にライヴを観た時にはヴィジュアル系っていう枠組みでは括りきれないような、またちょっと違う感覚も感じたんですよ。音楽のセンスとしてすごくいいなと思ったし、聴きやすかったというか。すんなりとumbrellaに対して興味を持ったんです。だから、すぐに「もし一緒にやれる機会があるんだったら、ぜひやろうよ」っていう言葉が出てきたんでしょうね。そこからはもう、トントン拍子でツーマンも<路地裏サーチライト>も決まっていったんですよ。

────その<路地裏サーチライト>から1ヵ月も経たない2024年11月7日には、メリー主催の<ラムフェス 2024>にもumbrellaが出演されたのですよね。
ガラ 僕、写真からだけでも「こんな音楽やってるんだろうな」ってわかるようなバンドが好きなんですよ。聴いてみてそのとおりだった時にはより好きになるし。umbrellaはメロディが綺麗で、歌詞も聴いてて風景や情景が思い描けるところがいいんですよね。
────では、そんなガラさんが<魑魅魍魎2>や<路地裏サーチライト>でumbrellaと実際に対バンしてみて感じられたのはどのようなことでしたか。
ガラ 歌モノが多くて聴かせるタイプのバンドなのかなと思っていたら、意外に攻撃的なところもあって結構尖ってるバンドなんだなっていう印象が強くなりました。
春 確かに作品だけを聴いてるのとライヴを観たのとでは、ちょっと印象が違うところあるかもしれないです。
ガラ もちろんumbrellaは音源で聴くのもいいんですけど、ライヴで観た時に曲がさらに完成される要素を持ってるというか、やっぱりアグレッシヴなライヴバンドなんだろうなっていう印象は受けましたね。
春 音源に関して言うと、曲を作ってる唯(umbrella・Vo)くんがJ-POP好きというのもありますし、特にシングルのタイトル曲なんかは“これぞシングル”みたいな雰囲気のものをメンバーもみんな好むんですよ。だけど、いざライヴってなるといろんなバンドと戦っていく中では、音源だと感じ取りにくい音圧とかでお客さんを楽しませるっていうことも醍醐味として重要になって来ますからね。umbrellaはそれぞれ楽器の音に対してのこだわりも強いバンドなので、そういう強みを活かしながらガラさんから「攻撃的」って言ってもらえたようなアプローチも意識してます。
全ての曲は僕らにとっての宝なんですよね(ガラ)
────メリーは今秋でちょうど25周年の節目を迎えることになるそうですが、ここまでキャリアを積み重ねて来られた中で、音源とライヴに対する棲み分けの概念というのはバンドの中に存在しているものですか。
ガラ 僕はメロディを作ったり、歌詞を書く時点でライヴで歌って披露する時のことをイメージしてるんですよね。むしろ、作品として残そうという意識で曲を作っているわけではないので、ライヴがないと曲も作れないくらいといいますか。そういうところがあるんですよ。まぁ、中にはずっとライヴでやってないものも数曲はあるんですけど、わりかし新旧どの曲もライヴでやってるほうかなと思います。
────アニバーサリーだから過去の曲を引っ張り出すというのでもなく、常態的にどの時代の曲も演奏してくださるのはファンのみなさんからすると嬉しいことのはずです。
ガラ 曲ってものすごい力を持ってるじゃないですか。ここ数年はいろんな先輩方が再結成されたり復活されているので、そういうライヴを自分が観に行った時にはキッズだった頃に聴いてた曲をやってると、もう一瞬で“その頃”の感覚を思い出したりするんですよ。そう考えると僕らもここまで25年やってきて、僕らにしか出来ない曲っていうものがたくさんあるわけで、スタンスとしては「昔の曲だからもうやらない」っていうよりも、逆にどんどん出していこう!っていう感じになってるんです。結局、全ての曲は僕らにとっての宝なんですよね。

────8月より<メリー 25th Anniversary LIVE -Many Merry Days- ONEMAN TOUR「Urbanstyle Circus」>がスタートし、11月7日にはヒューリックホール東京でのグランドフィナーレも控えているという記念すべきアニバーサリーイヤー。その中に6月23日の<路地裏サーチライト>も組み込まれていることになりますが、今回の打診がumbrellaからあった時にもメリー側は二つ返事で出演を決断されたことになりますか。
ガラ そうですね。僕らが大阪でライヴをやった時に唯くんが観に来てくれて、すでに「もちろん出てくれますよね」くらいの感じでしたし(笑)。「いやそれはもちろん出るよ」って返しました。
春 ありがとうございます!
ガラ ここはあえて“後輩のバンド”って言わせていただきますけど、近年なかなかそういうバンドで「メリーさん、もちろん出ますよね」っていう人たちいないんで。そういう意味ではすごく可愛い後輩でもありますし、ただの後輩じゃなく、本当にちゃんと噛みついてくるんで油断もできないですね。後輩とはいえ、完全にライバルとしてステージに上がれるところが面白いんですよ。
────春さんとしてもリアルに“ちゃんと噛みついていく”意識は強いですか?
春 イベントの主催をするからには、主催者がちゃんと一番いいライヴをしないとダメやろうっていう気持ちは当然あります。そして、去年の<路地裏サーチライト>の時にガラさんが最後の最後にこう言ってたんです。「このイベントは続いていくと思います。どんな形になろうと俺らは出続けるし、umbrellaがずっとこのイベントを引っ張って、どんどんバンド界を盛り上げていくと俺は信じてます」って。
ガラ かなり先輩っぽいこと言ったんだね(笑)。
春 だから僕は、あのガラさんの言葉を聞いた時点で「お、じゃあまた来年も出てくれるのかな」って思ってました。
ガラ 要するに<路地裏サーチライト>はそれだけ刺激のあるイベントだ、っていうことですよ。1回、2回と出てまた次あるんなら呼んで欲しいなと思いますもん。ただ、ここまで続けて出てるのは僕らだけなんで、僕らがそうであるように呼ぶ側としてもプレッシャーはあると思うんですね。それでも先輩後輩とか関係なく、ちゃんと今年もオファーをくれたのが嬉しいんです。やっぱり熱意を感じるので、呼ばれる限り毎回出たいと思いますし、出るからには“かまさなきゃ!”って思うわけです。



