【ライヴレポート】DIV主催<夏の行方FES2026 -TOKYO FINAL->11組がつないだ夏の終幕、笑顔と「またやろう」が示した答え

8月20日(木)、DIV主催のイベントツアー<夏の行方FES2026 -TOKYO FINAL->が、Spotify O-EASTにて開催された。
2025年に初開催された<夏の行方FES>。2年目となる今回は規模を拡大し、東京、神奈川、愛知、大阪、埼玉を巡る全6公演のイベントツアーとして開催された。
そのファイナルとなるSpotify O-EASTには、オープニングアクトを含む全11組が集結。
それぞれが異なる音楽と景色を持ち寄り、最後には出演者たちがDIVの代表曲「夏の行方」を歌い継ぐGRAND FINALEも行われた。
各地で生まれた出会いと熱を携え、今年の“夏の行方”が最後に辿り着いた一日をレポートする。
◆ ◆ ◆
1.ORSEAS
オープニングアクトを務めたのは、LUM.(Vo)、柳(G)、くろ(G)、GoH(Ba)、Seira(Dr)からなる5人組バンド、ORSEAS。
<夏の行方FES2026 -閃光花火STAGE->で逆転優勝を果たし、ファンの期待を背負ってSpotify O-EASTへの出演権を手にした。
大舞台へ挑む張り詰めた空気の中、LUM.が「オープニングアクトのORSEASです。イースト! 圧倒的に行きましょう!」と叫び、ライヴは「月影ラヴドール」から幕を開けた。

左右へのモッシュが生まれ、フロアを巻き込みながら勢いを加速させると、「静世界~新解釈ザ・ワールド~」では、サビに合わせて観客が一斉に“ファイティングポーズ”。
会場全体を臨戦態勢へと変えていく。そのまま激しく駆け抜けるかと思いきや、最後に選ばれたのは、幻想的なバラード「ECLIPSE」だった。
限られた持ち時間の中で、激しさと幻想性という対照的な表情を持つ3曲を選んだことからも、いずれも彼らにとって欠かすことのできない楽曲であることがうかがえる。

<閃光花火STAGE>を経て辿り着いたSpotify O-EAST。そのステージに立つ緊張を抱えながらも、ORSEASは現在の自分たちが持つものを余すことなく提示した。
この日感じられた張り詰めた空気も、そこで生まれた熱も、彼らがこれからさらに大きな舞台へ羽ばたいていくための一歩となったはずだ。
2.透明少女
本編のトップバッターを務めたのは透明少女。
彼らは昨年の<夏の行方FES-閃光花火STAGE->で出演権を獲得し、<夏の行方FES>の舞台へ進んだバンドである。
挑戦者として出演した昨年から一年。今年は前年の勝者として、新たな挑戦者を迎える立場となって<夏の行方FES>へ帰ってきた。
美しいピアノの旋律から始まる「雨と涙」でライヴの幕を開けると、透明少女の特徴でもある哀愁を帯びた切ないメロディに、nao(Vo)がメッセージを乗せて届けていく。

続く「読めない彼女」では、kousuke(G)とsakuha(G)のツインギターによるリフが絡み合い、フロアを透明少女の色に染め上げた。
楽曲を重ねるごとに自分たちの世界を深めていった彼らは、最後にバンドの代表曲「さぬきバックドロップ」を披露。
メンバーとファンが一緒になって“うどんをこねる”パフォーマンスが広がり、キャッチーな楽曲とともに会場を一つにした。

昨年、自らの手で<夏の行方FES>への扉を開いた透明少女。その先で積み重ねてきたものを、今年のSpotify O-EASTのステージで十分に見せつけた。
3.蛾と蝶
禍々しくも優雅なSEが鳴り響き、会場の空気が一変する。ステージに姿を現したのは蛾と蝶。
奈羽(Vo)の「はじめましょうか」という言葉を合図に、色彩を失った銀幕の奥から響いてくるような妖しいピアノとともに、「アゲハ」が始まった。
華やかさの奥に暗い影をたたえた、蛾と蝶ならではの世界が、音を重ねるごとに会場を侵食していく。

2026年6月に奈羽と藍珠(Ba)が加入し、新体制となった彼らは、3曲目に新体制初の楽曲「奈落ノ翅」を披露。
零(G)と楓(G)が繰り出す狂気を孕んだギターリフに、地を這うような藍珠のベースと、宏崇(Dr)の攻撃的なドラムフレーズが絡み合う。
そこへ奈羽の声が重なり、新たな蛾と蝶のアンセムと呼ぶにふさわしい景色を作り上げた。
新体制の始動から、わずか約2カ月。そう聞かなければ気づかないほど、ステージ上の5人はすでに一つのバンドとして強固に結びついていた。

妖艶で濃密な音像を積み重ねてきた彼らが、最後に選んだのは「雨宿り」。
それまで会場を覆っていた闇をすべて洗い流すような美しい旋律と、どこまでも広がっていくバンドサウンドが、深い暗闇の中へ一筋の光を差し込んでいく。
その余韻だけをSpotify O-EASTに残し、蛾と蝶は静かにステージを去った。
4.まみれた
続いて登場したまみれたは、整然という言葉から最も遠い場所で、自分たちにしか成立させられないライヴを繰り広げた。
その中心にいるのは、破天荒で予測不能な伐(Vo)。水を使ったパフォーマンスを受け入れるかどうか、
観客が表裏で意思表示できるうちわを配布するなど、自分たちの奔放なステージを守りながら、それぞれの楽しみ方にも目を向けている。
「誰がなんと言おうと俺たちは俺たち」
その言葉どおり、荒々しい音とパフォーマンスがフロアへ容赦なくぶつけられていく。

一見クールな姿からは想像できないほどの激情を爆発させる隆世(G)。かる。(Ba)は冷静な佇まいでフロアを見渡しながら、混沌とした音像の底を支える。
そして森田(Dr)は、正確なリズムと狂気を帯びた笑顔で、バンドのグルーヴをさらに押し上げていった。
中でも「お邪魔します」は、まみれたの名刺代わりともいえる代表曲。
予測できない展開も、制御しきれないほどの荒さも、彼らのライヴでは唯一無二の魅力として機能していた。

そして最後には、伐がギターの弦に手をかけ、そのまま引きちぎる。あまりにも突発的な行動に、客席が思わず息を呑む場面もあった。
最後の瞬間まで何が起こるか分からない。噂に違わぬ異様な姿を残し、まみれたは最後まで“まみれた”であり続けた。
5.ビバラッシュ
「踊らされた人生」から走り出したビバラッシュのステージ。開始早々、会場は激しいヘッドバンギングに包まれた。
サビの「踊らされて」という言葉に合わせて、ファンが思い思いに踊り出す。激しさと楽しさが同時に渦巻く、ポップでカオティックな空間がSpotify O-EASTに広がっていった。
るいまる(Vo)が「こんな最高なイベントに呼んでくれてDIVさん、ありがとうございます」と感謝を伝えると、2階席でライヴを見ていたsatoshi(DIV/Dr)が手を振って応える。

その姿を見つけたるいまるは、「satoshiさんも盛り上がってるんだから、みんなもアゲていくぞ」と、さらにフロアを煽った。
最後に披露されたのは「神ノミゾ知ル」。冬也(Ba)とパーミー(Dr)が楽曲のキメに合わせて“決め散らかし”、
幸村(G)は首が取れてしまうのではないかと心配になるほどの激しいヘッドバンギングを見せつける。
その全力のパフォーマンスへ応えるように、会場にいた観客も一斉にタオルを回し、Spotify O-EASTはこの日何度目かの大きな一体感に包まれた。

ビバラッシュの音楽には、そこにいる人を自然と笑顔に変えてしまう力がある。
明るく開かれた楽曲と、全身で楽しさを伝えるパフォーマンスは、出演者がそれぞれ異なる色を持ち寄ったこの日の中でも、ひときわ鮮やかな光を放っていた。
ビバラッシュはまさに、<夏の行方FES2026>に光を与える、太陽のような存在だった。
6.BabyKingdom
“ミュージックテーマパーク”をコンセプトに掲げるBabyKingdomは、ラテン調のリズムと情熱的な空気をまとった「CALAVERAS」からライヴをスタートさせた。
咲吾(Vo)の伸びやかな歌声を軸に、志記(G)のテクニカルなギタープレイ、もにょ(Ba)のうねるベースライン、虎丸(Dr)のワイルドなドラミングが重なり、カラフルな楽曲世界を確かな演奏力で形にしていく。
中でも、もにょのベースソロは強い存在感を放っていた。

10周年記念楽曲「ROYAL×FLASH」では、ハードロックの強度、ダンサブルなリズム、そして一度聴けば耳に残るキャッチーなメロディが融合。
親しみやすいサビで会場を巻き込みながら、楽曲の随所では各メンバーが惜しみなく高い演奏技術を披露し、BabyKingdomの持つ確かな実力を見せつけた。

最後の「FUNNY∞CIRCUS」が始まると、Spotify O-EASTは巨大なサーカス会場へと姿を変える。
異なる景色を次々と巡りながら、最後には会場そのものを“ミュージックテーマパーク”に変えて、BabyKingdomはステージを後にした。
7.THE MADNA
Vo.涼太/Gt.太嘉志/Ba.朋/Dr.理緒
THE MADNAのライヴは、パンキッシュなギターリフから始まる「OUTLAW」で開幕した。
一曲目から迷うことなくトップスピードへ到達するのが、THE MADNAというバンドだ。特に涼太(Vo)のエネルギーとスピード感は、ライヴという場所でこそ、その真価を発揮する。

太嘉志(G)の可愛らしい佇まいからは想像できないほど歪んだギターサウンド。独創的なメイクと存在感を放つ朋(Ba)。
その後方で涼しい表情を崩すことなく、クールにビートを刻む理緒(Dr)。それぞれの個性は一つの言葉に収まることなく、4人が揃った瞬間にTHE MADNAだけの異質な魅力へと変わっていく。
「HYSTERICAL」では、会場の盛り上がりがピークへ到達。この頃にはフロアの密度も最大に近づき、彼らのファンだけでなく、その場にいた多くの観客がTHE MADNAの熱へ引き込まれていた。

最後に披露された「BLUE STAR」は、それまでの激しさとは異なる、希望に満ちた楽曲だ。
「僕らの最後の夏が今、はじまるんだ」
その言葉は、この夏をともに過ごしてきたDIVとファンへ向けられたメッセージのようにも響き、客席には涙を流す姿も見られた。
激しさも個性も、最後に残す希望も。THE MADNAは自分たちらしいすべてをステージへ置き、鮮烈な余韻とともに去っていった。
8.Chanty
繊細なギターアルペジオに、激情を宿したリズム隊の音が重なる「-yureru-」。少々マニアックともいえる一曲を入り口に、Chantyのライヴは静かに、しかし確かな強度を持って始まった。
白(G)が奏でる、シングルコイルならではの鋭さを帯びたアイコニックなギターサウンド。
アルペジオやカッティングが繊細な輪郭を描く一方で、野中拓(Ba)は自由に歌いながらも主張を忘れない、深く歪んだベースラインを響かせる。
shota(Dr)は楽曲を確実に支えながら、そこにいるだけで目を引く存在感を放つ。
そこへ適宜差し込まれるヘヴィな音像と、芥(Vo)の感情を剥き出しにした歌声が重なり、相反する要素を一つの景色として成立させていく。

「アイシー」でも、その一貫した世界観は揺るがない。冷ややかな質感を持つフレーズの奥側で激しい感情が脈打ち、会場はChantyにしか生み出せない“冷たい熱”に包まれていた。
この日のステージには、もう一つの物語があった。
shotaは2016年までDIVのローディーを務め、後期のDIVを間近で見届けてきた人物の一人だ。彼とDIVが初めて出会った場所も、ここSpotify O-EASTだった。
DIVと出会った場所で、自身にとって初めてとなるSpotify O-EASTのステージへ立つ。それもDIVが主催するイベントでの出演という、長い時間が描いた円環のような一日となった。

イベントの進行が予定より早かったことから、satoshiの依頼を受け、最後には「やんなっちゃう」を急遽ワンコーラス披露するサプライズも。
最後まで自分たちの世界を崩すことなく、Chantyはステージを後にした。shotaにとって初めてのSpotify O-EASTは、かつてDIVと出会った場所で、新たな景色を刻む一日となった。
9.グラビティ
近年、音楽性を大きく深化させてきたグラビティ。この日のステージでも、その変化を一過性のものではなく、現在のバンドを形成する確かな核として提示した。
ライヴは「プワゾン」からスタート。モダンヘヴィネスを感じさせる重厚なリフが鳴り響き、生きることへの問いを投げかける六(Vo)の言葉が、激しいサウンドとともにフロアへ突き刺さる。

myu(G)がテクニカルかつ鋭利なリードギターで楽曲の輪郭を切り開けば、杏(G)はその横で一音一音を確実に積み重ね、アンサンブルに揺るぎない厚みを与えていく。
リクト。(Ba)は激しいサウンドの中でも優雅な佇まいを崩さず、しなやかなベースラインでバンドの重心を支えた。
それぞれの異なる個性が音の中で結びつき、現在のグラビティが持つ強度へと変わっていく。
視覚的な華やかさに加え、音楽そのものでも観客を引き込む力を獲得した彼らへ、フロアも真正面から応えていた。
その変貌と進化を支えているのは、ステージ上で音をぶつけ合うメンバーの強固な一体感だ。楽曲を重ねるほどに、現在のグラビティが持つ音楽の強度と、揺るぎない結束が鮮明になっていった。
最後に披露したのは「C4NDY」。傷つけ合うような言葉と、甘いキャンディのイメージが歪に交錯する、強いメッセージ性を持った楽曲だ。
六は攻撃的な言葉を吐き出しながら、その奥に隠された「でも君にだけは気づいて欲しかったな」という切実な思いを、感情を剥き出しにした声で浮かび上がらせていく。
「曲がった口の奥に残った飴まで」という言葉が響く頃には、楽曲に描かれた痛みも未練も、逃げ場のない熱となって会場を満たしていた。

観客へ理解を求めるより先に、まず自分たちの音楽を真正面から突きつける。グラビティは現在の自分たちが信じる音楽を見せつけ、堂々とステージを去った。
10.ザアザア
場数を重ね、大舞台を知り尽くしたバンドだけが持つ貫禄。それと同時に、ほかの誰とも重ならない異様なまでの独自性。ザアザアのステージには、その両方が共存していた。
この日の4人はスーツ姿。シンプルな装いによって音楽性とパフォーマンスがより鮮明になり、かえって彼らの持つ異質さが際立って見えた。
中でも一葵(Vo)は、ステージの中心に立っているだけで視線を引き寄せ、会場の空気を自分のものへ変えてしまう。
端正なスーツ姿と、その内側から滲み出す不穏な存在感との対比もまた、ザアザアの世界をより強烈なものにしていた。
ライヴは「カミソリ」からスタート。一音目から、そこはすでにザアザアの世界だった。
知名度の高い楽曲ということもあり、フロアからは大きな反応が上がる。
零夜(Ba)はアグレッシブなベースラインで楽曲の底を激しく揺らし、亞ん(Dr)は技巧という言葉さえ不要とばかりに、全身でドラムをぶっ叩く。
その一打ごとに衝動がむき出しのまま放たれ、ステージの熱をさらに押し上げていった。

しかし、彼らが作り出した空間は「会場を巻き込む」という言葉だけでは表しきれない。その場にいた一人ひとりが、ザアザアの世界へ自ら足を踏み入れ、そこに流れる歪んだ空気まで楽しみ尽くしていた。
そして最後に披露されたのは「せめてもの世界」。春芽(G)の印象的なギターテーマから始まり、いつかすべてが壊れてしまう世界で、それでも心だけは消えずに残ってほしいという切実な願いが歌われる。
それまで衝動を剥き出しにしていた演奏が、一葵の声を中心に一つの大きな感情へと収束していく。

ザアザアが出演したのは、この東京公演のみ。それでも、この曲が会場へ残した感触は、全6公演を巡ってきた<夏の行方FES2026>そのものの終わりを、初めて強く意識させるものだった。
彼らの音に包まれながら、「この夏も、もうすぐ終わってしまう」。そんな空気が、静かに会場へ漂い始めていた。
11.DIV
そして、<夏の行方FES2026>の大トリを務めるDIVがステージへ登場した。
ライヴの幕開けを告げたのは「イケナイKISS」。
2015年、同じSpotify O-EASTで開催されたワンマンライヴ<KISS or KILL>と同じ楽曲で始めるという、過去を知るファンにとっては心をくすぐる選曲だ。
あの頃から何が変わり、何を変えずに持ち続けてきたのか。そして、この先のDIVはどのように変わっていくのか。そんなことを自然と考えさせるライヴが始まった。

2曲目は、バンドの代表曲であり、イベントのタイトルにも掲げられた「夏の行方」。
「会場を夏にしてくれるか」
CHISA(Vo)の呼びかけから楽曲が始まると、イントロから大きなモッシュが巻き起こる。出演者たちがつないできた一日の熱を受け取り、フロアはイベントのラストにふさわしい盛り上がりを見せた。

MCでCHISAは、<夏の行方FES2026>が素晴らしいイベントツアーになったこと、あっという間に終わってしまい、もっと多くの会場で開催すればよかったと思うほど楽しい時間だったことを語った。

続いて披露されたのは、DIVの最新曲「ラストレインブルー」。イベントの総指揮を務めたsatoshi(Dr)が原曲を制作し、現在のDIVを映した楽曲でもある。
離れることを受け入れながら、ともに歩いてきた時間を抱きしめ、その先へ進もうとする歌。そこに描かれている別れは、この日で終幕を迎える<夏の行方FES2026>の姿とも静かに重なっていた。

「BUTTERFLY DREAMER」では、satoshiの鋭いキックと畳みかけるようなドラムフレーズを軸に、DIVらしいヘヴィネスをフロアへ叩きつける。
「LOVE IS DEAD」では、ちょび(Ba)がコール&レスポンスを先導し、ファンとの強固な一体感を生み出した。そして「ANSWER」では、現在の4人が掲げるメッセージをまっすぐに提示した。

本編最後の曲は、「夏の行方」と並ぶDIVの夏曲「Point of View」。
軽快でメロディアスなギターテーマを将吾(G)が奏でると、ファンが大きな手拍子で迎える。会場に広がる晴れやかな音とは対照的に、終わりが近づいていることへの寂しさも、次第に濃くなっていった。

アウトロでCHISAは、ファンへ率直な思いを伝えた。
「最高の夏が終わっちゃうのがめちゃめちゃ寂しいです。DIVがやったツアーの中で一番楽しかったです。ありがとうございます」
最後の音が鳴り終わる。
しかし、この日の“夏の行方”には、まだ続きが残されていた。

12.GRAND FINALE
DIVのステージを終え、CHISAとsatoshiが出演者たちを一組ずつステージへ呼び込んでいく。
最初に登場したのは、ORSEASのLUM.(Vo)とくろ(G)。LUM.が「とても素敵なイベントでした!」と感想を伝えると、
satoshiは、そのトレードマークでもある高く立った襟に触れ、「今日も襟が素敵に立っておりますね!」と返した。

透明少女からはnao(Vo)が参加。satoshiが「僕ら、似てるって噂なんですけど、どうですか?」と問いかけ、どこか似た佇まいを持つ二人のフランクな会話が会場を沸かせる。
Chantyから登場したのは、芥(Vo)とshota(Dr)。芥は「愛に溢れた素晴らしいフェスだったと思います!」と、この日を振り返った。
BabyKingdomからは咲吾(Vo)が参加。DIVのリハーサルを見学していた際、「将吾さん」と呼ばれるたびに、自分が呼ばれたのかと思って反応してしまったという、同じ名前ならではのエピソードを明かした。
続いて呼び込まれたのは、蛾と蝶の奈羽(Vo)。
実は、このGRAND FINALEは奈羽の提案をきっかけに実現した企画だった。
satoshiが「奈羽さんが提案してくれなかったら、きっとこの企画はなかったです」と明かすと、奈羽は「やったぜ!」と喜びを表す。
さらにsatoshiが「みんなで奈羽さんにありがとうって言おう!」と呼びかけると、フロアから大きな「ありがとう!」が返された。
ビバラッシュからは、るいまる(Vo)が登場。
「やっほー! みんな盛り上がってる!?」
その呼びかけに客席が大きな歓声で応えると、satoshiはCHISAにも「CHISAも盛り上がってる!?」と問いかける。CHISAも観客と同じように声を上げ、ステージとフロアに笑顔が広がった。
THE MADNAからは、涼太(Vo)がテキーラを手に登場し、将吾(DIV/G)と乾杯する一幕も。
「夏の行方FES最高!」
そう叫ぶ涼太へ、satoshiが「また夏の行方FESやる?」と尋ねる。涼太が迷うことなく「やろう!」と答えると、satoshiは「約束だ!」と言葉を返した。
その短いやり取りには、この日が単なる終着点ではないことが表れていた。
グラビティからは、CHISAと親交の深い六(Vo)が参加。
ステージ上で奈羽へ「初めまして」と挨拶する場面もあり、<夏の行方FES>がバンドとファンだけでなく、出演者同士の新たな出会いを生む場所であることを感じさせた。
最後に呼び込まれたのは、ザアザアの一葵(Vo)と亞ん(Dr)。
「ザアザアから一葵さんです!」satoshiがそう紹介した瞬間、勢いよく飛び出してきたのは、なぜか亞んだった。
「かかってこい! お前らの夏の行方はここにあるぞ!」
その叫びに続いて、一葵がゆっくりと登場する。
CHISAがセンターのお立ち台に置かれていた眼鏡について尋ね、それが一葵のものだと分かると、CHISAがその眼鏡をかける一幕もあった。
出演者たちがステージへ揃う中、移動のためすでに会場を後にしていたまみれたへも、CHISAとsatoshiから改めて感謝が伝えられた。
演奏の準備が進むステージ上では、るいまると涼太がキスを交わし、客席から大きな歓声が上がる。
笑い声と会話が絶えない光景からは、出演者同士の距離が、この一日を通して確かに縮まったことが伝わってきた。

「全員で行こうぜ! 夏の行方!」
その言葉とともに、GRAND FINALEが始まった。
DIVの演奏に、くろ、shota、亞んも加わる。CHISA、LUM.、nao、芥、咲吾、奈羽、るいまる、涼太、六、一葵が、DIVの「夏の行方」をそれぞれの声で歌い継いでいった。









同じメロディと言葉が、歌い手によって次々と異なる表情へ変わる。
ステージ上の出演者も、フロアを埋めた観客も、見渡す限り笑顔だった。
この景色こそが、<夏の行方FES>なのだ。
2年にわたって探し続けてきた“夏の行方”の答えがあるとすれば、それはきっと、この瞬間、この場所に生まれた笑顔そのものだった。
曲が終わると、再び亞んが動き出す。
マイクを手にした亞んは、「夏の行方FESありがとう!」と、まるで主催者のような勢いで叫んだ。
「satoshiさん、めっちゃ良かったですよ! 楽しかった!」
そう伝える亞んへ、satoshiが尋ねる。
「亞んちゃん、また夏の行方FESやったら出てくれる?」
「もちろん出るぜ!」
「じゃあ、次の夏の行方FESでまた会いましょうね」
「もちろん! お前らの夏の行方はここにある!」
大きな歓声に包まれる中、亞んは最後に「みなさん、そしてDIVさん、ありがとうございました!」と感謝を伝えた。
そして、なぜか手をつないだままステージを後にするsatoshiと亞ん。
二人の後ろ姿へ笑いと歓声が送られる中、全6公演にわたって開催された<夏の行方FES2026>は終幕した。
終演後、2年連続でイベントの総指揮を務めたsatoshiは、「最後に残ったのが、たくさんの笑顔と『またやろう』という言葉だったことが、このイベントの答えだった気がします」と綴っている。
出演者は、それぞれの個性を一つの色に染めることなく、自分たちの音楽と表現を持ったまま、この場所に集まった。
そして最後には、ステージと客席の境界を越えて、同じ曲の中で笑い合っていた。
GRAND FINALEは、単なる出演者セッションではない。
各地で生まれた出会いと、全6公演を巡ってきた時間が、一つの景色として結ばれた<夏の行方FES2026>の答えだった。
“夏の行方”は、どこかに用意された目的地ではない。ともに音を鳴らし、笑い合う人たちの間に、そのたびに生まれる景色なのだろう。
次の約束を急いで形にすることなく、それでも「またやろう」という言葉と、次の笑顔を探すための余白を残して、<夏の行方FES2026>はその幕を閉じた。
写真:Ray favian、
文:一ノ瀬塔也
SET LIST
夏の行方FES2026 -TOKYO FINAL-
2026年8月20日(木) Spotify O-EAST
SET LIST
1:ORSEAS(オープニングアクト)
M1. 月影ラヴドール
M2. 静世界~新解釈ザ・ワールド~
M3. ECLIPSE
2:透明少女
M1. 雨と涙
M2. 読めない彼女
M3. アイスクロール
M4. 秘密
M5. さぬきバックドロップ
3:蛾と蝶
M1. アゲハ
M2. エンドロール
M3. 奈落ノ翅
M4. 躍る。
M5. 極楽蝶
M6. 雨宿り
4:まみれた
M1. 隣の席の卑猥ちゃん
M2. もしもし
M3. 死因:無視
M4. お邪魔します
M5. 四畳半のバビロン
5:ビバラッシュ
M1. 踊らされた人生
M2. アゲマインド
M3. メラメラ⭐️オキニ
M4. ウチのママがスピってる!!!!
M5. 神ノミゾ知ル
6:BabyKingdom
M1. CALAVERAS
M2. めっちゃアーメン
M3. ROYAL×FLASH
M4. SEIMEI
M5. FUNNY∞CIRCUS
7:THE MADNA
M1. OUTLAW
M2. サディスティック・トルパネーション
M3. HYSTERICAL
M4. ビューティフルワールド
M5. BLUE STAR
8:Chanty
M1. -yureru-
M2. 累々
M3. 透明人間
M4. アイシー
M5. 衝動的少女
M6. 微熱
M7. やんなっちゃう(ワンコーラス)
9:グラビティ
M1. プワゾン
M2. D for U
M3. 僕らSCRAPER
M4. BABY
M5. C4NDY
10:ザアザア
M1. カミソリ
M2. どす黒い
M3. ラブレター
M4. 蜘蛛の糸
M5. せめてもの世界
11:DIV
M1. イケナイKISS
M2. 夏の行方
M3. ラストレインブルー
M4. BUTTERFLY DREAMER
M5. LOVE IS DEAD
M6. ANSWER
M7. Point of View
12:GRAND FINALE
M1. 夏の行方(DIV)
<GRAND FINALE参加メンバー>
DIV
LUM.(Vo)/くろ(G)(ORSEAS)
nao(Vo)(透明少女)
芥(Vo)/shota(Dr)(Chanty)
咲吾(Vo)(BabyKingdom)
奈羽(Vo)(蛾と蝶)
るいまる(Vo)(ビバラッシュ)
涼太(Vo)(THE MADNA)
六(Vo)(グラビティ)
一葵(Vo)/亜ん(Dr)(ザアザア)
関連リンク
ORSEAS https://orseas.jp/
透明少女 オフィシャルサイト https://tomeishojo.wixsite.com/official
蛾と蝶 オフィシャルサイト https://gatochou.bitfan.id/
まみれた オフィシャルサイト https://mamireta.ryzm.jp/
ビバラッシュ オフィシャルサイト https://vivarush.jp/
BabyKingdom オフィシャルサイト https://babykingdom.jp/
THE MADNA オフィシャルサイト https://themadna.com/
Chanty オフィシャルサイト https://chanty.jp/
グラビティ オフィシャルサイト https://gravioffi.com/
ザアザア オフィシャルサイト https://xaa-xaa.site/
DIV
オフィシャルサイト http://div-official.net/
オフィシャルYouTube Channel https://www.youtube.com/@DIVOfficialChannel
オフィシャルX @div_official_
メンバーX
CHISA: https://twitter.com/acme_chisa
将吾: https://twitter.com/acme_shogo
ちょび: https://twitter.com/TGZMN_chobi
satoshi: https://twitter.com/satochiroru


